過去編の後しばらく失速気味だった「ブラスレイター」ですが、また盛り返してきたのかもしれません。
ロボット物になってしまうのかと心配していましたが、今回も人間ドラマでしっかり魅せてくれました。
さらに、戦闘シーンのカメラワークも相変わらずすごかったです。
制御が利かなくなった自分の体が、いつかアマンダを傷つけてしまうかもしれない。
そう言って怯えるヘルマン。
もうヘルマンという男は死んでしまったんだと、かたくなにアマンダを拒絶します。
アマンダはそんなヘルマンを最後まで信じると言い切ります。
さらに、かつてゲルトのことを強く信じ続けたように、今度は自分自身のことを信じてほしいと頼みます。
駄目押しで、アルとブラッドも最後の瞬間まで人間であろうとし続けたんだと、ヘルマンを説得。
そしてついに、ヘルマンは気付きます。
「俺は一番肝心なところを忘れてた。
どんなことがあっても、俺は最後までXATの一員だ。
そのくらいの意地通さなきゃ、アルとブラッドに申し訳がたたねぇ」
この一連のシーンはアマンダとヘルマンが再びXAT隊員として生きていくことを確かめ合うとても重要な場面だと思います。
時間的には5分にも満たないシーンです。
一歩間違うと、ヘルマンが考えを変えてアマンダを受け入れることに違和感が出てしまっていたかもしれませんが、第1クールでじっくり時間をかけて描かれたチャンプ・ゲルトに対するヘルマンの強い想いがここに来て活きてきました。
そのおかげで、最小限のセリフと時間で説得力が出るだけでなく、感動まで引き起こされる名シーンに仕上がっていたのではないでしょうか。
そして最後はこのセリフで決めてくれます。
「この体でウォルフの野郎を倒す―――お前とのツーマンセルなら、俺たちに怖いものはねぇ」
一方のツヴェルフ。
こちらはウォルフ率いる融合体の群れに苦戦しています。
今回から新種の羽付き融合体も登場し、空中戦での優位も崩れたようです。
どれほど強力な兵器を投入しようとも、たかだか3機で戦局が変わるわけはないのです。
新型機で融合体を殲滅していくなんていう展開にならなくて良かったです(^^;
戦況が不利と判断したアポカリプスナイツは、気化爆弾を投下して融合体を一気に殲滅しようとします。
ところが、投下した爆弾が狙撃され、ことごとく撃ち落とされていきます。
狙撃手はおそらく、融合体になってしまったアル。
でも彼は、最後の一発を撃ち損じてしまいます。
この直前にメイフォンが「ダメ!」と叫んでいるような画が1カット挿入されましたが、これはどういう意味があるのでしょうか?
アルが意識を取り戻してウォルフに反旗を翻すフラグ?
この最後の気化爆弾が爆発する直前、忠実なザコ融合体の一群がウォルフを取り囲みます。
なんと自らの身を挺してウォルフを庇いました。
ウォルフならそんなことをされなくても耐えられたのでしょうが、ザコ融合体たちからここまでの忠誠を示されていることにちょっと驚きました。
そしてついにジョセフが目覚めます。
体色もブルーからレッドに進化(?)しています。
その様子を察知したエレア(久々の登場!)がいち早く管区長に報告。
管区長は666の予備パーツを流用したガルム改でジョセフを出撃させて、アポカリプスナイツとともに戦わせようとします。
サーシャは当然これに反対。
そしてここで興味深い一言。
「待ってください、あのシステムは未だ未知の部分が多すぎます」
「あのシステム」とは666のシステムのことだと思いますが、これはつまり666はツヴェルフで開発したものではなく、外部から調達したということでしょうか?
その調達先はエレアの組織なのかもしれません。
結局、管区長はサーシャの意見を聞き入れてジョセフの投入を待つことに。
アポカリプスナイツ単独で現場に向かわせます。
その頃、態勢を立て直したウォルフも、生き残るためにザーギンとベアトリスに自分の力を示そうとやる気満々。
そして、アマンダとヘルマンもウォルフのもとへ。
「決着をつけてやるぜウォルフ。
てめぇが撒いたこの毒で、くたばるがいい!」
by ヘルマン
ということで、次回はシェッペリン空軍基地で壮絶な戦いが繰り広げられそうです。
次回予告でなんだか不吉なことを言っていましたが、ヘルマンは生き残ることができるのでしょうか。
![BLASSREITER VOL.9 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41Pq1qUzmYL._SL160_.jpg)
BLASSREITER VOL.9 [DVD]
公式サイト
http://www.blassreiter.com/
ブラスレイター 第17話
獣の咆哮
演出
吉沢俊一
脚本
虚淵玄
キャスト
ジョセフ 松風雅也
アマンダ 伊藤静
ヘルマン 三宅健太
メイフォン 遠藤綾
ウォルフ 立木文彦
ヴィクター 斧アツシ
エレア 花澤香菜
ザーギン 諏訪部順一
ベアトリス 大原さやか
サーシャ 生天目仁美
シドウ 石塚運昇
オペレーター1 明石香織
オペレーター2 中村公子
ラベル:ブラスレイター BLASSREITER
今日もうんうんと頷きながら拝読いたしました。
6話まではほぼメインで描写されていたヘルマンとゲルトの友情だっただけに、ほんの数秒のフラッシュバックでも、見ている方は「ゲルトォォォ!」を思い出すのに十分でしたね。
一方、ジョセフがサーシャに絡めて独白するシーンは、あれっぽっちの関わりでそんな姉さん姉さん言われても??という感じでした。
ヘルマンとジョセフでは貯金にだいぶ差があるなぁと思った次第です。
今回もヘルマンが出てきて物語が加速した印象ですし、彼が退場した後はどうなるのか、二重の意味でおっかないですね。
来週もアニミスクさんのお眼鏡に適う出来であることを願っています(アニミスクさんの記事が読みたいです!)。
サーシャを悲しみから解放するために自分はどうなろうともお前を倒す、みたいな感じでジョセフが決意を固めるのが、いまいち説得力に欠ける気がしますね。おっしゃるとおり、まさにヘルマンとの「貯金」の差が出ちゃったんでしょうね。
同じように貯金がたまっているマレクは眠り続けているようですから、ヘルマン亡き後は(って勝手に殺しちゃってますが)彼が頑張ってくれるのかもしれません。
ヘルマンほど熱い展開になりそうにないのが心配ですけど(^^;
> アニミスクさんの記事が読みたいです!
おぉ、嬉しいお言葉ありがとうございます!
もしダメだったときは「我が家のお稲荷さま。」のほうでお楽しみください(^^;