スノウ関連の話が物足りないようにも思いましたが、これ以上そっち方面の話を膨らませると収拾がつかなくなりそうなので、今回くらいでちょうど良かったのかもしれません。
今回、ウォルフは壮絶な最期を迎えます。
アルは記憶を取り戻し、最期までイイ男を貫き通しました。
ちょっとカッコよすぎるアルの生き様に涙を誘われたのは言うまでもありません(^^;
ということで、本編です。
前回ラストでスノウと出会ったアマンダ。
彼女はスノウの足元に落ちていた木彫りのマリア像に気付き、それにまつわるジョセフの過去の一端を口にします。
それを聞いたスノウは、ジョセフがアマンダのことを信用していたのだと知ります。
ジョセフが信じた人間ならば、ということで自分もアマンダを信用することにしたスノウ。
彼女は、自分はジョセフから感染したのだと打ち明けます。
そして、融合体化の過程で幻覚に悩まされる自分を救ってくれたのもジョセフだったと。
ジョセフは苦しむ自分を抱きしめて優しい言葉をかけてくれた。
「お前は悪くない
なんにも悪くないんだ
生きるんだ
生きるんだスノウ」
スノウとジョセフはしばらく一緒に旅を続けました。
でもある朝目が覚めてみると、ジョセフはスノウを残して去ってしまった。
当時はその意味を理解できなかったものの、今ならわかる。
自分を戦いに巻き込みたくなかったから、ジョセフは一人で行ってしまったのだと。
この話を聞いたアマンダは、ジョセフが強化ユニットのせいで暴走していることと、今は空軍基地にいることをスノウに伝えます。
そしてスノウは、ヘルマンがウォルフを追ってXAT基地がある街に向かっていたことをアマンダに伝えます。
それぞれが目指す人を追って別れるアマンダとスノウ。
その後、スノウはシェッペリン空軍基地に辿り着きます。
人間の姿のままでは貧弱すぎるので、ジョセフの攻撃に耐えられるよう、デモナイズしてジョセフと対峙。
暴走して凶暴化したジョセフの一方的な攻撃に対して、スノウは無抵抗を貫きます。
なんとかジョセフに正気を取り戻してもらおうと必死に訴えかけるスノウ。
過去の想い出のイメージをジョセフに送り込んでいるようです。
でも一向に効果がないので、スノウはついに人間の姿に戻ります。
死を覚悟したのかもしれません。
そんなスノウを容赦なく打ちのめすジョセフ。
スノウはついに立ち上がることすらできなくなってしまいました。
そんなスノウの口から出てきた言葉は、かつてジョセフが自分を助けてくれた時に言ってくれた言葉。
「お前は――悪くない
なにも、悪くないんだ
だから――生きていていいんだ
ジョセフ――生きていいんだ」
これを聞いてかつてのミュラー神父の言葉を思い出したジョセフは、ついに正気を取り戻します。
「やっと会えた」と喜ぶスノウ。
おまえは辛くないのかと尋ねるジョセフに対してスノウはこう応えます。
「今ある世界が望んでいた世界ではなかったとしても
今ある自分が望んでいた自分ではなかったとしても
最後まで自分にできる戦い方をして終わりたい
あたしは、ジョセフに出会ったことを一度も後悔したことはない」
ジョセフを正気に戻すためだけに出てきたような感じがして、ちょっと惜しい気もしますが、スノウの出番はここまでのようです。
彼女の想いを胸に、ジョセフはどう動くのか?
ジョセフにできる戦い方とは何なのか?
ただの寡黙な主人公を卒業して、今度こそ活躍してくれるに違いありません(^^;
一方のヘルマンは、ウォルフを追って旧XAT本部にたどり着いていました。
多数のザコ融合体の迎え撃ちにあい若干押されぎみのヘルマン。
そこにパラディンが駆けつけます。
機銃掃射でザコ融合体を蹴散らすパラディン。
「また私を出し抜くつもり?」
アマンダが現れたことで気合が入ったヘルマンも力を取り戻します。
ザコ融合体を蹴散らして一段落ついたところで余裕の一言を口にしかけるヘルマン。
ところが、そこでウォルフの一撃を受けて吹き飛ばされてしまいます。
ここからアマンダ&ヘルマンのツーマンセルとウォルフの最後の熱い戦いが始まります。
ウォルフは、攻撃力も防御力もアマンダ&ヘルマンを圧倒していますが、ついに追い詰められてしまいます。
自分たちを守って死んでいった仲間たちの想いをしっかりと胸に刻んで生きている人間と、自分が生き抜くために仲間を犠牲にしてきた男の想いの差が出てしまったようです。
ところが、アマンダが止めを刺そうとしたときに、アルの狙撃が。
アマンダの乗るパラディンが吹き飛ばされ、ヘルマンも胸を撃ち抜かれてしまいます。
ウォルフは傷を修復して復活。
そして、アマンダを仲間に引き入れようとします。
自分の血を受けて融合体となれば、ヘルマンには手を出さないと。
アルの狙撃でパラディンは損傷し、変形機構にも異常が出てしまったようで、モニターにはTRANSFORMINGの文字が点滅したまま。
いずれにしてももう助からないと感じたアマンダは、ウォルフに最後の一撃を食らわせようと、パラディンで突っ込みます。
それを阻止しようとライフルのスコープを覘くアルは、アマンダの機体に書かれた文字に気付きます。
「絆」の意味がわかったかどうかは不明ですが、その横に書かれた自分とブラッド、ヘルマンの名前を見て、ついに記憶を取り戻しました。
「ウォルフ!
てめぇだけは、てめぇだけは!
死んでも許せねぇ!」
標的をウォルフに変更。
ウォルフの頭を撃ち抜きます。
アマンダはパラディンで一撃を加え、最後はヘルマンが切り裂き、ウォルフは最期を迎えます。
状況終了。
アルは一人その場を立ち去ります。
夜明けの空を見上げて一人思いを馳せるアル。
「ったく、生き返るってのは気持ちが悪いぜ」
この言葉を最後に、アルは自分の頭を撃ち抜いて自決。
アルの最後の銃声を聞いたアマンダとヘルマンは、アルが自分でケリをつけて逝ってしまったことを知ります。
「あんなに正確に狙えるスナイパーは、他にはいない」
アルの体は光となって消え、残されたライフルには3枚のドッグタグが揺れます。
これは、アルとブラッドとレーネのドッグタグでしょうか?
記憶を失ってもこれだけは手放さなかったんですね。
今回は、いつもの激しいカメラワークは堪能できませんでしたが、それでもウォルフとの戦闘シーンが熱かったです。
ウォルフを追い詰めたアマンダが、お前を助けるために何人の隊員が死んでいったか数えたことがあるかと問いかけられて、冷静な声で「あるわよ」と即答する場面も良かったです。
ウォルフとの生き方の違いがこのセリフに込められていたように思います。
XAT隊員としてアマンダとヘルマンの2人が残りましたが、とりあえず今回でXAT関連の話にはケリがついたようです。
一番熱い連中の話が終わってしまったので、今後の展開に一抹の不安もありますが、ここまで魅せてくれたんだから最後まで楽しませてもらいたいですね。
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ブラスレイター 第19話
過去からの想い
演出
祝浩司
脚本
太田愛
キャスト
ジョセフ 松風雅也
アマンダ 伊藤静
ヘルマン 三宅健太
ウォルフ 立木文彦
アル 檜山修之
メイフォン 遠藤綾
サーシャ 生天目仁美
マレク 皆川純子
スノウ 中原麻衣
ラベル:ブラスレイター BLASSREITER