ということで、「ブラスレイター」の投稿も復活です(^^;
今回はヘルマンが熱かった。
やはりXAT隊員はこれまでの人物描写が半端じゃないだけに、ドラマが成立しますね。
今回、残念ながらヘルマンがベアトリスと相討ちになって退場してしまいましたが、その体が消滅した後に、彼の想いがナノマシンで写真として再構成されるのも感動的です。
ゲルトとの友情がヘルマンの中で大きな位置を占めていることもあり、あの峠で走った頃の思い出が強く現れるのは当然として、そのイメージに彼が最後に目に焼き付けた、目を閉じて泣くアマンダの顔がかぶさっているのが切なすぎます。
アマンダへの想いも強かったとはいえ、こういう形でしかイメージを残せないというところにヘルマンの未練が感じられますね。
ただ、この中途半端に再構成された写真も、この後数分で消滅してしまうんでしょうね。
[追記]――――――――――
よく見ると、写真に写っているアマンダの顔がわずかに動いていました。
ヘルマンが見たイメージではなくて単にアマンダの顔が反射しているだけなのでしょうか?
でも位置的には反射ではなさそうだし・・・。
ナノマシンの揺らぎ?
映画「ブレードランナー」のレイチェルの写真のような演出効果を狙ったとか?
――――――――――――――
さて本編。。。
サーシャはアンチナノマシン「イシス」のデータの持ち出しに成功しました。
イシスは諸刃の剣。
ザーギンを倒す切り札になると同時に、新たなペイルホースを開発するための基礎データにもなる。
これを悪用すれば第2、第3のツヴェルフが現れることになってしまう。
サーシャは最も信頼できるアマンダにデータを託します。
現存するイシスのデータは、サーシャの頭の中とアマンダが受け取ったメモリスティックだけになりました。
その後、サーシャはシドウとともにツヴェルフ基地に戻ります。
基地の機材を使ってイシスを完成させるために。
管区長がザーギンによってメインコンピュータと融合されてしまい、ネットワークが侵蝕されつつありますが、メイフォンが汚染区画の隔離に成功したため、ラボは機能するはずと考えているようです。
ツヴェルフ基地の大半を占拠したベアトリスは、残されたイシスの痕跡から、それがザーギンを毒殺する計画であることに気付きます。
ベアトリスはサーシャとシドウがデータを持ち出したと推測し、データを奪還するため二人を追います。
アマンダのおばの孤児院。
ヘルマンは眠り続けるマレクに語りかけます。
獲得した力に振り回されてしまうことは恐ろしいが、間違いを犯しながらでも、悩みながらでも、立ち止まらずに進めと。
最後まで正しい答えを掴めなかったとしても、そのことを覚えている誰かが答えを見つけてくれるかもしれない。だから間違いを犯したことを無駄にせず、いま自分にできることをして生きていけと。
そしてこの後、アマンダがついにヘルマンにジョセフのことを話します。
ヘルマンはジョセフの事情を理解したようですが、それでもなぜゲルトが殺されなければならなかったのか、マレクの感染にジョセフが関わっていなかったというのは本当なのか、感情的に納得できないようです。
このとき、ヘルマンは何かの気配に気付きます。
それは、ウォルフと似た気配。
ヘルマンはちょっと頭を冷やしてくると言ってアマンダと別れ、その気配の元を捜しに出ます。
場面変わって、ベアトリス。
サーシャたちを探していたベアトリスは、牧場の馬小屋の廃墟にたどり着きました。
ここでベアトリスの過去が明かされます。
ベアトリスもおそらく移民の子で、幼い頃はこの牧場に引き取られていたようです。
そして、酷使される馬を庇って殺されかけたところをザーギンに救われました。
ベアトリスが融合体になったのはこのとき。
そして、彼女が助けようとした馬が、現在ザーギンが乗っている馬。
なんと馬の過去まで判明しました(^^;
嫌な過去を思い出して気分を害したベアトリス。
ここでヘルマンと出会います。
なぜベアトリスがウォルフと同じ気配を漂わせているのか問いただすヘルマンに対して、ベアトリスはすべてを話します。
ゲルト、マレク、ウォルフの三人はすべて自分が融合体にしたのだと。
これを聞いてすべてを理解し激昂したヘルマンと、嫌な過去を思い出し機嫌が悪いベアトリスのバトルが開始。
何度見ても、ブラスレイターのバトルシーンは燃えます。
目が回るほどのカメラワークがとにかくすごい。
「貴様ごときに邪魔させるものか。ザーギン様の理想を」
「ゆずれねぇのは、てめぇだけじゃねぇ!」
両者まったく譲らない戦いの末、ヘルマンが負傷してアマンダのおばの孤児院前に墜落。
ベアトリスも手傷を追います。
アマンダは騒ぎに気付いて孤児院の外に出てきます。
その目の前でパラディンが大破炎上。
炎の中からベアトリスが現れ、アマンダに向かって「お前で最後だ」。
ベアトリスは、XAT最後の(人間としての)生き残りであるアマンダも手にかけようとします。
でも、間一髪のところでヘルマンがベアトリスに飛びつき、なんとか抑えます。
傷がかなり深かったようで、ヘルマンはベアトリスを抑えるので精一杯。
ベアトリスに一方的に痛めつけられます。
ここでヘルマンはマレクの名を叫びます。
眠り続けるマレクは、自分の殻の中で悩み続けていました。
でも、ヘルマンの「間違いを無駄にするな」という言葉に救いを見出したようです。
ヘルマンの叫びを聞いてついに目覚め、ヘルマンと共闘して、ベアトリスを倒します。
でもここで、ベアトリスの最後の一撃からマレクを庇ったヘルマンも最期を迎えることに。
涙するマレクを前にし、アマンダのひざの上に抱きかかえられながら、ヘルマンは最後の言葉を口にします。
「なぁマレク・・・こんな俺だがよ・・・もしかしたら、いい兄貴になれたと思うか」
うなずくマレク。
「そうか、ありがとよ・・・これでやっと言えそうだ・・・アマンダ・・・」
光となって消えていくヘルマン。
最後までその想いをアマンダに伝えることはできませんでした。
そして残された灰の中から「写真」が再構成されていきます。
この写真、最初はなぜ現れてくるのか分かりませんでしたが、アマンダの顔がうっすらと映っているのに気付いた時に理解できました。
うまい演出に思わず感心してしまいました。
そして最後は、国連軍が動き出したところで終了。
残り2話でどう締めるのか、なんだか別の意味でドキドキしてしまいます(^^;
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ブラスレイター 第22話
届かぬ想い
演出
友田政晴
脚本
虚淵玄
キャスト
アマンダ 伊藤静
ヘルマン 三宅健太
メイフォン 遠藤綾
サーシャ 生天目仁美
シドウ 石塚運昇
ザーギン 諏訪部順一
ベアトリス 大原さやか
マレク 皆川純子
研究員 高橋研二
牧場長 伝坂勉
ラベル:ブラスレイター BLASSREITER
後2話でどれだけ生き様見せてもここまで寝られちゃザーギン倒すためにしょうがなく生かしておいたとしか思えませんね。
最初はゲルトを押し出して主人公が誰だかわからない構成でジョセフの描写を遅らせ続けたつけを解消出来ぬまま不良在庫化して最終話で一掃セール行うしかない状態になったって感じです。
ガンダムSEEDDestinyもそうですけど結局主役を序盤で立てておかないと後になっても決して取り返せないで主役を交代させる事態に陥ることの証明になったと思います。
「ジョセフ=主人公」としての見せ方が普通じゃないのは否定しようがありませんね。ジョセフの行動原理が視聴者に理解しづらかったことは致命的なミスで、この点については見せ方を完全に失敗していると思います。残念ながらガンダムSEED Destinyは見ていないので、それとの比較はできませんけど。
ただ、自分としては、主人公を1人に決めない群像劇的な構成だったんだと好意的に解釈して、この点には目をつぶることにしました(^^; ジョセフが表に出てこなかったおかげで、ゲルトやXATの人間側のドラマが堪能できたんじゃないかなと。ジョセフが主人公としてではなく、重要な登場人物の1人として、板野監督が表現したかったものを最後にしっかり示してくれればとりあえずOKです(シリーズ構成的な意味で不満は残りますけど)。