2008年11月29日

今週の一本(2008/11/23~11/29)―『のだめカンタービレ 巴里編』第8話

マルレ・オケの演奏終了直後から始まった今回。
大失敗に落ち込む千秋をRuiが励まします。
「誰だってあるわよ。
うまくいかないことなんて」

千秋を慰めながらアパルトマンまでやってきたRuiは、のだめを交えて三人で千秋を励ますために打ち上げをやろうと提案します。
でものだめは、翌朝早く起きなければならないから二人でやってほしいと参加を断ります。
のだめの反応はRuiがやってきてから(?)ちょっと変わったような。
以前のように我が道をひたすら突き進むという勢いがなくなりましたね。

Ruiは残念そうに「わたし今日のだめさんと寝ようと思ってたのに」
対するのだめは「すみません。今日は千秋先輩と寝てください」と、どこまで本気なのかよくわからない危ない発言。
このへんのとっぴな言動は変わっていないようです(^^;

そこにRuiの母親が登場。
いきなりRuiを平手打ちします。
約束していたはずのピアノの練習もせずに、千秋の部屋に入り浸っていると思い込んでいるようです。
Ruiは部屋探しをしていたからだと言い訳しますが、母親は聞く耳を持ちません。
Ruiをアメリカに連れ帰ろうとします。
Ruiはどうしても自分で部屋を探したいと言い張ります。
でも母親は、部屋探しはマダム・ベルーにお願いすればいいと言ってRuiの要望を却下。
約束を守れないなら9月からの留学は取り消すと言ってRuiを連れ去ります。

あっけにとられる千秋とのだめ。
このときのだめの手が微かに震えています。
有無を言わさずRuiを連れ帰る母親を見て、かつて自分が子供の頃に通っていたピアノ教室でのしごきを思い出したのかもしれません。

その後、千秋は、1年前のRuiに関する記事をのだめに見せます。
カーネギーホールでのRuiのリサイタルについて「表現の底の浅さが露呈した」と酷評する記事。

冒頭のRuiの言葉には、自分自身の行き詰まりに対する慰めの意味も含まれていたようです。
パリへの留学を決意したのも、新しい世界に飛び込んで新しいことをたくさん経験して、表現の幅を広げようという思いがあったからなのでしょう。
前回のだめが池に落ちて水が飛び散る様子を見てハッとしたのも、これまで自分が生きてきた世界ではありえない光景を目の当たりにして衝撃を受けたためだったのかもしれません。
第6話での「私、自由が欲しかった。友達。出会い。ときめき」というセリフの本当の意味もこれではっきりしたように思います。

不自然なほど明るく振舞っているように見えたRuiが、実は大きな葛藤を抱えていたのだと知ったのだめは、自分の現在の足踏み状態と重ね合わせてRuiに同情し、しんみりしてしまいます。
でも千秋がすかさずのだめを励まします。
「振り回されんな。
お前は急上昇志向が強いし、
あの学校じゃ若い方じゃないし、
焦るのも分かるけど、
でも、お前が今まで過ごしてきた時間は絶対無駄なんかじゃないから」

ちょっと気を取り直したのだめは、今日のコンサートは面白かったと言い出します。
千秋の様子も、まさに魔法使いの弟子のように焦っていて面白かったと。
これはもしかして、のだめなりに千秋のことを励まそうとしたのでしょうか(^^;

のだめはさらに、いつかは自分もオーケストラにピアノで参加したいと呟きます。

それを聞いた千秋は「じゃあ、いつかお前とコンチェルトやったとき、ゴールデンペアと言われるよう、オレも頑張らないとな」
千秋の愛の誓い?


翌日。
千秋は、マルレ・オケ再建に向けて動き出します。
自分の音楽表現の参考にするため、マルレ・オケのライブラリーでシュトレーゼマンが使った奏譜をチェック。
そして、書き込みの多さに驚きます。
さらに、シュトレーゼマンが作曲した曲も発見。
1回演奏しただけでお蔵入りになったようです。
そのときシモンの声が。
テオに作らせていたオーディションの団員募集要項を確認しに来ました。
シモンも何気にオケ再建のために動いているようです。
テオは、この日程ではデプリーストが来られないと言いますが、シモンはデプリーストのことを認めていないので、この日程でオーディションを強行するようです。
それを聞いていた千秋は、自分も審査に参加すると言ってライブラリーから出てきます。
驚くシモンに向かって「デプリーストさんがオレに頼むって言ったんで」
テオは心の中で叫びます。
「うそだーーー」

その頃、練習を終えたヤキトリオは、焼き鳥レストランで反省会を開いていました。
演奏方法について意見がまとまらないので、黒木くんが誰かに聴いてもらおうと提案します。
千秋に演奏を聴いてもらうことにした三人は千秋のアパルトマンへ。
部屋に戻っていた千秋を見た黒木くんは、千秋が疲れているようなので今日はやめにすると言いかけますが、千秋は黒木くんの立場をとっさに理解したようです。
普段はのだめとポールに押されて2対1の苦しい立場にある黒木くんですが、千秋が味方についてくれたことで、とりあえずこの場は2対2の対等な関係に持ち込めそうです。

ヤキトリオの演奏を聴いた千秋は、ポールのバソンがとてもうまいことに気付きます。
黒木くんの腕もさらに上がっている様子。
のだめだけはいまいち調子が悪いようです。
ここでポールが黒木くんの演奏にダメ出し。
「ここはねっとり、切なく」と午前中の練習とはまったく違うことを言い出します。
黒木くんは適当な言いがかりと受け取ったようです。
でもポールは「今は朝より天気が悪いんだよ。楽器の調子も変わるし気分も変わる」
どうやらのだめと同じく感性のままに演奏するタイプ(?)のようです。
のだめと気が合うのも納得。
のだめは、二人のボケと突っ込み具合が今演奏している曲の感じに似ていると言って、関西人のノリで演奏を始めます。
テンポが速くて黒木くんとポールは大変そうでしたが、このほうがしっくりくる音になったようです。
千秋も納得する演奏でした。

演奏終了後、千秋は黒木くんをマルレ・オケのオーディションに誘います。
この話にポールが乗ってきますが、バソン奏者は募集していないことを知って大ショック。
フランスの伝統あるオケになぜバソンがないんだと嘆きます。
バソンは扱いにくいのでファゴットに変わるようです。
シモンの希望でしょうか?
これには千秋も驚いているようです。
千秋はポールも誘おうとしますが、「ポールは・・・ま、いいか」
黒木くんはオーディションを受けてみると言ってくれます。
でもそれは、今度の試験でトレビアンを取ってから。
彼にとってはそちらのほうが「本業」なので、これは当然ですが、
「千秋くんと今度はフランスのオケか。
いい目標ができた」
と、けっこうやる気はあるようです。

一方、Ruiは、これまで迷惑かけたことと母親の無礼な振る舞いについて、アメリカに帰る前に千秋とのだめに謝りに行くことを許可されます。
もらえた時間はたった30分だけでしたが。
アパルトマンにやってきたRui。
その耳にピアノの演奏が飛び込んできます。
とっさに千秋の演奏かと思いますが、ターニャの一言で千秋が窓を閉めるのを見て、弾いているのがのだめだと分かります。
そういえば、Ruiがのだめのピアノを聴いた描写はこれまで一度もなかったですね。
Ruiはのだめのピアノのうまさに衝撃を受けたようです。
のだめがピアノの練習に励んでいることと、自分にはない無邪気さを持っていることを思い出したRuiは、のだめへの対抗心 or 危機感を抱いた様子。
千秋とのだめに会わずにそのまま引き返してしまいます。

のだめの試験。
のだめは試験官を混乱させる「サーカス」を演じます。
一人の試験官は、個性的な演奏だけどやりすぎは良くないと言い、もう一人は大胆な演奏で面白かったと言う。
そしてもう一人、オクレールは、レッスンではちゃんと弾けていたのに・・・むらっけがあるのかな・・・。
ここで女性試験官が呟きます。
試験というよりリサイタルを聞かされた気分だと。
オクレールはこれを聞いて、何か思いついたようです。

試験結果を確認するのだめ。
結果はトレビアンでした。
ここでのだめはオクレールに呼び止められます。
どうやら今度の夏休みにブルターニュの教会でリサイタルを開くことになったようです。
オクレールがアレンジしてくれたみたい。
白い王子(千秋)と黒い王子(ジャン)の対決に見事勝利して千秋が手に入れた車が早速役立つことになるのかも。
前回の感想で、今期はのだめが活躍する場面はないのかもしれないと書いたばかりですが、さっそく出番が回ってくるようです。

ということで、今回はこれまで以上にいろんな出来事が盛り込まれていました。
それにも関わらず、詰め込み過ぎという感じがまったくしなくてとてもよかったです。
いつものことながら話の組み立て方がうまいですね。

のだめカンタ-ビレ 巴里編 【初回限定生産版】 第3巻 [DVD]
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公式サイト
http://www.nodame-anime.com/

のだめカンタービレ 巴里編 第8話
Leçon 8 千秋とのだめの再出発

演出
太田知章

脚本
榎戸洋司

キャスト
野田恵   川澄綾子
千秋真一  関智一
黒木泰則  松風雅也
フランク  浅沼晋太郎
ターニャ  伊藤静
孫 Rui   大原さやか
ユンロン  日野聡
テオ    興津和幸
ポール   保村真
シモン   津田英三
オクレール 清川元夢
ジャン   森川智之
並木ゆうこ 進藤尚美
Ruiの母   須藤絵里花
男性教師  御園行洋
女性教師  新田万紀子
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