2008年12月07日

今週の一本(2008/11/30~12/6)―『屍姫 赫』第10話

今回はマキナが追っていた屍の姿が明らかになりました。
光言宗という宗教団体もなにやら胡散臭そうなにおいがプンプン漂ってきます。
オーリが普通の人間とは違う存在だということをうかがわせるような描写もありました。
なんだか回を増すごとにどんどん面白くなってきているような。


前回、本山に行くと言って出かけた景世は、検査のため無理やり入院させられてしまったようです。
でも、ミナイの処分について問いただすために莉花の制止を振り切って病室を出て行こうとします。
そこに騒ぎを聞きつけた高峰宗現(たかみねそうげん)と彼の屍姫・轟旗神佳(とどろきかみか)が現れます。
景世がさっそくミナイのことについて尋ねると、ミナイは監査官によって処分されたと神佳が答えます。
景世はさらに、なぜ監査官がマキナたちより早くミナイを処分できたのか尋ねます。
この質問への答えがないので、景世は、それなら知っている人間に聞くと言って病室を後にします。
宗現の指示で神佳がその後を追います。

景世が向かった先は、紫央(しおう)権大僧正の所。
紫央は景世の質問に答えようとはせず、何も言わずその場を去ろうとします。
でも景世は諦めず、さらに食い下がります。
そこに日本刀を突きつけて立ちはだかる神佳。
景世は「最強の姫さんに逆らう気はないよ」と言って、これ以上問い詰めることを諦めます。
屍姫の強さを測る尺度というのがどういうものなのか分かりませんが、神佳が最強の屍姫のようです。
それを見た紫央は不敵な笑みを浮かべます。
彼は光言宗のナンバー2のようですが、第7話での言動といい、この表情といい、何か腹黒さを感じさせます。

と、ここで光言宗のナンバー1、神生真世(かみうしんぜ)大僧正が登場。
その場にいる全員がひれ伏すほど、絶大な権力を持っているようです。
お供の僧が騒ぎを咎めますが、神生真世はそれを制止し、なぜか景世のもとへ。
しかも景世の前にしゃがみこんで語りかけます。
彼は、オーリがミナイを監査官の元に導いたことに感謝します。
思わぬところから情報が漏れてしまい、紫央と本多は苦い顔。
そして景世は、オーリのバイト先のパルテノンのマスターが監査官だと気付きます。

場面変わってオーリの学校。
オーリといつもの面々が教室でくつろいでいます。
そこにお胸様こと春日望がやってきます。
オーリを図書室に連れて行く望。
彼女は、いろいろな雑誌が並んでいる中から週刊誌を手に取り、オーリに差し出します。
そこには「死を克服した神の生まれ変わり!?」という見出しで新興宗教の記事が掲載されていました。
オーリは、ソファーに腰掛けてその記事を読みます。
記事には、火の中で焼かれた僧を再生させて、不死の力を示す大谷塚(おおやづか)教祖についての話が書かれていました。
オーリが記事を読み終えたとき、ソファーの後ろに立って待っていた望が語りかけます。
「一度死んで蘇るって、マキナさんと似ていませんか?」
振り向いたオーリの視線の先には大きな「お胸様」が!
顔を赤らめて照れるオーリ。
なんだかどうでもいいところで演技が細かいです(^^;

オーリは、どうしてこんな記事を見せるのか尋ねます。
望の答えは「この宗教に入ったら、マキナさんと同じになれるのかなって。。。」
やはり望はいずれ屍(屍姫?)になってしまうのでしょうか?
彼女はこの教団に一緒に入ろうとオーリを誘います。
そんな彼女にオーリは、マキナのことは諦めたほうがいいと忠告します。
でも望は、もしかしたら明日には死んでいるかもしれないと考えると、どうしてもマキナのことを思い出してしまうとため息。
「大丈夫だよ。
春日さん、そんなにかわいいのに死ぬわけないよ」
望は、オーリが何気なく口にした一言に驚いて頬を染めます。
オーリも、つい本心が出てしまい赤くなってしまう。
なんだか青春している二人でした(^^;
もしかしてオーリはフラグを立ててしまったのでしょうか?
望はマキナを諦めてオーリを追うようになるのかも。。。

その後オーリは、大谷塚の教団なら屍を救う方法が見つかるかもしれないと考えて、一人で永久生命研究教団を訪れます。
そこには永遠の命と財宝に心を奪われたおばさんたちの集団がいました。
オーリを入会させようと熱心に誘います。
考えておくと言ってその場から逃げ出すオーリ。
「なんか、やけに俗っぽいな。ちょっと違ったか」
そんな彼の前に謎の少女が現れます。
彼女の目には世界が歪んで見え、立ち話をしているおばさんたちもただの木(?)に見えているようです。
でもオーリだけは歪むことなく普通に見えています。
オーリは普通の人間ではないのでしょうか?
少女は何か別の出来事を感じ取り、走り去ってしまいます。

その頃、大谷塚のもとには三人の謎の人物が。
大谷塚が屍を使って不死を演出し、金儲けしていることを快く思っていないようです。
謎の人物①が「ショーは終わりだ」と言って大谷塚に近づこうとすると、大谷塚が突然炎を出現させます。
さらに木を生えさせて、近づこうとした男をその木の中に封じ込めてしまいます。
それを見ても三人の人物はまったく驚く様子がありません。
謎の人物②は、その様子に感心します。でも、どこか大谷塚を見下しているような様子。
謎の人物③は「これは呪いだね」と冷静に分析。
大谷塚は、自分は口にすることが本当になるという呪いを身に付けた屍なんだと本性を明かします。
大谷塚は、この謎の人物たちが光言宗の関係者で、自分を処分しに来たと思っているようです。
ところが、彼らは光言宗とは無関係の様子。
単に大谷塚の行動が気に入らなくて始末しようとしているようです。
謎の人物①「屍は己の妄執のまま殺戮を楽しむべきだ。聖者の真似をして金を溜め込むなど愚の骨頂」
謎の人物③「まして、ほかの屍の自由を奪うなんて」

謎の人物①は難なく木を破壊して束縛を解き、再び大谷塚のほうに歩き出します。
大谷塚「死ね!我が呪いの力をもってして命じる。死ねー!」
謎の人物①「すまないな。とっくに死んでいるんでその命令はキャンセルだ」
どうやら彼らも屍だったようです。
大谷塚は謎の人物①の最初の攻撃をかわしますが、その目の前に、先ほどオーリの前にいた謎の少女が現れます。
どうやら彼女も屍のようで、一撃で大谷塚を始末してしまいました。

謎の人物②「やりすぎだぜ」
謎の人物①「これでいい。また恐怖とともに我らの名が知られることになる。屍とは未練、妄執を超えた『死』そのものであると」


純喫茶パルテノン。
いち早く景世の気配を感じ取った貞比呂は、店のドアに鍵をかけます。
その直後、景世がドアの前にやってきます。
自分はオーリの身内だと言って開けてもらおうとしますが、貞比呂は閉店だと言って取り合おうとしません。
でも景世はその声を聞いて、彼が誰なのか分かってしまいました。

景世は、ドア越しに貞比呂に語りかけます。
オーリをこちらの世界に近づけないよう協力してくれと。
貞比呂は「憶えておこう」と言うのみです。
景世は「頼む」の一言を残し立ち去ってしまいます。


再び場面が変わり、赤紗がどこかの建物を訪れます。
そこの柱には「七星」の文字が。
その文字のとおり7人の人物が赤紗の前に現れます。
大谷塚を始末した4人と、新たに3人の屍。
謎の人物①が、赤紗が自分の前に現れたことを驚き、それに対して赤紗が苦い表情をしているところを見ると、5年前に討伐隊を壊滅させた強力な屍とは彼らのことなのかもしれません。
赤紗の運命を変えた屍たち。
赤紗の彼らに対する憎しみは相当に深いはずです。
でも、赤紗は彼らの協力を仰ぎに来ました。
赤紗の目的は屍姫をこの世から消すこと。
7人の屍たちも光言宗を壊滅させることを望んでいるので、当面の利害は一致するようです。

ここで謎の人物の名前が一部判明。
彼ら七人は「七星」と呼ばれる集団で、謎の少女は「北斗」、謎の人物①は「狭間」というようです。
赤紗は狭間が七星のリーダーだと思っていたようですが、実際は北斗がリーダー。
七星は北斗を輝かせるためにあり、北斗とは屍そのもの。北斗は世界の理(ことわり)の体現・・・だそうです。
屍の存在に関わるすべての謎が北斗にあるということでしょうか?
北斗が最初の屍なのかもしれません。

今回、マキナの悪夢で、星村家が屍に襲われたときの様子が少しだけ明かされました。
そのときの屍の中に北斗と狭間もいました。
マキナ自身も自分が追っている屍が七星なのだとはっきり認識しているようです。
ついに本当の敵が現れたということですね。
赤紗だけでは敵としてインパクトが弱かったので、やっと本番が始まったといった感じでしょうか。
光言宗と七星の関係(があるのかな?)も気になるところです。

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公式サイト
http://www.starchild.co.jp/special/shikabanehime/

屍姫 赫 第10話
地に星

演出
木村隆一

脚本
會川昇

キャスト
花神旺里    羽染達也
星村眞姫那   秋山奈々
田神景世    藤原啓治
壬生貞比呂   諏訪部順一
鹿堂赤紗    宮本充
狭間      大川透
北斗      藤村知可
重無      新野美知
湖惑      早志勇紀
高峰宗現    中村秀利
本多      神奈延年
送儀嵩柾    川島得愛
轟旗神佳    堀江由衣
荒神莉花    千葉紗子
神生真世    斎賀みつき
大谷塚     麻生智久
天瀬早季    菊地美香
春日望     丸山美紀
山神異月    中村知世
遠岡アキラ   悠木碧
白江鈴千    古島清孝
犬彦瑞樹    大浦冬華
牛島尋維    奈良徹
墨鳥      庄司将之
祥太      小平有希
雛子      倖月美和
信者のおばさん 森夏姫
posted by animisc at 15:03| Comment(2) | TrackBack(4) | 屍姫 赫 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アニミスクさま、こんにちは。

死んだ人間が未練や妄執に囚われて屍になるんだったら、
普通はうらみや金や地位や名声、
あるいは愛や恋などがその対象として考えられますが、
屍となったあとも理性が残っている場合は、
必ずしも人を殺す必要性がないにもかかわらず、

>屍は己の妄執のまま殺戮を楽しむべきだ。聖者の真似をして金を溜め込むなど愚の骨頂
>屍とは未練、妄執を超えた『死』そのものであると

などといった理由で殺されるのは道理に合わないと思います。
それこそ七星もしくは狭間の個人的な妄執なんじゃないのかと…
Posted by ☆☆☆☆☆ at 2008年12月09日 22:45
☆☆☆☆☆さん、コメントありがとうございます。
>それこそ七星もしくは狭間の個人的な妄執なんじゃないのかと
なるほど、確かにそういう考え方もできますね。
これまで出てきた屍はいわば量産型の欠陥品で、屍の本来の姿が七星なのかなと思っていましたが、もしかしたら七星というのは単に殺戮に異常な執念を持った屍たちの集団なのかもしれませんね。
Posted by アニミスク at 2008年12月10日 01:46
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