2008年12月14日

今週の一本 その2(2008/12/7~12/13)―『屍姫 赫』第11話

家族と自分を殺した七星を倒すために屍姫になったマキナ。
マキナを助けるために契約僧になった景世。
「真実」を知ってしまったために光言宗と屍姫を消滅させようと執念を燃やす赤紗。
屍の習性からすれば考えられない行動をとる七星。

今回は、ついに景世&マキナと七星&赤紗の対決が開始されました。
1期ラストに向けてなかなかいい盛り上がりを見せています。


北斗の見る世界。
前回に続き今回も北斗視点での描写がありました。
北斗の目には、狭間はとぐろを巻く巨大なムカデ、赤紗は涙を流す子供に見えています。
本性が見えている・・・というのとはちょっと違う感じ。

修法派(しゅほうは)と衆生派(しゅじょうは)。
光言宗には二つの派閥が存在するようです。
1つは修法派。
この派閥は、屍姫を使って屍を始末することを肯定する人たちの集まり。
もう1つの衆生派は屍姫に否定的な一派。
紫央(しおう)権大僧正はこの派閥に属しているようです。
この派閥は、人が未練を持たない世界を作って屍が生まれる要因を元から絶つことを目指しています。
かなり理想主義的で実現は無理ではないかと思うのですが。。。

景世の座壇術法。
景世は、高峰宗現のところからパクッてきた経典を僧衣に編みこんで座壇術法の触媒を作りました。
これまで勉強したことがないので使い物になるかどうか分からないと言っていますが、これを見た莉花は二級法具に匹敵する出来だと感心します。
でも、赤紗が持つ棺は特級法具並み。
これでは敵わないようです。
景世はこれを莉花に預けます。
もしものときの保険。
常に身に着けていたほうがいいように思いますが、何か問題があるのでしょうか?

ここで莉花は、高峰宗現から預かってきた七星の写真を景世に差し出します。
同席していたマキナは被写体が七星だと気付き、表情を変えます。
ついに追い求めていた敵が現れ、闘志を顕わに。
写真の中の北斗に色が付いて動き出し、マキナに笑みを見せるのは、死ぬ間際に見た北斗の姿が鮮明に蘇ってきたということでしょうか。

景世の過去。
景世は早くに両親を亡くし、しばらく星村家で暮らしていたようです。
その頃星村家には男の子と女の子、二人の赤ん坊がいました。
女の子はマキナ。
男の子のほうは意図的に描写がぼかされているように思えます。
屍姫になったマキナが持っている焼け残りの写真でも意味ありげに顔が切れているし。
まぁ、本当にまったく重要ではない人物なのかもしれませんが(^^;

やがて修行を終えた景世は星村の寺を出て世空寺へ。
それから10年がたった頃、星村の寺が七星に襲撃されて壊滅します。
景世は屍になりかけていたマキナの強い頼みを受けてマキナの契約僧に。

この一連のシーンの演出は面白かったです。
回想シーンのはずなのに、若い頃の景世が要所要所でシーンから抜け出してこちらに語りかけてくる。
実写のドラマか映画で似たような演出を見たような記憶はありますが、ここしばらく見た事がなかったのでなんだか新鮮でした。

オーリは、契約僧や屍姫について隠していた景世のことを怒っていましたが、この話を聞いて景世が昔と何も変わっていないことに気付きます。
景世へのわだかまりが解けました。
景世もオーリが理解してくれて嬉しそう。
でもこれは、今後起こる悲しい出来事への伏線に違いありません。。。
景世が作った僧衣を自分で着ないで莉花に預けたのも、伏線の1つでしょうか。
オーリが景世の遺志を継いで着ることになるのかも。

オーリと重無(えな)の縁。
寺からアパートに帰る途中、オーリは転がってきたボールを拾います。
そのボールを追って、無邪気な子供を装った重無が現れ、オーリに感謝。
オーリの手を握ります。
これで二人の間に縁が結ばれたようです。
その様子を見守る赤紗と湖惑(こわく)。
これですべての準備が整ったようです。

その夜。
例の猫がオーリを誘うように現れます。
オーリが後を追ってアパートから外に出ると、重無に握られた手が変色し始めます。
オーリの意思とは無関係に動き出し、首を絞める手。
猫はその様子をただじっと見ています。
その後ろには重無の姿が。
どうやら重無がオーリの手を操っているようです。
では、猫はどういう役割を果たしているのでしょうか?
七星に協力している?
でもこの猫は以前、自分はオーリ自身だと言っていたので、なぜこの場に現れてオーリを誘うような動きをしたのか分かりませんね。
重無がオーリと縁を結んだ時点で、自動的に猫とも縁が結ばれたのでしょうか?
重無が猫も操っている?
よくわかりませんね。。。

一方、湖惑は呪いで周辺一帯を眠りにつかせます。
景世とマキナを誘っているようです。
邪魔者は眠らせた。出て来い。

その誘いに乗って寺の境内に出た景世とマキナ。
やがて、赤紗と湖惑が現れます。

赤紗はかつて景世や貞比呂とともに行動していたようです。
景世を尊敬し、景世の考え方が正しいと信じていました。
この三人の中で一番最初に契約僧になったのは赤紗。
そんな彼が「真実」を知ったとき、すべてが変わってしまったようです。
過去を捨てて生まれ変わり、生きながら死者になるため、赤紗は景世を殺そうとします。
そのために景世の弱みを突く赤紗。
彼は座壇術法で現れた屍たちを大麟館に向かわせます。
景世もマキナの勧めで大麟館へ。

大麟館に到着した景世は、闘いに赴く前に張った結界が無事なことを確認して一安心。
そこにオーリが現れます。
こんな時間になぜここにいるのか尋ねる景世。
「お前は眠らなかったのか?」
眠ってなんかいられないと言いながら景世に近づいたオーリは、景世の腹部に独鈷杵(とっこしょ)を突き刺します。
どうやら手だけでなく意識まで重無に乗っ取られてしまったようです。
普通のナイフではなく独鈷杵で刺したことにも意味があるのかもしれません。
景世は以前の赤紗との闘いのときに受けた霊障が完治していないようなので、これが致命傷になってしまうのでしょうか?

ということで、今回はここまで。
次回は「夜明け」
一夜明けたときにそれぞれのキャラがどういう運命を迎えているのか・・・気になりますね。

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公式サイト
http://www.starchild.co.jp/special/shikabanehime/

屍姫 赫 第11話
ある夜

演出
小竹歩

脚本
會川昇

キャスト
星村眞姫那 秋山奈々
花神旺里  羽染達也
田神景世  藤原啓治
狭間    大川透
鹿堂赤紗  宮本充
北斗    藤村知可
重無    新野美知
湖惑    早志勇紀
忌逆    土師孝也
高峰宗現  中村秀利
荒神莉花  千葉紗子
天瀬早季  菊地美香
壬生貞比呂 諏訪部順一
理子    堀江由衣
轟旗神佳  堀江由衣
祥太    小平有希
雛子    倖月美和
posted by animisc at 17:22| Comment(2) | TrackBack(5) | 屍姫 赫 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。

ここを見ると情報の整理に役立つので助かります。

>かなり理想主義的で実現は無理ではないかと思うのですが。。。
無理でしょうね。
でも屍を使って屍を狩るなんて発想は宗教家のそれじゃない。
それにミナイのときのように契約僧が先に死んだ場合のリスクもある。

前回見たときは七星が手強そうだったので、
マキナが倒せるのか心配だったけど、
今回七星の出現を喜んでいるマキナを見て安心しました。

「北斗を象徴に屍のための世界をつくるぞ!!」
みたいな理想を掲げて理性的に行動する七星は、
七星への復讐心で殺しても絶対死なない化物になったマキナによって、
きっと恐怖と後悔を味わいながら無残な最後を迎えるでしょう。
もうどっちが正義かわからないけど…
Posted by ☆☆☆☆☆ at 2008年12月16日 10:44
☆☆☆☆☆さん、コメントありがとうございます。
あらすじと感想(妄想)がごちゃ混ぜで読みづらいことがあるかもしれませんが今後ともよろしくお願いします。

> それにミナイのときのように契約僧が先に死んだ場合のリスクもある。
自分たちだけで戦った場合と、屍姫に前面に出てもらった場合のリスクも考えているのかもしれないですね。いずれにしても宗教家の考えることじゃないですけど(^^;

> 今回七星の出現を喜んでいるマキナを見て安心しました。
あのときのマキナの表情はすごかったですね。妄執の塊というか、まさに屍(姫)って感じで。最初の頃は戦うたびに深手を負っていたように思うけど、実戦経験をつんで七星に負けないくらい強くなっているでしょう(たぶん)。
Posted by アニミスク at 2008年12月16日 23:20
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『屍姫 赫』#11「ある夜」
Excerpt: 「眠ってなんかいられないよ、こんな楽しい夜に」 光言宗と屍姫を消滅させる為に、七星に協力を求めた赤紗。 しかし、屍の群れである七星...
Weblog: ジャスタウェイの日記☆
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屍姫 赫 第11話「ある夜」
Excerpt: 屍の集団『七星』が動き出した事で、高峰宗現も轟旗神佳も動き出しました。 七星と接触した鹿堂赤紗は狭間から人間だから完全には信用できないと言われて、証明するように告げられました。 北斗は相手の心..
Weblog: 無限回廊幻想記譚
Tracked: 2008-12-16 00:59

屍姫 赫 #11 .
Excerpt: 「ある夜」いろんな意味がある、「ある夜」。しかし、その時に、「動いた」のは確か。
Weblog: 色・彩(いろ・いろ)
Tracked: 2008-12-16 18:01

屍姫 赫 第11話「ある夜」
Excerpt: 年末なので感想のみ。(時間が取れそうなら再び視聴して内容を書きとめるかもしれませんが…)内容は公式サイトから引用します。-----以下引用-------------------------------..
Weblog: からまつそう
Tracked: 2008-12-17 11:12

屍姫 赫 第11話 「ある夜」の感想。
Excerpt: 屍姫 赫 第11話 「ある夜」 評価: ── 私と家族を殺したあいつらを殺すために・・・ 脚本 會川昇 ..
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