2009年03月08日

今週の一本 その2(2009/3/1~3/7)―『屍姫 玄』第9話

今回の一言感想―――ここまで長かったなぁ(^^;

ということで、今回ついに、マキナがオーリを自分の契約僧として受け入れることになりました。
オーリや黒猫、それに北斗についての謎が明かされ、七星の目的も判明。
物語はいっきに佳境に突入です。


歪質にさらわれた雛子を救うため依海川に行ったオーリ。
そこで目にしたものは、誘拐された大勢の子供たちでした。

歪質 「あの時と同じにすれば、想い出すかと思ってよ」

オーリは何も想い出せません。
業を煮やした歪質は、電柱や付近に駐車されていた車などを破壊して炎に包まれた惨状を作り出し「あの時」を再現。

「これならどうだ。同じだろ。お前の母親に俺たちが殺された、あの時と、あの場所と」

オーリの脳裏に幼い頃の光景が蘇ります。
廃墟に転がる子供たちの死体。
その中心で、死んだ子供たちを抱えてうずくまる、屍化した母親。

オーリの母は、臨月のときにひき逃げされて死亡しました。
自分の子供をその手に抱きたいという強い未練があったため屍として蘇ったようです。
オーリが生まれたのは母親が屍になったあと。
ところが、生まれてきた子供は屍ではなく人間。
屍母はオーリのことが理解できなくて、自分の子供を求めて子供たちを誘拐していたようです。
当然ながら、この屍母の求める子供が見つかるはずはなく、さらわれた子供たちは水も食事も与えられることなく次々に死んでいきました。
オーリはその光景を眺めながらなんとか生き抜き、次第に感情を消失していったようです。

やがてこの屍母は、光言宗に倒されることになります。
それが景世、貞比呂、赤紗、そして赤紗の屍姫である響(ひびき)でした。
屍母を倒した後に唯一の生き残りとして発見された子供がオーリ。
オーリは景世に引き取られました。

歪質は、そのとき死んでいった子供たちの中でただ一人屍になった者。
飢えと乾きから逃れるため、ただ「食いたい」という未練から屍に。
彼以外の子供たちは死霊の塊(黒猫)になってオーリに付きまとうことになりました。
「屍姫 赫」第11話で、重無の手先になったかのようにオーリを導いていたのが不思議でしたが、この黒猫はオーリの味方というわけではなかったようです。

「欲しかったんだろう。あの体が!」
歪質はそう言って、黒猫をオーリに向かって投げつけます。
黒猫は姿を変えてオーリを包み込み、オーリと一体化。
オーリの体は怪物化してしまいます。

歪質は自分が経験した地獄をオーリにも体験させようとしています。
化け物となってしまったオーリに、誘拐してきた子供たちを喰らわせようとしています。


その頃、マキナは北斗に弄ばれていました。
七星を倒したいという未練。
倒された景世の想い。
二人分の未練をもってしても北斗にまったくかないません。

身動きするのも困難になったところで赤紗が現れ、マキナが勝てない理由を話します。
「七星・北斗には、未練も性もないのです」
「それで屍になれるわけがない!」
「いいえ、なるのです。屍になる者、そしてあなたがた屍姫には、生前というものがありましたよね。喜び、悲しみ、愛し、愛され、ときに憎しみながら生きた、生者としての時があったはずです。北斗は生者としての時を奪われ、人身御供として生まれ育った。未練も性も持たぬまま。彼女は死ぬために生まれてきたのです」

北斗はかつて、かんばつに見舞われた村に雨を降らせるための生贄として殺されました。
ところが、すぐに屍として蘇り、自分を生贄にした村人達を惨殺。
干上がった水路の水車が回りだすほど大量の血が流れました。

「死によって、北斗は初めて自由になった。他者とふれあい、その存在を感じることができた。北斗は未練や性で人を傷つけるのではない。彼女は、存在しているだけで生者を破壊する存在。わかりますか、彼女という存在が。それは死です。生者は無意識に死を遠ざけ忘れようとする。だがそれは確実に存在し、逃れようはない。北斗は、死そのものを体現した存在なのですよ。だからこそ屍の頂点であり、何者も彼女を倒すことはできない」

赤紗が話している間、マキナはかつての北斗の姿を垣間見ます。
そして呟くマキナ。
「なぜ、私は知っていた――北斗の記憶を」

そこに狭間がやってきます。
「それは当然だ。かつて北斗の村で人身御供を取り仕切っていた一族は、人が屍になる現象を知り、後に光言宗に帰依した。その一族の名を星村という。貴様の先祖が北斗を作った。北斗は一族の娘だ。同じ血が流れている。だからこそ北斗はお前の敵となった。北斗は初めて自分に意味を与えられたのだ。北斗はお前の敵。すなわち、光言宗の敵となった。ゆえにその力は光言宗を滅ぼすことに向けられる」

北斗は星村一族の一人でした。
同じ一族で人身御供にならずに生き延びたマキナの家系は北斗の敵。
狭間はマキナを屍姫にすることで、その背後にいる光言宗も北斗の敵に仕立て上げようとしたようです。
その目論見は見事に成功。
北斗が敵を認識して覚醒したことで、マキナは用済みになりました。

もう立つことすらできないマキナに北斗が襲い掛かります。
マキナ 「理(ことわり)に反した屍は倒せても、死そのものに勝てる人間はいない」
完全に力尽きたマキナは、北斗に引きずられ、水の中に投げ込まれてしまいます。
マキナ 「ごめん、景世・・・」

そのとき突然、読経が響き渡ります。
光言宗が七星を殲滅しようと動いていました。
光言宗本山に集まった僧侶たちの祈りが届いているようです。

マキナの体の傷が癒えていきます。
僧侶たちの祈りで周りの空気が清められたからでしょうか。
あるいは、北斗に太刀打ちできないと分かったマキナが、すべての未練を捨てて死を受け入れたおかげで、オーリのルンを抵抗なく受け入れることができるようになったのかもしれません。
マキナの脳裏に、これまでのオーリの姿が浮かんでいきます。そして、現在の怪物化したオーリの姿も。

体が完全に回復し、マキナ復活。
水中から飛び出したマキナは北斗を圧倒します。

狭間 「バカな。人は死を超えられぬぞ」
赤紗 「もう、すべての未練は断ち切られたはず」
マキナ 「私には、まだ戦う理由がある。私を求めて泣いている者がいるから」

そのとき光言宗の攻撃が開始されます。
壁を打ち破って現れたのは大量の僧兵と屍姫の群れ。
一時撤退する七星と赤紗。
マキナは七星を追おうとしますが、駆けつけた異月が止めます。
「大丈夫。逃げ道はふさいだわ」
「やつらを見つける囮にしたのね」
「私も知らなかったのよ。ここは任せて。あなたは・・・」
「オーリ・・・。ったく、屍姫の役目とはいえ、世話焼きすぎだろ」
もしかしてツンデレ?
とりあえず自分がオーリを助けに向かう理由が欲しかったようです(^^;
マキナは、この場に残って七星を倒すことよりも、オーリを助けることを優先しました。


その頃オーリは、子供たちを喰らう寸前に正気を取り戻し、なんとか体の制御を奪って炎の中へ。
黒猫(死霊の塊)に何をしてあげたらいいのかわからないオーリは、自分の体を黒猫に与えようとします。
あの頃はただ母親に見ていて欲しかっただけだと打ち明けるオーリ。
黒猫は、オーリが屍になっていなかったこと、そしてオーリが自分たちと同じように母親に愛されたいと思っていただけだということに気付き、オーリに対する憎しみを解いたようです。
黒猫は、オーリを守るため、歪質に反抗します。
でも七星である歪質にかなうはずもなく、逆に腕をもがれ倒されてしまいます。
オーリ 「僕は屍から生まれて、屍として死ぬのか?」

「ひどいざまね」
声の主はマキナ。
怪物化したオーリの姿を見て「それがあなたの本当の姿?」
「わからない。僕は何だ。人か、屍か」
「だったら私が教えてあげる」
マキナはオーリが怪物化するときに落した僧衣と錫杖(しゃくじょう)をオーリに投げ与えます。
この僧衣は、景世が経典を編みこんだ僧衣。
経典の力でオーリは黒猫を取り込み、元の人間の姿に戻ります。

マキナ 「忘れないでオーリ。あなたは私の契約僧よ」
歪質 「違う!お前は獣だ!思い出せ、お前は屍だ!」
オーリ 「オレは生きてる。獣でも屍でもない。生者だ!」

オーリに襲い掛かる歪質にマキナが銃撃。
歪質がひるんだところで、オーリが錫杖を突き刺します。
最後にマキナが止めを刺して、歪質は最期を迎えます。

「マキナ、無事で・・・」
「仕方ないでしょ、誰も助けに来てくれないから・・・一人で帰ってきたわよ」
「ごめん」
「冗談よ。それより、私の許可もなく死のうなんてしないで。私には――あなたが必要なんだから」

ということで、ついにマキナがオーリのことを認め、彼の屍姫になる決意を固めたようです。

とりあえず一段落ついたかと思ったそのとき、自衛隊の輸送機(?)が工場地区に墜落。
さらにその10分後には民間機2機も墜落し、依海市を焼き尽くします。
10万人規模の死者を出す大惨事。
少なくとも数百の屍が発生する事態に、光言宗本山は動揺します。

このとき狭間たちは僧兵に追い詰められていましたが、大いなる穢れが始まったと、逆に勝ち誇った態度で僧兵と対峙していました。

残り3話。
なんだか盛り上がってきました。
最後は綺麗に締めてくれるのでしょうか?
もうダメかと諦めかけていたけど、期待していいのかな?

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公式サイト
http://www.starchild.co.jp/special/shikabanehime/

屍姫 玄 第9話(屍姫 第22話)
生者の価値

演出
平松禎史

脚本
會川昇

キャスト
花神旺里         羽染達也
星村眞姫那        秋山奈々
狭間           大川透
鹿堂赤紗         宮本充
歪質           鈴木達央
北斗           藤村知可
黒猫           堀江由衣
高峰宗現         中村秀利
神生真世         斎賀みつき
田神景世         藤原啓治
梅原鉦近         てらそままさき
旺里(少年時代)     小林由美子
荒神莉花         千葉紗子
天瀬早季         菊地美香
送儀嵩柾         川島得愛
山神異月         中村知世
詩条響          東山麻美
フレッシュ=バックボーン 遠藤綾
白江鈴千         古島清孝
雛子           倖月美和
posted by animisc at 19:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 屍姫 玄 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ずいぶんひさしぶりな『屍姫 玄』の記事ですね。
人身御供なんて星村家はひどいことするなあ。
やはり光言宗修法派は信用できません。
屍姫が屍を108体殺せば天国へ行けるというのもどうせ嘘でしょう?
最近すっかり下働きが板に付いてきた赤紗ですが、
そろそろ本気を出して光言宗を糾弾して欲しいです。
Posted by ☆☆☆☆☆ at 2009年03月12日 21:49
第2話以来だから2ヶ月近く書いていませんでしたね。
今回は久々に楽しめた回でした。
内容はもちろんだけど、色使いが面白いので見入ってしまいます。
108体で天国っていう話はあまりにうそ臭いので、これまで記事の中ではできるだけ触れないようにしてきました(^^;
もしかすると赤紗が知ってしまった「真実」というのに関係しているかもしれないので、今後重要になってくるのかもしれないですね(残り話数は少ないけど。。。)。
Posted by アニミスク at 2009年03月12日 22:51
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