2009年11月14日

今週の一本(2009/11/8~11/14)―『空中ブランコ』第5話

この作品は、他の作品と比べて画面作りがかなり個性的です。
人物の描き方(絵的な意味で)も背景も独自路線を突っ走っているので、第1話を観たときはけっこう抵抗がありました。
でも、慣れとは恐ろしいもので、今では普通に楽しめています(^^;
ストーリー的には、精神的に大きな悩みを抱えた患者が伊良部先生の治療を受けて回復するまでの流れを淡々と追っていくだけですが、この単純な流れが逆に斬新な映像にマッチしているのではないでしょうか。
毎回ハッピーエンドで、思わずニヤけてしまう清々しい終わり方なのもいいです。


今回、第5話は、医学部長の娘と結婚した精神科医・池山達郎の悩みを解決する話でした。
妻の仁美は親(医学部長夫婦)と同居しているので、達郎も彼らと共に一つ屋根の下で暮らしていますが、これが達郎の精神に良くありませんでした。
彼らは悪い人ではないのですが(というかどちらかといえば善人のようです)、いわゆるハイソ(死語?)な人たちなので、彼らとの生活はこれまでの達郎の生活とは相容れません。
達郎は次第に自分自身を抑圧して本来の自分とは違う行動を取るようになってしまいます。
そんなある日、彼は同窓会で伊良部と再会します。
伊良部は達郎の症状を見抜いて治療を勧め、達郎は不本意ながらも伊良部の治療を受けることに。
最終的に、医学部長の「アレ」のおかげで、これまでの窮屈な想いをふっきることに成功し、妻とも自然な接し方ができるようになりました。
プロットとしてはありふれていますが、最初に書いたように、独特の映像とマッチしてついつい見入ってしまういいエピソードでした。


ということで、なかなか面白くなってきたので、これまでのエピソードのポイントをまとめてみました。

話数スタート初診回復症状イメージゴミ箱の注射器
112/17
(12/16の回想から)
12/1712/24睡眠障害、全般性不安障害ペンギン1本
212/1712/1712/24陰茎強直症サイ2本
312/1712/1712/24強迫神経症(心因性嘔吐症)ニワトリ(鶏)4本
412/1712/1912/24イップス6本
512/1712/2112/24強迫神経症カメレオン6本


各患者は、治療の一環としてビタミン剤を注射された後に、それぞれの精神状態を象徴する動物として描写されるようになります。
第1話のペンギン(飛べない鳥)は、萎縮してうまく飛ぶことができない空中ブランコ乗りそのもの。
第2話のサイは、別れた妻のことを自分の思い込みだけで恨んでいた男の孤独を表しているのでしょう。サイは単独行動をとる動物なので、それにダブらせているのでしょうか。最終的に妻の考えを受け入れることができた男は、ラスト間際でサイの象徴ともいえる角が小さくなって、最後には人間の顔に戻りました。
第3話のニワトリ(鶏)は、この回のゲストキャラの本名に関係ありそうです。作家である彼の本名は鶏山で、最初の本は鶏山名義で執筆していました。今は恋愛小説を書いていますが、本当に書きたいものが書けた頃に戻りたいという想いがあるから、その象徴としてニワトリ(鶏)が使われているのかも。
第4話は赤い馬でした。赤い馬は争いを象徴するようなので、三塁手として目立ち始めた新人に嫉妬する男の心を表しているのでしょうか。
そして今回、第5話はカメレオン。ときには透明になってしまうくらい自分の色を見失っている男をうまく象徴していました。

あと、気になるのが注射器です。
毎回ビタミン剤を打った後にゴミ箱行きになり、ゴミ箱の中の注射器が1本ずつ増えていっています。
でも、3本目の注射を打った描写がまだありません。
しかもこの3本目は隠すように針しか見えていません。
おそらく今後のエピソードで描かれるのだと思いますが、時系列を変えてまで後に持って行く理由は何なのでしょうか?
第1話から見返すとあっと驚くような仕掛けが隠されていたりするのでしょうか?

最後に、伊良部先生です。
作中で、伊良部先生の外見は大・中・小の三形態で描かれています。
今のところこの描き方に一貫性があるようには思えないのですが、この理由も気になるところです。


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公式サイト
http://www.kuchu-buranko.com/

空中ブランコ 第5話
義父のアレ

演出
鈴木清崇

脚本
村山功

キャスト
伊良部一郎 三ツ矢雄二
伊良部一郎 朴ろ美(「ろ」は「王」偏に「路」)
マユミ   杉本有美
池山達郎  平田広明
野村栄介  小杉十郎太
野村の妻  潘恵子
池山仁美  寺田はるひ
池山拓也  小林由美子
倉本    菊池正美
菅野    斉藤貴美子
津田雄太  入野自由
野球実況  三宅正治
同窓会幹事 ふくまつ進紗
駅員    大林洋平
福井っち  福井謙二
ラベル:空中ブランコ
posted by animisc at 15:05| Comment(0) | TrackBack(1) | 空中ブランコ | 更新情報をチェックする
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