最終回にふさわしく(?)、これまで陰で頑張ってくれた二人のサブキャラが最期を迎えてしまいました。
どちらのシーンもかなり感動的に演出されていて、見ごたえ感はかなりのものでした。
本筋のほうは予想どおり多くのことに決着がつかないまま終わってしまいましたが、旧来の武士の時代が終わってしまったことを印象付けて大きく盛り上がったので、一区切りつけるにはちょうどいいのかもしれません。
細かいことは秋に放送される2期に期待です。
慶応4年1月。
幕府軍と薩長軍による鳥羽伏見の戦いが勃発。
幕府軍1万5千に対して薩長軍5千と、数の上では幕府軍が優勢ですが、最新の武装を誇る薩長軍を前に、幕府軍の敗色が濃くなっていきます。
幕府側についている新選組も多くの隊士が倒されていき、土方は刀や槍の時代が終わったことを悟ります。
新選組は、日が落ちたら羅刹隊を先発させて大阪城まで撤退することになりました。
その一方で、淀城に援軍を頼みに行くことも決定。
千鶴が伝令役を志願し、井上もそれに同行します。
淀城に到着した二人は、問答無用で狙撃されてしまいます。
千鶴は援軍にこだわってその場に残ろうとしますが、井上は千鶴を連れて退きます。
援軍を頼みたい気持ちはあるものの、淀藩が寝返ったことは明らかなうえ、千鶴を守ることも自分の務めだから。
ところが、合流場所に向かう二人の前に幕府軍の侍たちが立ちふさがります。そしてここでも二人は銃を向けられ、井上が撃たれてしまいました。
侍たちは、井上と千鶴の首を手土産に薩長に取り入るつもりです。
井上は自分が盾になって千鶴を逃がそうとします。
「逃げなさい雪村君。歳さんに伝えてくれ。力不足で申し訳ない。最後までともにやれなかったことを許してほしい。最後の夢を見させてくれて、感謝してもしきれない、とね」
銃弾を受けたうえに3対1では勝ち目があるはずもなく、井上はあえなく討ち死んでしまいます。
思わぬ悲劇を目の当たりにした千鶴は怒りをぶちまけます。
「旗色が悪いからといって寝返るなんて、あなたたちはそれでも本当に武士なんですか!」
当たり前だろうと答える侍たちに向かって、千鶴はさらに続けます。
「違う。私は、今まで真の武士たちを見てきました。あなたたちは武士の風上にも置けない!」
そして小太刀を抜く千鶴。
でも、千鶴の腕前では到底かなうはずがありません。
そこにタイミングよく風間が現れ、あっという間に侍たちを斬り捨ててしまいます。
風間は淀藩の動向を見に来たようですが、大切な女鬼の危機を見過ごすことはできません。
さらに、千鶴が淀城から逃げ帰ってきたことに気付いた風間は、京にいる各藩に朝廷の密書が渡ったことを話します。
薩長軍が官軍となるのでそれに味方するようにとの内容だったようです。
今や幕府が、そしてそれにつく新選組が逆賊となってしまいました。
風間は、いつの時代も権力と金のために争う人間を愚かだと嘲ります。
それに対して千鶴は、そんな人たちばかりじゃないと反論。
風間は、それが新選組のことだとすぐに気付きます。
そして、新選組だって刃向かうものを斬るだけの存在なのだから、その点では自分と同じなんだと千鶴にわからせようとします。
そこに土方登場。
「俺たちは守るものがあるから戦っている。己のことだけを考えているお前と一緒にするんじゃねえ」
新選組と鬼を一緒にするなと怒ってます。
そして土方は、井上が倒れていることに気付きます。
この時点で千鶴は小太刀を鞘に戻していたので、土方は井上を斬ったのが風間ではないことに気付いていました。
千鶴ならたとえ相手が風間でも、大切な仲間を斬った相手に立ち向かっていくと信じていたからです。
でも土方は、精神的に余裕をなくしていました。
薩長軍に追い詰められ、幕府のやり方にも鬼の存在にも耐えきれなくなっていました。
風間はそんな思いを見透かすように、井上を斬ったのが自分だったらどうするつもりだと、土方を挑発します。
これで土方はキレてしまいます。
もう、目の前の風間を倒すことしか考えられなくなってしまいました。
刀を抜く土方。
「やれやれ、また無駄死にが増えるか。なぜそう死に急ぐ」
「無駄死にって言いやがったか・・・いま!」
井上の死を侮辱され、土方の怒りは頂点に。
さすがに風間もこれには押され気味です。
ついに本来の鬼の姿を現します。
力もこれまでとは段違いです。
今度は土方が圧倒されてしまいます。
追い詰められた土方は、懐から変若水(おちみず)を取り出しました。
風間はそんな土方を愚か者呼ばわり。
たとえ羅刹になったとしても、“まがいもの”など真の鬼の敵ではないと余裕です。
土方は、やってみないとわからないと言ってついに変若水を飲んでしまいます。
もともと新選組はこれまでも武士のまがいものとして扱われてきた。
でも、何があっても信念だけは曲げない。
たとえまがいものだろうと、それを貫けば本物になる。
羅刹となった自分が鬼を倒し、自分が本物になる。
そして“夢”(尊皇攘夷と佐幕)をかなえる。
土方と風間は再び刀を交えます。
土方は今度は力で負けることはなく、風間の頬に傷をつけることができました。
「まがいものに傷をつけられた感想はどうだ。鬼の大将さんよ」
余裕を取り戻す土方。
まさかの出来事に、今度は風間がキレてしまいます。
「貴様ごときが、俺の顔に傷を!」
さらに激しく討ちあう二人。
そして双方が最後の一撃を繰り出したとき、天霧と山崎が割り込んできました。
天霧は風間を抑え、山崎は土方の胸に飛び込みます。
二人がいなければ、土方は胸を斬られ、風間は頭を割られていたはずです。
代わりに、割り込んだ山崎が背中を斬られてしまいました。
「何しているんですか、副長。あなたは頭(かしら)で、俺たちは手足のはずでしょう。手足ならなくなっても替えはききます。ですが頭がなくなってしまっては、何もかもおしまいです・・・」
土方は自分の行動が招いた結果に呆然とし、正気を取り戻します。
一方の風間は、まもなくここにも薩長がやってくるので自分たちは姿を消すべきだという天霧の言葉に従い、この場は刀を収めて退くことに。
最後に一言、「命拾いしたようだな、お互い。この決着は必ず付けるぞ、土方歳三」と言い残して消えます。
羅刹になった土方が自分と対等の力を発揮したことは認めているようです。
やがてほかの隊士たちが駆けつけてきて、井上はその場に埋葬されました。
夜になり、新選組は予定どおり大阪城へ。
でもそこに幕府軍はいませんでした。
治療のために大阪城に来ていた近藤によれば、早々に江戸に撤退してしまったとのこと。
武器や兵糧も残されていません。
さらに悪いことに、羅刹隊も大半が倒されてしまいました。
薩長軍は羅刹に対して銀の弾丸を使いました。
羅刹のことをよく知っている人物が薩長軍にいるようです。
これは綱道でしょうか?
反撃の手段を絶たれてしまった新選組は、江戸に退かざるをえなくなります。
江戸に向かう船上。
山崎を看病する千鶴。
山崎は瀕死の状態で、千鶴が隊士の健康状態を記入した帳面を持ってきていることを確認。
そして千鶴にすべてを託します。
「雪村君、君にしかできないことを為せ・・・みんなを頼む」
千鶴は山崎が死んでしまうことなど受け入れることができないので、あえて元気に振る舞って山崎を励まします。
「何言ってるんですか。このまま戦が続けば、まだまだ怪我人が出ます。医療担当の山崎さんには、早く元気になってもらわないと」
山崎もその意図をくみ取って笑って応えますが、もう意識を失いかけていました。
そのまま果ててしまいます。
呆然とし、そして慟哭する千鶴。
その後、山崎は水葬されることに。
幕府のために戦って死んでいったのに、幕府は自分たちを見捨てて早々に撤退。
これでは犬死にだとやるせない気持ちを吐き出す永倉。
土方は無言で海を見つめます。
土方の言葉を聞いて少しでも安心したい千鶴は尋ねます。
「犬死になんかじゃないですよね。無駄に死んだ人なんか、一人もいませんよね」
「・・・当たり前だ。俺たちはもともと徳川の殿様のために戦ってきたんじゃねえ。いくら上にやる気がなかろうが、俺たちにゃ関係ねえことだ。江戸には伝習隊がいる。幕府の軍艦だって無傷のまま残ってる。江戸に戻ったら、喧嘩のやり直しだな」
ということで1期終了です。
放送開始前は視聴するかどうかすら迷いましたが、第1話から引き込まれてしまい、予想外に楽しめた作品でした。
恋愛要素を最小限にして緊張感を前面に出してきたのがツボにはまったようです。
秋に2期が放送されるようなので、今から楽しみです。
史実に沿った展開であれば、主な登場人物たちには悲劇が待ち構えていることになりますが、アニメではどうなるのでしょうか?
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薄桜鬼 第12話
剣戟の彼方(けんげきのかなた)
演出
高村雄太
脚本
広田光毅
キャスト
雪村千鶴 桑島法子
土方歳三 三木眞一郎
斎藤一 鳥海浩輔
藤堂平助 吉野裕行
原田左之助 遊佐浩二
近藤勇 大川透
山南敬助 飛田展男
永倉新八 坪井智浩
井上源三郎 小林範雄
山崎烝 鈴木貴征
島田魁 大羽武士
風間千景 津田健次郎
天霧九寿 山口りゅう
侍 島﨑信長




