各キャラの性格がわかりやすく描写されているうえ、その行動にも違和感がなく、意味のないサービスシーンで視聴者に媚びることもしていません。
最近の深夜アニメでは珍しい部類の作品です。
舞台となるのは、文明開化の頃の日本によく似た世界です。
当時の日本と大きく異なるのは、この世界では妖人と人間が共存しているということ。
最近になって妖人が起こす事件が増え始めたため、その対策に当たる妖人省が設立されました。
そこに配属された半妖の少女たちと陸軍軍人の物語が描かれます。
気の強い西王母桃(ざくろ)と、妖人が苦手な総角景(あげまき けい)。
内気で人間と距離を置いている薄蛍(すすきほたる)と、口数は少ないものの実直な芳野葛利劔(よしのかずら りけん)。
雪洞(ぼんぼり)&鬼灯(ほおずき)の陽気な双子と、秀才肌の花桐丸竜(はなぎり がんりゅう)。
彼らは、この組み合わせでパートナーを組むことになりました。
今のところは、それぞれのパートナー同士の信頼感の醸成を描いています。
ストーリーが本題に突入していくのはもう少し先のようです。
で、今回は薄蛍と利劔がメインのエピソード。
前回の仕事を片付けたばかりだという理由で、西王母桃と総角は留守番です。
薄蛍と利劔、雪洞&鬼灯と丸竜の二組が依頼主のもとへ向かいました。
その道中。
雪洞&鬼灯は周囲の人間たちの視線に臆することなく陽気に振る舞い、丸竜にじゃれつきます。
一方、薄蛍は、人間たちの視線を恐れて始終うつむいています。
パートナーである利劔のことすら恐れているので、利劔と並んで歩こうともしません。
利劔の斜め後ろを遅れてついていきます。
利劔は、薄蛍が自分のことを恐れているのは知っているので、そのことには触れませんが、薄蛍がずっとうつむいているのは気になったようです。
それとなくその理由を尋ねました。
薄蛍は、人間と目が合うのが怖いのだと答えます。
それを聞いた利劔は薄蛍の前へ移動します。
「なら、俺の後ろを歩けばいい」
こうすれば薄蛍が顔をあげても周囲の人たちと目が合うことはないからです。
やがて一行は依頼主の家にたどり着きます。
そこは折屋。
「ガラクタカラ優レ物マデ」を扱う骨董品店のようです。
一行を出迎えたのはなぜか妖人でした。
麦という名の鬼の子供です。
主人は折形綾(おりかた あや)というかなり砕けた感じの女性でした。
妖人を雇う人間は珍しいのでその理由を尋ねると、麦は嘘をつかないし素直なので、そこらの人間よりもずっとましとの答えが返ってきました。
他の多くの人たちからすると変わり者に見えてしまう行いですが、妖人と人間との共存を目指す流れからすれば時代の先駆けとなる感心な行動。
こんな人もいるんだということがわかって、薄蛍の人間に対する見方も少し変わり始めます。
そして本題。
折形綾は一振りの刀を差し出します。
この刀を手に入れてから身内に不幸が続いていると言う女性から引き取ったそうです。
物は良いから店頭に出したいので、その前に妖人省に調査してもらいたいそうです。
さっそく利劔が直接手に取って確かめようとしますが、薄蛍が珍しく大きな声を出してそれを止めます。
薄蛍はその刀がどういうものなのか一目で分かったようです。
でも口には出しません。
そうすれば自分の“力”が利劔や丸竜にばれてしまうからです。
薄蛍には、物や人から流れてくるものを感じ取ってしまうサイコメトリー能力がありました。
薄蛍が人間を恐れる理由の1つは、小さい頃にこの力のことを知った人間たちに迫害を受けたことがあるためなのかもしれません。
だから今でも自分の力のことが利劔たちにばれないようにしているようです。
とここで、薄蛍は刀の影響を強く受けて気分を悪くしてしまいます。
その後、雪洞&鬼灯と丸竜はこの刀についての情報を得るために街へ出ることに。
利劔は薄蛍の気分が良くなったら刀を持って妖人省に戻るため、折屋に残ります。
気分が少し良くなった薄蛍と利劔が話をしているところへ麦が薬を持ってやって来ます。
薬を飲み終わった薄蛍は、麦の帯にはさまっていた綺麗な櫛に気付きました。
麦の母親の物だそうです。
櫛を手に取った薄蛍は、麦の母親が例の刀で斬り殺されたことを知ることになります。
薄蛍は、母親のことを覚えているかどうか麦に尋ねます。
麦はそのときのショックで記憶の一部を失っているようで、「ずっと前に離れ離れになってしまった」としか覚えていませんでした。
この薄蛍と麦のやりとりを見ていた利劔は、薄蛍の行動に違和感を覚えました。
そして尋ねます。
薄蛍がなぜ麦の母親のことを知っていたのかを。
薄蛍は自分の力について話す覚悟を決め、思い切って打ち明けようとします。
でもそのとき、奥の間から物音が。
二人が行ってみると、それは、麦が刀を箪笥にしまおうとして転んでしまった音でした。
とそのとき、引き出しの中に中途半端に置かれた刀が滑り落ちてきます。
反射的に手を伸ばした薄蛍は、刀に触れてしまいました。
そして感じ取ります。
この刀に秘められた忌まわしい過去を。
かつてこれを手にした人間が村人を大量に斬り殺す様を。
この刀は、手にした者を殺人鬼に変えてしまう妖刀でした。
薄蛍も例外ではありません。
刀に影響されて目の前の利劔に斬りかかります。
利劔は自分の刀でそれを受けましたが、力負けして飛ばされてしまいました。
薄蛍が次に目をつけたのは麦です。
そのとき、騒ぎを聞きつけた折形綾がやって来ます。
折形綾はとっさに状況を理解し、麦をかばいます。
これがかつて麦の母親が斬り殺された時のものとそっくりの状況だったため、麦は記憶を取り戻します。
この二人に斬りかかろうとする薄蛍。
が、間一髪のところで再び利劔が飛び込んできました。
利劔は、力では押し負けるので、刀を包んでいた布袋をとっさに手にし、薄蛍の刀を受けます。
厚手の布で受け止めてしっかりつかんだので傷は浅くて済んでいますが、ここで薄蛍が刀を引けば、左手は真っ二つです。
でも薄蛍の動きはここで止まります。
流れ出る血と、自分の名を呼ぶ利劔の声で正気を取り戻し、気絶してしまいました。
その後。
意識を取り戻した薄蛍は、利劔の手当てをします。
利劔の左手に触れて包帯を巻く薄蛍には、利劔の想いが流れ込んできます。
その想いには、薄蛍に対する恐れや憎しみはまったくありませんでした。
薄蛍のことを心配する想いだけです。
薄蛍は涙を流しながら後悔の念を口にし、自分の力についても打ち明けます。
利劔はただ薄蛍の言葉に耳を傾けます。
やがて薄蛍の話が終わったところで、利劔は自分から薄蛍の手に触れます。
「伝わっているのか?」
「・・・・・・はい」
「自分はこのとおり言葉が足りないから、感じ取ってもらえたほうがありがたい。そのほうが、お前への気持ちも正しく伝わるだろう」
調査に出ていた丸竜たちが戻り、利劔のけがの手当ても終わったところで、一行は刀を預かって妖人省へ戻ることに。
帰りの電車の中で、利劔は再び薄蛍の手に触れます。
薄蛍は利劔の想いを感じて頬を赤くし、さらに利劔の肩に頭を預けます。
折屋に向かう途中のよそよそしい二人とは180°変わってしまいました。
その様子を見て安心する雪洞と鬼灯。
そしてまったく理解できずに困惑する丸竜。
最年少で陸軍少尉になったという秀才肌の丸竜ですが、恋愛方面の感情はまだ理解できないようです。
翌日。
いつものように稽古をする総角たち。
丸竜のそばに雪洞と鬼灯がいるのはいつものことですが、今朝はいつもと違う光景が展開されています。
そこには利劔にタオルを差し出す薄蛍の姿がありました。
これまでと変わらず稽古の様子を遠くから見ている西王母桃は混乱してしまいます。
総角のことが気になっているのは間違いなさそうですが、総角に心を開くのはまだ先になりそうです。
さて、刀の情報を追っていた雪洞&鬼灯と丸竜ですが、彼らは森の中にある洋館を訪れていました。
でもそこは荒廃していて、人の気配はなく、収穫なしで戻ってくる結果に。
でも、そんな彼らを見つめる2つの影がありました。
「違う。あれは西王母桃じゃない」
前回、西王母桃を危機に陥れた百緑と橙橙です。
今回も刀を使って西王母桃をおびき出そうとしたようですが、それが失敗したことを知るとすぐに退散してしまいました。
前回の一件で西王母桃を狙う動きがあることに気付いた櫛松(くしまつ)は、今回の依頼に不審な点を感じていたようです。
西王母桃と総角を任務から外したその直感は正解でした。
ということで、今回は薄蛍と利劔の関係にスポットを当てたちょっと感動的な良い話でした。
次回は雪洞&鬼灯と丸竜がメインのエピソードのようです。
今のところただじゃれあっているだけのような関係ですが、心理面でのつながりが深まることになるのでしょう。
どんな話になるのか楽しみです。
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おとめ妖怪 ざくろ 第4話
きょり、怖々と
演出
徳本善信
脚本
森田眞由美
キャスト
西王母桃 中原麻衣
総角景 櫻井孝宏
薄蛍 花澤香菜
芳野葛利劔 日野聡
雪洞 豊崎愛生
鬼灯 堀江由衣
花桐丸竜 梶裕貴
櫛松 小宮和枝
百緑 戸松遥
橙橙 寿美菜子
雨竜寿 石住昭彦
豆蔵 岡本信彦
桜 井口裕香
桐 田村睦心
折形綾 本田貴子
麦 野中藍
乱杭 井上喜久子
ラベル:おとめ妖怪 ざくろ




