2010年11月14日

今週の一本(2010/11/7~11/13)―『刀語』第11話

いよいよ最終回前の大詰めです。
とがめの予想では炎刀・銃(えんとう・じゅう)はすでに否定姫が手に入れているので(実際にそのとおりなので)、今回の収集対象となる毒刀・鍍(どくとう・めっき)が実質的に最後の変体刀です。

この毒刀・鍍には、四季崎記紀が自分の記憶を封じ込めていました。
これを手にした人物に記憶を転写することで、その人物の体を支配し、いわば永遠の命を手に入れていました。
鳳凰の体を乗っ取って復活した彼は、七花と対決することになります。

その際、変体刀の真実が明かされました。
四季崎記紀には未来予知の能力があり、その能力を使って読み取った未来の技術を使って作られたのが変体刀だったようです。
とがめたちにとって、物理を超越したような不可思議な特性を持っているように見えるのはそのためでした。

四季崎記紀は変体刀を世にばらまくことで、本来あるべき歴史を歪め、改ざんしてきました。
とがめの父である飛騨鷹比等が反乱を起こしたのは、そのことに気付いて歴史を元に戻そうとしたからのようです。

四季崎記紀はさらに、もう一つの真実を明かします。
彼が虚刀流開祖・鑢一根(やすり かずね)と親友だったということを。
前回の彼我木輪廻(ひがき りんね)の話でも触れられていましたが、今回、とがめと七花は四季崎記紀本人の口からもう一度それを聞くことになりました。
七花が最後の変体刀、虚刀・鑢だということを再確認することになります。

四季崎記紀は完了形変体刀の出来を確かめるため、七花に勝負を挑みます。
今から150年後に生まれる天才剣士(沖田総司?)が生み出したという構えをとります。
この構えから生み出される三段突きはかわしようがないと言って自信満々です。

七花は初めのうちは未来の剣術に押され気味でしたが、最後は七花八裂・改で勝利しました。
四季崎記紀は完了形変体刀の出来に満足し、息絶えます。
ただし、倒されたのは鳳凰の体。
彼の記憶は毒刀・鍍に保存されているので、完全に死んだわけではないはずです。


実質的に最後の変体刀を収集したとがめと七花は尾張へ向かいます。
ところが、最後の最後で衝撃の展開が待っていました。
先日公開されたPVで、とがめの背景が白の透過光だけで描かれる場面があって気になっていたのですが、その意味がはっきりしました。

尾張を目前にしたとがめと七花が神社で一息つき、二人の今後にも思いをはせてなごやかな雰囲気が漂い始めたところで、二人の前に右衛門左衛門が現れます。
右衛門左衛門は問答無用でとがめに向けて炎刀・銃の引き金を引きました。
2発の銃弾を腹部に受けたとがめはそのまま倒れてしまいます。
とがめは「手裏剣がかすっただけで死ぬくらいひ弱」だと言っていたくらいなので、おそらくこのまま助からないのではないでしょうか。
“白の透過光”はこのためだと思います。
七花が最後の戦いに赴く場面で、七花の心の中でとがめが試合開始の合図をするのでしょう。

とがめの最期を目の当たりにした七花の目が変わります。
「今、この瞬間。四季崎記紀が鍛えし変体刀最後の一本、虚刀・鑢が完成。いえ、完了したのでございます」
ということで、七花の絶叫で締め。


さて、今回、右衛門左衛門により人鳥が抹殺され、鳳凰も死亡したことで、真庭忍軍は滅びました。
凍空一族もすでに滅亡しているので、歴史の改変によって生み出された存在が徐々に消えて行っています。
さらにとがめが死んだことで、歴史はあるべき本来の姿に戻ろうとしているのかもしれません。

右衛門左衛門にとがめを抹殺させた否定姫は、自分の先祖(四季崎記紀)すら否定することで、歴史の改変を正そうとしているのでしょうか。
否定姫がとがめの正体を知って苦々しい想いを抱いていたのは、これまでは半ば遊びの延長(?)でとがめと張り合っていただけだったのが、とがめを本気で抹殺しなければならなくなったためなのかもしれません。


次回、いよいよ最終回です。

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公式サイト
http://www.katanagatari.com/

刀語 第11話
毒刀・鍍(どくとう・めっき)

演出
元永慶太郎
小林公二(演出助手)

脚本
上江洲誠

キャスト
鑢七花       細谷佳正
とがめ       田村ゆかり
否定姫       戸松遥
左右田右衛門左衛門 小山力也
真庭鳳凰      置鮎龍太郎
真庭人鳥      広橋涼
真庭蝙蝠      鈴木千尋
四季崎記紀     森功至
鑢一根       阿部敦
武将        金光宣明
足軽        薮中亮平
語り        池田昌子
ラベル:刀語
posted by animisc at 16:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 刀語 | 更新情報をチェックする
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