タイトルは『死霊遊戯』です。
季節は冬。
1作目の『旧校舎怪談』から10か月ほど経過した2月の出来事です。
舞台となるのは緑陵高校で、その校長が依頼に訪れます。
でもナルはこの依頼をあっさり断ってしまいました。
ところがその後、1人の生徒がやって来ます。
ナルは彼の必死の頼みを聞いて考えを変え、依頼を受けることに。
ナルを動かすほどの説得力を持つその生徒が、緑陵高校の生徒会長・安原修です。
ついに最後のレギュラーとなる“越後屋”の登場です(^^;
ということで、今回SPRは、緑陵高校で頻発している不可解な事件を解決することになります。
さっそく調査に入ったものの、前回の湯浅高校の件とは比べ物にならないくらい多くの異常現象が発生していることが判明。
とにかく数を減らすことを優先して除霊を進めても事態は一向に改善しません。
それどころか悪化の傾向すら見えてきて手詰まり状態に。
そんなときに活躍するのが麻衣です。
今回も彼女の言葉がヒントになり、事件の真相が明らかになっていきます。
でも最終的な解決方法について苦渋の決断を迫られることになって…。
ページ数は405ページ。
内容的には、コミックス第4巻と第5巻、アニメ版DVD Vol.6&7に収録されている「禁じられた遊び」に相当する話です。
読み始めてまず驚いたのが、SPRに能力トレーニングに通っている娘がいたり、新メンバーが加わっていたことです。
事件解決には直接タッチしないので顔見世程度の登場ですが、「なんでこの娘がこんなところにいるの?」といった感じでいきなりのサプライズでした。
ほかにも学校側職員に協力者がいたり、生徒たちがほどよく話に絡んできたりと、今回もコミックスやアニメでは味わえなかった奥行きを感じられました。
松山先生の嫌みっぷりに磨きがかかっていたのは言わずもがなです(^^;
さらに、デイヴィス博士に兄弟がいたこともさらりと明かされたりして、今後の展開を知っている読者からするとニヤリとさせられる文章もちらほら。
恐怖感の演出という点でも今回は秀逸でした。
LL教室での幽霊出現のくだりのジワジワと迫ってくるような恐怖や、麻衣が幽霊に追い詰められるくだりの手に汗握る恐怖など、これまでの作品より頭一つ抜け出ています。
この巻も途中で本を閉じることができずに一気に読み終えてしまうことになりました。
第5巻は『鮮血の迷宮』。
2011年7月刊行予定です。
おどろおどろしい恐怖感はおそらくシリーズ最高になるはずです。
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東洋史観によると彼女は真っ暗闇に輝く太陽で、
ありえないような非現実性的な世界観のみ、作品中に投影されます。
・・とか、とっても興味深いです。
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