行ってきますも。
ごめんなさいも。
ありがとうも。
もう一緒に歌えない。
ごめんなさい……お母さん。
ということで、いよいよ和奏の掘り下げエピソードがきました。
2話構成で大きなイベントを消化していくつくりらしいので、次回でひとまず決着がつくのかもしれませんが、ここはしっかり描いてほしいところ。
そのためもあってかどうか、今回はこれまでの橋本昌和さんに加えて佐藤梨香さんという方を迎えての共同脚本です。
中盤以降はかなりシリアスな内容になるので、そういうのが苦手だから助っ人を呼んだのでしょうか?
それでは本編。
序盤は大智のバドミントンの試合です。
これまで同様、展開は速めで、結果はすぐに出ました。
全国大会ベスト8どまりで全日本大会進出ならずという結果。
でもまあ、ここは試合の結果よりも大智と紗羽が互いにそれぞれの夢を理解してくれる人を見つけられたことが重要なのかもしれません。
大智はいずれはプロにという夢。
紗羽は騎手になるという夢。
2人の距離感がなんだかよかったです。
紗羽は大智の真剣な想いを理解したので、もう「もじもじしてキモイねえ」なんてことは口にしないでしょう(^^;
試合後のやりとりでは、大智がバドミントンを始めたきっかけや白浜坂高校に入学した理由もわかりました。
大智は姉・晴香が部活で始めたのを真似して、小学校3年の頃からバドミントンを始めたそうです。
バドミントンの名門でもない白浜坂高校に入学したのは、あこがれていた選手が白浜坂高校出身だったから。
この選手というのは晴香で間違いないでしょうね。
すべては強い姉への憧れがもとになっているのでしょう。
アバンの意味は前回の予想で間違いなかったようです。
でも今回のアバンはちょっと趣が違いました。
ウィーンが日本に来る前のヤンとのやりとりです。
病弱なのかいじめられっこなのかは不明ですが、ヤンには「弱い」設定がある様子。
ウィーンが自分の代わりにヤンを守ってくれるようにガンバレッドを残してきたというシーンでした。
「現在打ち込んでいることに目覚めるきっかけ」ということで無理やりこじつけるなら、ウィーンは今、ヤンのために何かを努力しているのかもしれません。
そういえば、大智を応援する来夏とウィーンが演じていた小芝居と歌は、ガンバレッドが出る戦隊物の一場面と主題歌でしょうか?
ガンバレンジャーとかいう番組があるのかもしれません。
まあそんな裏設定は置いておくとして、来夏がどさくさにまぎれて「奮起、一発!」の意味をウィーンに教える様子が笑えました。
「江戸時代に民衆が一揆をおこす時に使った掛け声なの。決死の覚悟で杯に栄養たっぷりのドリンクをね…」
ウィーンは何の疑いもなくメモってるし(^^;
そして中盤以降。
いよいよ和奏の掘り下げです。
和奏は、大智の応援を途中で引き揚げ、ベスト8を祝う合唱部のパーティーも欠席するなど、誰の目にも明らかに元気がないように見え始めました。
その原因は、前回コンドルクインズから渡された手紙を読んだことにあるようです。
手紙を読めば前進するためのきっかけが得られるのかと思いきや、逆に苦悩が深まってしまいました。
ちょっとしたきっかけで母・まひるの思い出がよみがえっています。
何度も何度も。
この過去回想への切り替えと、過去から現在への切り替えがとてもうまくて、話の流れ的にも映像的にも見入ってしまいました。
まひるの病気のことを知らない和奏が無邪気に語る様にいたたまれなくなった和奏の父・圭介が病室を出ていく様子など、細かいところまで丁寧に描かれていたのも印象的です。
まひるは、和奏が受験時期だった頃に本格的に体調を崩したようです。
和奏は受験で気が立っていたためなのか、反抗期だったためなのか、一緒に歌を作ろうとしたり、歌おうとしたりするまひるの誘いをことごとく拒絶していました。
そして、和奏が白浜坂高校の面接を受けているときに、まひるは危篤状態になってしまいます。
このときまひるの危篤を知らせに来たのは高橋智子先生で、面接官の一人は教頭だったようです。
特に重要なことではないでしょうけど、とりあえずメモメモ。
その後、和奏が合格通知を受け取る頃にはまひるは亡くなってしまいます。
おそらく意識は回復せず、最後の言葉を交わすこともできなかったのではないでしょうか。
これだけでも後悔の念に駆られるのに十分ですが、これに追い打ちをかけたのが例の手紙でした。
手紙に書かれていたのは次のような内容です。
「これからは娘と――和奏と一緒に歩きたいの。
その健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も。
そんな歌が、和奏と一緒なら作れる気がする。
私にとって歌は、愛を伝える言葉だから。
そして和奏が私に、大切なことを教えてくれたから。
和奏に伝えたい想いが歌になって、それを一緒に歌うことができたら。
そして、和奏の歌を聴くことができたら。
私の人生は100点満点です」
和奏は、母・まひるをことごとく拒絶し、彼女の人生を100点満点にしてあげられなかったことをこれまで以上に深く後悔することになってしまいました。
そしてついに耐えられなくなった和奏は、まひるの遺品(?)やピアノ、いつもカバンに付けていたまひるの手作りマスコットなど、まひるに関する物をすべて捨ててしまう決心をしたようです。
でも物を捨てることはできても、思い出までは捨てられませんでした。
これまでそばにあった物がなくなってしまったことで、逆に空虚さが増してしまったようです。
「言えなかった。
行ってきますも。
ごめんなさいも。
ありがとうも。
もう一緒に歌えない。
ごめんなさい……お母さん」
もう絶望のどん底です。
さらに追い打ちをかけるように、ドラが朝ごはんに口をつけずにどこかに消えてしまうし。
猫は死ぬときに姿を消すというのは俗説らしいので、ドラが死んだとは考えたくないですが…。
ということで、今回はここまで。
今回はほかにも、合唱部がコンクールで優勝した当時にまひるは高倉直子(教頭)と一緒に合唱部員だったこと、校長が顧問だったこと、紗羽の母・志保も合唱部で当時まひるの1学年下だったこともはっきりしました。
高橋智子先生もまひるとは深い縁がありそうですが、彼女も合唱部の関係者だったのでしょうか?
そういえば、和奏の父・圭介が誰にピアノを引き取ってもらったのかも気になるところです。
和奏がまひるの死を乗り越えられたときに再度引き取れるように、知人に預けただけならいいのですが。
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TARI TARI 第5話
捨てたり 捨てられなかったり
演出
浅井義之
脚本
橋本昌和
佐藤梨香
キャスト
坂井和奏 高垣彩陽
宮本来夏 瀬戸麻沙美
沖田紗羽 早見沙織
田中大智 島﨑信長
ウィーン 花江夏樹
坂井圭介 浜田賢二
坂井まひる 大原さやか
沖田志保 能登麻美子
田中晴香 川澄綾子
ヤン 小松未可子
アナウンス 慶長佑香
女性客 高橋未奈美
男性客 武田幸史
ラベル:TARI TARI