2012年09月17日

今週の一本(2012/9/16~9/22)―『TARI TARI』第12話(&第11話)

これまでは2話で1つのエピソードを描いていく形でしたが、第11話から最終話までは3話で1つのエピソードのようです。
しかも、前・中・後編というよりも前編(1話)+後編(2話)といった感じで、これまでの2話構成の後編にあたる部分をより丁寧に描いていこうとしているように思えます。
なんて細かいことはともかく、今回の脚本も橋本昌和さんと佐藤梨香さんの2人でした。
端折るところは端折り、描くべきところはしっかり描いているので、違和感なくすんなりのめり込める内容です。
この2人の脚本は本当に安定していますね。


ということで早速本編を。
最近ちょっとスランプ気味で長文をかけないので、簡単にまとめていきます(第11話は先週書いた下書きが残っていたのでちょっと長め)。


まずは第11話から。
第11話では、これまでみんなを引っ張って前に進み続けてきた来夏でさえ立ち止まってしまう状況が訪れました。
なんと高所得退職者向け高級複合マンション建設計画が本格始動し、白浜坂高校の廃校が決定です。
音楽科が廃止になるのかな?とまでは予想していましたが、それをはるかに超える展開になりました。
しかも、ロードマップが前倒しになったことで、年内にプレハブ校舎を完成させなければならないため、(おそらく安全性の面から)白祭も開催できなくなってしまいました。

ここで作中の時間経過についてちょっとまとめておきます。
・理事長からロードマップが早まったという話があったのは、夏休み明けからしばらくたった頃(9月初め)
・第11話で制服が冬服にかわった(10月に入った)
・この時点で白祭まで26日だった(白祭開催日は10月末~11月初めの間のいつかと推定できる)
・廃校の事実を全校生徒が知ることになったのはその数日後
・第11話ラストの時点ではそれからさらに1週間ほど経過している(10月中旬)[第12話開始時点で白祭まで17日となっている]

ということで、校長は廃校のことを1か月くらい言い出せなかったことになります。
9月初めの時点で適切に動いていれば、スケジュールを組み直すなどして白祭を開催できていたかもしれませんが、今となっては祭りが始まってすらいないのに後の祭りです。

こんな絶望感あふれる状況で、和奏がみんなを引っ張る役割を担うことになりました。
キーパーソンの面目躍如です。
自信にあふれた表情で「やろうよ、白祭!」と言う姿がとても印象的でした。
この場面だけでなく、CM入り前に見せるちょっと生意気そうな表情も、白浜坂高校を受験した頃の怖いものなど何もないといった感じの表情そのままでかなり良かったです。
和奏完全復活といったところでしょうか。
さらに、アバンで見せる、生前のまひるを彷彿させるしぐさや表情も最高でした。
それを見守る和奏・父の様子も。
台詞だけでなく、キャラクターの芝居で魅せる作りが本当にうまいです。

これ以外にも良かった点はたくさんありましたが、中でも廃校の事実を知る前に白祭に向けてそれぞれの仕事をがんばる5人を順番に映していくシーンが味わい深かったです。
みんなと離れて1人でいるときも1つの目標を達成するためにつながっていることを明確に示していました。
これは、第4話で来夏、大智、ウィーン、紗羽が歌の練習をする様子を順番に見せたシーンとは対照的です。
あの時は、和奏に切り替わったとたんに音がぷっつり途切れて、和奏の孤独感が強烈に表れていました。

さらに
・音楽劇「美女たちと蛙」のシナリオが完成間近
・まひると和奏の曲「radiant melody」が完成
・未来から来たロボット兵器 → 電池なくなったロボット兵器
・『花咲くいろは』に登場した水野枝莉のドッペルゲンガーが登場
など、いろいろ見どころが多かったです。
ドッペルゲンガー(美術部部長・水野葉子)は、本作においても抽象画が好きなようで、他の部員が静物画を描いているのに、なんだかわけのわからないものをデッサンしていました(^^;



そして第12話。
第11話ラストの和奏の一言で合唱時々バドミントン部が復活し(精神的に)、音楽劇を実施するためみんなで頑張ることになりました。
西之端商店街のわずかながらの協力も取り付け、独自に動き出します。
その過程で、ほかの部のメンバーの心もつかみかけているようです。
少しずつですが、音楽劇の準備を手伝ってくれる人が出始めました。
水野葉子も手伝ってくれそうな気配を見せていましたが、音楽劇の背景に抽象画を描かれそうで怖いです(^^;

そして今回の見どころは
・大智の恋心
・生徒会のクラブ会議で「白祭の中止の中止」の提案が否決
・ウィーンが作った小道具が間違って捨てられてボロボロに
・まひるの墓参りで和奏と教頭が邂逅 → 「一緒に楽しんで悩んでくれた友人が母にもいたのではないか」という和奏の言葉で教頭のかたくなな心が溶け始める
・声楽部部長・広畑七恵も陥落間近(来夏が上野みどりに渡した楽譜に興味を示していました)
・来夏の言葉に心を動かされた校長が理事長に進言 → でもあえなく撃沈(せめて自分の言葉で訴えていれば…)
・理事長は依然として融通の利かないザ・ビジネスマン

そんなこんなでついに白祭を翌日に控えた下校時間。
先行きの不安を表すように土砂降りです。
「やまない雨はないよ」というウィーンの言葉がハッピーエンドを暗示していますが……。

次回がいよいよ最終回。
どんな結末を見せてくれるのかとても楽しみです。

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公式サイト
http://taritari.jp/

TARI TARI 第11話
満ちたり 欠けたり

演出
許琮

脚本
橋本昌和
佐藤梨香

キャスト
坂井和奏      高垣彩陽
宮本来夏      瀬戸麻沙美
沖田紗羽      早見沙織
田中大智      島﨑信長
ウィーン      花江夏樹
坂井圭介      浜田賢二
坂井まひる     大原さやか
校長        宝亀克寿
高倉直子      田中敦子
理事長       菅生隆之
高橋智子      木村亜希子
宮本誠       松岡禎丞
広畑七恵      赤﨑千夏
上野みどり     種田梨沙
大谷政美      大西沙織
浜田徹       小野友樹
水野葉子      寿美菜子
松本文子      茅野愛衣
高橋先生の赤ちゃん 前田玲奈



TARI TARI 第12話
重ねたり 響いたり

演出
太田知章

脚本
橋本昌和
佐藤梨香

キャスト
坂井和奏  高垣彩陽
宮本来夏  瀬戸麻沙美
沖田紗羽  早見沙織
田中大智  島﨑信長
ウィーン  花江夏樹
坂井圭介  浜田賢二
沖田志保  能登麻美子
高倉直子  田中敦子
校長    宝亀克寿
理事長   菅生隆之
広畑七恵  赤﨑千夏
上野みどり 種田梨沙
片江利佳  高森奈津美
松本文子  茅野愛衣
浜田徹   小野友樹
花谷秋夫  小形満
長岡    高橋良吉
北池    松本忍
小山内   内野真生
女生徒   田頭里奈
ラベル:TARI TARI
posted by animisc at 15:34| Comment(0) | TrackBack(0) | TARI TARI | 更新情報をチェックする
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