この作品は、ポプラカラフル文庫から刊行されている藤咲あゆなさんの小説で、現在11巻まで発売されています。
藤咲あゆなさんのことは『ARIA The ANIMATION』で知り、それからずっと気になっていたのですが、最近『ナイトウィザード The ANIMATION』を観て再度注目度がアップしたこともあり、小説を読んでみることにしました(アニメ脚本はそれほど書かれていないようなので)。
物語の主人公は紗綾(さあや)という小学5年生の少女で、愛称はサーヤといいます。
サーヤは、生まれて間もないころに「紗綾」という名前が書かれた紙と鳴らない小さな笛とともに孤児院の前に置き去りにされました。
第1巻では、そんなサーヤがいくつかの出来事を経験した後、神舞(こうま)町という町で暮らすことになります。
この町は魔界への道が開きやすい場所で、かつては降魔町と表記されていました。
魔界から来た悪魔は能力者(マテリアル)たちの活躍ですでに一掃されていますが、この場所に悪魔が現れやすいということに変わりはないので、悪魔の調査と退治を目的として怪奇探偵団という組織が結成されています。
組織といっても規模は小さく、現在マテリアルとして活動しているのはサーヤの通う小学校に4名と、中学校と高校に3名しかいません。
また、マテリアルの能力は高校生くらいになると消えてしまうらしく、かつてマテリアルだった大人たちが彼女たちのサポート役をしています。
怪奇探偵団の目的は上記のように悪魔の調査と退治ですが、第1巻ラストの出来事があったため、魔界へ出向いて悪魔と直接対決するという目的が新たに加わることになります。
続く第2巻では、現役中学生アイドルのマテリアル2名が物語に加わることに。
第3巻以降はまだ読んでいませんが、今後は恋の話なども展開されるようです。
対象読者は小学校中学年以上(の女子?)ということで、芸能界や恋愛などをからめた、なかなかツボをついた内容になっています。
ただ、人物や物語の背景など細かい部分がよく練られているうえ、台詞回しがうまく、ほどよい笑いを盛り込みながらテンポよく話が進んでいくので、大人でも十分楽しめるのではないでしょうか。
特に自分のようなアニメ好きでファンタジー系の物語に抵抗がなければ、かなり引き込まれてしまう内容だと思います。
機会があれば読んでみてもいいのではないでしょうか。
最後に蛇足。
このシリーズはポプラカラフル文庫から刊行されていますが、もともと第6巻まではジャイブカラフル文庫で刊行されていたようです。
なので、現在発売されているポプラカラフル文庫版の第6巻までは、ジャイブカラフル文庫版に加筆・訂正したものとなっています。
第7巻以降はポプラカラフル文庫向けの書き下ろしです。
また、通常版のほかに図書館版というのも発売されていますが、ページ数は同じようなのに価格が300円ほど高いうえ、装丁のサイズと色が違うので、もし購入するのであれば図書館版は避けたほうがいいかもしれません。
魔天使マテリアル〈1〉目覚めの刻(とき) (ポプラカラフル文庫)魔天使マテリアル〈2〉華麗なる罠 (ポプラカラフル文庫)魔天使マテリアル〈3〉忘れえぬ絆 (ポプラカラフル文庫)魔天使マテリアル〈4〉青の間奏曲(インタールード) (ポプラカラフル文庫)魔天使マテリアル〈5〉風のキセキ (ポプラカラフル文庫)魔天使マテリアル〈6〉月下の旋律 (ポプラカラフル文庫)魔天使マテリアルVII 片翼の天使 (ポプラカラフル文庫)魔天使マテリアル〈8〉揺れる明日 (ポプラカラフル文庫)魔天使マテリアルⅨ 銀の夜想曲(仮) (ポプラカラフル文庫)魔天使マテリアル〈10〉黒闇の残響 (ポプラカラフル文庫)魔天使マテリアル〈11〉真白き閃光 (ポプラカラフル文庫)これまで自分が視聴したアニメの藤咲あゆな脚本エピソード『ARIA The ANIMATION』#9、#11、#13
『ARIA The NATURAL』#2、#3、#8、#11、#18、#19、#25
『ARIA The ORIGINATION』#1、#3、#5.5(TV未放送)、#10、#11
『金色のコルダ~primo passo~』#10、#14、#15、#21、#24
『ヴァンパイア騎士』#4、#6、#9
『ヴァンパイア騎士 Guilty』#3、#8、#9
『ナイトウィザード The ANIMATION』#1、#2、#3、#5、#7、#9、#11、#13(シリーズ構成も担当)
『伝説の勇者の伝説』#9、#13、#19
posted by animisc at 22:00|
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