2013年04月09日

TARI TARI ドラマCD「旅立ちの歌」

適当だけど適当じゃない。今の私たちの精一杯です。
白祭から卒業まで。TVアニメ最終13話の隙間を埋めるサイドストーリー。
完全オリジナル合唱曲「旅立ちの歌」を収録。
(CDの帯より)

ということで、待ちに待ったドラマCDが発売されました(正式な発売日は明日ですが)。
脚本はおなじみの橋本昌和さんと佐藤梨香さんということで、アニメ版のあの自然な台詞回しそのままです。
笑いありホロリありで納得の内容でした。

収録内容は、音楽劇「美女たちと蛙」(約23分)に続き、第13話「冬だったり 立ち止まったり」と「歩き出したり 春だったり」が合わせて約25分。
最後に新合唱曲「旅立ちの歌」(約4分)という構成です。

ストーリーは、白祭で合唱時々バドミントン部が音楽劇「美女たちと蛙」を演じる直前から始まります。
その後は、メインキャラ5人での打ち上げ、家に戻った各キャラの様子、そして最後に再び5人が顔を合わせてある約束をし、手始めに今の気持ちを綴った歌を作るところまでが描かれます。

音楽劇パートは来夏が脚本を書いたという設定なので、それだけで突っ込みどころが多いうえ、ウィーンと大智がアドリブを始めたりで、はじめのうちは結構笑えますが、終幕は「そう来るか」というちょっと予想外の展開でウルっとしてしまいました。
来夏って能天気なようでいて結構現実を直視してるんですよね。

第13話(の隙間を埋めるサイドストーリー)では、女性陣のあいかわらずの口の悪さに爆笑したり、各キャラが身近な人とかわす会話に吹いたりしんみりしたり、全体を通していろいろな思いが込み上げてきて、こちらも感動の内容でした。

ちなみに監督によれば


とのこと。

TARI TARIファンなら間違いなく大満足の内容だと思います。

TVアニメ TARI TARI ドラマCD 旅立ちの歌
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2012年09月17日

今週の一本(2012/9/16~9/22)―『TARI TARI』第12話(&第11話)

これまでは2話で1つのエピソードを描いていく形でしたが、第11話から最終話までは3話で1つのエピソードのようです。
しかも、前・中・後編というよりも前編(1話)+後編(2話)といった感じで、これまでの2話構成の後編にあたる部分をより丁寧に描いていこうとしているように思えます。
なんて細かいことはともかく、今回の脚本も橋本昌和さんと佐藤梨香さんの2人でした。
端折るところは端折り、描くべきところはしっかり描いているので、違和感なくすんなりのめり込める内容です。
この2人の脚本は本当に安定していますね。


ということで早速本編を。
最近ちょっとスランプ気味で長文をかけないので、簡単にまとめていきます(第11話は先週書いた下書きが残っていたのでちょっと長め)。


まずは第11話から。
第11話では、これまでみんなを引っ張って前に進み続けてきた来夏でさえ立ち止まってしまう状況が訪れました。
なんと高所得退職者向け高級複合マンション建設計画が本格始動し、白浜坂高校の廃校が決定です。
音楽科が廃止になるのかな?とまでは予想していましたが、それをはるかに超える展開になりました。
しかも、ロードマップが前倒しになったことで、年内にプレハブ校舎を完成させなければならないため、(おそらく安全性の面から)白祭も開催できなくなってしまいました。

ここで作中の時間経過についてちょっとまとめておきます。
・理事長からロードマップが早まったという話があったのは、夏休み明けからしばらくたった頃(9月初め)
・第11話で制服が冬服にかわった(10月に入った)
・この時点で白祭まで26日だった(白祭開催日は10月末~11月初めの間のいつかと推定できる)
・廃校の事実を全校生徒が知ることになったのはその数日後
・第11話ラストの時点ではそれからさらに1週間ほど経過している(10月中旬)[第12話開始時点で白祭まで17日となっている]

ということで、校長は廃校のことを1か月くらい言い出せなかったことになります。
9月初めの時点で適切に動いていれば、スケジュールを組み直すなどして白祭を開催できていたかもしれませんが、今となっては祭りが始まってすらいないのに後の祭りです。

こんな絶望感あふれる状況で、和奏がみんなを引っ張る役割を担うことになりました。
キーパーソンの面目躍如です。
自信にあふれた表情で「やろうよ、白祭!」と言う姿がとても印象的でした。
この場面だけでなく、CM入り前に見せるちょっと生意気そうな表情も、白浜坂高校を受験した頃の怖いものなど何もないといった感じの表情そのままでかなり良かったです。
和奏完全復活といったところでしょうか。
さらに、アバンで見せる、生前のまひるを彷彿させるしぐさや表情も最高でした。
それを見守る和奏・父の様子も。
台詞だけでなく、キャラクターの芝居で魅せる作りが本当にうまいです。

これ以外にも良かった点はたくさんありましたが、中でも廃校の事実を知る前に白祭に向けてそれぞれの仕事をがんばる5人を順番に映していくシーンが味わい深かったです。
みんなと離れて1人でいるときも1つの目標を達成するためにつながっていることを明確に示していました。
これは、第4話で来夏、大智、ウィーン、紗羽が歌の練習をする様子を順番に見せたシーンとは対照的です。
あの時は、和奏に切り替わったとたんに音がぷっつり途切れて、和奏の孤独感が強烈に表れていました。

さらに
・音楽劇「美女たちと蛙」のシナリオが完成間近
・まひると和奏の曲「radiant melody」が完成
・未来から来たロボット兵器 → 電池なくなったロボット兵器
・『花咲くいろは』に登場した水野枝莉のドッペルゲンガーが登場
など、いろいろ見どころが多かったです。
ドッペルゲンガー(美術部部長・水野葉子)は、本作においても抽象画が好きなようで、他の部員が静物画を描いているのに、なんだかわけのわからないものをデッサンしていました(^^;



そして第12話。
第11話ラストの和奏の一言で合唱時々バドミントン部が復活し(精神的に)、音楽劇を実施するためみんなで頑張ることになりました。
西之端商店街のわずかながらの協力も取り付け、独自に動き出します。
その過程で、ほかの部のメンバーの心もつかみかけているようです。
少しずつですが、音楽劇の準備を手伝ってくれる人が出始めました。
水野葉子も手伝ってくれそうな気配を見せていましたが、音楽劇の背景に抽象画を描かれそうで怖いです(^^;

そして今回の見どころは
・大智の恋心
・生徒会のクラブ会議で「白祭の中止の中止」の提案が否決
・ウィーンが作った小道具が間違って捨てられてボロボロに
・まひるの墓参りで和奏と教頭が邂逅 → 「一緒に楽しんで悩んでくれた友人が母にもいたのではないか」という和奏の言葉で教頭のかたくなな心が溶け始める
・声楽部部長・広畑七恵も陥落間近(来夏が上野みどりに渡した楽譜に興味を示していました)
・来夏の言葉に心を動かされた校長が理事長に進言 → でもあえなく撃沈(せめて自分の言葉で訴えていれば…)
・理事長は依然として融通の利かないザ・ビジネスマン

そんなこんなでついに白祭を翌日に控えた下校時間。
先行きの不安を表すように土砂降りです。
「やまない雨はないよ」というウィーンの言葉がハッピーエンドを暗示していますが……。

次回がいよいよ最終回。
どんな結末を見せてくれるのかとても楽しみです。

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2012年08月21日

今週の一本(2012/8/19~8/25)―『TARI TARI』第8話

今回は、競馬学校への入学が無理だとわかってもなお夢にしがみついて悩む紗羽の様子がメインで描かれました。
ただ、紗羽が将来について甘く考えすぎていたのは間違いなく、そのことは進路希望調査の第2希望以下に「なし♡(ハート)」と書いていたところからもうかがえるように思えます。
「馬が好き」という理由だけで騎手になれると単純に考えていたのでしょう。
ストレートな物言いの父親の言葉で意固地になってしまったことが、さらに悩みを深める結果につながってしまいました。
和奏から最高のアドバイスをもらっても、自分が非難されているとしか考えられないくらい追い詰められています。
そんな様子も含めてどのキャラも感情の動きが自然で、今回も笑えて感動できるドラマが展開しました。


それでは本編を。

合唱時々バドミントン部がいつも練習に使っている音楽準備室で声楽部が練習を始めてしまいました。
白祭のメインステージに参加するための選考会に備えての練習です。
教頭の許可はちゃんと取っているので反論の余地はありません。
選考会のことを知らなかった来夏たちは、声楽部部長・広畑七恵からきつい言葉をもらってしまいます。
「そんなことも知らないから、お遊びだって言われるんでしょ」
これを聞いた紗羽が自分の状況と重ねて過剰に反応してしまいます。

この場面で大智とウィーンが発声練習していましたが、音楽室から漏れてくる声楽部の声に合わせていたため、彼らの声は声楽部の声よりワンテンポ遅れていました。
こういう細かな演出も何気にいいです。

結局、練習場所がなくなってしまった一同は、ウィーンの「うち、ピアノあるよ」の一言でウィーンの家に行くことに。
その途中の電車内でのやり取りがまたよかったです。

ウィーン「友達に忍者っている?」
大智「いねえな」
ウィーン「やっぱり忍んでるんだね」
大智「それより、お前んちって天井高い?」
たんなるギャグのようでいて、それぞれの性格や今現在の興味などがはっきりわかるやり取りです。
会話が微妙にずれているところがまたなんともいい味を出しています。

一方、来夏は紗羽が“ロストラブ”したと勘違いしておかしなアドバイス。
困惑する紗羽が和奏に目をやると、和奏も来夏に同調していて、紗羽の困惑は深まるばかりです。
紗羽「?」 → 和奏サムズアップ → 紗羽「???」の流れが絶妙です。

そしてウィーンの家。
この家はもともとおじいちゃんの家で、彼が亡くなる前に会社に寄付したものでしたが、ウィーンの家族が急遽日本に戻ってきたので、今はこの家を借りているのだとか。
ウィーンの部屋に入ったときのみんなの言動がまた可笑しかったです。

和奏は暖炉を見つけて「何か燃やしてみようよ」
バドミントン第一の大智は照明器具を気にして「これ、バドミントンするのに邪魔だな」
来夏は「熱闘ヒーロー ガンバライジャー」のフィギュアで遊びだします。

ここでウィーンが珍しく大声をあげました。
このフィギュアはとても大事なものだからいじらないでほしいようです。
レッドがいない理由を尋ねられたときの答えは「レッドは今、遠いところで大事な任務を果たしてるんだ」
これはもちろんヤンを守るという任務ですね。

その後、ピアノがある部屋に移動した一同。
残念ながらピアノは使えないことがわかりました。
ずっと調律していなかったようです。
結局練習はできないとわかったところで紗羽が帰ると言い出します。
その様子を見てついに耐えられなくなった来夏が一言。
「失恋がそんなに辛いなら相談してよ! みんな紗羽の力になりたいと思ってるんだよ」
ここにきてついに紗羽が悩みを打ち明けることに。
騎手になりたいという夢、そしてそれがかなわないという現実。
これを打ち明けられた来夏とウィーンはがんばればなんとかなると紗羽を励まします。
でもがんばっても無理なことは紗羽が一番よく知っていることです。
そんな気持ちに追い打ちをかけるように発せられた和奏の言葉。
「少し離れてみたら? 今の気持ちが少し落ち着いて見えるようになる…」
かなわない夢にしがみついてもがき苦しみ続けるのはやめて、一歩退いて視野を広げてみることを勧めます。
そうすれば別の夢が見つかるかもしれないし、自分もそうやって立ち直ったからです。
でも今の紗羽にはこんな言葉も否定的にしか受け取れず、たまらずキレてしまいます。
「何悟ったようなこと言ってるの。和奏はいいよ。音楽に戻ってきて、今続けてるからそんなことが言えるんでしょう? 私は、今離れたらもうおしまいなの! 将来なんてないんだから!」
和奏はそれでも言葉を続けます。
「私、音楽に戻れてよかった。約束だから。お母さんと一緒に歌を作るって。歌で今でもお母さんとつながってる。でももし、もう一回だけお母さんに会えるんなら、私音楽をやめてもいい。けど、それはもう叶わないから」
紗羽は返す言葉がなくなり、その場を去ってしまいました。


その夜。
和奏が「ネコでもわかる作曲教室」を参考にしながら作曲の勉強をしています。
でもなかなかはかどらないので、自分が猫以下なことにため息。
一息ついたところで紗羽に電話をかけようとしましたが、やめてしまいました。
「落ち込んでるときは放っといてほしい」と身をもって知っているからです。

その頃、紗羽は和奏の言葉を思い出して悩んでいました。
「離れるって、諦めるってことじゃん。なんでみんなそんなことばっかり言うの? 私が甘えてるのかな?」
この時点で紗羽は和奏の言葉の正しさと、騎手になるという夢は捨てなければいけないことを頭では理解しているはずです。
でも最後のきっかけがつかめないために意固地になっているだけに見えます。
そのために「馬とかかわる仕事=騎手」としか考えられないのでしょう。
和奏の言葉どおり一歩退いてみれば、もっといろいろな可能性が見えてくるはずなのに。


翌日。
紗羽は学校を欠席してしまいました。
一方、来夏たちには一大事が発生。
教頭に呼び出されてメインステージ参加を辞退するよう言われてしまいます。
でも来夏は、第1話のときのように感情的に反発するのではなく、教頭の意図を理解したうえで丁寧にこれを断りました。
能天気なようでいて何気にけっこう成長しています。
和奏も教頭の言葉に自分なりに反論します。
合唱部に入るまで、音楽は一人で孤独に技術を磨くものだと思っていたけれど、いろんな人とかかわることでさまざまな感情が芽生えて綺麗なハーモニーを奏でられることがわかったと。
それを聞いていた教頭の脳裏にまひるの言葉が蘇りました。
そしてまひるに対して思わず愚痴ってしまいます。
「そう言って、全部一人でできてしまうのがあなたじゃない」
教頭のまひるに対しての想いが垣間見えた瞬間です。
教頭が合唱部を拒絶する理由はまだはっきりしていませんが、そのヒントといったところでしょうか。
そんな教頭に来夏の言葉が追い打ちをかけます。
「教頭先生。私、音楽に愛されてます。ほんのちょっとだけど…。覚えてますか? 私には人の心を動かす特別な何かがないって。一人じゃ無理だけど、みんなの力を借りれば、ほんのちょっとだけ人の心を動かせるようになったと思います。そのほんのちょっとを大きく育てるのが先生の仕事だと思います。だから、私たちを舞台に立たせてください」
ついに折れた教頭は、メインステージ参加希望者の選考会に出てそれを証明するよう言い渡しました。

ということで、来夏たちは選考会で歌うことに。
選考会はなんとその日の放課後です。
しかも紗羽が欠席しているので「100人の合唱部なら20人いない」ことになって戦力激減。
どうしても紗羽の力が必要なのに、電話にもメールにも応答なしです。

選考会の開始が迫る中、来夏たちは大切なことに気付きました。
紗羽はすごく落ち込んでいたのだから、来てほしいとお願いするだけじゃいけなかったのだということに。
「落ち込んでるときは放っといてほしいけど、気にしてくれる人たちがいるって、嬉しかったな」という体験者(和奏)談に従って、紗羽にそう伝えようと思い立ったものの、どう伝えていいかわかりません。

その頃、紗羽は和奏からのメールを読んでいました。
ウィーンの家で言ったことを謝るメールです。
さらに「あきらめなくていいことまであきらめたくないから、4人でも歌います。
でも、紗羽が来てくれたら、とても心強いです」とも書かれていました。

そんなメールを読んだ紗羽が和奏の“強さ”を羨んでいたとき、なにやら興奮気味の父の声が聞こえてきました。
競馬学校に電話をかけて、紗羽が入学できるようお願いしているようです。
でもお願いの仕方に問題があるような。
しまいには「坊主舐めんなー! 地獄に落とすぞー! 喝ーーつ!!」
これじゃお願いじゃなくて脅迫です(^^;

そんな父の不器用な想いを知った紗羽が部屋に戻ると、来夏から再度電話がかかってきました。
合唱時々バドミントン部の面々が一人ずつ、紗羽への励ましを歌に乗せて届けます。
紗羽はみんなの想いを知り、ようやく悩みを吹っ切れたようです。
急いで学校に向かいます。
普段は自転車で通っていますが、少しでも早く到着するためにサブレに乗って。

学校では選考会の時間が迫ります。
和奏は、学校に電話をかけて教頭を呼び出してもらういたずら電話もどきの作戦で必死に時間稼ぎをしますが、さすがにこれだけでは無理があり、合唱時々バドミントン部の面々は紗羽抜きでステージに上がることに。
とここで紗羽が到着。
ギリギリで間に合った紗羽がステージに駆け上がり、みんなとハイタッチをきめ、紗羽の笑顔を見られたところで本編終了です。
選考会の結果は描かれませんでしたが、おそらく通過して白祭参加OKでしょうね。
そのへんは十分想像で補えるので、無駄を省いた清々しい引きといえるかもしれません。


ということで、今回もなかなか見ごたえがありました。
和奏の父に続いて紗羽の父もいい父親で、メインキャラだけでなく脇役も頑張っています。
紗羽の新しい夢については今後何らかのフォローがあるはずですが、もしかするともう少し悩む描写があるのかもしれません。
その結果については最終話あたりで明らかになるのかも。
どんな夢を見つけることになっても最後は笑顔を見せてほしいです。

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2012年08月13日

今週の一本(2012/8/12~8/18)―『TARI TARI』第7話

今回から「紗羽編」ともいえる紗羽にスポットが当たったエピソードが始まりました。
騎手になるという夢をかなえるため、紗羽が動き出します。
ただ、紗羽にとってこの夢はつい最近まで文字通り漠然としたただの夢だったように思えます。
おそらくバドミントン大会のときに大智が真剣に夢を掴もうとしていることを知り、それに影響されて動き出したのではないでしょうか。
そのため、騎手になるには体重制限があるということを競馬学校の入学案内を読んで初めて知ったようです。
それでもあきらめないで、父と衝突しながらも夢を掴もうと努力する姿がいじらしかったです。
でもこの夢はきっとかなわないのではないでしょうか。
というか、この夢がかなってしまったら非現実的すぎてちょっとがっかりです。
ここで挫折を経験して新しい夢を見つけるといった展開になるような(なってほしい)気がします。


さて、本筋は紗羽についてですが、そのほかのことについても少しずつ話が進んでいました。

①和奏の参加で本格始動した合唱部が、文化祭のメインステージへの参加を目指します。
メインステージに参加するには教頭の承認が必要なようなので、またひと波乱あるのかもしれません。
それはさておき、合唱部としての出し物を決める場面のやりとりがなかなか楽しかったです。
母に対する葛藤が解消して本来の性格を見せ始めた和奏と来夏&紗羽による女子の連携はまさに10代の女の子といった感じで、「女ってこえーな」な様子がとてもうまく表現されていました。
この場面に限らず、紗羽と父のやりとり、和奏と父のやり取り、来夏の自由奔放な言動などなど、これまで同様あるいはそれ以上に台詞回しが冴えわたっていました。
橋本昌和さんも佐藤梨香さんも、脚本家としてクレジットされるのは本作が初めてだと思いますが、脚本の巧みさに改めて感心してしまいます。
また、映像面でも各キャラを細かく描写していて、台詞として表現されない部分を見事に補完していました。
なんだか毎回同じようなことを書いている気がしますが、本当に素晴らしい仕上がりです。

②「ウィーン編(?)」のための布石がさらりと描かれました。
当面の目標(文化祭参加&声楽部打倒)に向けてみんなの先頭に立って走り出した来夏、流鏑馬の練習に励む紗羽、バドミントンを続けるためにがんばる大智、母の残した曲を完成させる(その後は音大をめざす?)という目標がある和奏。
それに対してウィーンには明確な目標がなく、一人取り残されたように感じているようです。
紗羽編のあとは、そんなウィーンの葛藤が描かれるのかもしれません。

③最後は、白浜坂高校の理事長の登場です。
なにやら事業計画が正式決定してロードマップを少し早めることになったとか。
これを聞いた校長がしょんぼりしていました。
そうなることがあらかじめわかっていたためなのか、音叉を何度鳴らしても心を落ち着かせることができませんでした。
その様子からして、音楽科を廃止して全校を普通科にするといったような計画なのかもしれません。


ということで、今回はここまで。
紗羽の夢にどう決着をつけるのか、次回が楽しみです。

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2012年08月06日

今週の一本(2012/8/5~8/11)―『TARI TARI』第6話

今回は和奏の葛藤にけりがつき、物語の大きな山を一つ越えました。
合唱部の面々や高橋先生(と赤ちゃん)、それに父・圭介が、和奏の心を溶かしていく様子が見事に描かれていたと思います。
物語は静かに進んでいくのに、台詞回し、展開、キャラの表情の変化やしぐさなどが相変わらずすべて高いレベルでかみ合っていて、本当に見ごたえのある回でした。

次回からは紗羽やウィーンが前面に出てきてそれぞれのエピソードが語られそうですが、それでもこれまで同様、キーパーソン=和奏というのは揺るがないはずです。
各エピソードに和奏の変化を織り込みながら、最終的にはまひるが残した作りかけの歌を完成させて、和奏がまひるの願いどおり「ハーモニー(音)をでる娘」になって終幕を迎えるのかもしれません。
和奏の誕生日が近いというのも何かの伏線でしょうか?


そういえば、かつての合唱部がコンクール前に自由曲を録音したカセットテープに興味深い言葉が録音されていました。
まひるが「私と“なお”から生まれて、合唱部みんなで育てた歌を歌います」と言っているところです。
「なお」とはもちろん「直子(教頭)」のことですね。
「心の旋律」はまひると教頭の合作だったようです。
曲はまひるで、詩は教頭といったところでしょうか?

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2012年07月31日

今週の一本(2012/7/29~8/4)―『TARI TARI』第5話

言えなかった。
行ってきますも。
ごめんなさいも。
ありがとうも。
もう一緒に歌えない。
ごめんなさい……お母さん。

ということで、いよいよ和奏の掘り下げエピソードがきました。
2話構成で大きなイベントを消化していくつくりらしいので、次回でひとまず決着がつくのかもしれませんが、ここはしっかり描いてほしいところ。
そのためもあってかどうか、今回はこれまでの橋本昌和さんに加えて佐藤梨香さんという方を迎えての共同脚本です。
中盤以降はかなりシリアスな内容になるので、そういうのが苦手だから助っ人を呼んだのでしょうか?


それでは本編。

序盤は大智のバドミントンの試合です。
これまで同様、展開は速めで、結果はすぐに出ました。
全国大会ベスト8どまりで全日本大会進出ならずという結果。
でもまあ、ここは試合の結果よりも大智と紗羽が互いにそれぞれの夢を理解してくれる人を見つけられたことが重要なのかもしれません。
大智はいずれはプロにという夢。
紗羽は騎手になるという夢。
2人の距離感がなんだかよかったです。
紗羽は大智の真剣な想いを理解したので、もう「もじもじしてキモイねえ」なんてことは口にしないでしょう(^^;

試合後のやりとりでは、大智がバドミントンを始めたきっかけや白浜坂高校に入学した理由もわかりました。
大智は姉・晴香が部活で始めたのを真似して、小学校3年の頃からバドミントンを始めたそうです。
バドミントンの名門でもない白浜坂高校に入学したのは、あこがれていた選手が白浜坂高校出身だったから。
この選手というのは晴香で間違いないでしょうね。
すべては強い姉への憧れがもとになっているのでしょう。
アバンの意味は前回の予想で間違いなかったようです。
でも今回のアバンはちょっと趣が違いました。
ウィーンが日本に来る前のヤンとのやりとりです。
病弱なのかいじめられっこなのかは不明ですが、ヤンには「弱い」設定がある様子。
ウィーンが自分の代わりにヤンを守ってくれるようにガンバレッドを残してきたというシーンでした。
「現在打ち込んでいることに目覚めるきっかけ」ということで無理やりこじつけるなら、ウィーンは今、ヤンのために何かを努力しているのかもしれません。

そういえば、大智を応援する来夏とウィーンが演じていた小芝居と歌は、ガンバレッドが出る戦隊物の一場面と主題歌でしょうか?
ガンバレンジャーとかいう番組があるのかもしれません。

まあそんな裏設定は置いておくとして、来夏がどさくさにまぎれて「奮起、一発!」の意味をウィーンに教える様子が笑えました。
「江戸時代に民衆が一揆をおこす時に使った掛け声なの。決死の覚悟で杯に栄養たっぷりのドリンクをね…」
ウィーンは何の疑いもなくメモってるし(^^;



そして中盤以降。
いよいよ和奏の掘り下げです。
和奏は、大智の応援を途中で引き揚げ、ベスト8を祝う合唱部のパーティーも欠席するなど、誰の目にも明らかに元気がないように見え始めました。
その原因は、前回コンドルクインズから渡された手紙を読んだことにあるようです。
手紙を読めば前進するためのきっかけが得られるのかと思いきや、逆に苦悩が深まってしまいました。
ちょっとしたきっかけで母・まひるの思い出がよみがえっています。
何度も何度も。
この過去回想への切り替えと、過去から現在への切り替えがとてもうまくて、話の流れ的にも映像的にも見入ってしまいました。
まひるの病気のことを知らない和奏が無邪気に語る様にいたたまれなくなった和奏の父・圭介が病室を出ていく様子など、細かいところまで丁寧に描かれていたのも印象的です。

まひるは、和奏が受験時期だった頃に本格的に体調を崩したようです。
和奏は受験で気が立っていたためなのか、反抗期だったためなのか、一緒に歌を作ろうとしたり、歌おうとしたりするまひるの誘いをことごとく拒絶していました。
そして、和奏が白浜坂高校の面接を受けているときに、まひるは危篤状態になってしまいます。

このときまひるの危篤を知らせに来たのは高橋智子先生で、面接官の一人は教頭だったようです。
特に重要なことではないでしょうけど、とりあえずメモメモ。

その後、和奏が合格通知を受け取る頃にはまひるは亡くなってしまいます。
おそらく意識は回復せず、最後の言葉を交わすこともできなかったのではないでしょうか。
これだけでも後悔の念に駆られるのに十分ですが、これに追い打ちをかけたのが例の手紙でした。
手紙に書かれていたのは次のような内容です。
「これからは娘と――和奏と一緒に歩きたいの。
その健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も。
そんな歌が、和奏と一緒なら作れる気がする。
私にとって歌は、愛を伝える言葉だから。
そして和奏が私に、大切なことを教えてくれたから。
和奏に伝えたい想いが歌になって、それを一緒に歌うことができたら。
そして、和奏の歌を聴くことができたら。
私の人生は100点満点です」

和奏は、母・まひるをことごとく拒絶し、彼女の人生を100点満点にしてあげられなかったことをこれまで以上に深く後悔することになってしまいました。
そしてついに耐えられなくなった和奏は、まひるの遺品(?)やピアノ、いつもカバンに付けていたまひるの手作りマスコットなど、まひるに関する物をすべて捨ててしまう決心をしたようです。
でも物を捨てることはできても、思い出までは捨てられませんでした。
これまでそばにあった物がなくなってしまったことで、逆に空虚さが増してしまったようです。

「言えなかった。
行ってきますも。
ごめんなさいも。
ありがとうも。
もう一緒に歌えない。
ごめんなさい……お母さん」

もう絶望のどん底です。
さらに追い打ちをかけるように、ドラが朝ごはんに口をつけずにどこかに消えてしまうし。
猫は死ぬときに姿を消すというのは俗説らしいので、ドラが死んだとは考えたくないですが…。


ということで、今回はここまで。

今回はほかにも、合唱部がコンクールで優勝した当時にまひるは高倉直子(教頭)と一緒に合唱部員だったこと、校長が顧問だったこと、紗羽の母・志保も合唱部で当時まひるの1学年下だったこともはっきりしました。
高橋智子先生もまひるとは深い縁がありそうですが、彼女も合唱部の関係者だったのでしょうか?

そういえば、和奏の父・圭介が誰にピアノを引き取ってもらったのかも気になるところです。
和奏がまひるの死を乗り越えられたときに再度引き取れるように、知人に預けただけならいいのですが。

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2012年07月23日

今週の一本(2012/7/22~7/28)―『TARI TARI』第4話

今回は、コンドルクインズとの出会いとWORLD MUSIC FESTIVALの開始という2つのイベントを通じて、物語の(そして合唱部の)キーパーソンとしての和奏の位置づけがより鮮明になってきました。
もう何度も書いていることですが、今回も台詞回しが実にうまかったです。
さらにキャラの掘り下げが無理なく徐々に進んでいく心地よさ。

また、オーディションの邪魔(伴奏)をしたのがコンドルクインズだと知った来夏が、オーディションの負けを自ら認めてしまったうえ、WORLD MUSIC FESTIVALに出場してくれるようコンドルクインズに頼んでしまったことから、紗羽との関係がぎくしゃくすることにもなりました。
「だって勝てるわけないもん」とあっけらかんと話す来夏は、練習をおろそかにして、しまいには練習を休ませてほしいと言い出す始末です。
これにはさすがの紗羽も怒ってしまいました。
「あたしたちまだ何もできてないじゃん。これ遊びだったの?あたし、尊敬してるすごい騎手が相手でも、一緒に走るんなら絶対負けたくない。来夏は自分で歌わなきゃ!」
来夏の夢の実現に協力するために合唱部員となった紗羽の本気の怒りです。
第1話で来夏が声楽部をやめたことを知ったときも、第3話で教頭が部活動申請書を捨ててしまったときに来夏のために抗議しようと前に出たときも、紗羽は来夏のために動いています。
今回の怒りも、このままでは来夏が後悔してしまうことをわかっているので、そうならないように来夏に活を入れたということでしょう。

一方、来夏も紗羽が理不尽な怒りをぶつけたのではないことは気づいているはずです。
その後、自分なりに一生懸命考えた末、別のステージを見つけようとがんばりました。
この過程でさりげない助言を与えるコンドルクインズの描写も良かったです。
コンドルクインズ陽気、コンドルクインズ小柄、コンドルクインズ外国の3人の性格付けがしっかりできているせいもあって、それぞれの言葉づかいにかかわらず、その裏に込められた優しさが自然に伝わってきました。
これまでの登場回数はそれほど多くないのにすんなりと受け入れられる人物描写は、本当に「うまい」の一言です。

さらに、来夏たちのために裏でステージを確保してくれていた和奏の行動も、彼女の性格をうまく表していました。
来夏と和奏が2人で会話するシーンで「来夏でいいよ」と視線を合わせずにさりげなく言う(言ったつもり)の来夏と、視線を合わせてはっきりと「和奏でいいよ」と返す和奏のやり取りも素晴らしかったです。



さて、これ以外の本編でのやり取りで印象的だったものをいくつかあげてみると。。。

「心の旋律」と似ているコンドルクインズの曲「Amigo! Amigo!」が生まれた経緯が明かされました。
コンドルクインズが路上ライブしているときにまひると出会い、彼女と一緒に作ったそうです。
まひるとの時間を過ごすうちに「作った」というより「生まれた」という感じで自然に出来上がった、コンドルクインズ唯一のヒット曲だとか。
まひるは特別な友人で恩人で、たぶん恋していたという話も聞けました。
まひるの存在の大きさが改めて浮き彫りになり、これを聞いた和奏の悩みも深まったようです。
どうでもいいことですが、「僕たちは君のパパやないよ」と品のないジョークを飛ばすコンドルクインズ外国の言葉に反応して照れる和奏がかわいかったです。

そういえば、コンドルクインズ外国が和奏を連れて来たときの言葉「見つけたよ、まひるの娘さん!」に反応して紗羽の母・志保が振り返ったのが気になりました。
年代的には志保はまひると同期でしょうから、彼女も合唱部だったのでしょうか?

それと、コンドルクインズ外国が日本語を話せることも判明。
ただし興奮しすぎると母国語になるという弱点(?)がストーカー騒ぎの原因だったことがわかりました(^^;
ウィーンの活躍もあり、和奏とやっとコミュニケーションが取れました。
一つ残念だったのは、「あの自転車を追ってください!」のところでタクシー運転手の声が聞けなかったことでしょうか。
ここはぜひとも一言欲しかったです。
もちろん中田譲治声で(CANAAN的に)。


そしてWORLD MUSIC FESTIVALが開始。
来夏たちは「Hau'oli♪」という曲で優勝を目指します。
ちなみにHau'oliとはハワイ語で「楽しい」「幸せ」「喜び」という意味のようです。
ところが、来夏たちのステージは海から遠いうえ、無名なためもあり、誰も聴きに来ません。
仕方ないのでいったん休憩してコンドルクインズのステージを見学することに。
コンドルクインズのステージは大賑わいでした。
ステージを放り出してここまでやってきた理由を聞いたコンドルクインズ小柄の「集まるから歌うんじゃない。歌って人を集めるんだろうが」という台詞がなにげに深いです。
コンドルクインズ陽気がアンコールでステージに立たせてやろうかという言葉をかけてくれましたが、来夏は自分たちのステージがあるからときっぱりと断ります。
紗羽に怒られる前の来夏なら喜んで飛びついていたのではないでしょうか。
そんなやり取りの後、歌う意欲を取り戻した合唱部一同は再びステージへ。

ここでコンドルクインズ陽気が和奏に話しかけます。
「音楽をやめたそうだね」
そしてまひるの言葉を伝えました。
「その健やかなる時も病める時も、喜びの時も悲しみの時も……私が作りたいのは、そんな曲かな」という生前の言葉。
まひるは生涯を共にしたいと思える“曲”を作りたかったということでしょう。
「その時は意味が分からず夢物語だと笑ってしまったけれど、それが君だったのかもしれないな」
これまた深い台詞。
生前のまひるが作りたいと言っていた“曲”とは娘・和奏そのものなのかもしれない。
まひるは人生そのものを音楽ととらえていたようです。
「昔まひるに言われたんだよ。音楽はやめられない」
そして、「君に持っていてほしい」と言って手紙を渡します。
和奏が生まれたときにまひるから届いた手紙だそうです。
コンドルクインズの話を聞き、さらに母が残した手紙を読んだ和奏は何を想うのか。
和奏はまだ名義貸しのみで合唱部のステージには参加せず、歌を歌うこともありません。
この手紙に何が書かれているのかは当然気になりますが、和奏がいつ歌うのかも気になるところです。


そういえば①
これまでアバンの意味はまったく気にしていませんでしたが、どうやら各キャラクターが現在打ち込んでいることに目覚めるきっかけが描かれているように思えます。
第2話の来夏はコンドルクインズの歌を通じて音楽の楽しさに目覚め、
第3話の大智は強い姉・晴香への憧れが転じて姉が好きなバドミントンを始め、
第4話の紗羽は幼少時の経験から乗馬の楽しさを知った、
というところでしょうか。

とすると第1話の和奏は母・まひると一緒にいられたときの思い出に生きているということになりそうです。
和奏が音楽から離れた理由には母の死以外にも複雑な事情があるのだろうと思っていましたが、歌うことで喜びを共有してくれる人(まひる)がもうこの世にいないからという意外と単純な1つの理由なのかもしれません。
根本原因となる人物がこの世に存在しないところが複雑と言えば複雑ですが。
第1話の「いまさら歌ったって……楽しめるわけない」はそういうことなのでしょう。
今回の出来事の結果、和奏がどのように変わっていくのか、そしてそれがどう描かれるのか。


そういえば②
今回の風呂担当はコンドルクインズ外国でした。
別作品ですが、かつて『ドルアーガの塔~the Aegis of URUK~』という作品には「風呂縛り」なるものがあって、毎回どのように風呂シーンを組み込むのか苦労したという話がありました。
この作品にもそのような縛りがあるのでしょうか?
別にどうでもいいことですが、次回の風呂担当が気になります(^^;

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2012年07月16日

今週の一本(2012/7/15~7/21)―『TARI TARI』第3話

今回も台詞回しと状況の転がし方がうまくて、ストーリー上重要なことからあまり重要ではないことまでがテンポよく展開しました。

本筋と関係ありそうな部分では
・合唱部とバドミントン部が「合唱時々バドミントン部」として同時復活したり
・和奏が謎の外国人に追い掛け回されたり
・和奏の母(まひる)と教頭、校長、コンドルクインズの関係のヒントが少しだけ提示されたり
・西之端商店街のイベント「WORLD MUSIC FESTIVAL」の開催が決定したり
と盛り沢山な内容です。

また、本筋とそれほど関係ない部分でも
・お風呂シーンで意表を突かれたり
・大智の忠告を忘れていたウィーンがトンビにサンドイッチをさらわれたり
・『花咲くいろは』の「屈伸からのうさぎ跳び」がネタとして使われたり
・約束のケーキをしっかり3つ平らげる和奏が描かれたり
・「和奏」「紗羽」と下の名前で呼び合う仲になった2人から取り残されたような気分になってちょっとヘコむ来夏が描かれたり
などなど、まさに「たりたり」づくしな回でした。


今後のストーリーにとって重要そうなことを1つずつ見ていくと…。

①合唱部とバドミントン部の同時復活
合唱部については予想どおり寄せ集めの部員たちがやめてしまい、校長代理(教頭)が校則を厳密に適用して廃部になってしまいました。
そのとばっちり(?)で部員一名のバドミントン部も廃部です。
来夏も大智も今部活をやめるわけにはいかないので、部員集めに知恵を絞ります。
その結果、バドミントンの試合で負けたほうが勝ったほうの部に入部することになりました。
いざ試合という場面で「当たり前」の応酬によりどんどん当たり前ではなくなっていく展開がなんとも可笑しかったです。
さらに和奏の「やるなら勝ちたい」という台詞。
和奏はやると決めたら全力で打ち込むタイプのようです。
いまのところ状況に流されるままに合唱部員扱いされている和奏ですが、音楽から離れることになった原因を取り除いてあげれば音楽の才能を思う存分発揮してくれるのかもしれません。
苦手な英会話のほうも、やる気さえ出せば会話能力は急上昇するのではないでしょうか(とりあえず単語を並べて話す度胸はあるようなので)。


②和奏が謎の外国人に追い掛け回される
通学途中に自転車のチェーンが外れてしまった和奏に救いの手を差し伸べてくれたのが巨漢の謎の外国人です。
和奏はビビりまくって逃げ回っていますが…。
この外国人はEDクレジットによると「コンドルクインズ外国」のようです。
ポルトガル語を話しているので会話内容は不明ですが、和奏のカバンに付いているマスコットで何かを思い出した後、和奏の顔を凝視して何かに気づき感激していたように見えます。
後半で校長が言っているように、和奏には母(まひる)の面影があるようなので、この外国人もそれに気づいたということなのかもしれません。
ということはコンドルクインズとまひるの間にも何らかの関係があったということです。


③和奏の母(まひる)と教頭、校長、コンドルクインズの関係のヒント
校長によれば、白浜坂高校にはかつて合唱部(声楽部ではない)があり、全国合唱コンクールで優勝したことがあるとか。
そして、和奏の母(まひる)は校長の教え子だったことも判明しました。
「あの頃の私という男は、まさにモレンドと…」と話していましたが、モレンドとは音楽用語で「だんだん遅く」といった意味らしいので、当時の校長は音楽への情熱を失いつつあったということなのでしょう。
まひるとの出会いで音楽の持つ意味が変わったというのは、まひるの影響で音楽への情熱を取り戻せたということでしょうか。
想像で大胆に補ってみると、全国優勝した当時の合唱部の顧問は教師だったころの校長で、まひると教頭はその頃の部員だったのではないでしょうか。
まひるの音楽を楽しむ姿と人を惹きこむ輝きが合唱部のみんなに影響し、全国優勝を勝ち取ることができたのかもしれません。

さて、まひるとコンドルクインズとの関係はどうでしょうか?
コンドルクインズ(特に謎の外国人)もまひるの輝きに惹かれてしまったのではないでしょうか。
まひるが口ずさんでいたメロディーと「心の旋律」の楽譜、それにコンドルクインズの曲が似ている理由がこれで分かったような気がします。
おそらくまひるが口ずさんでいたメロディーは「心の旋律」そのものでしょう。
前回は「心の旋律」の作曲者が教頭ではないかと思いましたが、まひるが作曲したと考えたほうがいいのかもしれません。
偶然にもこのメロディーを聴いてしまい、さらにまひるの輝きに惹かれたコンドルクインズがアレンジを加えて発表した曲が、前回アバンでTV放送されていた曲ではないでしょうか。
素人がプロの曲を口ずさむときに自分のアレンジを加えて口ずさむ可能性はそれほど高くないと思うので、素人(まひる)の曲にプロ(コンドルクインズ)がアレンジを加えたと考えたほうがよさそうに思えます。


④西之端商店街のイベント「WORLD MUSIC FESTIVAL」の開催が決定
「夏を盛り上げよう!」ということで商店街で会議が開かれていろいろ議論されたようですが、まるで結論は話し合う前からすでに決まっていたかのように紗羽の母の一言であっさり決定しました。
海の家や商店街の店がそれぞれ一つの国をテーマに舞台を作って専属の歌い手をおき、人気投票で順位を競うWORLD MUSIC FESTIVAL。
一位になったらメインステージでライブを開けるそうです。
これを知った来夏はフェスティバルに参加するため、紗羽がバイトしている海の家でオーディションしてもらうことに。
その場にいた来夏、紗羽、大智の3人で校歌を歌いましたが、いまいち盛り上がりません。
そこになぜか伴奏が流れてきます。
海の家に来ていた2人の人物(おそらくコンドルクインズの残る2人のメンバー)が即興演奏してくれました。
ラテンのノリで軽快に生まれ変わった校歌。
歌う3人もノリノリです。
見ているこちらまでリズムをとってしまうほどでした。
やはり音楽はいいですね。
ということで、オーディションの結果はまだわかりませんが、新生合唱部の新たな舞台が用意されたところで今回は終了。
続きが気になります。


最後に蛇足。
大智のあだ名が「たいくん」と判明!

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2012年07月09日

今週の一本(2012/7/8~7/14)―『TARI TARI』第2話

今回は、合唱部設立から合同音楽発表会参加まであれよあれよという間に話が進みました。
合同音楽発表会の開催がこんなに間近に迫っていたとは思っていなかったので、展開の速さに驚きです。
それでも台詞回しの楽しさと心地よさは1話から変わらずかなり良かったです。
活き活きしたキャラ描写に引き込まれまくりでした。
ラストの「心の旋律」の合唱も抜群の雰囲気&歌唱だったと思います。


さて、教頭はこれまでに何度か「坂井和奏」の存在に反応して微妙な態度を見せています。
OP映像からすると、教頭はかつて和奏の母と親友で、和奏の母の影響で音楽にのめりこんでいったように思えます。
「心の旋律」を歌いたいと力説する来夏の言葉を聞いて態度を変えたのは、和奏の母も生前に来夏と同じようなことを言って音楽への情熱を語っていたからでしょうか?
それとも来夏の姿が若かりし頃の自分の姿に重なったから?

和奏が合唱部の面々の前でピアノを演奏したときの回想から推察すると、和奏の母は闘病の末に亡くなったようです。
教頭が今のように厳しくなったのはその頃からなのかもしれません。
和奏が音楽から離れたのもきっとその頃なのではないでしょうか。

さらに「それが私という男なんだ」が口癖の校長が、「坂井和奏」の名前を見て合唱部設立を許可したのも気になるところです。
和奏の場合は当然として、校長と教頭にとっても和奏の母は相当に大きな存在だったように思えます。

ところで、「心の旋律」は和奏の母が口ずさんでいた歌のようですが、この曲の楽譜は誰が書いたのでしょうか?
表紙に書かれている署名を塗りつぶすというずいぶん思わせぶりな見せ方をしていたのが気になります。
予想としては和奏の母か教頭のどちらかが書いたのだと思いますが、ドラマ的には教頭が書いたとしたほうが盛り上がりそうな気も。
そんなことを考えながら来夏と教頭の台詞を聞き直してみると、その意味が俄然深みを増します。
「聴いたことない曲だったけど、作った人の音楽を楽しむ気持ちが私には伝わってきて。すごくまっすぐで。真剣に歌が大好きで。でもやっぱり楽しくて」
「楽しむことと楽しませること。その両立、あなたにできはしません」
教頭は両立できなかったということなんでしょうね(少なくとも今のところは)。


そういえば、今回合唱部に入部した人たちは、踊るバイオリニスト・熊谷哲二のファン(?)がほとんどだろうから、このあとみんな退部してしまいかねないような気が。
今後、もう一度歌う機会が訪れて部員集めに奔走することになるのでしょうか。
そのときはきっとメインキャラ5人で合唱部再出発ですね。


最後に。
ウィーンが読んでいる本、出版してくれないかなあ。
発売されたら絶対買っちゃいそう(^^;

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