2011年11月26日

ゴーストハント 7 扉を開けて

「悪霊シリーズ」のリライト版・第7巻『扉を開けて』が発売されました。
1年余りにわたって刊行されてきたシリーズの最終巻です。
最後ということで気合が入ったのか、これまで数か所は必ずあった誤植が今回はゼロでした(たぶん)(^^;
これは何気にすごいことかも。


今回の話は、前巻の舞台となった高級料亭からの帰り道にダム湖の脇を偶然通りかかるところから始まります。
ダム湖を見つめて「やっと、見つけた……」とつぶやいたナルが突然SPRの閉鎖を宣言。
プロのダイバーを手配して、ダム湖に沈んでいる“何か”を探すことに集中してしまいます。
でも、探索の成果は上がらずに時間だけが経過。
他のメンバーたちはそんなナルの行動の行く末を見守ることしかできません。
そんな中、彼らのもとを地元の町長と助役が訪れます。
SPR一行は、廃校になった小学校に出る幽霊の調査を依頼され、“何か”が見つかるまでという約束でこの依頼を引き受けることになりました。


ということで、いよいよナルの秘密が明かされる最終巻です。
ページ数はシリーズ最大の455ページ。
徐々に明かされていく真実の断片と、じわじわと迫る幽霊の恐怖に対する緊張感がうまくミックスされていて、ページをめくる手を止められませんでした。

内容的には、コミックス第10巻~第12巻に収録されている「忘れられた子供たち」に相当する話です。
残念ながらこのエピソードはアニメ化されていません。
その代わりと言ってはなんですが、コミックス第11巻と第12巻の限定版に前後編に分けてドラマCDが付属しました。

コミックス&ドラマCDとリライト版の一番大きな違いは話の組み立て方です。
小学校の調査とナルの秘密についての話がきれいに分割されていたコミックス&ドラマCDに対して、リライト版では調査の進展に合わせてナルの秘密が徐々に明かされていく構成になっています。
シリーズ最大の謎であるナルの秘密をどれだけ効果的に明かすかということを考えれば、2年以上の期間にわたって発売されたコミックスと、1冊で完結するリライト版で構成が違うのはある意味必然なのかもしれません。

すべての謎が明かされた後の余韻も心地よくて、かなり満足のいく最終巻でした。


小野不由美「ゴーストハント」シリーズ特設サイト

ゴーストハント 7 扉を開けて (幽BOOKS)
ゴーストハント 7 扉を開けて (幽BOOKS)

ゴーストハント(10) (講談社コミックスなかよし)ドラマCD付限定版『ゴーストハント』第11巻ゴーストハント ドラマCD付限定版 12 (講談社コミックスなかよし)
ゴーストハント(10) (講談社コミックスなかよし)ドラマCD付限定版『ゴーストハント』第11巻ゴーストハント ドラマCD付限定版 12 (講談社コミックスなかよし)
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2011年09月24日

ゴーストハント 6 海からくるもの

「悪霊シリーズ」のリライト版・第6巻、『海からくるもの』が発売されました。

作中では前回の話から季節が一つ進んで夏。
今回の舞台は能登半島の岬の上に建つ料亭「渟湛(ていたん)」です。

この料亭を営んでいる吉見家には、ある呪いに関する話が一部の者だけに伝わっていました。
その呪いとは、代替わりのたびに必ず多数の死者が出るというもの。
おりしも当主が亡くなり、悲劇の兆候がいくつも現れ始めたため、SPRに依頼が舞い込んできます。

客への被害を抑えるために料亭は閉められ、従業員にも休暇を取ってもらっているため、現在料亭に残っているのは吉見家の家族13人だけ。
そこにSPR一行が調査に赴くことになります。


ということで、『ゴーストハント』シリーズもいよいよ大詰め。
物語が始まって早々にハプニングが発生し、坊さんを筆頭にいつものメンバーが総出でナル抜きで奮闘することになるのがこれまでと大きく異なるところです。
彼らが困難に負けずに一歩一歩真実に近づいていく様子が丹念に描写されています。
もちろん待ちに待った綾子の活躍もあり。


ページ数は434ページ。
内容的には、コミックス第8巻と第9巻、アニメ版DVD Vol.10&11に収録されている「呪いの家」に相当する話です。

そして今回もコミックスやアニメ版では描かれなかった、小説版ならではの配慮がありました。
一番感心させられたのは、再生の儀式を繰り返す魂について麻衣が疑問を抱く場面です。
洞窟に打ち寄せられる魂は何のために再生の儀式をして何に生まれ変わろうとしてるのか、そしてなぜ麻衣たちを襲撃したのか?
この疑問はコミックス&アニメでは触れられなかったもので、自分も特に意識していませんでした。
でも、この疑問を麻衣に抱かせることで(そしてその答えを読者に明確に意識させることで)、おこぶさまの不気味さが格段に増すことに。
本編373ページに記述されている1ページにも満たない記述ですが、これを読んだときはゾクッときてしまいました。

結末は知っていたので、最後の締めでの驚きはありませんでしたが、ここに至っても小説版ならではの満足感は健在でした。


第7巻(最終巻)は『扉を開けて』。
2011年11月刊行予定です。
ついにすべての謎が解明されます。

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ゴーストハント6 海からくるもの (幽ブックス)ゴーストハント(8) (講談社コミックスなかよし (1025巻))ゴーストハント FILE8「呪いの家」上巻 [DVD]
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2011年07月17日

ゴーストハント 5 鮮血の迷宮

「悪霊シリーズ」のリライト版・第5巻、『鮮血の迷宮』が発売されました。

作中の季節は春、4月です。
1作目の『旧校舎怪談』からそろそろ1年が経過しようとしています。
麻衣はSPRに馴染みきっていて、根性が座ってきました(^^;
そんなときに遭遇する案件が、これまでにないおどろおどろしい事件です。

舞台となるのは諏訪にある、幽霊が出没するという噂のある古い洋館。
今回は、ナルにゴーストハントを伝授したというつわもの森まどかの依頼で、SPR一行はこの洋館に赴くことになります。
依頼主がこれまでとちょっと変わっているというだけではなく、前回の件でSPRとかかわりを持つことになった安原さんがナルの身代わりになるという異例ずくめ。

さらにこの洋館には、事件解決を依頼されたほかの霊能者たちも大勢招かれていました。
調査に参加する霊能者は、助手やオブザーバーなども含めて総勢20名です。
ちなみに、コミックスでは16名、アニメでは13名で、各登場人物の役割も微妙に変更されています。

麻衣が重要な役割を果たすのはこれまでと変わりませんが、今回はまどかと安原さんもバックアップとして大活躍です。
また、まどかのナル操縦術は他のメンバーが言葉を失くしてしまうほど華麗で笑ってしまいます(^^;

今巻でも霊現象を扱っているとはいえ、根底にあるのは人間の歪んだ想い。
真実が明らかになるにつれ、未知の存在に対する恐怖というよりも“嫌な感じ”が増していくのも、これまでとは少し趣が異なるところです。
特に終盤に向けての最初の盛り上がりとも言える麻衣の夢のシーンは、最後の瞬間の描写が生々しくて、寒気とともに嫌悪感を感じてしまうほどです。
アニメ版で映像で見たときも「ウッ」となりましたが、文章で読むとまた別の嫌さがあります。
もしかしたら映像で見てイメージが出来上がっているために、文章で細かく描写されることで不快感が増してしまったのかもしれません。

そういえば、アニメを観たときは「死にたくない」の血文字を書いたのは今回の件の黒幕だと思ったのですが、小説を読むと被害者の一人が書いたようです。
アニメでもそういうことだったのかもしれませんが、この点だけはいまいちしっくりきませんでした。


ページ数は416ページ。
内容的には、コミックス第6巻と第7巻、アニメ版DVD Vol.8&9に収録されている「血ぬられた迷宮」に相当する話です。

恐怖感の演出という面では残念ながら第4巻より劣るかなという感じですが、後半にかけてのおどろおどろしい雰囲気は抜群。
真砂子を救い出すクライマックスシーンの緊張感も悪くなかったと思います。
SPR以外の霊能者たちが一人、二人と消えていき、徐々に動揺が広がっていく様子もうまく描かれていました。


第6巻は『海からくるもの』。
2011年9月刊行予定です。
ついに「あの人」の活躍を読めます(^^;
本編の内容にあわせて裏表紙も「あの人」だそうです。

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2011年05月23日

ゴーストハント 4 死霊遊戯

「悪霊シリーズ」のリライト版、第4巻が発売されました。
タイトルは『死霊遊戯』です。

季節は冬。
1作目の『旧校舎怪談』から10か月ほど経過した2月の出来事です。
舞台となるのは緑陵高校で、その校長が依頼に訪れます。
でもナルはこの依頼をあっさり断ってしまいました。
ところがその後、1人の生徒がやって来ます。
ナルは彼の必死の頼みを聞いて考えを変え、依頼を受けることに。

ナルを動かすほどの説得力を持つその生徒が、緑陵高校の生徒会長・安原修です。
ついに最後のレギュラーとなる“越後屋”の登場です(^^;

ということで、今回SPRは、緑陵高校で頻発している不可解な事件を解決することになります。
さっそく調査に入ったものの、前回の湯浅高校の件とは比べ物にならないくらい多くの異常現象が発生していることが判明。
とにかく数を減らすことを優先して除霊を進めても事態は一向に改善しません。
それどころか悪化の傾向すら見えてきて手詰まり状態に。
そんなときに活躍するのが麻衣です。
今回も彼女の言葉がヒントになり、事件の真相が明らかになっていきます。
でも最終的な解決方法について苦渋の決断を迫られることになって…。


ページ数は405ページ。
内容的には、コミックス第4巻と第5巻、アニメ版DVD Vol.6&7に収録されている「禁じられた遊び」に相当する話です。

読み始めてまず驚いたのが、SPRに能力トレーニングに通っている娘がいたり、新メンバーが加わっていたことです。
事件解決には直接タッチしないので顔見世程度の登場ですが、「なんでこの娘がこんなところにいるの?」といった感じでいきなりのサプライズでした。
ほかにも学校側職員に協力者がいたり、生徒たちがほどよく話に絡んできたりと、今回もコミックスやアニメでは味わえなかった奥行きを感じられました。
松山先生の嫌みっぷりに磨きがかかっていたのは言わずもがなです(^^;
さらに、デイヴィス博士に兄弟がいたこともさらりと明かされたりして、今後の展開を知っている読者からするとニヤリとさせられる文章もちらほら。

恐怖感の演出という点でも今回は秀逸でした。
LL教室での幽霊出現のくだりのジワジワと迫ってくるような恐怖や、麻衣が幽霊に追い詰められるくだりの手に汗握る恐怖など、これまでの作品より頭一つ抜け出ています。

この巻も途中で本を閉じることができずに一気に読み終えてしまうことになりました。


第5巻は『鮮血の迷宮』。
2011年7月刊行予定です。
おどろおどろしい恐怖感はおそらくシリーズ最高になるはずです。

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ゴーストハント4 死霊遊戯 (幽BOOKS)ゴーストハント FILE6「禁じられた遊び」上巻 [DVD]ゴーストハント(4) (講談社コミックスなかよし (941巻))
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2011年03月27日

ゴーストハント 3 乙女ノ祈リ

2か月に一度のお楽しみ。
「悪霊シリーズ」のリライト版、第3巻が発売されました。
タイトルは『乙女ノ祈リ』です。

季節は秋。
前回の件から半年ほど経過したある日、一人の少女が狐憑きに関する相談をSPRに持ち込んできます。
ナルはまったく興味を示さず取り合おうとしません。
その後も幽霊やポルターガイストに関して相談者が訪れましたが、最初の件と同じ“におい”を感じた麻衣は、ナルが相手にしてくれるはずはないと思ったのか、とりあえず連絡先だけを聞いて引き取ってもらいました。
翌日、今度は坊さんが「立て続けに4人が電車に引きずられてけがをした」という奇妙な事件の相談に訪れます。
ここで、一つ不思議なことが明らかに。
前日の相談を含め、すべての件が湯浅高校の生徒に関係していました。
この事実に興味を持ったナルがやっと重い腰を上げかけたとき、さらに一人の相談者が。
今度はなんと、湯浅高校の校長が直々にSPRを訪れました。

ということで、今回SPRは、湯浅高校を舞台にした事件の解決に乗り出すことになります。
SPR一行はさっそく湯浅高校を訪れますが、そこで起こっている不可解な現象の数の多さに圧倒され、困惑してしまうことに。
それでもなんとか事件を整理して原因究明を進めるうちに、原因が3つのパターンに分類できることが判明します。
やがて麻衣の一言がヒントになり、事態は急展開を迎えることに。


ページ数は383ページ。
内容的には、コミックス第3巻とアニメ版DVD Vol.3&4に収録されている「放課後の呪者」に相当する話です。

今回の件では、麻衣の直感が大きな役割を果たします。
この点に関して、麻衣の重要度はコミックス&アニメよりも明確に描かれていました。
そんな麻衣の働きに対して、ナルが素直に感情を表しているのも新鮮です。
また、これまでの話では綾子や坊さんたちのトゲトゲしさがかなり目立っていたのですが、そんな嫌な面も緩和されています(性格的にクセがあるのは相変わらずですが)。
各登場人物の信頼感やつながりが強くなってきているということかもしれません。

さらに、コミックスやアニメでは、学校側が超能力少女の出現に異常とも思える反応を見せた理由がよくわかりませんでしたが、それにもちゃんとした理由があったことがしっかり説明されていました。

そのほかにも細かな違いは多々ありますが、特筆すべきは依頼人の一人・高橋優子と、超能力少女・笠井千秋の扱いの違いです。
コミックス&アニメではほとんどモブキャラの域を出なかった高橋優子の出番が増え、なかなかいい感じのキャラに仕上がっています。
キャラ的に『涼宮ハルヒの憂鬱』の鶴屋さんにかぶっているような印象があったので、途中から彼女の台詞が脳内で松岡由貴ボイスで再生されて困ってしまいました(^^;
笠井千秋についても、より普通の女の子っぽく描かれていたので好感が持てました。
このへんの人物描写の肉付けは小説版のほうが圧倒的に優れています。

ただ、最後の場面での犯人の歪んだ想いの描写についてはアニメ版のほうが良かったかもしれません。
小説版はちょっとあっさりしすぎていたように思いました。

いずれにしても、第3巻も大満足な内容で一気に読み終えてしまいました。


第4巻は『死霊遊戯』。
2011年5月刊行予定です。
いよいよもう一人のメインキャラが登場します。

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ゴーストハント3 乙女ノ祈リ (幽BOOKS)
ゴーストハント3 乙女ノ祈リ (幽BOOKS)

ゴーストハント(3) (講談社コミックスなかよし (923巻))ゴーストハント FILE3「放課後の呪者」上巻 [DVD]ゴーストハント FILE3「放課後の呪者」下巻 [DVD]
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2011年01月16日

ゴーストハント 2 人形の檻

「悪霊シリーズ」のリライト版、第2巻が発売されました。
タイトルは『人形の檻』です。

前回の件から数か月が経過した、梅雨明け後のある日。
SPRに、自宅で起こる不可解な現象についての調査依頼が舞い込みます。
最初のうちは乗り気でなかったナルですが、依頼内容を詳しく聞くうちに興味が出てきたようで、さっそく調査に乗り出すことに。
別ルートで依頼を受けた坊さんと綾子も加わって現象を解明することになります。

そんな一行を待ち受けていたのは、現象を起こしている何者かの信じられないくらい大きな“反発”でした。
普通の霊現象なら部外者がやってくるといったん治まるはずなのに、初日の夜から派手に暴れてきました。
一行は、これまで遭遇したことがない強力な“何か”と対峙することになります。

この家の一人娘・礼美(あやみ)ちゃんが引き起こしているポルターガイストなのか?
あるいはなんらかの別の原因による霊現象なのか?
やがて、疑惑の目は礼美ちゃんが大切にしている人形のミニーに向けられていきますが。。。


ページ数は401ページ。
第1巻よりも40ページほど増えていますが、今回も読み出したら止まらない濃い話が展開されました。
ジョンや真砂子ももちろん登場します。

内容的には、コミックス第2巻とアニメ版DVD Vol.2に収録されている「人形の家」に相当する話です。
大まかな流れは同じ。
ただし、登場人物が増えて人間関係が複雑になっていたり、イベントの内容が大きく異なっていたり、ナルの完璧性が若干薄らいでより人間的に描かれているなど、コミックス&アニメとは似て非なる別のエピソードと言ってしまっていいかもしれません。
だからといって不満があるわけではもちろんなく、読みやすい文章と続きが気になる展開に引き込まれてしまいました。
次巻以降で明らかになる事柄への伏線の入れ込み方もあいかわらずうまいです。

第2巻でこれだけ引き込まれる内容なら、この後の巻はどうなるんだろうと、次巻以降への期待感が高まります。
第3巻は『乙女ノ祈リ』。
2011年3月刊行予定だそうです。


小野不由美「ゴーストハント」シリーズ特設サイト

ゴーストハント2  (人形の檻)ゴーストハント FILE2「人形の家」 [DVD]ゴーストハント(2) (講談社コミックスなかよし (912巻))
ゴーストハント2  (人形の檻)ゴーストハント FILE2「人形の家」 [DVD]ゴーストハント(2) (講談社コミックスなかよし (912巻))
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2010年11月23日

ゴーストハント 1 旧校舎怪談

1989年から1992年まで刊行された、通称「悪霊シリーズ」が全編リライトで復刊されました。
今月から隔月で全7巻が発売される予定になっています。
第一巻は「旧校舎怪談」。

主人公・谷山麻衣が通う高校にある今は使われていない旧校舎で発生する不可解な現象と、それを解決するために集まった霊能者集団の活躍を描くこのエピソードは、コミックス第1巻とアニメ版DVD Vol.1に収録されている「悪霊がいっぱい!?」に相当する話です。
アニメ版はコミックス版をもとにして制作されたようで、両者の内容に大きな違いはありませんでした。
でも、おおもとの小説からコミックス化するにあたっては、細かい描写の変更や割愛、一部キャラの台詞割りの変更などがあったようです。
特に、最初に椅子が動くシーンの描写や、後半のポルターガイスト描写は絵図らを重視するコミックス&アニメと、文章で説得力を出す小説で、現象の“ハデさ”に大きな違いがあります。
個人的には小説版の控えめだけれど自然な描かれ方のほうがしっくりきました。

また、コミックス&アニメでは、最後に旧校舎が倒壊した後で霊能者集団の信用がガタ落ちになってしまう可能性が残されたわけですが、小説版ではナルに「倒壊の危険性もあるので厳重な注意が必要」と語らせることで、無用な違和感が残らないようになっています。

そのほかにも、小説ならではの細かい心理描写(特に麻衣の)や現象がふんだんに盛り込まれていたので、基本ストーリーを知っていても十分に楽しめました。

今回この小説を読んで感じたのは、やはり構成が巧みだということです。
これについてはコミックス&アニメについても同じことが言えるのですが、第1巻では、科学的な検証を重ねることで、心霊現象がことごとく否定されてしまいます。
次巻以降ではこれをベースにして、科学では解明できない不可解な現象が描かれていくことになるので、どれも必須の描写なのですが、「結局何もなかったからつまらない」ではなく「結局何もなかったけど興味深い」と思わせる展開は素晴らしいです。
さらに、今後の話を知らないと読み飛ばしてしまう些細な描写の中に隠された伏線の数々。
麻衣の一人称視点で語られる読みやすい文章と合わせて、読み出したら止められない内容でした。

小野不由美「ゴーストハント」シリーズ特設サイト

ゴーストハント①旧校舎怪談 (幽BOOKS)ゴーストハント FILE1「悪霊がいっぱい!?」 [DVD]ゴーストハント(1) (講談社コミックスなかよし (894巻))
ゴーストハント①旧校舎怪談 (幽BOOKS)ゴーストハント FILE1「悪霊がいっぱい!?」 [DVD]ゴーストハント(1) (講談社コミックスなかよし (894巻))
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2010年10月03日

ゴーストハント オリジナルドラマCD「~忘れられた子どもたち~(後編)」

このドラマCDは、9月30日に発売された『ゴーストハント』コミックス第12巻(ドラマCD付き限定版)に付属しています。
本編は約58分。

第11巻限定版に付属していたドラマCDでは、SPRメンバーが廃校の霊に捕らわれて絶体絶命の危機を迎えてしまい、麻衣がそれに立ち向かう決意を固めるまでが描かれました。
今回はその続きです。

結論から書いてしまうと、廃校の霊の件については、麻衣が比較的すんなりと解決することになります。
前編同様、少し盛り上がりに欠ける展開ですが、ここまではある程度予想どおり。

面白さが増すのはここからです。
坊さんこと滝川法生がナルに質問しながら推理を展開するという形で、ナルのこれまでの言動の意味やナルの正体など、さまざまな謎が次々に明らかになっていく過程は必聴。
アニメ版を観て『ゴーストハント』を気に入ったけど、まだ原作を読んだことがないという人なら、聞き入ってしまうはずです。
この後は、麻衣とナルの関係の変化や他のSPRメンバーの様子を描いて清々しく終了。
第11巻付属の前編はやや期待倒れ感がありましたが、この後編は大満足なできでした。

これで自分の中ではゴーストハント終了。。。
となるかと思いきや、なんと原作小説が全編リライトで復刊されるようです(→小野不由美「ゴーストハント」シリーズ特設サイト)。
ゴーストハントとの付き合いはまだしばらく続きそうです。

ゴーストハント ドラマCD付限定版 12 (講談社コミックスなかよし)
ゴーストハント ドラマCD付限定版 12 (講談社コミックスなかよし)

脚本・キャストなど >>
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2010年07月17日

『ゴーストハント』コミックス第12巻の発売日が決定\(^o^)/

『ゴーストハント』限定版コミックス第12巻の発売日がついに発表されました。
2010年9月30日です。
限定版にはもちろんドラマCDの後編が付いてきます。

第11巻の発売が去年の8月6日だったから、1年以上の間隔があいてしまいましたが、これで『ゴーストハント』完結。

麻衣がついに本気で(?)事件解決に乗り出します。
ナルの謎についても明かされるのでしょうか?

アニメ版の終了から3年以上待ち続けたかいがある幕引きとなるかどうか・・・今から楽しみです。


ゴーストハント限定版コミックス公式サイト
http://kc.kodansha.co.jp/gh/
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2009年08月09日

ゴーストハント オリジナルドラマCD「~忘れられた子どもたち~(前編)」

このドラマCDは、8月6日に発売されたゴーストハントのコミックス第11巻(ドラマCD付き限定版)に付属しています。
コミックス第10巻から始まった同名のエピソードをドラマCD化したものです。
本編は約43分。
参加キャストとスタッフは、2006年から2007年にかけて放送されたアニメ版と同じです。
アニメ版はかなり好きだったので、迷わず購入しました。

どうやらこれがSPR最後の調査になるようです。
後編では、アニメ版では語られなかったナルの秘密も明かされそう。


内容は、アニメ版の「FILE 8 呪いの家」から半月後の話。
ナルが退院するので、いつものメンバー全員で迎えに行った帰り道で遭遇した事件です。
5年前に廃校になった小学校に幽霊が出るという噂があるとのことで、SPRのことを聞きつけた村長から事件解決を依頼されました。
さっそく調査に向かった一行は、数々の不可解な現象に遭遇します。
やがて、図書館で5年前のニュースを調べてきた安原さんが合流し、廃校になった理由が判明。
「ぼくら完全にハメられたんですよ」


ということで、このあと、SPR最後にして最大の危機に遭遇することになります。
5段階評価でポイントをつけるなら3ポイント。
ところどころドキッとする展開があってそれなりに楽しめるし、決してつまないわけではありませんが、今ひとつ盛り上がりに欠けるので、あまり積極的にお勧めできるようなストーリーではないように思えました。
とりあえず後編に期待といったところです。

その後編ですが。。。
コミックス第12巻に付属するのでしょうか?
これまでの刊行ペースを調べてみると、平均して1年に1冊くらいのペースのようなので、もっと早く出して欲しいですね(^^;

ドラマCD付限定版『ゴーストハント』第11巻
ドラマCD付限定版『ゴーストハント』第11巻

脚本・キャストなど >>
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