1年余りにわたって刊行されてきたシリーズの最終巻です。
最後ということで気合が入ったのか、これまで数か所は必ずあった誤植が今回はゼロでした(たぶん)(^^;
これは何気にすごいことかも。
今回の話は、前巻の舞台となった高級料亭からの帰り道にダム湖の脇を偶然通りかかるところから始まります。
ダム湖を見つめて「やっと、見つけた……」とつぶやいたナルが突然SPRの閉鎖を宣言。
プロのダイバーを手配して、ダム湖に沈んでいる“何か”を探すことに集中してしまいます。
でも、探索の成果は上がらずに時間だけが経過。
他のメンバーたちはそんなナルの行動の行く末を見守ることしかできません。
そんな中、彼らのもとを地元の町長と助役が訪れます。
SPR一行は、廃校になった小学校に出る幽霊の調査を依頼され、“何か”が見つかるまでという約束でこの依頼を引き受けることになりました。
ということで、いよいよナルの秘密が明かされる最終巻です。
ページ数はシリーズ最大の455ページ。
徐々に明かされていく真実の断片と、じわじわと迫る幽霊の恐怖に対する緊張感がうまくミックスされていて、ページをめくる手を止められませんでした。
内容的には、コミックス第10巻~第12巻に収録されている「忘れられた子供たち」に相当する話です。
残念ながらこのエピソードはアニメ化されていません。
その代わりと言ってはなんですが、コミックス第11巻と第12巻の限定版に前後編に分けてドラマCDが付属しました。
コミックス&ドラマCDとリライト版の一番大きな違いは話の組み立て方です。
小学校の調査とナルの秘密についての話がきれいに分割されていたコミックス&ドラマCDに対して、リライト版では調査の進展に合わせてナルの秘密が徐々に明かされていく構成になっています。
シリーズ最大の謎であるナルの秘密をどれだけ効果的に明かすかということを考えれば、2年以上の期間にわたって発売されたコミックスと、1冊で完結するリライト版で構成が違うのはある意味必然なのかもしれません。
すべての謎が明かされた後の余韻も心地よくて、かなり満足のいく最終巻でした。
小野不由美「ゴーストハント」シリーズ特設サイト
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