2008年03月08日

ef - a tale of memories. 第7話 オーディオコメンタリー

インターネットラジオ「音泉」で配信中の『ゆみこ&ゆうなのえふメモらじお』第39回の中で、『ef - a tale of memories.』第7話のオーディオコメンタリーを流しています。

素直にDVDの特典に付けてくれればいいものを・・・という不満はさておき、さっそく聴いてみました。
大沼監督が出演するということで、どういう話が聞けるのか少し期待。


まずはオープニングの制作裏話から。
オープニングの絵コンテはしっかりしたものがなかったので、蓮治の手と鎖が重なる場面など、最終的なイメージが掴めなくて大変だったようです。
尺が合うのかどうかわからなくて焦ったとか、そんな適当でいいのか?と思える発言も(^^;
こちらとしては、結果的にいいものが出来上がって、それを観せてもらったわけだから、文句はないですけどね。

千尋の小説。
幻想的な絵に小説の英訳が重なる綺麗な場面ですが、細かな効果とか、背景に英文を重ねることとかは撮影監督に一任だったそうです。
Aパート後半で千尋が「もうそういう場面だと思います」と言う前後のシーンも撮影に任せた結果、あの赤い嫌なシーンが出来上がったとか。

他に書く機会がなかったのでついでに書いておくと、小説のシーンには一つだけ不満があるんですよね。
英文の文末(ピリオドの後)にスペースが入っていないので読みにくかった・・・という本当にどうでもいいことなんですが(^^;
これだけは観るたびに違和感を感じてしまいます。

それはいいとして、コメンタリーを聞いてもよくわからないところがありました。
図書館の場面で画面全体に「虫」が出ているという話。
室内のホコリに光が反射しているものだとばかり思っていたのですが、本当に「虫」なんでしょうか? しかもなぜあんなに大量に? ホコリのことをそう言っているだけなのかな?

監督はブログとかで視聴者の反応をチェックしていたそうで、そのときに感じたことも話してくれました。
第7話よりも第8話で千尋の記憶が消える場面のほうが反響が大きかったので驚いたそうです。
監督としてはこの第7話のほうが全体を通して嫌な気分になれるのでインパクトは大きいと考えていたようです。
第7話のコンセプトは「(視聴者への)嫌がらせ」なので、気分良く仕事できたそうです(^^;

なるほどと思ったのが、千尋と蓮治が海岸に向かう場面の解説。
・千尋にしか光が当たっていない
・千尋が立ち止まっても蓮治は歩き続ける
という描写で、千尋と蓮治の想いが食い違ってきている様子を表しているそうです。
これはわかりやすい演出だそうですが、TV放送時はまったく気付いていませんでした(^^;
言われてみれば確かにそのとおりで、「蓮治っていうのは(中略)実はこっから若干、気持ちが離れて別世界になっちゃってる」という話を聞きながら画面上の蓮治の暗い描写を観て震えが走ってしまいました(←ちょっと大げさ)。

この後のシーンで、一人去っていく千尋に向かって蓮治が手を伸ばしますが、この手とオープニングで鎖をつかもうとする手が対になっているそうです。
なかなか深いですね。

サブタイトルの「I...」。
今回はCM明けのアイキャッチにサブタイトルが表示されますが、監督はこれが人生ゲームの駒っぽいなぁと思いながら絵コンテを書いていたそうです。

あと、みやこ視点の白黒イメージの意味がはっきりするのがこの話数なので、放映当初に視聴者から突っ込まれまくった屈辱(?)を晴らせたようです。嬉しそうに語っていました(^^;
この白黒描写については、視聴者から反発をかうと、あらかじめ監修の人から忠告を受けていたそうです。
監督自身はまったく意識していなくて、放送後に実際そのとおりになったので経験の差を感じたとのこと。

問題のBパートですが、どんどん嫌な方面にストーリーは進んでいくのに、画面は水彩調で明るいというのが監督なりの嫌がらせだったとか(^^;

画面が文字で埋め尽くされるシーンは、本当に最後まで文字だけで真っ黒にしたかったそうです。
でも、文字だけだとなかなか真っ黒にならないので諦めたそうです。
「意外と画面黒くなんないんですよね」ということで、けっこうやる気満々だったのかも。
それはそれで観たかった気もしますが、実際にやっていたとしたらみやこ役の声優さんが大変だったでしょうね。
結局最後は黒い四角で画面を消していくことになりましたが、このときに鳴る「ピー」の音に音響監督の指示が加わったそうです。
あの高音は心拍数をモニターする機械の「ピー」をイメージしたようです。
そのときの指示が「もっと高くして――ご臨終だから」。
それを聞いた監督は「えーーっ!?」って感じだったとか。


ということで、他にもいろいろ話していましたが、とりあえずこんな感じでなかなか聞きごたえのあるオーディオコメンタリーでした。
アニメのDVDに付いているオーディオコメンタリーって、あってもなくてもいいような内容のものが多いですが、このくらい質の高いものであれば、ぜひDVDの特典に毎回付けてほしいですね。


出演
中島裕美子(雨宮優子 役)
ねこねこ天使まじかるゆうな
大沼心(監督)

ef - a tale of memories.4 [DVD]
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※この記事で触れているオーディオコメンタリーは音泉で配信されているものです。DVDの特典ではありません。

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2007年12月23日

今週の一本(2007/12/16~12/22)―『ef - a tale of memories.』第12話

efも今回で最終回。
最後にがっかりする作品が多い中、efはどう締めてくれるんでしょうか。。。

アバン。
前回ラストに蓮治と別れた千尋は、そのまま自宅に戻ったようです。
翌日の自分宛に日記を書いています。
「日記のページが破り取られていることは気にしないように」
「麻生蓮治という人とは関わらないように」
蓮治を忘れたくないという想いが強いのでしょうか。
明日の自分には蓮治のことを完全に忘れてほしいのに、このようなメッセージを残すことで逆に、蓮治との接点を見つけ出してほしいと伝えているようです。

オープニング。
今回は、歌詞が英語から日本語に変更されています。
そして、さらにもっと重要な変更も。
みやこ、景、千尋が壊れて消えていく描写がなくなりました。
みやこが紘に、景が京介に、千尋が蓮治に、壊れる前に助けられていきます。
鎖に繋がれたみやこと景が消えていく場面も、鎖だけが消し飛んで人物は残るというふうに変更。
でも、ここで鎖から解き放たれるのは二人だけ。
千尋がいません。

ちょっと不安を残したままAパート突入。
蓮治は千尋のことが忘れられず、これまで千尋と一緒に行った場所を訪れます。
でもそのどこにも千尋はいません。
そうこうするうちに13時間のタイムリミットがきてしまいます。

蓮治は教会の屋上で火村に会います。
そして、愛した相手に手が届かなくなるのは辛いことだが、その重さを背負って生きていくのも一つの生き方だと諭されます。
どうやら火村はそういう生き方をしているようです。
もちろんその相手は優子でしょうね。
だとすれば、この「手が届かなくなる」というのが意味深です。

その後、自宅に戻りベッドでふさぎこむ蓮治。
母親の「明日は今日よりいい日かもしれない」という言葉を聞いて家を飛び出してしまいます。
前回、千尋がこれと同じことを言っていました。
蓮治はそんなことはありえないと思い込んでいるようです。

蓮治は広場で泣き崩れます。
そこに久瀬が現れる。
二人は海岸へ。
蓮治は、夢を叶えるにはどうすればいいのか久瀬に尋ねます。
久瀬の答えは、まず夢を持ち、その想いを忘れずに持ち続ければいいというもの。
蓮治がさらに、その想いが不可能なものだったらどうすればいいのか尋ねると、「奇跡が起きるのを待つしかないね」

蓮治は、「この世に奇跡なんか無い」という火村の言葉を口にしますが、久瀬はそれに対しても一つの考え方を提示します。

「ときには行動の結果が必然となり
それが偶然と重なって
はからずも夢が叶うなんてこともある
それが奇跡と呼べるかどうかはわからないけど
確かなことが一つだけある
想いがなければ何も起きないんだよ」

翌日(?)蓮治は音羽駅へ。
そこには、初めて出会ったときと同じように空を見上げる千尋がいました。
蓮治が声をかけようとしたとき、千尋は「以前、私と会った方ですか?」
堪えられなくなった蓮治はその場から走り去ります。
千尋は再び空を見上げる。涙がこぼれないように。

学校の屋上に来た蓮治は、自分は千尋のことを覚えているのに、千尋は自分のことを忘れてしまっていることを嘆きます。
そのとき突風が。
空を見上げた蓮治が目にしたのは紙飛行機。
何か思い当たるものがあったのか、蓮治はそれを追って駆け出します。
街を抜けて海岸まで走り、なんとか追いついて広げてみると、それは千尋の日記の1ページでした。
プリクラが貼られた1ページ。
そこには千尋の本当の想いが書かれていました。

「もうすぐ蓮治くんとお別れします
辛いけど、寂しいけど、
最初からこれで最後にしようと決めていたことです
だから我慢します
最後だからたくさんキスをしました
最後だからたくさん愛しあいました
悲しいけど、この思い出ももうすぐ消えてなくなります
それでも、きっと大丈夫だと思います
どんなに辛くても
どんなに寂しくても
私はすぐに忘れられるから
でも、今はまだ覚えているから
とても辛いです
とても苦しいです
蓮治くんの温もりがまだ心の中に残っています
本当はこのままずっと蓮治くんと一緒にいたい
ずっと蓮治くんに触れていたい
今までどおり蓮治くんと過ごしたい
忘れたくない
消えたくない
もう、あの何もない毎日に戻りたくない
蓮治くんは私を苦しみから救ってくれたナイトでした
蓮治くんは繋がれた時間の中から私を救い出してくれた王子様でした
忘れてしまうけど、消えてしまうけど
でも、私は蓮治くんのことが大好きです
どんなに時がたっても
私からすべてが消え去っても
今のこの瞬間の私は蓮治くんのことを心から愛しています
蓮治くん、今まで本当にありがとう
そして、さようなら」

千尋の中では、蓮治はナイトでした。
ずっと前からお姫様を守るナイトになるのが夢で、もう「遅すぎる」とあきらめていた蓮治は、この日記を読んで決意を固めたようです。

蓮治は再び走り出します。
今度は現実から逃げるためではなく、現実に立ち向かうために。
街中に散らばってしまった千尋の日記を回収するために。

夕方。
蓮治は、回収できた分だけを持って音羽駅に行きます。
そこにいる千尋に日記を差し出す蓮治。
残りも必ず集めるからと言って、自分の思いをぶつけます。
自分のことを思い出してほしいと。

ここで千尋が思いもかけない言葉を発します。
「13時間て、長いんですね
どうしてそんなことするんですか?
だめなのに
蓮治くんのこと、忘れなきゃいけないのに
思い返してしまうんです
何度も、何度も
できない、できないんです
13時間も蓮治くんのことを考えずにいるなんて」

千尋は蓮治のことを憶えていました。
駅で会った時に忘れているように見えたのは、蓮治の顔を認識できなかったからということでしょうか。

蓮治は、ずっと千尋のそばにいて何があっても絶対に忘れさせないと宣言。
それを聞いた千尋は鎖から解放されます。
オープニングで千尋一人だけ解放されなかった疑問がここで解消しました(^^
確かにあの時点で解放するのはちょっと違いますね。

これで千尋パートも無事終了。
ハッピーエンドで本当によかったです。


そしてBパート。
各キャラクターのその後を簡単に紹介して締めます。
サブタイトルは「coda. dream」。
「最終章 dream」ってことで、各話の頭文字を使った「euphoric field」が完成。
こんなところまで凝った作りです。

景は足のケガが治って完全復帰。
みやこ&紘との関係も問題ないようで、完全にふっきれたようです。
そして景のそばには京介が。

みやこと紘は普通にうまくやっているようです。
生活パターンが完全に逆なので、みやこはちょっと不満なようですが。

千尋は笑顔を取り戻し、蓮治は進路希望が決まりました。
第一希望は小説家。
第二、第三希望はなしです。

最後に、優子と火村。
火村が教会まで優子に会いに行きました。
火村「ずいぶん長いこと待たせちまったな」
優子「お久しぶりですね。夕くん」
このシチュエーションと会話が謎です。

ということで妄想爆発(^^;
これまでの話を見る限り、優子はどうやら生きている人間ではなさそうです。
もしかしたら優子は小さい頃に亡くなっているのかもしれません。
音羽学園の制服を着ているカットがあったので、たぶんその頃か、それよりも少し後に。
だとすれば、今回Cパートで火村が優子と会話しているのは不自然ですが、この時点で火村は死んでいるのではないでしょうか。
この少し前に、彼は海岸でたたずんでいます。
千尋と蓮治がうまくやっていけることが証明され、自分も優子と再会しようと思ったものの、最後の一歩を踏み出せずにそこで悩んでいたのかもしれません。
そこに景と京介の無邪気な会話が流れてきて、決心が付いてそのまま海へ・・・。
・・・というのはあまりに飛躍しすぎかな(^^;

へたな妄想はともかく、最後はメインキャラクター全員がハッピーエンドを迎える形で綺麗に終わってくれました。
細部まで丁寧に作られていて、予想外に素晴らしい展開。
本当に最高に楽しめた作品でした。

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2007年12月16日

今週の一本 その2(2007/12/9~12/15)―『ef - a tale of memories.』第11話

前回は、これぞ恋愛物の王道って感じのインパクトのある感動を与えてくれましたが、今回はその逆。
じわじわと押し寄せてくるような感動、というか切なさを与えてくれるエピソードでした。

ラスト間際までは、千尋と蓮治がまるで「普通」の恋人どうしのようです。
千尋に記憶障害があることを忘れてしまうくらい。
でもラストで、やはりそうではなかったということがはっきりします。

そして今回、ついに小説が完成します。
結末は、女の子が絵の中に入っていくのでも、男の子が絵から出てくるのでもありませんでした。


待ち合わせ場所に少し遅れてやってきた千尋。
手には小説を持っています。
最後は自分だけで書いたから、蓮治が目を通してOKならば完成ということのよう。

千尋は、小説を書き上げることができたのは蓮治のおかげだから何かお礼がしたいと言います。
蓮治が望んだのは千尋とのデート。

デートは恋人どうしがするものだからと言って、千尋は最初少しためらいますが、結局、1日だけという条件でデートすることに。
千尋は、小説を読むのはデートの後にしてほしいと言って、蓮治に渡した小説を持ち帰ってしまいます。

教会。
火村が千尋に「本当に、お前らは似ているな」と言いますが、千尋が自分と誰が似ているのか尋ねると、もう忘れたと言ってとぼけます。
彼は千尋が雨宮優子に似ていると言っているようです。

そして千尋は、人を好きになるということについて少し話した後、唐突に「今まで本当にありがとうございました」と言います。
何か重大な決心をしたかのようです。

自分は何もしていないと言う火村に、「蓮治くんと同じことを言うんですね」と返す千尋。
それに対して火村は「似てるな、俺たちも」
自分と蓮治が似ていると言います。
火村と雨宮優子の間に何かあったことは間違いなさそうですね。
そして、ちょっとした風習だと言って、千尋に学校の屋上のカギを渡します。

デート当日。
映画を観たあとクレーンゲームに挑戦し、ポヨちゃん獲得。
二人でプリクラも撮ります。
その後、手をつないで海へ。
この海岸でこれまでにもいろんなことがあったのは日記を読んで知っているけれど、憶えてはいないと言う千尋。
今日のデートのことも明日になれば記憶から消えてしまうと寂しそうに語ります。
それを聞いた蓮治は、明日なんか来なければいいと言いますが、千尋はそれを否定します。
そんなことを言ってはいけない。明日は今日よりいい日かもしれないと。

ここで千尋は、火村からもらったカギを蓮治に渡します。
そして二人は学校の屋上へ。

素晴らしい夕景を見てはしゃぐ千尋。
ここで蓮治が告白します。
「千尋、好きだよ」
なれないキスをして、そして結ばれる二人。

千尋が脱いだ服は綺麗に折りたたまれています。
情熱に任せて愛し合うのではなく、たんに儀式として愛し合ったということなのでしょうか。
それとも、飛び降り自殺する人が綺麗に靴を揃えてから飛び降りるようなもの? 千尋の今後の行動を暗示しているのでしょうか。

その後二人は図書館で時間を過ごします。
やがて日付が変わり、1日デートは終了。
千尋は小説を蓮治に渡し、読んでくださいという言葉を残してその場を去ります。
目の前で読まれるのは恥ずかしいから、自分は蓮治とのこれまでのことが綴られた日記を屋上で読んでいると。
蓮治は小説を読みます。

そこには、女の子が描いた絵の中の光景がぼやけだしたことが書かれていました。
何度描き直しても結果は同じ。
何故こうなるのか理解できない女の子は、世界を綺麗にしようと、これまでに描いた絵も、これまで住んでいた城も、すべて燃やしてしまう。
そして最後に、世界に一つ残ったゴミ(自分)を崖から捨てます。

これは、千尋が最初のほうで話していたように、日記を読めば何があったかわかるけれど、記憶に残っていないから細部はボケてしまって具体的なことがわからなくなってしまうということでしょうね。
蓮治と出会うまでは気にならなかったけれど、蓮治との関係が深まるにつれてそれが辛くなりだしたということでしょう。

これを読んだ蓮治は湧き上がる不安を抑えられず、屋上に急ぎます。
そしてそこに千尋を見つけて少し安心。
小説の感想を尋ねられて、悲しい終わり方だったので少し驚いたと答える蓮治。
でも千尋は、これが女の子にとって一番幸せな終わり方だと言います。
女の子は他の人に触れてはいけなかったのだと。
寂しさを知ってしまうから。

そして蓮治に別れようと言い出します。
小説を書き終えたら蓮治の前から消えようと、初めから考えていたと。
このまま二人が一緒にいても、蓮治が不幸になってしまうから。

蓮治はそんなことは嫌だと言って、千尋の元に駆け寄ろうとします。
そのとき千尋は紙の束をばら撒く。
それは、蓮治との想い出が書かれた日記。
これで蓮治のことを知っている自分は消えたと言います。

蓮治は千尋の想いを一方的に聞かされるだけで、紘のように自分の思いをぶつけ返すことはできませんでした。
そしてラストシーンは、波間に漂う日記の1ページ。
蓮治は結局、どうすることもできずに千尋と別れてしまったのでしょうか?
千尋はどこへ?

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2007年12月09日

今週後半の一本 その2(2007/12/6~12/8)―『ef - a tale of memories.』第10話

今回は、千尋と蓮治のパートはなし。
1話すべてを使って、紘とみやこ、紘と景の関係に決着をつけました。

みやこと景の関係は・・・まぁ、今後お互いに折り合いを付けていくことになるんでしょうね。特に景は、ストレスを抱えることになりそうです(^^;


みやこと一緒にベッドにいる姿を景に見られた紘は、みやこの制止を振り切って景を追います。
でも、別れ道に行き当たり、どちらに進んだらいいのかわからなくなってしまう。

そこに京介から呼び出しの電話が。
紘は、今回は携帯を忘れなかったようです(^^;

呼び出された場所に行った紘は、京介から景との関係について問いただされます。
いつまでも中途半端な対応をしていることを責められ、その対応が景を苦しめていると。

「このままだとあの子、いつまでもずっと迷子みたいに泣きながらお前の後をついてくるぞ。
お前だけなんだよ広野。
あの子の気持ちを救えるのは」

自分は中途半端なんかじゃないと自身を擁護していた紘は、京介のこの言葉に負けてしまいます。

その後、自分の部屋に戻った紘。
でもみやこはもうそこにいません。
部屋を綺麗に片づけて出て行ってしまいました。
そして、もう会うのはやめようと電話をかけてきて、一方的に紘の前から消えてしまいます。

紘はみやこを探そうと外に飛び出しますが、再び別れ道に行きあたり引き返してしまう。
どちらかを選んで進むことができません。

海沿いの道をふらふらと歩いているとミズキに出会います。
そしてミズキの口から、景がサンドイッチを作った理由を聞かされます。
さらに彼女が新藤凪(紘のペンネーム)のファンだと知りますが、新藤凪の最近の漫画には勢いが無くなり面白くなくなったとも。

自分がすべてにおいて中途半端だということに改めて気付かされた紘。
一人で落ち着いて考えようと思ったのか、紘は学校の屋上へ。
そして独り言。
「知ってるよ、そんなこと」

学校の屋上にはなぜか雨宮優子が。
彼女は紘に言います。
「知っているのと理解しているのは違いますよ」

さらに、一番大切なものを失わないためには、大切であっても手放さなければならないものがあると言う優子。
決断しないとすべて失ってしまうと忠告します。

紘は一度関わってしまったものは捨てられないと反論しますが、優子はそうじゃないと諭します。
自分から捨てるのではなく、相手に捨ててもらうのだと。
だから心が痛むし、生きている限りその痛みから逃げることはできないのだと。

ここで、優子が普通の人間ではないことがほぼ間違いなく確定しました。
紘と話しているまさにこの瞬間に、みやこと景の前にも同時に出現しています。
しかも三人に同時に対応しているので思考が混乱したのか、紘に向かって「あなたたちは耐えられますか」と。

紘は、優子と話して決心が付きました。
どう書くか迷っていた進路希望調査の用紙を紙飛行機にして飛ばしてしまいます。
学校を離れて漫画家の仕事に専念することを決断したようです。

そして、景との関係もはっきりさせようと、景の部屋の前に行きドア越しに語ります。

まずは、サンドイッチのお礼を言い、ミズキから紘の漫画が面白くないと言われたと伝える紘。
景はハッとして息を飲みますが、もしかしたら新堂凪の漫画がつまらなくなったことをミズキと話し合ったことがあるのかもしれません。
以前、紘から最近漫画の感想を話さなくなったと言われて、「いまさら」と応えていたのも、実は本当のことを言えなかったからなのかも。

景は、ある日突然終わりが来ることはわかっているけれど、まだ終わらせないで欲しいと紘に頼みます。
いつまでも兄妹みたいな関係が続き、いつのまにか結婚して幸せな家庭を築く・・・そんな夢をもう少し見続けていたいと。

紘のほうはどう思っているのか尋ねる景。
紘は、自分も同じように思っていたと答えます。

自分の気持ちを認めるのが遅すぎたと後悔する景は、いたたまれなくなって紘に自分の本当の気持ちを伝えます。

「お兄ちゃん、好きなの。
好きなんです。
あたし、お兄ちゃんのこと好きなんです」

景の想いに対して紘はただ「うん」と頷くことしかできません。

幼い頃の関係に戻りたいと訴える景。
紘は、それは可能だと言います。
血は繋がっていなくても景は自分の妹だと。

景はついにドアを開けます。
目にしたのは、涙を流す紘の姿。
自分と同じように紘も辛いのだということを知り、多少なりとも救われたようです。

「大丈夫だから
あたし
時間がかかると思うけど
きっと大丈夫だから」

紘と景の関係はとりあえずこれで決着。
二人は恋人としてではなく、兄妹としてこれからも一緒。


残る紘とみやこの関係は・・・

紘と別れて街を出て行くことにしたみやこ。
ここで再び優子登場。
自分が見たくないことから逃げ続けているみやこに優子がそれでいいのかと問いかけます。
逃げてばかりでは何も得られないという優子に、みやこはそれでいいと応える。

それを聞いた優子は
「残念です。
見てみたかったのですが。
私と似た人が、幸せになれるかもしれないって夢を」
と、なんだかどこかで聞いたような言葉。
優子と火村のあいだに何かあったことも確定かな?

この会話で気持ちが揺らいだのか、ためらいながらも最後にもう一度だけ紘に電話をかけるみやこ。

テレホンカードの残り度数は100。
カウントダウン開始です(^^;

これから街を出ること、そして紘と会ってからずっと紘のことを試していたことを伝えるみやこ。
紘の心から消えてしまうのが嫌だから、その前に自分のほうから消えると言います。
そして自分の家庭環境に問題があったことも伝えます。
(いまさらどうでもいいことですが、料理がうまい理由も判明しました。)

残りカウント42。
ここで紘が、自分の不幸を語り続けるみやこに反撃開始(^^;
辛かったならもっと早く自分に話してくれればよかったと逆切れです。
自分がみやこの居場所になると。
そうすれば、辛かったことがすべて過去のことになると訴えます。

残りカウント9。
「俺はお前に関わりたいんだ」
「あたしは誰かに触れてもらいたいの」

残りカウント1。
「みやこ聞け
俺はお前のことが――」

電話が切れ、みやこの世界から色が失われていきます。

でもすぐに綺麗な色と光で満たされていく。
「俺はお前が好きだ」という紘の声が聞こえたから。
なんと紘は、会話しながら自転車で街中の公衆電話を探し回っていたようです。

抱き合い、そしてキスする二人。

「捕まえたんだからもう離さないで」というみやこに、紘は「誰にも縛られたくないんじゃなかったのか」

そしてみやこは「変わるんだよ人の気持ちなんて」


まさに恋愛ストーリーの王道を突き進んだという感じでしたね。
これはこれで、なかなか良いまとめかたでした。


「あれ、なんてったっけ。
ラストが急転直下でさ。
びっくりしたよな。
千尋と三人で、この終わり方が好きだ嫌いだってもめたんだよな」

とまぁ、今回はこんなセリフもありましたが、これは「紘とみやこと景の話」の締め方に対する視聴者への問いかけの意味も含んでいるんでしょうかね?
もしそうなら、答えてあげなくてはいけないでしょう。
自分としてはとても好きな終わり方でした(^^

そして最後にCパート。
「女の子は世界に一人」という文字が画面に打たれていきます。
千尋の小説の最後の一文?
なんだか嫌な予感が漂ってくるのは気のせいでしょうか。
一方を綺麗に締めたから、もう一方をどん底まで落とそうなんてことは・・・。

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2007年12月02日

今週後半の一本 その2(2007/11/29~12/1)―『ef - a tale of memories.』第9話

前回、火村は千尋の記憶が消えてしまったことを異常なほど冷静に受け止めていましたが、それはこれまでにも同じようなことが何度も繰り返されてきたからのようです。
彼は蓮治に、このようなことは今後も起きるし、千尋と過ごす時間が長くなればなるほど記憶が消えたときの痛みは大きくなると言います。

大きな痛みを感じるのは千尋ではなく、千尋と一緒にいた人のほうなのですが、蓮治はまだ千尋と向き合う覚悟が足りないのかその考えには思い至りません。

そんな蓮治に火村はとどめの一言。
「大きくなるのは・・・蓮治、おまえの痛みだ」

さらに、今なら千尋の前から消えることができると、蓮治に最後の決断を迫ります。
蓮治はどうしていいかわからず泣き崩れる。
千尋はその様子を影から見ていますが、当然ながらその目には何の感情もありません。

その後千尋は、これまでに書き溜めた日記をすべて読み返す作業を始めます。
でもそこに書かれているのは、まったく変わらない同じ毎日の繰り返し。
こんな人生なら終わってしまえばいいと自暴自棄になってしまいます。

そんな千尋のことが怖いと火村に打ち明ける蓮治。
場所が教会の屋根の上っていうのが良くわかりませんが。。。見るからに危ないでしょうここは(^^;
いや、危ないっていうことが何かの暗示なのかな?

火村はそう思うのが正常だと言います。

蓮治はさらに、なぜ千尋と会うことをやめさせなかったのかと火村に尋ねます。
火村の答えは
「見てみたかったのかもな。
俺と同じようなやつが、うまく行くかもしれないって夢を」

これまた思わせぶりな発言です。
火村と千尋では年齢差がありすぎるので、もしかしたら彼とあの謎の女性・雨宮優子のあいだに何かあったのでしょうか。
ついに雨宮優子の出番が来るのか?

さらに、蓮治と千尋がどうするべきかも自分は多分知っていると言います。
ヒントは千尋が書いている小説と真剣に向き合い、千尋がそのような物語を書いている理由を知ること。

千尋の小説は、千尋にとっての現実をそのまま投影したもののような感じです。
そして、小説に出てくる絵の中の世界は小説の中の女の子(千尋)にとっては非現実。
この非現実は、千尋以外の人にとっての現実ということになるのでしょうか。
だとすれば、絵の中に入っていくという結末は、千尋が記憶障害に正面から向き合って蓮治が生きる世界での人生を歩みだすということ。
絵の中の男の子が絵から出てくるという結末は、第7話ではハッピーエンドと言っていましたが、実際は蓮治とともに現実逃避の人生を歩むことを意味するのかもしれません。

この後、蓮治と千尋は記憶が失われる前の行動をもう一度辿ります。
千尋もだいぶ明るくなってきました。
同じことの繰り返しだった日記の内容が、蓮治と出会ってから大きく変わったことがその理由。

その部分を示して、それが今の自分にとっての一生だと言う千尋。
それがわずか十数ページというのが切ないです。

この後、蓮治と千尋は記憶と人格について哲学的な問答をします。
その中で千尋は、記憶が消えてしまったら前の自分は死んでしまったことになるのではないかという疑問を口にします。

蓮治は、その場ではそんなわけがないと否定して千尋を勇気付けますが、涙を流しながらの言葉に説得力があったかどうかは疑問です。

家に帰りパソコンに向かう千尋。
書きかけの小説が映る画面を前にして、電源スイッチに目が行きます。

「ねえ、早くおいで。
ここまでおいで。
寂しさはここにあるよ」

ここで、千尋がイメージする12年と13時間の円の中に一人の子供が。
これは12歳の千尋でしょうか?

「女の子は世界に一人。
だから彼女は神様だ」

千尋が言う神様とは今の自分ではなくて、12歳の彼女ということなのかな?

ここにきてストーリーが完全に自分の理解力を超えてしまいました。
電源スイッチのあたりからどう理解していいのかわかりません。
いつもの的外れな妄想すら思い浮かびませんよ(^^;
でも、なんだかハッピーエンドはなくなったような感じがします。
千尋には幸せな結末を迎えて欲しいんだけど。。。



今週のみやこと紘(と景と京介)。

みやこは自分がまだ紘の心の中に残っていたことを知って安堵し、紘を呼び出します。
やってきた紘に、携帯はやめたと言って「だんご三兄弟だんご大家族」のテレホンカードをみせるみやこ。
まだ紘の心を計りかねて不安でいっぱいのはずなのに、無理に笑顔を作ります。
[意味はないとわかりつつ、みやこの現在の状況を風子と比べてしまいました(^^; ]

海岸を歩きながら話す紘とみやこ。
ここで二人は初めてお互いに本心から語り合います。

紘は漫画を描くことを親に反対されて家を出てしまったことを打ち明けます。
そんな紘が自由でうらやましいと言うみやこに対して、紘はみやこのほうこそ自由に生きていると言う。
でもみやこからすれば、みやこの自由は「空っぽで何もない自由」で、紘の自由は「やりたいことのために選んだ自由」。

紘は、やらなければならない事だらけで自由など無いと否定しますが、みやこはそれなら二人で逃げ出そうと、おそらく半分以上本気で言います。

もちろん紘はそれを断ります。
自分で選んだことは責任を持ってやり遂げるべきで、一度関わったことを無かったことにはできないと。

それに対し今度はみやこが「あたしにも関わったんだから逃げたりしないよね」。

紘は一番無かったことにしたい事実だと一度はおどけて見せるものの、すぐに本心を明かします。
みやこがいると肩の力を抜いてもいいんじゃないかと思えると。

みやこも、紘といると気持ちが楽になると素直に打ち明けますが、でもそれは紘といられる短い時間のあいだだけ。
ここで、紘ともっと一緒にいたいという思いが高まり、紘に抱きつきキス。
紘の手はそんなみやこを自然と抱きしめます。

キスを終えて離れた二人の間に無言の時が流れ、いたたまれなくなったみやこは「何か言ってよ」と紘に訴えます。
少女漫画家なんだからロマンチックな言葉くらい言って欲しいと。

紘の口から出てくる言葉は「愛してる」とか「お前をもう離さない」とか、月並みな言葉ばかり。
あげくに「ジュテーム」って(^^;

あきれたみやこは「広野くん、本当にプロの・・・」
その言葉をさえぎり、今度は紘のほうからみやこにキス。

アドリブは苦手だから原稿用紙の前じゃないといいセリフが浮かばないという紘に対してみやこは「じゃあ、原稿用紙のあるところに連れてってよ」

前回までの衝撃とは一転。
かなり綺麗なシーンです。
ありきたりと言ってしまえばそれまでですが、それでもやはり見入ってしまう。
みやこってこれまで本当に無理をしていたんだなっていうのが良くわかります。

この後、紘の部屋に行った二人は当然の流れで愛しあう。

そしてみやこから紘へのお願い。
「広野くん、どんなときでもあたしだけ見ててくれる?」
「ああ、お前だけを見てる」
「あたしはもう、誰かの心から消えたくない」

ここもまた綺麗にまとめましたが、当然これは、この約束が守られないことを暗示しているんでしょうね。
そう考えてしまう自分の心が汚れているだけでしょうか(^^;

一方、景は、京介を呼び出して時間を過ごします。
紘は仕事で忙しいから、その代わりに京介に少し付き合ってもらおうということのようです。

京介は景に呼び出されるまでビデオを編集していましたが、そのときに景に以前のような輝きが無いことに気付きます。
ちょうどいい機会なので、景にその理由を尋ねる京介。
みんながそれぞれ自分の道をしっかり歩んでいるのに、自分は足を痛めて何もできずにくすぶっているというのが景の答え。
でも京介は、輝きが失われた理由は他にあると見抜きます。

京介のアドバイスがあったのかどうかは不明ですが、この後景は紘のために料理を作ります。
そして出来上がった料理を紘の家に持っていく。
でも、ドアを開けた時に目にした光景は信じがたいものでした。
景はその場から逃げ出してしまいます。

でもこれって、どう見ても明け方ですね。
徹夜で料理する根性は評価してあげたい(^^;
それにつきあった京介もすごいけど。

さて、次回はどう展開するのでしょうか。
景がまたみやこを「消去」する展開だけは避けて欲しいところです。

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2007年11月25日

今週の一本 その2(2007/11/18~11/24)―『ef - a tale of memories.』第8話

前回はみやこの心理描写に圧倒されて言葉を失いました。
そして今回は、千尋に起こった出来事に圧倒され、不覚にも泣いてしまいました(^^;
毎回こうもすごい展開を見せ付けられるとは。。。
残り4話。
最後まで失速せずに楽しませてもらいたいです。

で、以下本編ですが。。。
最近(?)文章をまとめる力がなくなったようで、だらだらとかなりの長文です。
最後まで読んでくれる人はいるのだろうか。。。


公園で紘を待ち続けるのに堪えられなくなったみやこ。
彼女はついに待ち合わせ場所を離れます。
携帯は公園の噴水に投げ込んでしまいました。

そしてその直後、紘がその場にやってきます。
コンビニに行く前に立ち寄ったのかとも思いましたが、日が暮れてしまっているし、自転車のカゴに何か入っているようなので、コンビニ帰りでしょうね。
絵に描いたようなすれ違い。
って実際絵に描かれていますが(^^;

みやこは紘の家に向かいました。
そこで目にしたのは、シャワーを浴びてバスタオルを体に巻いた景。

景は勝利宣言をし、紘は寝ているから会えないと嘘をついてみやこを追い返します。
ドアを閉めた後へたり込んでしまいますが、これはついに勝ったという達成感から体の力が抜けてしまったのか、嘘をついてまで紘を自分のものにしようとしたことを悔いているのか、どちらなのでしょうね。

その後、紘はみやこに何度も連絡しようとしますが、みやこの携帯は噴水の中。
連絡が付かない状態が続きます。

一方のみやこは、紘に会おうと学校の屋上に行きますが、カギのかかったドアの前でもがくだけ。そこに紘はいません。

そしてこの場面で画面に羽が舞います。
これ、前から気になっているんですが何を意味しているんでしょう。
雨宮優子が舞台の外から見ていることを暗示しているのでしょうか?
この後の彼女の登場の仕方を見ても、彼女は他の登場人物たちと同じ“人間”ではなさそうですから。

シーンが変わって、一緒に下校する景&紘&京介。
仕事を抑えて勉強に集中したほうがいいと言う景に紘も同意しかけます。
そこで紘の携帯が鳴る。
勝利宣言はしたものの、みやこからではないかと緊張する景。
編集さんからの電話だったようで一安心です。
ところがその内容は仕事の依頼で、紘はその依頼を受けてしまいます。
紘の体を気遣う景は紘と言い争いになってその場から去ります。
ちょっと過剰な反応のような気もしますが、もしかしたら、自分の将来を自分で決める紘を目の当たりにして、以前のみやこの言葉を思い出したからかもしれません。

翌日。
前日の紘の対応を愚痴りながら京介と二人で下校する景。
自分でカメラを抱えて、すすんで被写体になってます(^^;
景は京介の少し大人な発言に表情を変えます。
この後、自宅に戻った景は、以前京介が持ってきた2時間以上の大作に見入ります。音を消して映像だけで。
景の心の中で京介の占める割合が徐々に大きくなってきた感じです。


千尋と蓮治。
蓮治は千尋の待つ図書館へ。
前回のキスの一件があるので、ちょっとためらいがあるようです。

でも千尋はそのことを日記に書かなかったのか、記憶に残っていない様子。
以前のようなほのぼのムードが復活します。

夕暮れの海岸を歩く二人。
千尋が蓮治に、進路が決まったかどうか尋ねます。
さらに、以前二人で作った砂の城を見つけて修復しようとする蓮治に向かって「違いますよ。ここはこんな感じでした」
記憶障害が改善されつつあるのかと期待させてくれるシーンです。

蓮治はこのことを火村に告げますが、彼は奇跡でも起こらなければそんなことはありえないと蓮治の期待を完全否定。

翌日。図書館。
千尋は小説を書きながらうとうとして一瞬眠ってしまいます。
その寝顔を見てにやける蓮治。
ここは何かおかしいと気付かなければならない場面でしょう(^^;

目を覚ました千尋は、どのくらいの時間寝ていたか確認しようと蓮治に詰め寄ります。
事態の深刻さをよく理解できていない蓮治は、千尋のこの反応に戸惑います。

千尋は日記に書ききれないことを細かく思い出す作業を毎日続けているため、疲れが溜まっているようです。
睡眠時間を削って、蓮治との会話を細大漏らさず一言一言思い出しています。
蓮治とのキスの一件も実は覚えているようで、きっとそのことがあったからこんな無理をするようになったのでしょう。

でも千尋のそんな努力は火村に止められます。
火村は千尋が無理をしないよう気遣いますが、「蓮治君との時間を消したくないですから」と言う千尋の言葉に表情を変えます。
この人の過去にも記憶にまつわる何かがある感じですね。

千尋の日記を奪って千尋の努力を終わらせようとする火村。
千尋は日記を取り戻そうと火村に飛び掛りますが、火村は思わず千尋を殴ってしまいます。
「忘れませんから。
今の、絶対に忘れませんから!」

翌日。再び千尋と蓮治。
二人が初めて出会ったときのことを蓮治に確認する千尋。
大切な過去をもう一度心に留めておきたいから。
そして海岸で、もしよかったら手をつないでもいいですかと自分の意思で尋ねる千尋。
二人の関係の新たな始まりを予感させるいいシーンです。

ところがここで、連日の無理がたたった千尋が意識を失い倒れてしまいます。

その翌日、蓮治は千尋の家に見舞いに行きます。
火村に案内されて千尋の部屋に入った彼が目にしたのは、ベッドで眠る千尋。
火村は何度も起こそうとしたが“タイムリミット”が過ぎてしまったと淡々と語ります。
あまりに淡々としているので、わざと起こさなかったのではないかと思えてしまうくらいです。
蓮治はその意味を即座に理解できません。
そんな彼の目の前で、千尋が目を覚まします。

「お兄さん誰?
あれ、あたしどうして
あれ
あれ
どうして! どうしてあたし大きくなってるの!?
あたし、目はどうしたの!
お姉ちゃんは、景お姉ちゃんはどこ!
紘お兄ちゃんは?
あたしどうなったの!?

どうして・・・どうして
あたしどうなっちゃったの・・・」

眼帯をはずし、失った眼を鏡で確認して愕然とする千尋。

そんな千尋に火村は自分のことを覚えているか尋ね、千尋の“記憶が確かなこと”を確認します。

「わかっただろう。
これが千尋だ。
この娘はずっと、12歳と13時間を生き続けているんだ。
永遠に」

千尋の13時間分の記憶が完全に消失し、12歳の女の子に戻ってしまいました。
何とも切ない。
というか、早く続きが見たい。

でも順番からすると、次回はみやこと景の話が進む番かな?
Cパートで、公衆電話から電話をかけてきたみやこが、紘の心から消えていないことを確認していたので、景に反撃開始かな(^^;

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2007年11月18日

今週後半の一本 その2(2007/11/15~11/17)―『ef - a tale of memories.』第7話

これまでのエピソードでも十分すぎるほど演出が際立っていましたが、今回は特にすごかったです。
Bパート、みやこの心理状態を文字と声だけで表現しきっていました。
よくここまで割り切ったなぁという感じ。
結果は大成功ではないでしょうか。

で、今回の内容ですが。。。

まずはAパート。
千尋と蓮治は図書館で、小説に挿入するエピソードを考えています。
今回は狼煙のエピソード。
たぶんこういう短い話をいくつもつなげて一つの作品に仕上げるつもりなのでしょう。
結末をどうするかはまだ決まっていないようです。
いくつもの素材をつなげて最終作品を作るという手法は京介と同じですね。
13時間という壁がある以上、こういうやり方になるのはある意味必然ともいえますが。

それをサポートするのが蓮治。
千尋に感想を聞かれて、狼煙の煙に顔を突っ込んでしまう女の子がかわいいと答えます。
ところが千尋は、それは違うと言う。
読者がこの女の子をかわいいと思ってしまっては作品としては失敗だと。

この言葉に蓮治はちょっと驚いた様子。
この後、何もない黒い背景にかぶる蓮治の「ふぅーん」という一言が彼の心境(違和感)を表しています。

ここから蓮治の違和感が加速します。

翌日。図書館。
蓮治が小説を書く千尋を見つめたまま自分の進路について考えていると、それに気付いた彼女が蓮治にどうしたのか尋ねる。
蓮治は進路希望を考えていたと答えますが、千尋の反応は「そうなんですか」
以前、音羽駅でこれと同じやり取りがあって、千尋の反応はそのときとまったく同じ。

さらにその翌日。図書館。
小説の結末が決まっていないという千尋に対して、蓮治が2つの案を出し、その解釈についても少し触れます。
千尋はその解釈がしっくりこないようで、蓮治にさらに説明を求めます。
実は二人は以前にも何度もこの結末について話し合っていて、この後の蓮治の説明は以前千尋がしたものと同じでした。

蓮治は、千尋が小説を書くのをサポートするという目的は果たしているものの、得られる結果はもともとすべて千尋が考え出したもの。

でも千尋は、蓮治のアイデアのおかげで小説が進んでいると感じて彼に感謝します。
「僕は何もしてないよ。自分はこんなに何もできなかったんだってヘコんでるんだから」

自分の進路が決まらない蓮治。
小説家になることも少しは考えているはずですが、実際に小説を書くという作業に関わってみると自分は何もできずに千尋の才能をなぞっているだけ。
蓮治はその言葉どおりかなり落ち込んでいるようです。
そして、千尋と一緒にいることも辛くなってきている様子。

海岸で千尋に絶対の信頼を示されてキスしてもいいと言われる蓮治。
でも何かが違う。
才能は千尋のほうが上。
でも、違和感の素はそれではない。
千尋の人間らしくない反応がそう思わせているのか?
そんな彼の心に、「ソレハ、カミサマガイジッテイルカラデスヨ」という千尋の声が響きます。
それは違うと強く否定する彼。
千尋が書いている小説の主人公は千尋自身を投影したものだと思いますが、その主人公のことを千尋は神様だと言っています。
蓮治は心の奥で、自分が千尋の手のひらで踊らされていると感じ始めているのかもしれません。


さてさて、ここから問題のBパートです。

まずは、みやこの家庭は彼女が幼い頃に崩壊してしまったことが明かされます。
両親ともに家を離れてしまい、彼女は今、音も色も消えてしまった家に一人で暮らしています。
そしていつのまにか、両親の心からは彼女の存在すら消えてしまった。

そんな彼女が出会った理想の人・理想の居場所。
それが紘。
彼との時間を過ごすうち、みやこの心に徐々に色が戻ってきます。

そんな彼の心から消されることが怖くて約束したデート。
でも待ち合わせ場所に紘は来ない。

冗談交じりで何度か紘の携帯にメッセージを残すみやこ。
そんなことを繰り返すうち、景の言葉が甦ります。
紘の心からあなたの存在を消してみせるという言葉が。

誰かの心から消されることを恐れるみやこ。
ここからは、彼女が紘の携帯に残した留守電の内容が文字と声だけで綴られていきます。
ときには強く、ときには優しく、そしてまたときには涙交じりで。
彼女の不安定な心理状況がこれでもかといわんばかりに突きつけられる感じです。

そして駄目押しのCパート。
景が紘の携帯に残された履歴に気付き、全消去。

怖いというよりも悲しくなってしまいました。
日曜の朝からちょっと強烈過ぎです(^^;
でも素晴らしい。

次回は「clear colour」。
これが2語で名詞なら、清色という意味のようで、みやこと紘の関係はこれまでどおりということを暗示します。
でもclearが動詞なら、みやこの心から再び色が消えてしまうということで。。。
いずれにしても次回が待ち遠しいです。

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2007年11月11日

今週後半の一本 その2(2007/11/8~11/10)―『ef - a tale of memories.』第6話

踏み切り。
線路をはさんで対峙する景とみやこ。
みやこに対して一方的に敵対心を燃やしている景が一言。
「あなたの存在を消してみせる」

なんて衝撃的なオープニング(^^;
まぁ、ここまであからさまに表現されると、ミスリードなのかなとも思えてしまいますが。

その後場面は一転。
少し時間がさかのぼって、京介の「俺と付き合ってほしいんだ」発言の少し前に飛びます。
どうやらこの言葉は、京介が女優をスカウトするときの決まり文句だったようです。
いきなりの紛らわしい発言に怒った景は紘と京介に平手打ち。
誤解はすぐに解けますが、演技に関しては素人の景はこの誘いを受けるかどうか迷います。

ここで紘と京介が作品作りに関して口論になってしまう。
しっかりした構想を持って作品を作り上げるべきとする紘。
素材を集めてそこから最終作品を作り上げていけばいいとする京介。

議論が白熱する中、ここで驚きの発言が。

景「私は映画に出るなんていってないからね!」
紘と京介「えっ???」

二人とも景が撮影に協力してくれると思い込んでいたようで、驚きが大きすぎて議論を続ける気力がなくなってしまいました。
ということで男同士の熱いシーンはここまで。

京介は帰宅。

紘は景を家まで送ります。
その途中、景の携帯に千尋からメールが。
蓮治のことを頻繁に伝えているようです。
彼氏になったとは書いていなくてもその気があるのはバレバレ。
これに触発されたのか、景は紘を日曜日のバスケの試合に誘います。
試合の後で話したいことがあると。
景が過去の呪縛を断ち切って前進し始めた瞬間です。

時間の流れ的には、この翌日あたりに冒頭の衝撃のシーンが来ます。

「消す」というのは、景が紘を独占することで、紘の心からみやこを消すという意味でした。
そしてこの一言がみやこを本気にさせてしまいます。
どうやらみやこは誰かの心から消えてしまうことを過去に経験しているようです。
そしてそういう事態を極端に恐れている。

そんなみやこがとった作戦は、紘とデートすること。
学校の屋上で日曜日にデートすることを無理やり約束させます。
景のバスケの試合があることを知った上での確信犯的行動です。

日曜日。バスケの試合当日。
景は貧血と脱水症状のために試合中に倒れてしまいます。
でも、それよりも紘が観戦に来てくれなかったことを悲しんでいる様子。
そこに京介から連絡を受けた紘が駆けつけます。
紘におんぶされて家まで送られる景は、紘がみやことのデートよりも自分を優先してくれたことに感激。

紘は待ち合わせをすっぽかしたことを謝ろうと携帯に手を伸ばしますが、携帯がないことに気付きます。
携帯は紘の自宅の机の上。
呼び出し音が鳴り続ける。
画面には「着信アリ 99件」の文字が。。。

いよいよ景とみやこの全面対決が始まるのか?
放送できないようなおかしな方向には向かわないで欲しいですね。


今週の千尋と蓮治。
千尋の書いたプロットの出来の良さに驚いた蓮治は、教会で火村にその訳を尋ねます。
千尋にとっては他者に文章で物事を伝えることは生きることに等しい。
事故にあう前から物語を書いていたので、そのときから備わっている才能なのか、事故後に身に付いた能力なのかは定かではありませんが、過去の自分と未来の自分が別人ともいえる千尋には、この能力はとても重要な意味を持つもの。

ここで蓮治がもう一つ別の質問。
「火村さんて何者なんですか?」
一視聴者としてもこの質問の答えはぜひ知りたいところです。
火村の答えは
「人を待っていたんだ」

過去形なのが気になるところですが、これは蓮治のような人が現れるのを待っていたということなのでしょうか?
それとも、彼はすでにこの世に存在していなくて、生前に教会で誰かを待っていたということ?
でも、千尋の保護者として生活しているようだから死んでいるということはないか。。。

その後、蓮治は、小説の中に出てくるアイテムのイメージが掴めないという千尋と一緒に学校の図書室に資料探しに行くことに。
そのためにまず、千尋の制服を調達することになります。
母親に相談してみると、久瀬が女子の制服を持っているらしいという衝撃の事実が判明。
そのことに疑問を持たない母親って。。。

実際、久瀬は制服プレイを楽しむ変態のようで、彼のイメージがちょっと軽い大人からかなり危ない大人に変わってしまいました(^^;

それにしても今回は、驚きとか衝撃がたくさん出てくるなぁ。

それはともかく、あこがれの音羽学園の制服を着て無邪気に喜ぶ千尋がかわいい。

千尋と蓮治は、翌日まで待ちきれずにさっそく学校の図書館へ。
本の匂いにはしゃぐ千尋。
その頭にあるイメージが浮かびます。
それは、12年と13時間の輪の外から手を握ってくれる蓮治の姿。

今回もまた綺麗な締めでした。

当初はパートごとにきっちりとストーリーが別れていましたが、最近は2つのストーリーがパートに拘らずに小刻みに切り替わるようになってきました。
千尋が音羽学園に出入りするようになって、双方の登場人物たちも交わるようになっていくのでしょうか。

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2007年11月04日

今週の一本 その2(2007/10/28~11/3)―『ef - a tale of memories.』第5話

12年という長さの鎖と、そこから手を伸ばして届く13時間。。。
その範囲内でしか生きられない千尋。

彼女はそれ以上時間的に「外」の世界を知らずに朽ち果てていくことを恐れています。
悲しいというか辛いというか、何とも切ない現実ですね。

千尋が抱える記憶障害は回復可能な障害なのでしょうか?
鎖を断ち切れる日が来るのかどうか。
できればそういう日が来たところできれいにエンディングとして欲しいところですが。

で、今回の本編。

千尋と蓮治は協力して小説を書くことになりました。
夢の実現に向けて楽しく相談する二人ですが、千尋にはやはり不安が付きまといます。
野原に紐でつながれた羊は、やがて草を食べつくして死んでしまう。
それと同じように、小説を書き上げた時に夢が枯れ果てて自分も最期を迎えてしまうのではないか。

一方、景にも、千尋の鎖ほど強固ではないけれど過去の呪縛があります。
景の「鎖」は、千尋に対する贖罪の想い。
千尋が事故にあったのは、景が紘を独り占めしようとしたことが原因でした。
小さい子にはよくある独占欲です。

千尋には用事があるからと嘘をついて、紘を無理やり連れ出し、二人だけで海に遊びに行った景。
そこに駆けつけた千尋は不運にも自動車に轢かれてしまう。
これもかなりきつい思い出です。

紘のことに関してみやこに詰め寄った景は、逆にみやこのきつい言葉で、この「鎖」を改めて自覚することに。

そういえば第三の主人公・京介も話に絡んできましたね。
紘に相談して景を呼び出し、いきなり「俺と付き合ってほしいんだ」ときました。
これは、撮影に付き合ってくれという意味なのか、彼女になってくれという意味なのか、どちらなのでしょう?
いずれにしても、京介と景の関係が深まっていくのは確実です。

ところで、今回も謎の女性・雨宮優子が登場しました。
彼女はいったいどういう存在なんでしょう?
第1話で始めて登場したときは「ベルリン・天使の詩」に出てくる天使のような存在を想像しましたが。。。
彼女と同じような位置づけのキャラかと思われた火村は普通の人みたいだけど。

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2007年10月28日

今週の一本(2007/10/21~10/27)―『ef - a tale of memories.』第4話

相変わらず独特のテーストで淡々とストーリーが進んでいるef。
まだまだ油断はできませんが、次回が気になる一本です。

■蓮治と千尋のステージ

千尋には小説を書くという夢がありますが、記憶障害を抱えているためこれまではその実現を諦めていました。
でも今回、蓮治が千尋に、二人で一緒に小説を書こうと提案。
千尋は、もしも書き上げることができなかったら自分には何もなくなってしまうと言ってその提案を強く拒みます。

そんな彼女が書きたい小説のテーマは「すべてが滅んだ世界に一人だけ生き残った女の子の物語」。
蓮治がしつこく食い下がって聞き出しました(^^;
次回のサブタイトルは「outline」なので、当面は二人で小説執筆に取り組むことになるのかな?

■紘とみやこと景(と京介?)のステージ

こちらは三角関係がメインのようです。
京介はただの脇役かと思っていましたが、それよりも少し重要な位置づけになるのかな?
そうなると四角関係?

今回は、景が紘のことをお兄ちゃんと呼ぶ理由が(たぶん)判明。
幼い頃の紘は「人が親しく接することを理解でき」ずに、毎日一人で絵を描いていたようです。
それとは対照的に、その頃の景は「人が一人でいることが理解できなかった」ので、一人でいる紘と自然に仲良くなっていきました。
それ以来ずっと仲良しだったため、自然と「お兄ちゃん」と呼ぶようになったのでしょう。

そしてその場にはいつも、景の双子の妹・千尋がいました。
まだ事故にあう前だったようで、眼帯も無く、普通に活発な女の子だったようです。

景は、紘が少女漫画を描き続けているのは自分のせいだと言っていましたが、そのことと千尋の事故に関連はあるのでしょうか。

そういえば、画面がモノクロになるのは演出で遊んでいるのかと(^^; 思っていましたが、今回に限って言えば、モノクロになるのはみやこ視点のカットだけだったような?
「人を見る目がある」と言い切るみやこにも何か秘密がありそうです。

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