2009年01月25日

今週のおまけ(2009/1/18~1/24)―『ブラスレガイド』

これは、ブラスレイターのDVD Vol.6に収録されている特典映像です。
収録時間は約16分。
内容は板野監督へのインタビューと、板野監督によるシーン解説です。

最後のほうで「総集編を観ていただいてありがとうございます」と言っているので、もしかすると、本編第11話と第12話の間に放送された「ブラナビ」の後半の映像なのかもしれません。
tvkでは放送されませんでしたが、ほかの放送局では放送されたのでしょうか?

第12話のグランドエンディングのノンクレジットバージョンが入っていないのはどういうことだ!・・・という不満はさておき、さっそく特典映像の内容のほうを。

板野監督インタビュー
・ブラスレイターを制作する経緯
自分は見ていませんが、GONZOの「青の6号」という作品で3DCGが使われていたそうです。
一部のアニメファンからは批判されたそうですが、板野監督としては、前衛的でジャパニメーションの方向性が示されているように思えたそうです。
それがあったので、バイク物のアニメの監督を依頼されたときに、自分の色を出しながら思い切ってやりたいと考えて制作が始まったとのこと。

・板野サーカスの表現力
絵コンテにこだわらないで、そこから膨らませて映像を作っていくのが基本だそうです。
絵コンテが外部に漏れても、外部では再現できないような映像を作るのが板野スタイル。

第1話で発射したミサイルは2発だけでしたが、スタッフはもっと派手にやりたがっていたとのこと。
ミサイルの軌道の美しさは数が少なくても成立するので、「厚化粧をした化粧でごまかさないで素で頑張れ」という考えから、監督としては1発にしたかったそうです。
そうすることで、まずは基本を覚えてほしかった。
2発というのは板野監督が妥協した結果でした。

シーンガイド
・第3話、ミサイルに追撃されるジョセフ
ミサイルに追撃されるジョセフ
3D制作者はすべて3Dでやりたがる傾向があるそうです。
ところが、3Dで空を作ってしまうと、遠距離にある空は画面では動かなくなってしまい、スピード感が出ません。
このシーンでも、ジョセフがミサイルを避けているのではなく、カメラが行ったり来たりしているだけに見えてしまいます。
そこで、空を1枚の背景として描いて、カメラの動きに合わせて流すように動かし、その流れにあわせてミサイルの煙を微調整していくと、スピード感が出るそうです。
ミサイルに追撃されるジョセフ 比較画面
このことは比較画面を見ると一目瞭然で、臨場感がまったく違います。
リアルを追求しても面白いものが出来るとは限らないんですね。
制作前に3Dで作ってもダメだという話をしたそうですが、最初はわかってもらえず、3Dで作られてしまったそうです。
「箱庭の中に素材が全部入っていて、その中で何もかもやろうとしてしまうっていうのが3Dクリエイターの弱点」。
箱を取り払うことで3Dだけでは作れないものが作れる、というのが板野監督の考え方。

・第5話、ゲルトとジルの闘い
ゲルトとジルの闘い
ゲルトとジルの闘い 完成前① ゲルトとジルの闘い 完成前②
このシーンではカメラがぐるぐる回って、とても激しい動きになっています。
ゲルトが走っているときに火花が飛び散りますが、映像では何が起こっているのか見えません。
でも、1カットだけスローでジルの弾丸をはじくところを見せることで、これまでの火花もジルが撃った弾丸をゲルトが叩き落しているんだと解釈できるはず。
また、カメラを寝かせることでゲルトの全身を見せたり、背景の奥行きを表現できるという狙いもあるそうです。
こういうシーンの制作を通じて、3D制作者がレイアウト込みで画を描けるようになってきて、絵は描いていないけれどアニメーターと同じ能力を育むことができたそうです。

・第6話、ゲルトとヘルマンの峠でのレース
ゲルトを抜き去るヘルマン
ゲルトはプロのレーサーなので、グリップの限界値を考えてぎりぎりのブレーキングでコーナーを攻めているように描かれています。
一方、交通機動隊からXATに来たヘルマンは、普段は道なき道を走ってデモニアックを追っているので、コーナーでブレーキをかけず、逆に加速して土手を駆け上ってゲルトを抜いています。
ヘルマンはゲルトに自分の成長した姿を見せようとしたのですが、この行為がゲルトの危機感を煽ってしまい、ゲルトの不安と恐怖感を増幅させてしまいました。
その結果があの悲劇へと繋がったわけです。

・第12話、ジョセフとベアトリスの空中戦
ジョセフとベアトリスの空中戦
初めて地面から離れたカメラワークを見せてくれたシーンです。
これまで同様、カメラを横にして全身が見えるようにしたり、動きに緩急をつけて何が起こっているのか分かるように見せるようにしています。
ジョセフが放つムチも、手前、中間、遠方の3つのレイヤーに分けて、2Dのアニメーションでも奥行きを出す画作りを心がけていたそうです。

無口な主人公 ジョセフ
ジョセフは、自分から言い訳や説得などをしない主人公です。
その結果誤解されても、自分が傷つくだけならいいという生き方のキャラです。
高倉健みたいに、不器用っぽいけど男らしさがにじみ出てくるキャラにしたかった・・・というのが板野監督の考え。
ここで一言しゃべれば済むのにというところでも、脚本家にはあえて抑えてもらって、しゃべらせなかったそうです。
視聴者が分からなければならないことは分からせてあげて、それ以外のことはいろいろ想像してほしい。
それがアニメーションを観るときの面白さじゃないだろうか、と板野監督は話していました。
それが原因で誤解されてもいいから、とにかくセリフを減らしたそうです。

3DCGで制作するメリット
TVシリーズでは、1話につき動画がだいたい4000枚だそうです。
その中でメカもキャラもちゃんと動かすのは無理。
CGは枚数換算されないそうですが、だいたい4000~8000枚相当。
そこで、4000枚をほぼすべてキャラに使って、さらにCGを使えば、TVでも8000~12000枚使っているように見えるそうです。
板野監督の考えでは、それが3Dの一番のメリットだそうです。
3Dで枚数を稼げるからキャラの方を減らして楽をしよう・・・なんて考えないところがすごいですね。

3DCGアニメーションの可能性
現状の問題点は、3D班と作画班と演出の連携が取れていないこと。
演出や作画が3Dのことをよく分からないなどの理由で連携がうまく行かないことがあるそうです。
そういうところを直していければ、安定したクオリティーのアニメーションを作り続けられるようになるんじゃないか、と話していました。

視聴者の方へメッセージ
最後は板野監督からのメッセージ。
「ちょっと序盤戦は、見るのがつらいかなって人もちょっと我慢して観ていただいて、6話まで観て、12話まで観れば、ブラスレイターの本当の良さが分かっていただけると思います。
そうしたら、最後まで観る忍耐が培われてるのかなと(笑)。
最後も、期待に沿わせていただいて、切ない話で、うまくまとめて行きたいと思ってますんで、最後までブラスレイターを見届けてあげてください。
よろしくお願いします」

どうやら、ブラスレイターを最後まで観るには忍耐が必要だったようです(^^;
2クール目に入ってから残念なエピソードが増えたのは事実ですが、自分の場合は毎回観るのが楽しみでしたけどね。
DVD Vol.1に収録されていたコメンタリーといい、今回の特典映像といい、板野監督の話はなかなか聴きごたえがありました。

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2008年09月28日

今週の一本(2008/9/21~9/27)―『ブラスレイター』第24話

『オープニングの画が変わったぞ。
なるほど、ジョセフが絡んだ出来事(ジョセフの想い)を駆け足で見せてくれているんだな。
これは、本編でジョセフの想いが爆発する熱い展開になるに違いない。

あれ? マレクが666に乗ってる?
あれ? ゲルトの「栄光」シーンだ?
ジョセフと直接関係ないじゃん。。。

あ、ジョセフがガルムで飛んでった。。。』


今回は、オープニングの時点からグダグダ感がぬぐえないスタートとなりました。
この嫌な予感は見事的中して、最終話にしてまさかのギャグ回(?)。
1クール目の熱い展開は素晴らしかったのに、どうしてこんなことになってしまったのやら。。。


ということで、「ブラスレイター」は新たな記録を樹立してしまいました。
2クール作品で、1クール目から2クール目にかけて評価が大幅にダウンした作品ワースト1という不名誉な記録です。あくまで個人的な感想に基づく評価ですが。
これまでのワースト1は「ロミオ×ジュリエット」で、2クール目は1クール目に比べて0.66433ポイントダウンしました(詳しくはこちら)。
そして今回、「ブラスレイター」は0.79021ポイントダウンということで、新たにワースト1の座に輝くことに(各話の評価はこちら)。


とはいえ、それでも「ブラスレイター」がお気に入りの一本であることに変わりはなく、最終話を観終わった今は、ガッカリ感とは違うなんだか複雑な心境です(^^;

とりあえず最終話の内容にも触れておきましょう。。。

ジョセフとザーギン。
「位階を昇り詰めた」ジョセフは、高速移動による残像も駆使して、ザーギンと互角に戦っているように見えます。
と、ここでなぜかマレクのような残像が1体出現。
この高速移動はマレクから受け継いだということでしょうか? でもどうやって?
ところが、互角に見えたのは間違いだったようで、やはり力ではザーギンの方が上でした。
ジョセフは倒され、再び眠りについてしまいます(^^;

ここで驚きの展開。
ジョセフの脳内イメージ(?)にゲルトとヘルマンが登場します。
ヘルマン「おい、どういうことだ」
いや、それは観ているこちらのセリフです(^^;
ヘルマン「ここに来たってことは・・・」
おや? ジョセフの脳内イメージではないということでしょうか?
ブラスレイターの思考データが集積される場所みたいなのがあって、ジョセフはそこと通信しているのか?
ゲルト「やめろヘルマン。ここで目覚めたら本当に・・・」
まさか三途の川。。。(^^;

ここでさらに驚きの展開。
ゲルトがヘルマンに、自分がジョセフに殺された経緯を語り聞かせます。
ヘルマンは死してついに真実を知ることに。
語り終えたゲルトはジョセフに憑依してザーギンと対決することに。
イシスが活性化するまでの時間稼ぎをするようです。
この戦いにザーギンの馬もブラスレイター化して参戦。
ジョセフよりも手ごわいと判断されたのか?
がしかし、激闘の末、ゲルトも倒されてしまいます。
そして今度はヘルマンが戦うことに。
ヘルマン「いいか、てめえのためじゃねぇからな。アマンダのためだからな」
なんでもいいから自分を納得させる理由がほしかったようです。
しかし彼もザーギンに敗れます。

ここでさらにさらに驚きの展開。
ジョセフがまたまた復活です。
ジョセフ「さあ、我々も主の元に帰ろう」
聖書の一節(?)を口にしながらザーギンを翻弄します。
ジョセフ「俺はお前の力を凌駕した」
なんだか本当に強くなっているようです(^^;
ゲルトとヘルマンの戦闘データを自分のものにしてパワーアップしたということでしょうか?
そしてここでイシスも活性化しました。
ジョセフが触れたザーギンの剣が崩壊していきます。
ザーギン「まさかこれが、真のブラスレイター?」
でもジョセフは力でザーギンをねじ伏せるのではなく、あくまで説得して止めようとします。
もちろんザーギンが応じるはずもなく、ついに本当に最後の格闘となってしまいますが、ジョセフはあっけなく敗退。
ジョセフは「しかたがない」と言って剣を交えたので、本気だったと思うのですが。。。
結局、力ではザーギンに及ばなかったようです。

好意的に解釈すれば、ジョセフは自分が体を張ることでまだザーギンを説得できると考えていた、ということになるのでしょう。
でも、これまでのザーギンの言動からそれが無理なことは分かりきっているので、ちょっと無理がありますね。

ジョセフとの因縁に決着をつけたザーギンはその場を去ろうとします。
が、ここでイシスが完全に活性化。
ジョセフの体は崩壊を始め、粒子を飛散させていきます。
それを浴びたザーギンやデモニアックの軍勢も次々に崩壊していきます。


アポカリプスナイツと国連軍。
ついにボウライダーの中にまで現れた電子の妖精エレア。
イシスが活性化するまであと1時間持ちこたえろとサーシャを鼓舞します。
「死んでしまっては美しくなくてよ
がんばってね」
と、妙にサーシャに優しく接するエレア。

ボウライダーの冷却についてはヴィクターに何とかしてもらうことに。
「どうせ聞いてるんでしょうヴィクター
サーシャが死んだら、あなたのために戦ってるメイフォンも死んでしまうのよ」
「ふん、まぁよかろう」
ヴィクターの意識は十分すぎるほどしっかりしているようです。新世界の神になって壊れてしまったわけではなかったんですね。

しかし、それでも冷却が間に合わずボウライダーは大破。
サーシャは自分の罪を背負ったまま炎に焼かれ散っていきます。

サーシャの罪とは、ジョセフを実験体にしてペイルホースを完成させ、それをザーギンに投与してしまったこと。
でも、サーシャとジョセフが一緒にいられた期間はそれほど長くないはずなので、それ以前にも実験体となった人がいたのかもしれません。

アポカリプスナイツ最後の生き残りとなってしまったメイフォンは、最終手段をとります。
スケールライダーごとICBMに突撃し、自らの命と引き換えに攻撃を阻止。

ここでメイフォンの真実が明かされます。
彼女はヴィクターの娘のクローンだったようです。
娘が何らかの原因で死んでしまい、娘のことを忘れられないヴィクターが作らせたクローン。
でもその寿命は短く、20歳前後までしか生きられないと診断されていました。
そこでヴィクターの目に留まったのがサーシャが研究するナノマシン。
孫娘の命を救うためにジョセフやザーギンを使ってブラスレイターの研究を進め、ザーギンの裏切りでブラスレイターに見切りをつけた後は、その技術を応用してサイボーグの研究を進めたということでしょうね。
ヴィクターの行動はすべて、孫娘のメイフォンのためのものでした。
世界征服というのは誤解だったようです(^^;

メイフォンを失ったヴィクターは、失意のうちに活動を停止します。


アマンダとエレアとマレクとマリア。
アマンダは、マレクの罪を償わせるため、彼を自首させます。
マレクが出所したら今度こそマレクを守ってみせると誓うアマンダ。

そして5年後。
アマンダは一人でXATを立て直しました。
司法取引の結果、マレクの減刑と引き換えにXATの教官をしていたようです。
新生XATの目的は、生き残った融合体を保護すること。
融合体は人々から差別を受けているようです。
新長官(?)の言葉からは、融合体がかつてのように人を襲っているというような印象が感じられませんが、この時点で、融合体と人類は共存しているのでしょうか?

アマンダは任期が来たので新生XATを除隊しようとしますが、マレクがXAT遊撃要員を志願したため、遊撃隊長として引き続きXATに残ることを選択します。
マレクとツーマンセルを組むことになりました。

その後アマンダは、ガルムに乗ってマレクを迎えに行きます。
ガルムにはもちろんエレアも搭載されています。
マレクの位置を示すレシーバーを見ながらマレクのもとに向かうアマンダ。
まだレシーバーの使い方に慣れていないようです。

エレアはそんなアマンダを見て
「美しくないわよ――あなたの知り合いの人はあっちにいるわ」
エレアが指さす先には、ジョセフと見間違うほどたくましく成長したマレクがいました。
そして、マレクが乗るバイクにも電子の妖精が搭載されています。
エレアとそっくりなマリアというAI。
融合体に対するケアプログラムもインストールされているというマリアは、アマンダに「あなたが会いたかった人たちよ」といって、死んでいった仲間たち+αのホログラムを見せてくれます。
ヘルマン、ゲルト、アル、ブラッド、レーネ、ウォルフ(!)、メイフォン、シドウ、ヴィクター、旧XAT1班の隊員たち、サーシャ、スノウ、ジル、マシュー、ベアトリス、ザーギン、馬。
アマンダが会いたかったとは思えない人たち(と動物)も混じっているようですが(^^;
このホログラム化された人たちが融合体のケアに一役買ってくれるのでしょう。
そのためには、「悪役」も必要ということでしょうか。

まぁ、人格データを組み込む際に適度に改変もしているようで、ウォルフが「すまなかったな。許してくれ」というのは笑ってしまいました(^^;

そしてジョセフもホログラムで復活。
彼はエレアと一緒にガルムに残るようです。

虹をバックに綺麗にまとまったところで「完」

ということで、「ブラスレイター」終了です。
1クール目の出来があまりに良過ぎたために、2クール目とのギャップが目立つ結果になってしまいましたが、硬派なテーマに真正面から取り組んだ良作でした。CGIの見せ方とカメラワークも秀逸でした。

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2008年09月21日

今週の一本(2008/9/14~9/20)―『ブラスレイター』第23話

今回は七夕の日の出来事。
思わず笑ってしまうセリフも多くて、ストーリー性も演出も、これまでのエピソードに比べて一歩抜きんでていました。演出的には1期を観ているような感じがしないでもなかったかな?

・・・と、今週は「ひだまりスケッチ×365」第12話について書きたかったのですが、この作品の感想はちょっと書きづらいので、とりあえずブラスレイターでも。。。
ただし、今回のブラスレイターはいいところがなかったので、いつもより手短に(^^;


ついに国連軍が動き出し、B-2爆撃機2機をディエゴガルシア島からドイツに向かわせます。
ドイツ政府への通告なしで、いっきに核でケリをつけようとしているようです。
これを迎え撃つのはメイフォンとシドウ。
サーシャはツヴェルフ基地に残り、イシスの完成を急ぎます。

ツヴェルフの早期警戒システムが捕捉した1機は簡単に撃墜できましたが、もう1機は民間機の陰に隠れて接近していたため発見が遅れ、16発の巡航ミサイル(AGM-129 ACM)が放たれてしまいます。
メイフォンが高高度からミサイルの位置をシドウに伝え、シドウが地上から迎撃。
ところがさらに国連軍の戦闘機(F-35?)も飛来し、ミサイル迎撃で手一杯のシドウはほぼ一方的に攻撃を受けることに。
残る巡航ミサイルは2発というところまで健闘しますが、この最後の2発はお互いの距離が離れているため、ボロボロになったソードライダーではもはや対処できない。。。
ここでシドウは、広島・長崎の悲劇は繰り返させないという強い信念から、ソードライダーを自爆させた余波でミサイルを堕とすことを決断します。
崖を破壊してミサイルの軌道を変え、2発の軌道を近づけたところで自爆。
シドウも最期を迎えることに。

ところが今度は、衛星軌道上からのミサイル攻撃が始まります。
これを、メイフォンと、無事イシスを完成させたサーシャが迎撃。
イシスの完成は思ったよりも早かったです(^^;
サーシャはツヴェルフ基地からボウライダーの荷電粒子砲を撃つことになります。
冷却が間に合わないためマニュアルモードで連射しますが、その結果どうなるかは火を見るよりも明らか。
サーシャの命運も残りわずかのようです。
さらに今度は、マッハ23で飛来する第7世代ICBMが登場。
というか、予告を見るとこれは新型の戦闘機のようですね。
メイフォンはこれと刺し違えることになるのかもしれません。


一方、マレクはイシス完成までの時間稼ぎをするために、アマンダを残し一人でザーギンの元へ向かっていました。
ザーギンと対峙したマレクは、ザーギンに翻弄され、自分の弱さを認めます。
でも、人の悪しき側面に絶望してすべてを投げ出し、人類を滅亡させようとしているザーギンはもっと弱いと言って、一歩も引こうとしません。
寝ている間に自分の生き方についてしっかり悩んで結論を出し、もう迷いはないようです。逞しくなりました。
でも、ザーギンとの力の差は歴然。
やがて力尽きて動けなくなってしまいます。

そこについにジョセフが登場。
ジョセフは、サーシャの依頼でエレアが届けてくれたイシスを呑みます。
エレアによれば、アンチナノマシンの効果が現れるのは服用から1時間後。
自分のブラスレイターとしての運命がザーギンの血によって始まったので、今度は自分の血でザーギンもろともこの世から消えようとしているようです。

「誰よりも傷ついて辛い目にあってきたくせに
どうしてあなたが報われないの
どうして最後まで一人ぼっちなの」
と言うアマンダに対し、
「俺は信じている
すべてを見届けた上で、最後まで生き延びてくれた人間がいるなら
それが俺たち、ブラスレイターの救いだ」
と言い切ったジョセフの結論が、この世からの消滅のようです。

ジョセフはマレクをアマンダの元に連れ帰るようエレア(ガルム)に頼み、ザーギンとの最後の戦闘に挑みます。

そうそう、ヴィクターさんは元気を取り戻したようです。
ツヴェルフのメインコンピュータと融合して「世界が見えている」と勘違いし、新世界の神になれると大喜び。
このあと、どうなるんでしょうね(物語の尺的にも。。。)?

いつもより手短。。。だったかな?(^^;

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2008年09月14日

今週の一本 その3(2008/9/7~9/13)―『ブラスレイター』第22話

ツヴェルフがいなくなったら面白さが復活したかも?
ということで、「ブラスレイター」の投稿も復活です(^^;

今回はヘルマンが熱かった。
やはりXAT隊員はこれまでの人物描写が半端じゃないだけに、ドラマが成立しますね。

今回、残念ながらヘルマンがベアトリスと相討ちになって退場してしまいましたが、その体が消滅した後に、彼の想いがナノマシンで写真として再構成されるのも感動的です。
ゲルトとの友情がヘルマンの中で大きな位置を占めていることもあり、あの峠で走った頃の思い出が強く現れるのは当然として、そのイメージに彼が最後に目に焼き付けた、目を閉じて泣くアマンダの顔がかぶさっているのが切なすぎます。
アマンダへの想いも強かったとはいえ、こういう形でしかイメージを残せないというところにヘルマンの未練が感じられますね。
ただ、この中途半端に再構成された写真も、この後数分で消滅してしまうんでしょうね。

[追記]――――――――――
よく見ると、写真に写っているアマンダの顔がわずかに動いていました。
ヘルマンが見たイメージではなくて単にアマンダの顔が反射しているだけなのでしょうか?
でも位置的には反射ではなさそうだし・・・。
ナノマシンの揺らぎ?
映画「ブレードランナー」のレイチェルの写真のような演出効果を狙ったとか?
――――――――――――――

さて本編。。。

サーシャはアンチナノマシン「イシス」のデータの持ち出しに成功しました。
イシスは諸刃の剣。
ザーギンを倒す切り札になると同時に、新たなペイルホースを開発するための基礎データにもなる。
これを悪用すれば第2、第3のツヴェルフが現れることになってしまう。
サーシャは最も信頼できるアマンダにデータを託します。
現存するイシスのデータは、サーシャの頭の中とアマンダが受け取ったメモリスティックだけになりました。

その後、サーシャはシドウとともにツヴェルフ基地に戻ります。
基地の機材を使ってイシスを完成させるために。
管区長がザーギンによってメインコンピュータと融合されてしまい、ネットワークが侵蝕されつつありますが、メイフォンが汚染区画の隔離に成功したため、ラボは機能するはずと考えているようです。

ツヴェルフ基地の大半を占拠したベアトリスは、残されたイシスの痕跡から、それがザーギンを毒殺する計画であることに気付きます。
ベアトリスはサーシャとシドウがデータを持ち出したと推測し、データを奪還するため二人を追います。

アマンダのおばの孤児院。
ヘルマンは眠り続けるマレクに語りかけます。
獲得した力に振り回されてしまうことは恐ろしいが、間違いを犯しながらでも、悩みながらでも、立ち止まらずに進めと。
最後まで正しい答えを掴めなかったとしても、そのことを覚えている誰かが答えを見つけてくれるかもしれない。だから間違いを犯したことを無駄にせず、いま自分にできることをして生きていけと。

そしてこの後、アマンダがついにヘルマンにジョセフのことを話します。
ヘルマンはジョセフの事情を理解したようですが、それでもなぜゲルトが殺されなければならなかったのか、マレクの感染にジョセフが関わっていなかったというのは本当なのか、感情的に納得できないようです。

このとき、ヘルマンは何かの気配に気付きます。
それは、ウォルフと似た気配。
ヘルマンはちょっと頭を冷やしてくると言ってアマンダと別れ、その気配の元を捜しに出ます。

場面変わって、ベアトリス。
サーシャたちを探していたベアトリスは、牧場の馬小屋の廃墟にたどり着きました。
ここでベアトリスの過去が明かされます。
ベアトリスもおそらく移民の子で、幼い頃はこの牧場に引き取られていたようです。
そして、酷使される馬を庇って殺されかけたところをザーギンに救われました。
ベアトリスが融合体になったのはこのとき。
そして、彼女が助けようとした馬が、現在ザーギンが乗っている馬。
なんと馬の過去まで判明しました(^^;

嫌な過去を思い出して気分を害したベアトリス。
ここでヘルマンと出会います。
なぜベアトリスがウォルフと同じ気配を漂わせているのか問いただすヘルマンに対して、ベアトリスはすべてを話します。
ゲルト、マレク、ウォルフの三人はすべて自分が融合体にしたのだと。

これを聞いてすべてを理解し激昂したヘルマンと、嫌な過去を思い出し機嫌が悪いベアトリスのバトルが開始。
何度見ても、ブラスレイターのバトルシーンは燃えます。
目が回るほどのカメラワークがとにかくすごい。

「貴様ごときに邪魔させるものか。ザーギン様の理想を」

「ゆずれねぇのは、てめぇだけじゃねぇ!」

両者まったく譲らない戦いの末、ヘルマンが負傷してアマンダのおばの孤児院前に墜落。
ベアトリスも手傷を追います。
アマンダは騒ぎに気付いて孤児院の外に出てきます。
その目の前でパラディンが大破炎上。
炎の中からベアトリスが現れ、アマンダに向かって「お前で最後だ」。
ベアトリスは、XAT最後の(人間としての)生き残りであるアマンダも手にかけようとします。

でも、間一髪のところでヘルマンがベアトリスに飛びつき、なんとか抑えます。
傷がかなり深かったようで、ヘルマンはベアトリスを抑えるので精一杯。
ベアトリスに一方的に痛めつけられます。
ここでヘルマンはマレクの名を叫びます。

眠り続けるマレクは、自分の殻の中で悩み続けていました。
でも、ヘルマンの「間違いを無駄にするな」という言葉に救いを見出したようです。
ヘルマンの叫びを聞いてついに目覚め、ヘルマンと共闘して、ベアトリスを倒します。
でもここで、ベアトリスの最後の一撃からマレクを庇ったヘルマンも最期を迎えることに。

涙するマレクを前にし、アマンダのひざの上に抱きかかえられながら、ヘルマンは最後の言葉を口にします。

「なぁマレク・・・こんな俺だがよ・・・もしかしたら、いい兄貴になれたと思うか」

うなずくマレク。

「そうか、ありがとよ・・・これでやっと言えそうだ・・・アマンダ・・・」

光となって消えていくヘルマン。
最後までその想いをアマンダに伝えることはできませんでした。
そして残された灰の中から「写真」が再構成されていきます。

この写真、最初はなぜ現れてくるのか分かりませんでしたが、アマンダの顔がうっすらと映っているのに気付いた時に理解できました。
うまい演出に思わず感心してしまいました。

そして最後は、国連軍が動き出したところで終了。
残り2話でどう締めるのか、なんだか別の意味でドキドキしてしまいます(^^;

BLASSREITER (VOL.11) [DVD]
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2008年08月17日

今週の一本(2008/8/10~8/16)―『ブラスレイター』第19話

これまで評価が低かったエピソードの脚本はなぜかすべて太田愛さんだったわけですが、今回は汚名返上とばかりになかなか良いエピソードでした。
スノウ関連の話が物足りないようにも思いましたが、これ以上そっち方面の話を膨らませると収拾がつかなくなりそうなので、今回くらいでちょうど良かったのかもしれません。

今回、ウォルフは壮絶な最期を迎えます。
アルは記憶を取り戻し、最期までイイ男を貫き通しました。
ちょっとカッコよすぎるアルの生き様に涙を誘われたのは言うまでもありません(^^;

ということで、本編です。

前回ラストでスノウと出会ったアマンダ。
彼女はスノウの足元に落ちていた木彫りのマリア像に気付き、それにまつわるジョセフの過去の一端を口にします。
それを聞いたスノウは、ジョセフがアマンダのことを信用していたのだと知ります。
ジョセフが信じた人間ならば、ということで自分もアマンダを信用することにしたスノウ。
彼女は、自分はジョセフから感染したのだと打ち明けます。
そして、融合体化の過程で幻覚に悩まされる自分を救ってくれたのもジョセフだったと。

ジョセフは苦しむ自分を抱きしめて優しい言葉をかけてくれた。

「お前は悪くない
なんにも悪くないんだ
生きるんだ
生きるんだスノウ」

スノウとジョセフはしばらく一緒に旅を続けました。
でもある朝目が覚めてみると、ジョセフはスノウを残して去ってしまった。
当時はその意味を理解できなかったものの、今ならわかる。
自分を戦いに巻き込みたくなかったから、ジョセフは一人で行ってしまったのだと。

この話を聞いたアマンダは、ジョセフが強化ユニットのせいで暴走していることと、今は空軍基地にいることをスノウに伝えます。
そしてスノウは、ヘルマンがウォルフを追ってXAT基地がある街に向かっていたことをアマンダに伝えます。
それぞれが目指す人を追って別れるアマンダとスノウ。


その後、スノウはシェッペリン空軍基地に辿り着きます。
人間の姿のままでは貧弱すぎるので、ジョセフの攻撃に耐えられるよう、デモナイズしてジョセフと対峙。
暴走して凶暴化したジョセフの一方的な攻撃に対して、スノウは無抵抗を貫きます。
なんとかジョセフに正気を取り戻してもらおうと必死に訴えかけるスノウ。
過去の想い出のイメージをジョセフに送り込んでいるようです。
でも一向に効果がないので、スノウはついに人間の姿に戻ります。
死を覚悟したのかもしれません。
そんなスノウを容赦なく打ちのめすジョセフ。

スノウはついに立ち上がることすらできなくなってしまいました。
そんなスノウの口から出てきた言葉は、かつてジョセフが自分を助けてくれた時に言ってくれた言葉。

「お前は――悪くない
なにも、悪くないんだ
だから――生きていていいんだ
ジョセフ――生きていいんだ」

これを聞いてかつてのミュラー神父の言葉を思い出したジョセフは、ついに正気を取り戻します。

「やっと会えた」と喜ぶスノウ。

おまえは辛くないのかと尋ねるジョセフに対してスノウはこう応えます。

「今ある世界が望んでいた世界ではなかったとしても
今ある自分が望んでいた自分ではなかったとしても
最後まで自分にできる戦い方をして終わりたい
あたしは、ジョセフに出会ったことを一度も後悔したことはない」

ジョセフを正気に戻すためだけに出てきたような感じがして、ちょっと惜しい気もしますが、スノウの出番はここまでのようです。
彼女の想いを胸に、ジョセフはどう動くのか?
ジョセフにできる戦い方とは何なのか?
ただの寡黙な主人公を卒業して、今度こそ活躍してくれるに違いありません(^^;


一方のヘルマンは、ウォルフを追って旧XAT本部にたどり着いていました。
多数のザコ融合体の迎え撃ちにあい若干押されぎみのヘルマン。
そこにパラディンが駆けつけます。
機銃掃射でザコ融合体を蹴散らすパラディン。

「また私を出し抜くつもり?」

アマンダが現れたことで気合が入ったヘルマンも力を取り戻します。

ザコ融合体を蹴散らして一段落ついたところで余裕の一言を口にしかけるヘルマン。
ところが、そこでウォルフの一撃を受けて吹き飛ばされてしまいます。

ここからアマンダ&ヘルマンのツーマンセルとウォルフの最後の熱い戦いが始まります。

ウォルフは、攻撃力も防御力もアマンダ&ヘルマンを圧倒していますが、ついに追い詰められてしまいます。
自分たちを守って死んでいった仲間たちの想いをしっかりと胸に刻んで生きている人間と、自分が生き抜くために仲間を犠牲にしてきた男の想いの差が出てしまったようです。

ところが、アマンダが止めを刺そうとしたときに、アルの狙撃が。
アマンダの乗るパラディンが吹き飛ばされ、ヘルマンも胸を撃ち抜かれてしまいます。

ウォルフは傷を修復して復活。
そして、アマンダを仲間に引き入れようとします。
自分の血を受けて融合体となれば、ヘルマンには手を出さないと。

アルの狙撃でパラディンは損傷し、変形機構にも異常が出てしまったようで、モニターにはTRANSFORMINGの文字が点滅したまま。
いずれにしてももう助からないと感じたアマンダは、ウォルフに最後の一撃を食らわせようと、パラディンで突っ込みます。

それを阻止しようとライフルのスコープを覘くアルは、アマンダの機体に書かれた文字に気付きます。
「絆」の意味がわかったかどうかは不明ですが、その横に書かれた自分とブラッド、ヘルマンの名前を見て、ついに記憶を取り戻しました。

「ウォルフ!
てめぇだけは、てめぇだけは!
死んでも許せねぇ!」

標的をウォルフに変更。
ウォルフの頭を撃ち抜きます。
アマンダはパラディンで一撃を加え、最後はヘルマンが切り裂き、ウォルフは最期を迎えます。


状況終了。
アルは一人その場を立ち去ります。
夜明けの空を見上げて一人思いを馳せるアル。

「ったく、生き返るってのは気持ちが悪いぜ」

この言葉を最後に、アルは自分の頭を撃ち抜いて自決。

アルの最後の銃声を聞いたアマンダとヘルマンは、アルが自分でケリをつけて逝ってしまったことを知ります。

「あんなに正確に狙えるスナイパーは、他にはいない」

アルの体は光となって消え、残されたライフルには3枚のドッグタグが揺れます。
これは、アルとブラッドとレーネのドッグタグでしょうか?
記憶を失ってもこれだけは手放さなかったんですね。


今回は、いつもの激しいカメラワークは堪能できませんでしたが、それでもウォルフとの戦闘シーンが熱かったです。
ウォルフを追い詰めたアマンダが、お前を助けるために何人の隊員が死んでいったか数えたことがあるかと問いかけられて、冷静な声で「あるわよ」と即答する場面も良かったです。
ウォルフとの生き方の違いがこのセリフに込められていたように思います。

XAT隊員としてアマンダとヘルマンの2人が残りましたが、とりあえず今回でXAT関連の話にはケリがついたようです。
一番熱い連中の話が終わってしまったので、今後の展開に一抹の不安もありますが、ここまで魅せてくれたんだから最後まで楽しませてもらいたいですね。

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2008年08月10日

今週の一本(2008/8/3~8/9)―『ブラスレイター』第18話

アポカリプスナイツと融合体との戦闘が開始され、アマンダ&ヘルマンも現場へ急行。
いよいよ三つ巴の戦いが開始される、という引きで大きく盛り上がって終了した前回でしたが――さてさて今回は。。。

戦闘開始直後だというのに、管区長がいきなりジョセフ投入を指示しました。
サーシャとの約束はどこへ?
いち早く戦局を見抜いたのか、アポカリプスナイツを出撃させるための詭弁だったのか、食えない男です。

アマンダとヘルマンはシェッペリン空軍基地に到着。
ウォルフは二人のことをしっかりと認識しています。
ヘルマンのことはベアトリスから情報を貰っていたとしても、パラディンに搭乗しているのがアマンダだということはどのように知ったのか。。。

そんなことを考える余裕もなく、唐突にジョセフ登場。

ウォルフ配下の融合体がジョセフを取り囲みますが、ここでなぜか融合体の動きが止まってしまいます。
ウォルフが攻撃を指示しても動こうとしません。
どうやらザコ融合体は、位階の高い融合体に服従するようです。

ジョセフは圧倒的な力でザコ融合体をなぎ倒し、ちょっと位の高い(まだウォルフの指揮下にある)融合体も軽く倒してしまいます。
このままでは融合体部隊が壊滅してしまうと判断したウォルフは、自らジョセフと対峙。
肉弾戦なら互角に戦えるようです。

ここでウォルフの視界にヘルマンが入ります。
ウォルフは、ジョセフに対するヘルマンの深い憎しみを読み取ります。
融合体の特性として、遠距離で意思疎通できることはこれまでにも示されていましたが、相手の心理まで読み取れるようです。
空軍基地に到着したパラディンに乗っているのがアマンダだと分かったのもそのためなのかもしれません。

ウォルフは姑息な作戦に出ます。
その場から逃げる振りをして、ヘルマンのもとへジョセフを誘導。

ヘルマンは、ウォルフを追って現れたのがジョセフだと気付きます。
そして怨み再燃。
「お前だけは俺がやる!」
ゲルトとマレクの仇だと言ってジョセフに襲い掛かります。
ジョセフがあまりにも寡黙だったために積み重なった誤解が事態を悪化させます。
それを尻目にウォルフは残存戦力を引き連れて撤退。

上空でアポカリプスナイツと戦闘中のベアトリスはそれに気付き一言。
「ウォルフのヤツ・・・」
そして、油断した隙に左肩を負傷。

再び地上。
ヘルマンはジョセフにまったく歯が立ちません。
見かねたアマンダが二人の戦いを止めようと間に割り込みますが、ジョセフはアマンダの機体も破壊しようとします。
どうやら強化ユニット(首輪)のせいで暴走しているようです。
前回、サーシャが未知の部分が多すぎると言っていたのは、このユニットのことだったのかもしれません。

間一髪でヘルマンがジョセフをアマンダの機体から引き離します。
そして再びジョセフに攻撃しようとしたときに、アポカリプスナイツが駆けつけます。
ベアトリスは撤退した模様。
彼らにとってはヘルマンもただの融合体でした。
躊躇なくヘルマンに攻撃を仕掛けます。
そこに割り込むアマンダ。
ヘルマンの盾となります。
サーシャはツヴェルフへの背任行為だと責めますが、それに対してアマンダは「私はXATの隊員よ!」

このままではアマンダが危険だと判断したヘルマンは、ジョセフのことは忘れて、いったんその場を撤退します。

一方のジョセフは、今度はアポカリプスナイツの機体を攻撃し始めます。
暴走は止まりません。

「お前まで手が回らん」と言って、アマンダにウォルフ追撃を指示するシドウ。
ウォルフを倒さなければもう帰る場所はないとアマンダを煽りますが、アマンダの機体に「絆」の文字を書いたときのように、これは彼なりの優しさなのかもしれません。

ここで、事態の打開は不可能と判断したヴィクターから退却命令が。
サーシャは、たとえ暴走していようともジョセフは自分の弟だと言って命令に従おうとしません。
でも、シドウとメイフォンに無理やり連れられて撤退させられます。

シェッペリン空軍基地は破壊し尽くされ、残ったのは暴走したジョセフただ一人。


ここで物語は大きく展開。
これまでドイツ国内だけで進んでいた事態が一気に世界規模に膨らみます。
融合体問題は国連で討議される事態になりました。
現実世界の国連は、北極上空から見た地球をモチーフにしたマークを採用していますが、ここでは地球を横(赤道上空)から見た様子をモチーフにしています。
この作品の時代設定は「近未来」ということなので、北半球と南半球の国家間の平等を強調するために国連マークが変更されているようです。

そしてこの場で、ドイツへの多国籍軍投入が検討され、ほぼ決定したようです。

ドイツの首相官邸(?)では、ヴィクターを交えてこの件について議論しています。
ヴィクターは多国籍軍の統治下には入らずに独力で事態に当たると宣言。
首相はその考えを支持している様子。
いくら多国籍軍とはいえ、通常兵器では融合体に対処できないと知っています。


戦闘から戻ったアポカリプスナイツは一時の休息。
シドウはロッカールームで着替え中。
ロッカーの中には一枚の写真が。
平和記念公園の原爆の子の像の前で家族と一緒に撮った写真のようです。
シドウの出身は広島ということでしょうか?
写真の中で彼が着ている制服は航空自衛隊(この時代では空軍?)の制服のようです。

ジョセフはまだ空軍基地。
暴走が止まらず、残った施設を破壊し続けています。

その様子を監視カメラの映像で見ていたヴィクターは、融合体の体内ナノマシンを崩壊させるアンチナノマシンの開発を再開することを決意します。
開発はいったん凍結していたようですが、暴走してもサイボーグで対処できるという判断があったのでしょうか。
でもやっぱりだめだったから開発再開。
それとも、サイボーグの開発に注力するために予算が足りなくなったのかな。。。

再び、ウォルフ。
旧XAT本部があった廃墟に戻った彼は、ベアトリスと連絡を取ります。
そして「見込み違いだった」の一言で切り捨てられてしまいます。

でも彼は鉄の意志を持った男(^^;
「いいだろう
俺は俺でやる
ヘルマンを倒し
そしてお前がやれなかったブルーを
今度こそこの世界から葬り去ってやる」
あくまで当初の目的を達成しようと改めて決意を固めます。

そして空軍基地の戦闘で生き残った一人の人物に歩み寄ります。
「よくやってくれたな、アル」
姿は人間ですが、前回気化爆弾を狙撃した融合体で間違いなさそう。

ここでアルはウォルフの言葉に「はい、ボス」と応えます。
以前の彼はウォルフのことを隊長と呼んでいたような?
融合体になる前の記憶が失われているということでしょうか。
まぁ、記憶が残っていればウォルフに従うことは絶対にありえませんが。

そしてアマンダ。
ヘルマンを探して廃墟にたどり着いたアマンダが見たのは座り込んで焚き火に当たる一人の少女でした。
第10話のジョセフの夢に出てきた少女のようです。
振り返り、立ち上がった彼女は、アマンダの名前を口にします。
驚いたアマンダに自分の手のひらを見せる少女。
そこには融合体の印が。
そして一言。
「あたしは、スノウ」


さてさて、今回はシナリオ的にちょっと物足りないような気がしたのですが、その分、戦闘シーンはたっぷり堪能できました。
設定的には、ジョセフの暴走を止めるカギになりそうな少女が登場。
さらに、アンチナノマシンという掟破りの最終ギミックの存在も明らかに(^^;

ジョセフやマレク、そしてザーギンの野望についてはこの掟破りの最終ギミック(しつこい)でなんとか解決しそうです。
でも、ヘルマンについては悲惨なことになりそう。
彼はいったん死亡しているはずなので、体内のナノマシンを崩壊させられたらその後は・・・。



ここからは余談。

DVD第1巻買ってしまいました。
オーディオコメンタリーが熱いです。
2話分ほぼフルに使いきってしゃべりまくり。
他のアニメのオーディオコメンタリーだと1話ごとにしっかり区切りをつけているのですが、これはそんなことしていません。
だから、オーディオコメンタリーを選んで第2話から再生を始めると会話の途中から始まってしまいます。
しかも、第16話まで視聴済みなことが前提のコメンタリー。
すご過ぎる(^^;
とはいえ、他の作品でも見習ってほしいくらい内容が濃いです。
制作の裏話から小林脚本による「ブラスレイター2」(笑)の話まで盛りだくさん。
極めつけはエレア関連のネタバレ(正直これはきつかった・・・)。
さらに、最後には板野監督の強烈なお言葉。
「GONZOのDVD高いんですよ(中略)もっと安くしてほしいなと」
こんなコメントをカットしなかったGONZOはある意味太っ腹。
これまで聴いたオーディオコメンタリーの中では1、2を争う内容でした。
ちなみにもう1つは「ef - a tale of memories.」第7話のコメンタリー
残念ながらこちらはDVDに収録されたものではありませんが、聴き応えの面では今のところこの2本がダントツです。
エレア関連のネタバレに耐えられる自信がある方にはお勧めのコメンタリーです(^^;

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2008年08月04日

今週のおまけ(2008/8/3~8/9)―ブラスレイターの四騎士

ブラスレイターの公式サイトはFlashで作られていて重かったのでしばらく訪問していませんでした。
で、今日久々に覘いてみたら、HTMLで作り変えられていてとても快適(^^

ということで、さっそく情報収集。
(ツヴェルフ側から見た)四騎士の正体がついにわかりました(今更かもしれませんが(^^;)。

アポカリプスナイツの乗る機体の説明に、「ツヴェルフが誇る3騎士アポカリプスナイツの武装兵器」と書かれているので、3人の騎士は

第一の騎士は、ボウライダー(弓)に乗るサーシャ
第二の騎士は、ソードライダー(剣)に乗るシドウ
第三の騎士は、スケールライダー(秤)に乗るメイフォン

で決まりのようです。

そして第四の騎士が(管区長の希望としては)、ペイルホースで究極の融合体に進化したジョセフなんでしょうね。
黙示録によれば、第四の騎士はハデス(黄泉)を引き連れているらしいので、それがエレアのことなのかもしれません。

ここまできたところで、またまた妄想爆発。
公式サイトのトップページに、第20話放送休止(一週間延期)のお知らせが載っていますが、この20話のサブタイトルが「黄泉の軍勢」。
これを言い換えると「エレアの軍勢」ってことになるのでしょうか?
もしかしたら、エレア側の組織の全容が明かされるのかもしれません。
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2008年08月03日

今週の一本 その2(2008/7/27~8/2)―『ブラスレイター』第17話

復活のブラスレイター

過去編の後しばらく失速気味だった「ブラスレイター」ですが、また盛り返してきたのかもしれません。
ロボット物になってしまうのかと心配していましたが、今回も人間ドラマでしっかり魅せてくれました。
さらに、戦闘シーンのカメラワークも相変わらずすごかったです。


制御が利かなくなった自分の体が、いつかアマンダを傷つけてしまうかもしれない。
そう言って怯えるヘルマン。
もうヘルマンという男は死んでしまったんだと、かたくなにアマンダを拒絶します。

アマンダはそんなヘルマンを最後まで信じると言い切ります。
さらに、かつてゲルトのことを強く信じ続けたように、今度は自分自身のことを信じてほしいと頼みます。
駄目押しで、アルとブラッドも最後の瞬間まで人間であろうとし続けたんだと、ヘルマンを説得。

そしてついに、ヘルマンは気付きます。

「俺は一番肝心なところを忘れてた。
どんなことがあっても、俺は最後までXATの一員だ。
そのくらいの意地通さなきゃ、アルとブラッドに申し訳がたたねぇ」

この一連のシーンはアマンダとヘルマンが再びXAT隊員として生きていくことを確かめ合うとても重要な場面だと思います。
時間的には5分にも満たないシーンです。
一歩間違うと、ヘルマンが考えを変えてアマンダを受け入れることに違和感が出てしまっていたかもしれませんが、第1クールでじっくり時間をかけて描かれたチャンプ・ゲルトに対するヘルマンの強い想いがここに来て活きてきました。
そのおかげで、最小限のセリフと時間で説得力が出るだけでなく、感動まで引き起こされる名シーンに仕上がっていたのではないでしょうか。

そして最後はこのセリフで決めてくれます。

「この体でウォルフの野郎を倒す―――お前とのツーマンセルなら、俺たちに怖いものはねぇ」


一方のツヴェルフ。
こちらはウォルフ率いる融合体の群れに苦戦しています。
今回から新種の羽付き融合体も登場し、空中戦での優位も崩れたようです。

どれほど強力な兵器を投入しようとも、たかだか3機で戦局が変わるわけはないのです。
新型機で融合体を殲滅していくなんていう展開にならなくて良かったです(^^;

戦況が不利と判断したアポカリプスナイツは、気化爆弾を投下して融合体を一気に殲滅しようとします。
ところが、投下した爆弾が狙撃され、ことごとく撃ち落とされていきます。
狙撃手はおそらく、融合体になってしまったアル。
でも彼は、最後の一発を撃ち損じてしまいます。
この直前にメイフォンが「ダメ!」と叫んでいるような画が1カット挿入されましたが、これはどういう意味があるのでしょうか?
アルが意識を取り戻してウォルフに反旗を翻すフラグ?

この最後の気化爆弾が爆発する直前、忠実なザコ融合体の一群がウォルフを取り囲みます。
なんと自らの身を挺してウォルフを庇いました。
ウォルフならそんなことをされなくても耐えられたのでしょうが、ザコ融合体たちからここまでの忠誠を示されていることにちょっと驚きました。


そしてついにジョセフが目覚めます。
体色もブルーからレッドに進化(?)しています。
その様子を察知したエレア(久々の登場!)がいち早く管区長に報告。
管区長は666の予備パーツを流用したガルム改でジョセフを出撃させて、アポカリプスナイツとともに戦わせようとします。
サーシャは当然これに反対。
そしてここで興味深い一言。
「待ってください、あのシステムは未だ未知の部分が多すぎます」

「あのシステム」とは666のシステムのことだと思いますが、これはつまり666はツヴェルフで開発したものではなく、外部から調達したということでしょうか?
その調達先はエレアの組織なのかもしれません。

結局、管区長はサーシャの意見を聞き入れてジョセフの投入を待つことに。
アポカリプスナイツ単独で現場に向かわせます。

その頃、態勢を立て直したウォルフも、生き残るためにザーギンとベアトリスに自分の力を示そうとやる気満々。

そして、アマンダとヘルマンもウォルフのもとへ。

「決着をつけてやるぜウォルフ。
てめぇが撒いたこの毒で、くたばるがいい!」
by ヘルマン

ということで、次回はシェッペリン空軍基地で壮絶な戦いが繰り広げられそうです。
次回予告でなんだか不吉なことを言っていましたが、ヘルマンは生き残ることができるのでしょうか。

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2008年07月13日

今週後半の一本(2008/7/10~7/12)―『ブラスレイター』第14話

今回は脚本も演出も出来が良くなくて、とても残念なエピソードでした。
1話の中に重要な出来事を詰め込みすぎていたため展開が唐突で、ザーギンの融合体化やヴィクターを裏切る場面にあまり説得力がありませんでした。
極めつけはジョセフが自分の弟だとサーシャが気付く場面です。
このシーンはギャグにしか見えません(^^;

また、第9話のジョセフの夢でサーシャがザーギンに殺される描写がありましたが、今回の話では移民を嫌う若者達の暴行にあって死んでいます。
脚本家間の連携が取れていなかったとしたら最悪ですが、もしかしたらサーシャの死にはまだ裏があるのかもしれません。

ということで、今回のエピソードの評価は3に落ちてしまいました。。。

本来なら感想は書かないところですが、今後の展開に期待してとりあえずあらすじをまとめておきます。


前回の水害で教会に避難していた移民たち
移民を嫌う人々に避難していた教会を襲撃され、廃屋になったアパートに移動。
大人たちは水害復旧の仕事にありつけたものの、給料はすべての仕事が終わるまで支払われず、その日の食べ物にも困るありさま。
子供たちの間にはしょう紅熱が蔓延してしまいます。

サーシャ
ザーギンと同じ大学で生物工学を専攻。
人間が病気で死ななくなるように、ナノマシンの研究をしていました。
彼女はザーギンの見舞いに病院を訪れた時にジョセフと会い、ジョセフが身につけていたロザリオを見て、彼が自分の弟だと気付きます。
サーシャはジョセフが生まれてすぐに奉公に出されていたようです。

ザーギン
教会が襲撃されたときの混乱で負傷。
ジョセフとの親交をさらに深めます。
彼は医大生で、インターンとして働いていました。
子供たちを救うため、ジョセフと一緒に大学の薬剤室に忍び込んで抗生物質を盗み出しますが、逃げる途中で武装した警備員に囲まれてしまいます。
彼らの後ろには白衣を着たヴィクターが。

ヴィクター
この当時の彼は、サーシャの研究室の所長でした。
抗生物質を盗み出したザーギンとジョセフを追い詰めますが、駆けつけたサーシャの顔に免じて見逃します。
ヴィクターは、サーシャの研究成果を別の目的に利用していたようです。
その目的とは、ナノマシンを使って人間を生きた兵器に変えること。

そして事態は動き出し。。。
サーシャは、ヴィクターがナノマシンをどういう目的に利用しているのかザーギンに話せず苦悩します。
橋の上で一人で悩んでいるところを移民排斥派に襲われ、回復できずに死亡。

一方、移民の子供たちは、大人たちが食事も満足に摂れていないことを知り、ザーギンとジョセフが確保した抗生物質を売ってパンを買います。
しかし、しょう紅熱が再び蔓延し、次々と死んでいきます。

この現実を目の当たりにしたザーギンは自分の無力さを知って絶望します。
そこにヴィクターが現れ、弱者が排除される間違った世界を正すためだと言って、ザーギンを組織に引き入れます。
ザーギンの血液にナノマシンを組み込んで融合体化。
ところがザーギンは、ヴィクターの目的が世界を支配することだと見抜き、即座に裏切ります。
そして、この世に蔓延する苦しみを終息させるために、世界を終わらせることを誓います。
研究施設を破壊して独自の道を歩み始めようとするザーギン。
そこにジョセフが駆けつけますが、ザーギンを止めようとして瀕死の重傷を負ってしまいます。
それでも「命は生きるに値する」と言ってザーギンの考えを改めさせようとするジョセフ。
ザーギンはそんなジョセフに「だったらきみは生きて苦しむといい」と言って、自分の血を飲ませます。

翌朝、ジョセフは融合体となって蘇ります。
ヴィクターは「これを使ってザーギンを追え」と、ジョセフにガルムを提供。
ザーギンが人類を滅ぼすのをジョセフに阻止させようとします。

ここでジョセフの回想は終わり。

ジョセフは、当時無残に死んでいった移民たちの墓の前で、自分とザーギンの過去をすべてアマンダに話しました。
悲惨な現実に唖然とするアマンダ。

そこに2機の新型機が飛来します。
アマンダは黒っぽい機体に乗っていた人を見て驚きます。
乗っていたのはメガネっ娘を卒業したメイフォンでした。
そしてジョセフも、もう1機の白い機体に乗っていた女性を見て驚きます。
髪や目の色は変わっていますが、ジョセフにはその女性がサーシャに見えたようです。
はたして彼女は本当にサーシャなのか?
だとすれば彼女も融合体ということになりそうですが。。。

以上、簡単にまとめるつもりが、けっこう長くなってしまいました。
結局、ザーギンは純粋すぎたためにその反動で世界を滅ぼすことを決意し、ジョセフは命の大切さを知っているためにザーギンを止めようとしている、ということですね。
ヴィクターは神の名を語る偽善者で、その目的は世界支配ってことでしょうか。

そういえば、復活したサーシャの左目の色が青いのは何か意味があるのでしょうか?
エレアとマレクも同じような色なので、どちらかと関係があるのかも。

BLASSREITER (VOL.7) [DVD]
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2008年07月06日

今週後半の一本(2008/7/3~7/5)―『ブラスレイター』第13話

前回の怒涛の展開とはうって変わって、今回は過去編。
ジョセフがアマンダに語るという形で過去が明かされます。
大きな波はなかったけれど、かなりシビアな内容でした。

それにしても、冒頭、倒れているジョセフのもとにアマンダが駆けつける場面は、前回の続きにしては唐突過ぎますね。
時間の都合で1シーンくらいカットされていたのでしょうか?
DVDでは完全版が観られるのかも。

まずは、ジョセフの10歳の頃の話。

彼もマレクと同じように移民で、教会に引き取られて生活していました。
他にも何人か、同じような境遇の子供たちが一緒に生活していて、ジョセフは一番年上だったようです。
その教会は、街の住人の寄付がないとやっていけないような、あまりお金に余裕のない教会。
年上のジョセフは神父と一緒に寄付を募りに街に出ます。
彼らがよく行く家の子供がエミール。
エミールの両親は移民に理解を示して寄付をしているようですが、エミールと執事はそうではないようです。
神父が家に入り話をしている間、エミールは仲間とともにジョセフをいじめます。
そのことが神父にばれないように顔だけは殴らない念の入れよう。
話が終わった神父が家から出てくると、執事はわざと大きな声で挨拶をしてエミールに知らせます。

エミールは、街でジョセフを見つけると必ずいじめているようです。
マレクの場合と同じような状況ですね。
街の住人の大半も見て見ぬふりを決め込んでいるのかもしれません。

そんなある日、いつものようにいじめられているジョセフを見て一人の大人が駆けつけます。
その人の名前はフランツ。
他の街から来た、屋台のお菓子売り。
彼はエミールたちを追い払い、ジョセフを助けます。
ジョセフはその行為に何か裏があると疑って警戒しますが、すぐに間違いに気付きます。
そして、助けてくれたお礼にフランツを広場まで案内してあげます。

案内のお礼にフランツからお菓子を貰ったジョセフは、それを教会に持ち帰り、他の子供たちと分け合います。
こんな甘いものは初めてだと言って嬉しそうにお菓子を頬張る子供たちが微笑ましい。
でも、それと同時に、ジョセフを含め子供たち全員がお菓子というものの存在すら知らないという悲しい現実も際立ちます。

翌日、お菓子のお礼を言うために再び街に出るジョセフ。
神父は、そんなジョセフに木彫りのマリア像を手渡します。
神父からフランツへの感謝の印。

でも、街に出たジョセフが目にしたのは、フランツの屋台にいたずらするエミールたちでした。
彼らはフランツが屋台を離れた隙に、お菓子を川に投げ捨てていました。
ジョセフはそれを止めようとしますが、3対1ではかなうはずもありません。
あげくに彼らは屋台を川に落とそうとします。
戻ってきたフランツがそれに気付いて止めようとしますが、エミールたちはやめようとせず、屋台は川の中へ。
フランツも巻き添えをくって一緒に川に落ちてしまいます。

フランツは意識不明で病院へ運ばれ、ジョセフは警察署へ。
やがてエミールと彼の両親も現れますが、エミールは責任をすべてジョセフに擦り付けます。
両親はエミールの言うことを盲目的に信じ、ジョセフの言うことをまったく信じません。
ジョセフを嘘つき呼ばわりし、教会への寄付を打ち切ると脅します。
寄付を絶たれれば教会の子供たちが生きていけなくなると思ったジョセフは苦悩の末に自分がやったと認めます。

悔しさのあまり警察署を飛び出すジョセフ。
遅れて到着した神父はそれを見てジョセフを追い、自分の力が及ばないためにジョセフを苦しめてしまったことを詫びます。
ここで神父は、ジョセフの両親のことについて話します。
ジョセフの両親は、雪の降る夜に飢えと寒さで力尽きて死んでしまったのだと。
生まれて間もないジョセフはその腕に抱かれ、彼らの命の最後の温もりで生きながらえることができたのだと。

その後、フランツは回復。でも、すぐに街から追い出されたようです。
警察ぐるみでの証拠隠滅ということでしょう。

やがて、奉公先が決まった子供たちは教会を出て行きますが、ジョセフだけは残ります。
そして5年後、ジョセフが15歳の年。
大雨で川が氾濫し、洪水が起こります。
住処と一家の働き手を失った女子供と老人たちが、助けを求めて教会に集まります。
神父は疲労で倒れ、子供は飢えで死んでいく。
教会から飛び出し、神はなぜ助けてくれないのかと膝を落とすジョセフ。
そのときジョセフの前に光が現れます。
それはトラックのライト。
数台のトラックが教会に到着し、一人の青年医師の指示で避難民たちの救護が始まります。
「遅くなってすまなかった」と謝る青年に向かい、ジョセフは尋ねます。
「キミは・・・?」
それに対する青年の応えは「僕はザーギン」

それが、俺とザーギンの出会いだった・・・

ということで、今回と次回の2話に渡ってジョセフとザーギンの過去が語られるようです。

過去のザーギンは、移民への偏見がなく、純粋に弱者救済のために行動する青年といった感じですね。
教会に到着したときに「具合の悪いものは(中略)診察だ」と言いながら白衣を着ていたので、研究者ではなくて医師のようです。
この時点ではナノマシンとの接点はなさそう。

ザーギンが助けようとする人々のうち、少なくとも次回予告に出てくる子供の兄妹は死んでしまうようです。第9話の過去回想で横たわっていました。
この兄妹の隣にも何人かの子供が横たわっていたので、被害はもっと多いのでしょう。
そういう事態になっても公的な援助が進まないことに絶えられなくなって、ザーギンは道を踏み外してしまうのかもしれません。
同じく第9話の過去回想によれば、その時点で軍隊も介入してくるようなので、ザーギンがナノマシンを入手するのはその頃ということでしょうね。
その入手先がどこなのかが気になります。

そういえば、今回からエンディングが変わりました。
ラスト近くに出てくるステンドグラスでは、エレアがザーギン(?)よりも上、というかデモニアックの頂点に立っているのが何とも意味深です。
エレアの正体は未だに謎のままですが、すべての元凶はエレアなのでしょうか。

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posted by animisc at 14:49| Comment(0) | TrackBack(1) | ブラスレイター | 更新情報をチェックする