2008年10月26日

今週の一本 その2(2008/10/19~10/25)―『かんなぎ』第4話

ナギのセリフが楽しい「かんなぎ」。
今回は、オープニングが単なる監督の趣味じゃなくて壮大な伏線だった(?)ことが明らかに。
つぐみと白亜の恋愛バトルも始まりそうで、なかなか面白くなってきました。


切り株だけ残っていた神樹が完全に撤去され、力を補充できなくなってしまったナギ。
このままでは力が失われ、やがて自分の存在自体が消滅してしまう。
そこで思いついた秘策は、偶像=idol(アイドル)になって神薙町の人々の心をまとめるというもの。
朝食をとりながら仁にこの計画を打ち明けます。
この朝食がすごいです。
ナギはドレッシングをたっぷりかけた大盛りのご飯と味噌汁。
仁はソースをかけたご飯と味噌汁。
食費を節約しているのでしょうか?
それとも単に作るのが面倒なだけ?

ナギがいきなりアイドルになると言い出したのでちょっと戸惑い気味の仁は、美術部の活動中につい独り言を呟いてしまいます。
それを聞きつけた紫乃と貴子は、専門家の助言を仰ぎます。
名指しされた秋葉巡は自分はアイドルオタではないと否定しながらも、アイドル論を語りまくります。
そんな彼が今最もアイドルらしいアイドルだと思っているのは、ざんげちゃん。
前回ラストで突然現れて、ナギのことを姉さまと呼んだ少女です。

ざんげちゃんは、最近テレビで特集が組まれるほどの有名人。
シスターのコスプレをして100円でグチや懺悔を聞いている、おじさんやオタクに大人気の存在です。
彼女も神様なので、彼女に懺悔を聞いてもらうことで心理的に癒されるという効果があるのかもしれません。

放課後。
美術部の備品を買いに街に出た仁は、帰りが遅くなってしまったので近道をすることに。
そこでチンピラにからまれているざんげちゃんに遭遇します。
ざんげちゃんは仁のことを知っているのか、ちょっと驚いたような表情。
二人はチンピラの隙を突いてうまく逃げ、橋の下でしばらく語り合います。
仁は、ざんげちゃんがどうして他人の懺悔を聞いているのか尋ねます。
自分らしい自分になるという夢に近づくための手段だから。
みんなに認めてもらいたいから。
アイドルになってみんなの役に立ちたいから。
これがざんげちゃんの答え。
純粋な少女の切なる願い・・・そうとしか思えない穏やかな話し振りに、仁はまったく疑う様子がありません。
別れ際、仁が頬に怪我していることに気付いたざんげちゃんは、消毒したほうがいいと言って、仁の頬をペロリと一舐め。
「気に入りました、御厨仁くん。
またお会いしましょう」
の一言を残して去っていきます。
仁は、いきなり頬を舐められて完全にのぼせ上がってしまいます。
まだ告げていないはずの名前をざんげちゃんが口にしたことの意味を深く考えることもできません。

翌朝。
ナギ 「ゆうべは飢え死にするかと思うたぞ」
昨晩は何も食べていないということでしょうか?
仁が戻っていれば何らかの食事にありつけたはずですが。。。
もしかして仁は一晩中橋の上で呆けていたのかもしれません(^^;
その証拠に、今朝のナギのご飯は特盛り。
前日の倍はありそうです。
この特盛りご飯に細かく砕いたおいしん棒をかけるナギ。
相変わらずすごい食事です(^^;

そのときテレビにざんげちゃんが登場。
仁は、ナギの言葉で、ざんげちゃんがナギの妹だということを知ります。

ここでナギの回想。
前回ラストで二人が再会した後のやりとりが明かされます。
どうやらざんげちゃんはナギに代わって神薙町の神になろうとしているようです。
そのための手段が人々の懺悔を聞くこと。
最終的に神薙町のトップアイドルになって人心をまとめようとしています。
ナギが消滅してしまうと神薙町は他の神様のものになってしまうので、その前に自分が町の住民に崇拝される存在になろうとしています。

ナギはざんげちゃんと直接話そうと出かけます。
仁は、ざんげちゃんはただ自分探しをしているだけだと言ってけんか腰のナギを止めようとします。
ナギは、仁のあまりのお人よしっぷりに頭を抱えます。
「アホ過ぎじゃ。
どアホじゃ。
涙と笑いが同時に出てきたわ」
それでもざんげちゃんを擁護しようとする仁に向かってナギは言います。
「どうせ色香でたぶらかされたんじゃろ」
仁はそれを否定しようとしますが、昨夜のことがいろいろ思い浮かんできて言葉が尻すぼみになってしまいます。
ナギはその思考を読み取り「な、何とピンク色の回想シーンじゃ。エロ恐ろしい」

ざんげちゃんが自分の動きを邪魔しようとしているのは間違いないと考えるナギは、あることを確かめるためにざんげちゃんが宿る神樹がある場所に行きます。
この神樹は、遠い昔に川で隔てられた土地の人々が、参拝しやすいようにナギの分け御霊を宿らせるために植えたもの。
時がたち、それぞれが別の神として扱われるようになったようです。
ナギとざんげちゃんは、同じ土地神から発生した人形(ひとがた)でした。

ここで仁はあることに気付きます。
ナギは切り倒された神木を依代(よりしろ)にしているが、ざんげちゃんは何を依代にしているのか?
ナギは、ざんげちゃんの神木も切り倒されてしまい、それが依代にされていると考えていたようですが、神木には何の異状もありませんでした。
そうなると残る可能性は一つ。
ナギはとにかくざんげちゃんを見つけ出そうと先を急ぎます。
仁は再びざんげちゃんと仲直りしてほしいと頼みますが、ナギはとうとう怒り出し、もうついてくるなと言って一人で行ってしまいます。
「バカちん。うんこ。バカうんこーー」

ナギが最終的に行き着いたのは仁が通う学校。
つぐみから貰った制服を着て学校に忍び込みます。
探すまでもなく、ざんげちゃんは簡単に見つかりました。
ここでは白亜という名前で普通に学生生活を送っているようです。
人目が多いので誰もいない体育用具室に移動したナギとざんげちゃん。
ナギはざんげちゃんの依代について、自分の推理を語ります。
神という高エネルギー体を受容できるものは限られるので、消去法で考えると、生きた人間が依代になっているに違いないと。
この考えは当たっていて、ざんげちゃんは白亜というこの学校の生徒の体に入り込んでいるようです。
白亜という少女は仁のことが好き(?)で、仁を手に入れることを条件に依代になっているようです。

ざんげちゃんは力が衰えたナギを思うままにもてあそびます。
そこに現れる仁。
思いもかけない場面に遭遇し混乱してしまいます。
ざんげちゃんの本性を知ってしまいました。

その夜。
あまりにショックが大きくて夕食の買出しができなかった仁。
用意できたのは、ありあわせの食パン2枚とソースとおいしん棒。
仁はパンにソースをかけ、ナギはパンにおいしん棒を巻いて食べます。
そしてここでの会話もざんげちゃんのこと。
仁はあくまで仲直りすることを勧めます。
ナギは、仁が自分の味方をしないのは、ざんげちゃんの胸のほうが大きいからだろうと責めます。
仁はこれをあっさり認めて「まぁ、大きいほうが好きだけどな」
これを聞いたナギは、「それみたことか。エロ。エロガッパ。このおっぱい星人。帰れ、おっぱい星に」

そこにつぐみがやって来ます。
そして、あまりに貧相な食事に絶句。
冷蔵庫をチェックすると、中に入っているのはお菓子ばかり。
この頃口内炎がいっぱいできて痛いと言うナギを、ビタミン不足だと諭します。
言ってくれれば自分が作ってあげたのにという一言には自分の願望も含まれているのでしょう。
今後は料理を口実に、つぐみも仁の家に入り浸ることになるのかもしれません。

ここで呼び鈴が鳴ります。
仁がドアを開けると、そこにいたのはざんげちゃん。
助けてもらったお礼に、一緒に暮らして仁の世話をすると言い出します。
つぐみと白亜の恋の嵐が吹き荒れることになるのでしょうか?
これにアイドルの話がどう絡んでくるのか、今後の展開が楽しみです。

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2008年10月05日

今週の一本(2008/9/28~10/4)―『かんなぎ』第1話

第1話ということで、余計な要素を極力排除してメインキャラ2人だけでこの物語の導入部を魅せてくれたエピソードでした。
一見しっかりしているけれど状況に流されやすい仁と、まだ時代の流れに追いついていない神様・ナギが丁寧に描かれていてなかなかよかったです。


仁は、地区展に出品する木像「木の精霊像」を彫ります。
その像は、彼が木の中に感じたイメージをそのまま彫りだしたもの。
幼い頃に神社の境内で出会った謎の少女をかたどったようです。

その像をいったん庭に置いて自転車を取りに行った仁。
戻ってみると、像から根(?)が生えて地面と融合していました。
驚く仁の目の前でさらに融合が進みます。
そしてついに像にひびが入り、割れて飛び散ってしまいます。
その中から出てきたのは、青い髪の少女。

彼女によれば、自分は産土神(うぶすながみ)とのこと。
自分が入り込んだ依代(よりしろ)があまりに居心地がいいので不思議がる彼女に、仁は言います。
「御神木を彫って作ったからそのせいかも」

少女「・・・・・・はっ?」

神木は、区画整理のために最近切り倒されたようです。
そのことが信じられない少女は、仁と一緒に神社に向かいます。
神社にたどり着いた少女は、神木が本当に切られているので呆然。
伐採に直接関わったわけではない仁に「この罰当たり小僧が!」とキレて八つ当たり。
「なんたる・・・なんたるじい(示威?)や。
神樹を切り倒して木彫りにするなど、まさにバラバラ殺事件。
なんたる、なんた~るち~あ~♪(サンタルチアのメロディーで)」

と、動転して歌いだしてしまう少女(^^;
どうやら寝ていたために自分が降霊していた神木が伐採されたことに気付かなかったようです。
そして、神樹が切り倒されてしまったら災厄がはびこって、産子(うぶこ)たちが大変なことになってしまうと泣き出してしまいます。

そのとき、神樹の力で抑えられていた穢れ(けがれ)がムカデの形をとって現れ、少女の足に取り付きます。
今の姿ではこの程度の穢れにも対抗できないようで、なすすべもなく体力を奪われていきます。
少女は苦しみながらも仁に警告します。
「間違ってもこやつに触れようと思うな。
人の手には掴めぬし、わらわほどではないが、穢れて終わるだけ」

するとここで、仁がムカデをなんなく手でつまんで放り投げてしまいます。

再び呆然とする少女。
そして再びキレる少女。
「なんでじゃー!!」

その後二人は仁の家に戻ります。
少女は、穢れに対抗できずに不信心な少年に救われる羽目になった情けない自分に落ち込みます。

ここで仁が雰囲気を変えるためにテレビをつけます。
エッチな番組が映り、仁は慌ててテレビを消しますが、少女は初めてみるテレビに俄然興味を示します。
そして再びテレビをつけた時に映ったのが「魔法少女 ロリッ子キューティー」。
これを観た少女は、穢れに対抗する手段を思いついたようです。

半紙と魔法ステッキ(おもちゃ)を購入し、お払い棒モドキを作ってしまいました。今の体では十分な力を発揮できないので、外部オプションで力を補填するようです。
なぜ素直に普通のお払い棒を作らないのかは疑問なところ(^^;

そして、仁を無理やり連れ出して、神社にリベンジに向かいます。
神社にはクモ形の穢れが大量発生していました。
それを見てキモいと言う仁。
それを聞いた少女は
「クモでキモ?
ふっ、なかなかやるのぉ」

もしかして韻を踏んでいるのがツボだったのか?

少女は仁にクモを持たせて固定し、お払いステッキで浄化します。
結果は大成功。
「このようにして愛と正義の名の下に、穢れどもを成敗すればよかったのじゃ」
と大喜び。

そしてここで初めて自己紹介。
「わらわはナギ。
まだ教えてなかったな。
神樹と同じ名じゃ、覚え安かろ」

神様と霊感の強い少年の名コンビが誕生しました。
そして行き場のない神様と少年の同居生活が始まることに。

おやつの時間。
鯛を要求したナギに仁が渡したのはタイヤキ。
ナギは少し不満な様子。
「昔はことあるごとに、採れたての新鮮な鯛が捧げられたというに・・・・・・。
新鮮な神饌?
これはなかなか。。。ふふふふふふ」
思わぬ高尚なギャグに少しだけ機嫌が直ったみたいです。
ついでに、タイヤキの味も気に入ったようです。

健康な男子高校生と綺麗な少女の外見をした神様。
いろんな意味で前途多難な生活がスタートしました。
次回以降、サブキャラも絡んで本格的にストーリーが進むはずですが、どういう展開になるのかかなり期待してしまいます。
テロップでも入れてくれないと理解できないような高尚なギャグの連発にも期待です(^^;

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