2008年12月10日

今週のおまけ(2008/12/7~12/13)―『ef - a tale of melodies.』第10話

今回はかなり辛口です。
ところどころ辛辣な表現が混ざっていますので、気分を害したくない方はこの先を読まないことをお勧めします。


今回もまたまた微妙な回でした。
脚本が普通過ぎるのは我慢できるとしても、それを誤魔化して少しでも良く見せるための演出が最悪。
変な技巧に力を入れるのではなく、キャラクターの動きと見せ方にもっと気を配ってほしかったです。
脚本が並なので、これでは面白くなるわけがありません。
1期ではそれぞれのキャラクターが動くことでストーリーが進行していましたが、今期のキャラクターはストーリーを継続するための駒にしか見えないのも印象が良くない理由です。

ということで、嫌になるくらいネガティブな書き出しですが、以下本編です。

凪は失恋の悲しみを引きずらず、以前と同じように夕と接しています。
でも、やはりこれまでとはちょっとだけ変わってしまった部分もあるようです。
夕が裸婦のデッサンをするために「凪、脱いでくれないか?」と言ったときに、凪は「・・・・・・やだ」「改めて脱げと言われると恥ずかしい」
以前の凪なら躊躇わずに脱いでいたように思います。
その代わり、凪は夕に鏡を貸します。
本物の人間であれば女である必要はないから、自分の裸体を描けということのようです。
で、凪もカンバスを用意して一言。
「いいぞぉ、脱いでも。
誰も気にしないから」
少し変わったとはいえ、やはりよくわからない人です(^^;

夕と優子。
二人は雨宮明良がいなくなったあと、新しいアパートを見つけたようです。
そこの大家さんが景と千尋の祖父。
この縁があったから、夕は千尋を引き取ることになったんでしょうね。

夕と優子は、ある日教会で未来(みき)という女の子と出会います。
優子が手を差し伸べたときに怯えるような仕草をしたので、この子も虐待されているのかと思ったら、そうではありませんでした。
両親と無理やり心中させられそうになったことがあるので、自分以外の人間を極端に恐れているそうです。
両親を失って自分だけが生き残り、今は(おそらく夕と優子が幼い頃に暮らしていた)施設に引き取られています。
今回のエピソードを見る限りでは、彼女はミズキと同一人物のようです。
おそらく施設から出て羽山家に引き取られるときに名前も変えたのでしょう。

その後、優子は未来と打ち解けて友達になります。
最初はよそよそしい振る舞いだった未来も、やがて優子と会うのを心待ちにするように。
そんなある日、優子は未来に歌を教えます。
かつて久瀬の演奏会兼お別れ回で聞いた美しい曲にあう歌詞を自分で作ったようです。
「いきーるゆうきとー♪」
前回ミズキが思い出した歌がこの歌でした。

場面が変わり、夕と優子と未来が並んで歩いているシーン。
夕が震災の傷痕が残る街並みを見て呟きます。
「綺麗な町を作りたいな。
壊れた瓦礫を表面だけ飾って取り繕うんじゃなく、本当に綺麗な町を。
人が皆優しくて、誰も独りぼっちにならない町を。
未来に繋がる明るい町を」

それに対して優子が応えます。
「そうですね、夕くんならできますよ」

この後、別のシーンで優子がオーストラリアで夏のクリスマスを見てみたい、というようなことを口にします。
もしかしてオーストラリアで偽りの音羽を再現したのは夕なのでしょうか?
自分が先頭に立って再建したとは言わないまでも、オーストラリアに音羽の町を作ることを構想したのが彼だとか?
すべては優子のために。

それはともかく、夕と優子がアパートに戻ると、ドイツに行っている久瀬から手紙が届いていました。
クリスマスに日本に帰ってくるようです。
でも、女の子に会うので夕たちに会う時間は取れそうにないとか(^^;

その夜。
優子は夕にクリスマスの予定を聞きます。
夕はそっけなく「クリスマスは朝からバイトだ」
しかも、いつもより朝が早いと言って優子をガッカリさせます。
でもそのすぐ後に「その代わり、夕方は早く上がらせてもらうことにした。一緒にどこか行くか」
いったん突き落としてから持ち上げる。。。
すべて計算した上での発言なのでしょうか(^^;

二人はいつもの教会で待ち合わせることにしました。

クリスマス当日――未来。
未来はどこからともなく流れてくるバイオリンの音を耳にします。
この曲は優子に教えてもらった曲。
音の出所を辿った未来は、久瀬と出会うことに。
ここで突風。
未来の髪が乱れます。
それを見た久瀬は、自分の髪を結わえていたリボンをはずし、未来の髪を結んであげます。
このシーンでリボンが結ばれるイメージは、第1話で(10年後の)ミズキが久瀬と出会ったときに挿入されるリボンのイメージと同じですね。
あの時点でミズキは久瀬のことを思い出したのでしょうか?
だとすれば、あの突然の心変わり(女ったらしかもしれないと警戒→極上の笑顔)も納得です。

クリスマス当日――優子。
優子は教会の前で夕を待ちます。
すると、突然の風に煽られてボールが転がってきました。
それを拾おうとして道路に出た優子は車に轢かれてしまいます。
そしておそらく死亡。
観ているこちらは唖然。
キャラクターの扱いが適当すぎるように思います。
現実でもアクシデントは唐突に訪れるものですが、アニメーションの見せ方としてはあまりに適当過ぎないでしょうか?
キャラクターが、ストーリーを進めるための駒としか見えません。
馬鹿の一つ覚えのように、夕が駆けつけたときにオープニング曲を流して感動させようとする演出もあまりに見え透いていて失笑するしかありません。

残り2話でどこまで建て直すのか。。。
このまま期待倒れに終わらないことを祈ります。

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2008年12月04日

今週のおまけ(2008/11/30~12/6)―『ef - a tale of melodies.』第8話&第9話

今回は第8話と第9話をまとめて書きました。
Cパート以外は本当に簡単に数行でまとめるはずが、なぜかとんでもない長文になってしまいました(^^;


10年前の夕と優子と雨宮明良
夕が優子を強引に連れ出し、なんとか四畳半一間の部屋を見つけ、二人だけの新しい生活が始まりました。
この逃避行に夕が持ってきたのは、どうしても手放すことができない妹の形見の腕時計。
そしてスケッチブックと優子が音羽学園の屋上から飛ばしていた紙飛行機です。

優子はこの紙飛行機を見たとたんに表情を変えます。
夕が自分に同情しているのだと思い込み、部屋を飛び出してしまいます。
そして舞台は岸壁へ。
夕は必死に優子を説得します。
同情でも哀れみでもなく、まして優子を妹の代わりにしようとしているのでもないのだと。
優子を守りたい。
それが本心。
だから「俺はもうこの手を離さない!」
なんとか優子の心を引き戻すことができました。

やがて仕事も見つかり、新しい生活が順調に進むかに思えたある日、夕は道端で雨宮明良に遭遇します。
雨宮明良は、夕が震災のときに妹を見捨てて逃げ、今もあらゆることから逃げ続けていると執拗に責めます。
雨宮明良の言葉に翻弄されて混乱し、部屋に戻れなくなってしまう夕。

一方、部屋で夕を待ち続ける優子は、腕時計がなくなっていることに気付きます。
夕がこれだけは手放せないと言っていた腕時計がなくなっている。
自分を残して夕が一人でどこかに行ってしまったと思った優子は、夕を失うことを恐れて街中を探し回ります。
実は、雨宮明良が部屋に忍び込んで持ち出していただけなのですが、優子がそれを知るすべはありません。

夕を捜し求める優子の前に、再び雨宮明良が登場。
雨宮明良 「お帰り。帰るか?」
うなずく優子。

その後、部屋に戻った夕は、優子がいなくなったことに気付きます。
おそらく雨宮明良に連れ戻されたと思ったのでしょう。
夕は畳の上に残された紙飛行機を広げます。
そこには「たすけて」の文字が。
この文字が書かれていたから、優子は紙飛行機を持ってきた夕が自分に同情しているのだと誤解したんですね。
優子はこの紙飛行機を毎日(?)飛ばすことで、いつか誰かが助けてくれるという夢を見ていたのかもしれません。
・・・と思いたいけれど、復讐を果たすためにこれで夕を釣ろうとしていたというのが真相でしょうか?

音羽学園。
しばらくぶりに学校に行った優子に凪が話しかけてきます。
夕のことを知らないかと尋ねる凪。
凪は、夕と同じ日から学校に来なくなった優子が夕のことを知っているはずだと考えています。
とぼける優子に対して、夕を不幸にしないでほしいと頼む凪。
優子にしかそれができないのだから。

その後優子は屋上へ。
そして独白。
望みどおり夕を不幸にした。
復讐をしたかったから。
一人で生きていける夕に痛みを分けてやりたかった。
夕のことがうらやましかった。
たったそれだけのことで夕を恨んでしまった。
でもそれは大きな過ちだった。
妹になりたいなどと回りくどいことを言わず、最初から素直に好きだと言っていればよかった。
間違いに気付いた優子は、すでに傷だらけの手をさらに傷つけます。
自分に罰を与えるために。

同じ頃、四畳半で一人沈む夕も独白。
優子を妹にしてやれなかった。
優子の絵を描いてやれなかった。
妹のことが忘れられなくて。
たったそれだけのことで優子を不幸にしてしまった。
でもそれは大きな過ちだった。
もっと早く好きだと認めていればよかった。
間違いに気付いた夕は、かつて描けなかった優子の絵を描きます。
いまさら感がありますが、この絵が後で重要な意味を持ってくることに。

自宅に戻った優子は、雨宮明良に手のキズを見咎められます。
そこに、間違いに気付いて再び優子を救いにきた夕が現れます。
夕は雨宮明良を諭そうとしますが、逆に再び雨宮明良の言葉と暴力で叩きのめされてしまいます。
このとき雨宮明良は、夕が持ってきたスケッチブックに気付きます。
それを手に取り中を見たとき、彼の表情が一変。
そこに描かれていた優子の表情を見て、これまでどうしても思い出せなかった妹のイメージをつかめたようです。
雨宮明良は自室にこもり、狂ったように妹の絵を描きます。
やがて絵が完成したとき、彼は部屋に火を放ちます。
震災のときは妹のそばにいられなくて妹だけを死なせてしまったが、今度は妹と一緒に死ねる。


現在の久瀬と夕と凪
久瀬は「清算」をほぼ完了し、最後に夕と凪も清算しようとします。
もう自暴自棄になっているようにしか見えません。
仮面をかぶり夕を挑発する久瀬。
「もう雨宮優子とは、会えやしないのに」
これはつまり、優子が死亡してしまったことがついに確定したということでしょうか?
これまで散々そういう風な印象が散りばめられていたので驚きはしませんが、ついに物語の核心に触れ始めたのかもしれません。

夕は今久瀬に何を言っても無駄だと思ったのか、立ち去ってしまいます。
凪は言っていいことと悪いことがあると久瀬をたしなめますが、そんな凪に対しても久瀬はからみます。
まだあいつのことを引きずっているんだろうと凪の古傷をえぐる久瀬。
凪も、頭を冷やせと言って立ち去ってしまいます。

1月24日11月24日(たぶん)。
フィーネの2月24日まであと1ヶ月3ヶ月。
清算終了。
最後まで残っていた夕と凪まで離れていき、久瀬が望んでいたとおりになりました。

現在のミズキ
久瀬の仕打ちから立ち直れず蓮治の家で落ち込むミズキ。
そんな彼女に宛ててバイオリンが送られてきます。
それは久瀬のバイオリンでした。
バイオリンにはメッセージが添えられていました。
「ごめん
さようなら」
1ヶ月3ヶ月ほど早く届いたように思いますが、もしかして久瀬は無意識のうちにミズキに助けを求めて配達日の指定を間違えたのでしょうか?

ミズキは久瀬のことを思いながら海岸でバイオリンを弾こうとします。
そこに凪が現れ、いろいろとアドバイス。
久瀬の仕打ちにこてんぱんに打ちのめされていると言うミズキに対して、
「でも、君は逃げない。
あいつは勝てる勝負しかしたことがないから、
負けてもなお立ち向かってくる相手には勝てないんだよ。
あいつを救ってやれるのはもう君しかいないみたいだな」

翌日(?)。
音羽駅。
ミズキは、久瀬がよく演奏していた音楽を口ずさみます。
ここで彼女は何かに気付きます。
そして、久瀬の曲に歌詞を当てはめて歌ってみます。
「いきーるゆうきとー♪」
「これって確か・・・」
確か何?これはかなり気になりますね。
ミズキが溺れたとき(があったという妄想が只今個人的に進行中(^^;)と何か関係がある歌なのでしょうか?

と、そこに千尋と景がやってきます。
ミズキと久瀬の現状を聞いてミズキに同情する二人。
そして千尋は、御守りだと言ってミズキに鍵を渡します。
音羽学園の屋上の鍵。
そして景も、日本の音羽学園の屋上の鍵を渡します。
これで効果は2倍?

ミズキはついでにもう一つ千尋に頼みごと。
日記帳の1ページを貰いました。
その場で何か書き込みます。
それを見た千尋と景は「あっ!?」


再び現在の久瀬
久瀬は、死ぬのが怖いとついに声に出して認めます。
そしてここにきて、すべて捨てて一人になってしまったことを後悔します。
「勝負」に負けて一人になり、何もなくなってしまったと絶望する久瀬。
その時玄関のブザーが鳴ります。
行ってみるとドアに果たし状が挟まっていました。
ミズキが音羽駅で書いたのはこの果たし状だったようです。
それを見た久瀬は大泣きし、泣き崩れます。
勝負の決着はまだついていなかったと思ったのか、まだ一人きりになったわけではないとわかって嬉しかったのか・・・。


教会
最後の対決(?)の前にちょっとだけ勇気を分けてもらいにきたミズキ。
花束を捧げます。
その様子を見守る夕は、誰に勇気を分けてもらうのか尋ねます。
ミズキは夕の知らない人だと答えます。
それに対して夕は、ここには自分の知らないやつはいないと応じます。
するとミズキは「だって本当は、ここじゃないですから」
「これは雨宮優子さんという人にです」
驚く夕。
驚く自分(^^;
なんとミズキの口から優子の名前が飛び出しました。
さらにミズキは続けます。
「本当は25日のほうがいいんですけどね」
夕の驚きはさらに大きくなります。
「お前は・・・お前は・・・」

最後の最後で一気に来ました。
やはりefはこうじゃないと(^^;
優子の死は確定で、ミズキは優子の死に何らかの関わりがありそうです。
「本当は25日のほうが・・・」ということで、久瀬のフィーネの翌日というのも意味深ですね。
まさか久瀬は生き残って、最後にみんなで優子の墓参りとか?
いや、さすがにそれはないですね(^^;
次回のサブタイトルは「reunion」ということで、いろいろと散りばめられていた伏線が収束に向かうのかもしれません。

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2008年11月19日

今週の一本(2008/11/16~11/22)―『ef - a tale of melodies.』第7話

このアニメは1期がとてもよかったので、2期は評価に関係なく全エピソードの記事を書こうと思っていましたが、だんだん辛くなってきました(^^;
なんだか語るべきことがないのに演出でごまかして無意味に引き伸ばしているだけのような気が。。。
やはり全12話は長すぎたのかも。
引き伸ばし感が少ない回はやはりそれなりに面白いので、もちろん視聴は続けますけどね。

閑話休題。

「復讐」を果たせた満足感から雨の降る空を見上げて微笑む優子。
真実を知って打ちひしがれる夕。
今回は前回の話の直後から始まりました。
夕は家に帰ろうとする優子を強く引き止めます。
でも優子は「何をいまさら!」
なぜ今まで黙っていたのか問い詰める夕に対して、優子は尋ねます。
話していたら何かしてくれたのか?
こんなキズだらけの自分を好きになってくれたのか?
夕の答えは「そんなこと・・・」
ここで瞬き。
優子は「ひどい人」と言って夕のセリフを遮ります。
これがなければ夕は「あたりまえじゃないか」みたいなセリフを続けるつもりだったのでしょうか?
優子は、今になって真実を打ち明けて夕を苦しめるのはささやかな復讐なんだと告げます。
さらに、下駄箱の靴は自分が切り裂いたのだと打ち明けます。
いつもカバンに入れて持ち歩いていたナイフで。
このナイフは、憎ければ殺せと言って雨宮明良が優子に渡したもの。
優子はこのナイフを夕に渡します。
夕が雨宮明良を殺すよう仕向けているのでしょうか?
夕はみごとに優子の思惑に乗せられて雨宮明良の家に行きます。
ところが決意が中途半端だったため、雨宮明良の言葉に踊らされて何もできません。
雨宮明良にぶちのめされてしまう夕。
雨宮明良は、今度は本気で殺しに来いと言って夕を残して家の中へ。
もしかしたら彼は本当に誰かに殺して欲しいと思っているのかもしれません。
優子への虐待に罪悪感を持っているのでしょうか?
それとも(死後の世界で)早く妹と再会したい?
一人になった夕は雨に打たれながら不敵に目を輝かせます。
一方、優子は、いまさら自分に手を差し伸べてくる夕のことを思い複雑な心境。


現在。
ミズキは凪が久瀬のフィアンセだと聞かされましたが、これは久瀬から引き離すための嘘だと気付いているようです。
でもどうしたらいいのか分からず、景に相談します。
景は、久瀬が自分の死に戸惑いを覚えて迷いを抱えているから、すべて捨てようとしているのではないかと言います。
ミズキはこの言葉を聞いて、もう一度自分から久瀬に会いに行く決心をしました。
勇気を出して久瀬の家に行きます。
ところがそこで、久瀬の言葉に打ちのめされてしまいます。
久瀬が発する「なぜ」の質問/疑問/問い詰めに心をズタズタに引き裂かれ、無言で立ち去ることに。
ミズキが帰った後、久瀬は発作に襲われます。
必死に薬のビンに手を伸ばし、薬を飲む久瀬。
まだ死ねない。まだ死にたくない。
負けると分かっている勝負は最初からやらないことが彼の信念のはずなのに、目の前に迫る死に必死に抗います。
飄々と現実を受け入れているように見えた久瀬も、やはり死の恐怖は感じているようです。


ところで学生時代の凪は、3文字以上の名前は覚えられないというようなことを言っていました。
大人になってもそれは変わらないらしく、ミズキのことをミキと呼んでいます。
第1話で水の中に沈んでいくミズキ(?)を呼ぶように「ミキ」という声がしていましたが、あれはミズキの記憶に残る凪の声だったのでしょうか?
ミズキは溺れて死にかけたことがあるのかもしれません。
このへんのことが久瀬の心を開くきっかけになるのでしょうか?

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2008年11月12日

今週の一本(2008/11/9~11/15)―『ef - a tale of melodies.』第6話

今回はミズキと久瀬の話はなくて、1話フルに使って優子の真実が明かされました。
ある程度予想はしていたものの、観ていてかなり辛かったです。
ちょっと演出がくどすぎて気が散ったのはある意味救いだったかも(^^;
内容に没頭できなかったことが救いに感じるほど、とにかく重い話でした。
このエピソードを観た後だと、第4話で火村とデートしたときにお互い初めてのデートだと知って幸せそうな優子の笑顔も切なく思えてきます。


本題に入る前にちょっとだけ凪の話。
凪は前回、火村の心が完全に優子に向いていることに気付きました。
このときにやっと自分の本当の気持ちにも気付いたようです。
でも、気付くのが遅すぎました。
画家としての凪は、このままでは一生絵が描けなくなってしまうと警告を発します。
でも、女としての凪はその警告を聞いてもどうしていいか分かりません。
悩んだ末に、いつまでも停滞しているのはやめて、火村から離れなければならないという考えに至ったようです。
「夕凪」がやがて終わりを迎え風が吹き始めるように。
辛くて大泣きしてしまいますが、それでも再び絵を描くことができるようになったようです。


久瀬は、頼まれていた優子の調査結果を火村に伝えます。
優子のクラスの女子は、優子の目を見てゾッとすることがあるようです。
優子は何かを隠しているに違いない。
聞いてあげられるのはたぶん火村だけ。

そして翌日(?)、久瀬のお別れ会。
実際はお別れ会ではなくて、久瀬の演奏会でした。
招待されたのは火村と優子と凪だけ。
でも、凪は失恋のショックでそれどころではないので、参加者は火村と優子の二人。
久瀬の美しい演奏を聞いた優子は、涙を流しながら教室を飛び出してしまいます。
そして屋上へ。
これほどまでに清らかな演奏ができる久瀬と自分の境遇の違いを考えてしまいショックを受けたようです。
優子を追ってきた火村は、もうごまかすのはやめて真実を教えて欲しいと優子に迫ります。
でも優子はどうしても話そうとしません。
火村は、優子の心を開こうとキスします。
優子は突然のことに驚いて火村から離れてしまいますが、優子のことが好きだから本当のことを知りたいと言う彼の言葉に負けてしまいます。
そして、その言葉が本当なのかしつこいくらいに何度も確認します。
火村はしっかりと目を見開いて一度も瞬きせずにすべて肯定。

火村は嘘をつくときに瞬きする癖があるので、優子は火村の言葉に嘘が無いことを知ります。

「やっと・・・言ってくれた。
あなたに、そう言わせたかった。
あなたに、あたしを求めて欲しかった」

この後二人は教会に移動。
優子の力で瞬間移動したのなら、本物の音羽での優子の神出鬼没ぶりにも説明が付きますが、ここは素直に歩いて移動したと考えたほうがいいでしょう(^^;

優子は火村の前で一枚ずつ服を脱いでいきます。
やがて素肌があらわになり、体中に付いたキズを見た夕は衝撃を受けます。
優子は語ります。
雨宮明良は最初のうちは優しかったが、やがて優子が死んでしまった妹とは違う存在だということに気付き、優子を虐待するようになった。
雨宮明良は憎しみを向ける相手を探していただけだった。
そして2年前(作中時間では現在から12年前)のクリスマス、雨宮明良に性的暴行を加えられた。

「初めては本当に好きな人にあげたかったのに。
抱かれるときは優しくお姫様みたいに扱ってもらいたかったのに。
そんな夢、粉々に砕かれました」

「先輩が始めての人だったら良かったのに。
先輩だったら、さっきのキスみたいに優しくしてくれたかもしれないのに。
残念です、とっても。
私はもう、なにもないんです。
大事にしたい過去も。
夢のある未来も。
私は、怒りと憎しみのはけ口の道具。
死んだ人の身代わりにもなれなかったお人形」

火村は必死にそれを否定します。
どんな辛い過去も忘れ去ることができると。
そう言いながら彼は何度も瞬きします。

優子はそれに気付き
「本当におめでたい人ですね」
自分の体に付いた無数の傷を指しながら、現実はそんなに簡単なものではないのだと訴えます。
自分は何も悪くないはずなのに毎夜繰り返される拷問。
やがて感覚が麻痺して、自分が消えて無くなる日を待つようになってしまった。
そんな毎日がとても辛い。

「痛くて熱くて苦しくて悲しくて辛くて泣きたくて耐えられなくて逃げられなて逆らえなくて終わらなくて背けたくて叫びたくてもがきたくて吐きたくて止めたくて抵抗したくて歯向かいたくて抗いたくて逃げ出したくて隠れたくて避けたくてこもりたくて拒絶したくて咬みつきたくて撥ね退けたくて振り払いたくて追い詰められて捕らえられて引きずり出されて攻め立てられて強制されて許されなくて束縛されて締め付けられて押し付けられて引きちぎられて投げつけられて虐げられてうめきたくてわめきたくて狂いたくてこらえられなくて捕まれて殴られて裂かれて砕かれて蹴られて焼かれて刻まれて焦がされて汚されて破られて荒らされて壊されてなぶられて弄ばれて潰されて踏みにじられて飽きられて放り出されて打ち捨てられて消えてしまって痛みも麻痺して心が壊れて涙も出なくてでもまた拾われてまた捕まれてまた殴られてまた汚されてまた破られてまた砕かれてまた蹴られてまた刻まれてまた焼き焦がされて
嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに」

「これが、あなたが知らなかった本当の私です」
「コレが
アナタが見捨テタ
オンナノコです」

最後に、優子は火村に尋ねます。
かつて妹は欲しくないかと尋ねたときになぜ拒絶したのか?
どうして守ってくれなかったのか?
雨宮明良のところに行くかどうかは優子の意思を尊重することになっていたから、あのとき妹が欲しいと言ってくれればこんなことにはならなかったのに・・・。

火村は、雨宮明良のように優子を死んだ妹の代わりにしたくなかったからだと答えます。
瞬きをした後で。

「ウソツキ」

優子はこの答えが嘘だと気付きます。
でも、さっき自分のことを好きだと言ってくれたときは瞬きしなかった。
だから自分に対する火村の気持ちに嘘は無い。
「10年、遅いですよ」

優子の話を聞きながら徐々に壊れかけていた火村の心が、ここで完全に壊れてしまったようです。
優子がクラスメイトにいじめられてケガしたと思っただけで教室に殴り込みしそうな勢いだった火村が、真実を知ってどう動くのか。
ちょっと考えたくないですね(^^;

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2008年11月04日

今週の一本(2008/11/2~11/8)―『ef - a tale of melodies.』第5話

今回は1期キャラの千尋と景にけっこうな時間を割いて、1期で描ききれなかった姉妹の心のしこりにケリをつけていました。
京介や映研部部長も登場し、京介と景の関係が順調なこともそれとなく描写。
1期を観ていた人たちへのファンサービス的な意味もあるのでしょうが、2期から観始めた人には意味不明だったでしょうね。
2期のメインキャラだけではシナリオがもたないのでしょうか?
それなら全10話とかにしてくれたほうがストーリーが引き締まってよかったように思いますが。。。

現在。
ミズキと久瀬のパートは大きな進展なし。
凪が、自分は久瀬と付き合っていると言ってミズキの久瀬に対する想いを終わらせようとしていましたが、久瀬はバイオリン以外の過去にすべてケリをつけているはずなので、凪のこの言葉は嘘なんでしょうね。
久瀬は遠からず死んでしまうことが確定(?)しているので、これ以上関係を深めて悲しみが大きくならないように、という優しさから出た言葉でしょうか?

10年前。
優子と火村のほうは、火村が優子のケガに気付きました。
火村はこの傷がいじめの結果ついたものだと思っているようです。
でも、本当の原因は雨宮明良にありそうな描写がだんだん増えてきました。
優子が雨宮明良からもらったという「御守り」が何なのかも気になるところです。
雨宮明良の死んだ妹にまつわるものでしょうか?
そして凪は、火村の想いが優子に向いていることに気付き、徐々に心の葛藤を深めています。
今後何か大胆な行動を起こすのかもしれません。

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2008年10月29日

今週の一本(2008/10/26~11/1)―『ef - a tale of melodies.』第4話

第2楽章か――。
今回冒頭の久瀬のセリフです。
久瀬のこのセリフが彼自身の行動の変化を表すと同時に物語全体の流れのことも意味しているなら、(今回のシリーズも全12話のようなので)3話区切りで4回の「波」があるのかもしれません。
1回目の「波」はミズキの大胆な行動になるのかな?
4楽章ものの場合、緩→急→緩→急といった感じで進行するようなので、次回の第5話と第6話はかなり盛り上がるのかも。
これまでの自分の経験から言って、期待度が大きいとたいていの場合ガッカリすることになってしまうのですが、efはどうでしょうね(^^;


さて本編。。。

久瀬とミズキ(現在、偽りの音羽)。
前回の海岸での出来事の後、久瀬とミズキはそれぞれの家に戻りました。
その前にミズキはご褒美のキスを貰ったようですが。

翌日、ミズキは熱を出して寝込んでしまいます。
眠っているミズキは夢でうなされます。
「どうして、どうしてみんな死んでしまうの」
この「みんな」の中に久瀬が含まれているのは当然として、それ以外は誰なのでしょう?
うなされるほどだから、ミズキはその誰かの死で辛い経験をしているんでしょうね。
このしばらく後に「助けて」と呟くことからも、それは間違いなさそう。
efではすべてのヒロインに記憶にまつわる辛い思い出があるようです。


火村と優子(10年前、本物の音羽)。
火村は靴を買うのに付き合うだけのつもりだったようですが、優子のほうは初めからデート気分。
食事をして、靴を買い、音羽の街をぶらぶらします。
結局、買ったのは以前と同じ安物の靴でしたが、優子は、また被害にあうかもしれないからこれでいいと言って笑います。
火村は、いじめの犯人を締めなくていいのかと優子に尋ねますが、優子はそれにも軽い冗談で応えます。
ちょっとむっとした火村は「なんかお前を締めたくなってきた」
優子はこれにもおどけてみせます。
「とうとう先輩にまでいじめられちゃうんですねー」

火村 「それがお前の生き方なのか?
嫌なことがあっても笑ってごまかす。
自分をごまかして辛くないフリをする。
本当にそれでいいのか?」

優子 「私は今が楽しいからいいんです。
おかげで、憧れの先輩とデートできましたし」

お互い初めてのデート。
優子は「初めて同士、大事な記念日になりますね」と幸せそう。

その後二人は、幼い頃に過ごした教会へ。
ひとしきり思い出話をした後で教会に入ると、そこには雨宮明良がいました。

彼は火村に忠告します。
「もしも優子を自分のものにしたいのなら、覚悟しなよ。
覚悟もなしに優子に触れたらキミはきっと後悔するよ」

火村がこの10年後、蓮治にする忠告と同じように、かなり意味深な言葉です。
火村は、蓮治が自分に似ていると言っていたので、この先、蓮治が千尋に関わっていったのと同じように、優子に深く関わって辛い思いをすることになるんでしょうね。
優子と食事をしている時に進学のための学費を貯めていると言っていましたが、もしかすると進学自体できなくなってしまうのかもしれません。

雨宮明良が立ち去った後、優子は火村に話します。
雨宮明良も震災で妹を失ったのだと。
「あの人も悲しい人なんですよ」
このときの優子の遠くを見つめるような視線は何を意味しているのでしょうか?
なんだかこのセリフの後に、「だから彼のことは責められない」というような言葉が続きそう。
人は見た目で判断しちゃいけないけど、雨宮明良はなんだか悪者っぽい雰囲気を漂わせていますからね(^^;
優子は彼に虐待されているのでしょうか?


凪と火村(10年前、本物の音羽)。
優子と別れた火村は、帰り道で凪と出会います。
凪は火村のことを待っていたようです。
父親の絵画教室の生徒だった雨宮明良が遊びに来て、火村が優子とデートしていたと聞かされたため、いたたまれなくなったようです。
本当にデートしていたのかどうか確かめたい。
火村は、いつも凪に連れまわされているのと同じで、ただ買い物に付き合っただけだと答えます。
凪の様子は誰がどう見ても火村のことが気になってしょうがないという感じですが、火村はそんなことにはまったく気付いていません。
ここまで鈍感な男だったとは。。。(^^;
凪は彼のあまりの鈍感さに感情を乱してしまいます。
「キミのことが嫌いになりそうだ」


紘と凪とみやこ(現在、本物の音羽)。
締め切りが迫り、姉の凪に助けを求める紘。
凪からちょっときついけどありがたい励ましの言葉をもらいながら順調に漫画を仕上げていきます。
凪はこの後オーストラリアに行くそうです。
今回ラスト近くの久瀬の言葉からすると、凪は久瀬と付き合っていたのかもしれません。
久瀬に会いに行くのでしょうか?

ここで、みやこから紘にメールが。
仕事が終わったら遊びに行こうとお誘いです。
みやこは音羽学園の屋上にいました。
屋上の鍵は今はみやこが持っているんですね。
過去のトラウマから完全に立ち直ったようです。
その隣には優子の姿が。
今回は羽ではなく紙飛行機とともに現れました(^^;
優子「強くなったんですね」
みやこは、失いたくないものができて強くなれたようです。
この現在の本物の音羽に出没する優子は幽霊で間違いないと思うのですが、存在感がありすぎますね。
まさか実は生きているなんてことは。。。


再び久瀬とミズキ(現在、偽りの音羽)。
丘の上の木陰でミズキに膝枕される久瀬。
恋人になっちゃだめかと尋ねるミズキ。
久瀬は、自分は死ぬんだと言ってやんわりと拒絶します。
いずれ入院することになるから、今のうちにすべて清算している。
人間関係、死んだ後の書類上の処理。
バイオリンが最後だった。

ここでミズキがもう一つ質問。
付き合っていた人がいたんじゃないかと。
久瀬 「いたよ。
愛してた。
愛し合って、婚約もしてた。
だから別れた」

その後、ミズキは久瀬を膝枕したまま寝てしまいます。
やがて目覚めたミズキに久瀬は尋ねます。
「ミズキちゃんは将来なんになりたいと思ってる?」

「まだ決めていません。
でも、幸せにはなりたいですよね」

「そう、俺も君のことが好きだよ」

突然の言葉に驚きながらも表情が明るくなるミズキ。
でも、そのあとに続く久瀬の言葉は
「だから、キミの気持ちに応えることはできない。
もうお帰り。
そして、二度と俺の前に姿を現さないでくれ」

家に戻った久瀬は、火村に買ってきてもらった(?)カレンダーの2009年2月24日をまるで囲みます。
「フィーネ」
この日が最終楽章のようです。
千尋と同じように、身の回りのものをすべて清算した後に、最後に残ったゴミを捨てるつもりなのかもしれません。
千尋の場合はそれまでの記憶を捨てるつもりだったので命は助かったけど、久瀬の場合は自殺ということになるのでしょうか?

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2008年10月23日

今週の一本(2008/10/19~10/25)―『ef - a tale of melodies.』第3話

今回はミズキの行動にちょっと感動。
無邪気な笑顔と対照的な大胆な行動にやられました。
音楽の使い方も相変わらずうまかったです。

そして、いくつか謎も出てきました。
それについては、いつものように内容を追いながら書いていきます。

ということで、さっそく今回のお話。

久瀬と遊ぶ約束をしていたミズキは、久瀬の家に行きます。
でも、久瀬が居留守を使って出てこなかったため、会うことはできませんでした。
ちょっと落ち込み気味のミズキは、スタンドバイミーごっこをしながら音羽駅のホームへ。
そこで、ベンチに座っている千尋に気付きます。
このときのカットが謎です。
左半分は普通に色が付いているのに、右半分はモノクロで、千尋の姿もぼやけています。
1期も含めて、これまでの演出を見る限りでは、これにも何か意味があると思えてくるのですが・・・。
それはとりあえず置いておくとして、ここで千尋が空を見上げていなかったことにまたまた感動(^^;
今は幸せな生活を送っているんですね。
少なくとも、涙を抑える必要はないようです。

千尋とミズキは、千尋が事故にあう前に何度か会ったことがあるようです。
千尋がミズキのことを覚えていました。
ミズキは千尋の事故のことは知らないようです。

しばらく話しているうちに、ミズキは久瀬の名前を口にします。
それを聞いた千尋は、日記の中から久瀬についての記述を探します。
記述を見つけた千尋は、少し話しづらそう。
そして、ミズキに尋ねます。
「ミズキちゃんは久瀬さんのことが好きですか?」
「人を好きになるというのは、どうしようもなくなることなんだそうです」
「ミズキちゃんは、どうしようもないですか?」
それに対して「どうしようもなくはないけど、どうしようもなくなりそうで怖いかな」と答えるミズキ。
その答えを聞いた千尋は、それならしかたがないと言って、ミズキに日記を見せます。

日記を読んだミズキは、久瀬の余命が残り少ないことを知りました。

「特殊な心筋症なんだって」
蓮治の声。
音羽駅は今でも千尋との待ち合わせ場所のようです。
蓮治によれば、久瀬は半年前のコンサート中に心臓発作で倒れて以来、治療は不可能とのこと。

その頃、久瀬は教会。
火村と話していました。
ミズキから告白されたことでこれまで以上に死ぬのが怖くなったと打ち明ける久瀬。
今夜、最後の未練を徹底的に清算すると言って教会を後にします。

その夜。
火村は他人に干渉しないという自分の主義を曲げて千尋経由でミズキに伝えます。
久瀬のバイオリンを聴きたいなら海へ行けと。
これが最後のチャンスかもしれない。

ミズキは海岸へ。
海岸では久瀬が最後のバイオリンを弾いていました。
演奏が終わると、久瀬はバイオリンケースにガソリン(?)をかけ、火をつけます。
「ぶざまだな」
うっすらと涙を浮かべる久瀬。

その様子を見ていたミズキは叫びながらバイオリンに駆け寄り、素手で火を消そうとします。
久瀬が慌てて止めに入ると、今度はいったんその場を離れて、助走を付けて海に向かってバイオリンケースを蹴ります。
「やりましたよ、久瀬さん」
この無邪気な笑顔が堪りません(^^;
久瀬はミズキのそばに駆け寄り、ミズキの手を確認。
ミズキの手はひどい火傷をしています。
「ごめんなさい、私・・・
まだ・・・だめですよ、まだ生きてるんですから。
おねがいです・・・」
ミズキの真剣な想いを知った久瀬は
「大丈夫だ、大丈夫だから」
久瀬は、ミズキの想いを受け入れるのでしょうか?


火村と優子。

優子は音羽学園でいじめにあっているようです。
上履きを隠され、教科書に落書きされ、それでも動じない優子。
いつものことだと言って笑います。
「彼女たちも悩み多き年頃ですから」と言っているので、誰からいじめられているのかは分かっているようです。
それにしても、優子がいじめられる原因なんてあるのでしょうか?
今のところ、性格が飄々としていることと、みんなと違う格好をしていることくらいしか思い浮かびませんが。。。
そしてさらにいじめは続きます。
火村と一緒に下校しようと下駄箱まで行くと、今度は外靴が引き裂かれていました。
それでも優子は笑っています。
「この程度はかわいいものですよ」
ここまでひどいいじめを見て、当事者ではない火村の方が怒り出してしまいます。
優子はそれを止めて微笑みながら一言。
「人間て、そういうものでしょ」
人間に対する失望とかあきらめを通り越して、何も感じない(感じようとしない)までにひどい経験をしてきたということでしょうか?
この先、かなり重い話になりそうですね。

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2008年10月15日

今週の一本(2008/10/12~10/18)―『ef - a tale of melodies.』第2話

前回と今回で各エピソードの時間的なつながりがはっきりしたので、まずは時間軸を整理しておきます。
そうしないと、この先ちょっと混乱しそうな気がするので。

この物語の「現在」は、ミズキと久瀬がメインで話が進むオーストラリアでの話。
火村や久瀬が音羽学園の生徒だったときの話は、現在から10年前。
火村と優子が初めて出会ったのは、現在から20年前。

ということで、第1話で疑問だった「火村と優子の間には(学生時代から)10年前に何があったのか?」の答えは、「特に重要なことはなかった」になりそうです。
その頃の火村にとっては、優子との思い出よりも、震災で(?)妹を失ってしまったことのほうが重い出来事だったようです。
優子とは短期間いっしょに過ごして、すぐに別れたという以外に特筆すべき出来事はなさそう。
しいてあげれば、優子がそばにいると死んでしまった妹のことを思い出してしまうので、優子とは距離を置きたいと思っていたということくらいでしょうか。

そうなると謎なのが「今(音羽学園時代)でもあなたのこと憎んでいます」という優子のセリフ。
遠い親戚に引き取られることになり施設を離れた優子は、その後何か辛い体験をしてしまい、火村のそばにいることを拒絶されたことを恨んでいるということでしょうか?
あのとき自分をそばに置いてくれさえすれば、こんな辛い思いはせずに済んだのに。。。とか?
こんな妄想が膨らんだ理由は、優子がいつも手袋をしているからです。
1期の頃のような服装で手袋をはめている分にはまったく気にならないのですが、セーラー服を着ているときもはめていたのが気になりました。
まさか日焼け対策ではないと思うので、大きな事故にあったとか、親戚の家で虐待を受けていたとかの理由で手に傷があるのかもしれません。

もう一つ気になったのは、オープニングにちらりと出てくる数字。
20、10、05、03、00
もしこれが現在からの年数を表しているなら、5年前と3年前にも何か大きなイベントが用意されていそうです。
それについては今の時点では妄想すら思い浮かばないので、今後のお楽しみです。


本編も簡単にまとめておくと。。。

火村と優子が初めて出会ったのは、vor 20 Jahren(20年前)。
二人とも身寄りをなくし、教会の施設に引き取られていました。
その原因はおそらく震災で、火村はそのときに両親だけでなく妹も亡くしてしまったようです。
優子に妹の面影を見てしまう彼は、自分のことをお兄ちゃんと呼んで慕ってくる優子に素直になることが出来ませんでした。
やがて少しずつ打ち解けていくかに見えた二人でしたが、優子は遠い親戚に引き取られることになってしまいます。
火村と離れたくない優子は、最後の望みをかけて、妹はほしくないかと火村に尋ねます。
火村の答えは「もう、妹はいらない」でした。
ここでたとえ火村に受け入れられたとしても、一緒にいることは叶わなかったでしょうけど。
この会話の数日後に優子は施設を離れることに。

そして今から10年前。
二人は音羽学園で再会します。
校舎屋上の鍵を持っている優子は、火村を連れて屋上へ。
火村に拒絶されながらも、ついに自分の気持ちを打ち明けます。
「火村先輩はね
あたしの初恋の人なんですよ
あたしの初恋はね
まだ終わっていないんですよ
夕くん」

そして、火村が未だに妹の死の悲しみを引きずっていることを察した優子は
「あたしが忘れさせます
あたしが、あなたの悲しい思い出を消し去ります」

特待生として音羽学園に入学した火村は、面倒は起こしたくないと言っています。
でも、優子と関わることで何かが狂っていくのかもしれません。
そうじゃないとドラマにならないし(^^;


久瀬。
死ぬ前にすべてを清算するため、思い出の写真と別れの言葉(?)をかつて彼女だった人たちに送ったようです。
でも、彼女たちは昔の住所にはいなくて、手紙は受取人不明で戻ってきてしまいました。
その中になぜか凪からの手紙が。
何が書いてあるのか気になるところですが、久瀬はそれを読まずに、他の手紙と一緒に燃やしてしまいます。
そんな久瀬を見ながら、これからどうするつもりだと尋ねる火村。
久瀬の答えは「全部捨てる。それだけだ」

久瀬の心臓。
彼は心臓病のようで、心拍が安定しないようです。
「もうすぐゼンマイほどけるよ」
「ほどけたゼンマイ誰が巻く」
「刻むリズムは残った時間」
もうすぐ心臓が動かなくなり、そうなったらもう助からない。余生もそう長くはない・・・そんな思いに悩まされているようです。
久瀬がミズキに嘘をついてまでバイオリンを弾かないのは、体内でうまくリズムが取れないので満足のいく演奏ができないからということでしょうか?


ミズキ。
夜中に眠れないので涼みに出てきたミズキ。
テラスに出ていた久瀬を見つけて彼のそばに行きます。
そしてミズキは久瀬に話します。
久瀬に貰ったCDを聴いたこと。
クラシックが色っぽいと思えたこと。
歌詞はないのに、誰かが耳元で「あなたのことが好きです」と囁いているように聞こえたこと。
こんな思いを抱かせる演奏をする久瀬のことが気になりだしたこと。

「私、久瀬さんに恋しちゃったみたいです」

ミズキはこの一言を残して家に戻ってしまいます。
全部捨てて静かに死んでいくつもりだった久瀬は、ミズキの言葉を聞いてどう動くのでしょうか?

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2008年10月08日

今週の一本(2008/10/5~10/11)―『ef - a tale of melodies.』第1話

「火村夕さん
私、今でもあなたのこと
憎んでいます」
いきなり優子の謎のセリフ。

第1話ということで、このほかにも今後の展開を期待させる伏線がいろいろと散りばめられていました。
・火村と優子の間には10年前に何があったのか?
・10年前、優子の兄は火村だった? 今は新しい兄の雨宮明良と一緒?
・水の中に沈んでいくミズキそっくりなミキという少女は誰?
・久瀬とミズキの関係はどうなる?

さらに冒頭で、舞台となる音羽の街についての説明も。
1期ラストで火村が音羽駅に「電車」でやってきたので、ものすごく不思議だったのですが、その謎が明かされました。
冒頭の火村のモノローグで音羽の街が2つあることが語られ、Bパートで「ここどこ?」というミズキの質問に蓮治が「オーストラリア」と答えたことで、そのおおまかな場所も判明。
音羽の街は震災で一度壊滅したらしいので、そのときに一部の住民がオーストラリアに移住して音羽の街を再現したようです。
さすがに電車を走らせることまではできなかったために、この「偽り」の音羽駅には人影がなかったんですね。
千尋&蓮治がみやこ&紘と出会うことがなかったのも、このためだったようです。
1期ラストで火村が降り立った音羽駅は「本物」の音羽駅だったので電車が動いていたということですね。
過去の自分&優子に向き合う決心が付いて戻ってきたということなのでしょう。
そして、自分たちが出会った少年・少女たちのことについて優子と語り合った後にオーストラリアに戻った。。。
ということで今期はオーストラリアにある偽りの音羽がメインの舞台で、これに過去の本物の音羽での出来事が絡んでくるようです。


本編。
いきなり火村と久瀬の大人の会話からスタート。
久瀬は最後のリサイタルをするつもりだと言っていますが、後半で何度か暗示されるように、彼の体には何か問題があって命が残り少ないようです。
さらに、ここで久瀬の女性観も語られます。
うわべだけなのか、それとも本当にそうなのかはわかりませんが、女性に対してはかなりいい加減な性格のようです。

火村の回想。
過去、火村と久瀬と優子と広野凪は同じ学校に通っていたようです。
広野凪はおそらく紘の姉で、紘のペンネームはここからとったんでしょうね。
広野凪は相当な変わり者で、火村と久瀬はできれば係わり合いになりたくない様子。
広野凪のほうは、火村に気があるのでしょうか?

凪と火村が二人で歩いていると、その後をついてくる人影が。
その人影は優子。
火村の後ろに立った優子は、まるで幽霊のように見えました。
この時点では生きているのは間違いないはずなので、ちょっと不思議な感じ。
中身は(精神的には)死んでいるということでしょうか?
10年前の出来事のせい?

そして現在。
オーストラリアにやってきたミズキが蓮治の家に泊まっています。
なんとミズキは蓮治のいとこだったようです。
彼女は、前日に偶然耳にしたバイオリンを弾いていたのが久瀬だということを知り、紹介してほしいと蓮治に頼みます。
久瀬のちょっと変わった性格を知っている蓮治は拒みますが、結局はミズキの粘り勝ち。
隣で話を聞いていた蓮治の母・すみれが紹介することに。
久瀬の家の前で、久瀬とすみれのやり取りを聞いていたミズキは、久瀬が本当に女たらしなのではないかと思い始めます。
しかし、久瀬が握手をしようと差し伸べた手を見て一瞬にして考えが変った様子。リボンがハート型になる描写は、ミズキが久瀬に対してかなり良い印象を抱いたということなのでしょうか。
なぜ、こんなに簡単に考えが変わったのかは非常に謎ですが。。。

その後、蓮治とすみれは用事があるので帰ってしまい、久瀬とミズキの二人だけに。
バイオリンを弾いてほしいというミズキに対して、久瀬はバイオリンが壊れていると嘘(?)をつき、演奏を拒否。
生で聞けると期待していたのに残念だと言うミズキ。
「生がよかったな。生が」
「オレも生のほうが好きだけどね。ゴムより。今度、機会があったらね」
ここだけ抜き出すととても危ないセリフですが、今後そういうことになってしまうということでしょうか?
冒頭で語られた久瀬の女性観がここで活きてきました。
仮面や歪んだ壁など、不安感を煽る演出のうまさもあって、久瀬がいつ間違いを起こすのかと、ドキドキしながら観てました(^^;

3時25分
アラーム
薬の時間?

その後も二人は日が暮れるまで会話を続け、何事もなくミズキは帰ります。
「また明日」
そして一人になった久瀬は発作に苦しみます。
明日は今日よりいい日なのか、それとも・・・。

ということで、今回はここまで。
導入部としてはまぁまぁな出来だったと思います。
今後に繋がる話もいろいろ出てきたので、次回以降が楽しみです。


そうそう、今回は、凪と火村の会話が面白かったです。
夕 「ラフデッサンは、裸婦が描くものじゃない。ラフを描くものだ」
凪 「ラフデッサンは絵の基本中の基本なんだぞ」
夕 「どこの世界に自分をモデルにするバカがいるんだ」
凪 「自画像を描くのも基本中の基本だ」
夕 「ゴッホやピカソが自分を描いたラフデッサンなんか見たことはない」
凪 「ゴッホもピカソも男だ。自分を描いても裸婦にはならないよ。キミはバカだな」
こういう言葉遊びは本当に大好きです(^^

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