2008年12月28日

今週の一本(2008/12/21~12/27)―『屍姫 赫』第13話

「屍姫 赫」は今回で最終回。
ということで、各話の評価とFinal Impressionをこちらにまとめました。

次回からは実質的に2クール目となる「屍姫 玄」が始まります。
なので、特に最終回という印象はなく、回想シーンを織り交ぜながら、これまで断片的に示されていた情報を整理して見せてくれたエピソードでした。


景世の告別式当日、光言宗の白江鈴千(しらえりんせん)がオーリの今後について話に来ます。

でもその前に、オーリは高峰宗現の話を聞くことになります。
宗現によれば、景世は彼の最初の弟子でした。
景世(の裏の仕事)に深く関わってしまったオーリに、光言宗のことについて知っておいてもらおう、ということのようです。

ここから宗現の言葉を通して、「屍姫」の設定が簡単に説明されます。

屍とは
人は必ず死ぬもので、その死によって他者や社会が変化して世界が動く。
人は死ぬことで世界の一部となる。
しかし、ときにその理に逆らい、動く死体となって蘇るものがいる。
それが屍。

屍の特徴
1. 不死に近い再生能力を持ち、未練や執着を力に変えて自らの体を怪物化する。
2. 人間としての意識を持ちながら生者に強烈な憎しみを抱き、躊躇うことなく殺す。
3. 再生不可能なほどバラバラにするか、脳を粉砕しないと倒せない。

契約僧とは
屍にルン(霊気)という生命エネルギーを供給し、戦いをサポートする僧侶。
「縁」という絆で屍姫と結ばれている。

屍姫とは
光言宗の教義を受け入れ、人として屍と戦うことができる特別な屍。
屍姫は108体の屍を倒して天国に行くために戦っている。
それが、死に迷い、穢れた存在となってしまった屍姫が浄化されるために必要な功徳(くどく)。
契約僧が死んでしまうと縁が切れてルンを受けられなくなるので、その場で死んでしまう。
しかし、ごくまれに生き残って屍化してしまうものがいて、その場合は通常の屍として始末される。

守護とは
全国に配置されている約100名の契約僧をそれぞれの担当地区で統括する僧侶。
景世も守護だった。

光言宗の位階
大僧正(だいそうじょう):光言宗の最高位。現在は神生真世。
権大僧正(ごんだいそうじょう):実務を取り仕切る光言宗のナンバー2。現在は紫央。
僧正(そうじょう):全部で6人。宗現もその一人。
権僧正(ごんそうじょう):荒神莉花、景世(死後)
少僧正(しょうそうじょう):送儀嵩柾、景世(生前)、伊佐木修二(死後)
権少僧正(ごんしょうそうじょう):未登場(?)。
大僧都(だいそうづ):伊佐木修二(生前)

流れ的にはこの下に
権大僧都
僧都
権僧都
少僧都
権少僧都
が続きそうです。


説明はここまで。

一通り説明を聞かされたオーリは、鈴千から本題である契約の譲渡についての話を聞かされます。
マキナの新しい契約僧が決まり次第、オーリには契約を破棄してもらうというのが光言宗側の考え。
オーリは、景世から預かった契約を手放したくないと反対します。
でも鈴千は、マキナに一方的にルン(霊気)を吸い取られて死にかけたことをオーリに思い出させます。
生きているだけで幸運。
出家すらしていない、光言宗とは無関係のオーリを契約僧として認めることはできない。
オーリはそれ以上何も言えなくなってしまいます。

ところで、このとき鈴千は、「景世には屍姫の素養はなかった」と言っています。
どうやら契約僧とともに戦う屍は男女を問わず屍姫と呼ばれるようです。
まぁ、どうでもいいことですが(^^;

その後、一人で寺の門に向かったオーリは、貞比呂とアキラがいることに気付きます。
貞比呂はなぜか僧侶の格好。
アキラは寺に入ることはできないと言います。
オーリはこの二人が契約僧と屍姫であることに気付きました。
このとき挟まれる回想シーンに、ミナイのことについて謝る貞比呂(とそれを止めようとして肘鉄を食らわせるアキラ)が含まれていたので、オーリは彼らがミナイの死に関与したことにも気付いたようです。
でもこの場ではそのことに一切触れませんでした。
その代わり、オーリは貞比呂にあることを頼みます。
「光言宗の人なら教えてください。
僕は契約僧になりたい。
いえ、契約はもう譲渡されてしまった。
だから、それに相応しい存在になりたいんです。
星村さんを誰にも渡したくない」

貞比呂は、かつてすべての僧兵が修行した五諒山(ごりょうざん)のことに触れ、その場を立ち去ります。
オーリは景世が最後に残してくれたものを手放さないため、そこに行って修行する決意を固めたようです。
五諒山には送儀嵩柾と異月が行っているはずなので、この二人も再登場しそうです。

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2008年12月21日

今週の一本 その2(2008/12/14~12/20)―『屍姫 赫』第12話

笑ってくれマキナ。
そしたらオレは、お前をこの地獄のような場所から救えたんだと思えるからさ。
by 景世

今回は、ついに景世が退場。
予想の範囲内だったとはいえ、思わず見入ってしまいました。
正直ここまで盛り上がるとは思っていなかったです(^^;
それにしてもこの作品の色使いはなかなかいいですね。
作品の雰囲気にピッタリです。

景世がオーリに刺された頃、宗現、神佳、莉花、早季(とお付きの僧侶)は永久生命研究教団を訪れていました。
大谷塚が殺された後、職員や信者達も皆殺しになったようです。
そのとき、教団の施設を取り囲むように「陣地」が張り巡らされます。
これは屍の呪いの一つで、人間を捕らえる異空間。
宗現 「この程度の陣地、本気で我々を倒すには不十分」
宗現は、七星の目的は自分たちを足止めすることにあると見抜きます。
真の狙いは景世とマキナだと。

遠くからその様子を観察していた狭間と忌逆。
狭間 「クソ坊主どもが、舐めた口を利く」
忌逆 「いっそ殺しますか」

カラスの形をとって襲ってくる敵に早季が対抗しますが、あまりに数が多すぎて埒があきません。
ここで神佳が宗現に指示を仰ぎます。
神佳 「いかがしますか」
宗現 「かまわん、教えてやれ。剣姫(つるぎひめ)と呼ばれるその訳を」
神佳は二刀流で一撃で陣地を破ります。
さすが最強の屍姫。
狭間と忌逆が感心するほどの強さです。
それにしても強すぎる(^^;

大麟館。
オーリに刺された景世は、オーリが七星に憑依されていることに気付きます。
自分の血を使い、渾身の力を込めてオーリの体から重無を追い出す景世。
意識を取り戻したオーリは、景世の傷に気付きます。
景世は虚勢を張って大丈夫だと言いますが、生きていられるのはソーマが効いているあいだだけだと自覚している様子。
自分の死を覚悟したようです。

そこに赤紗が現れます。
赤紗は座壇でオーリを襲い、景世がオーリに気を取られた隙に景世に止めの一撃。
オーリの存在が最後の刹那に景世の足を止めてしまうことになる。。。
以前マキナが言っていたことが現実になってしまいました。

一方、景世が刺されたときに体に異常を感じたマキナは、景世との縁が切れかかっていることに気付いていました。
それでもマキナは湖惑を倒そうと懸命に戦います。
でも、マキナの攻撃は湖惑にまったくダメージを与えることができません。
いくら撃ち抜いて粉砕しても、湖惑はすぐに復活してしまいます。
湖惑 「お前にオレは倒せない。
オレにはバラバラにする体も、破壊する脳もないんだからな」
しかも湖惑は自分の体の性質を自由に変えることができました。
マキナが銃を撃ったときに体を引火物に変えて巨大な爆発を起こし、マキナにダメージを与えます。
自分の力では歯が立たないのかと弱音を吐くマキナ。
「ずっと願っていた。
お前達を殺すのだと。
それが、私を屍にした未練。
でも、足りない。
未練だけじゃ足りないのか?」

再び大麟館。
景世の片目をくりぬき、棺に加える赤紗。
景世はかつて棺の中の血を浴びているので、これだけで数十人分の末期の血に匹敵するそうです。

そこにマキナが飛び込んできます。
もう視界が霞んできているマキナ。
体力が底を突きかけています。
赤紗はマキナも倒そうとしますが、ここで景世が復活。
普通であればもう立ち上がることすらできないのでしょうが、ソーマのおかげでまだ動けるようです。
景世は隙を突いて赤紗を取り押さえます。
ところがそのとき、湖惑がマキナを追って現れ、マキナを拘束してしまいます。
景世は赤紗を離し、マキナに飛びつきます。
それと同時に、シキミを噛んで湖惑に吹き付けます。
シキミの猛毒に犯されてもがき苦しむ湖惑。
赤紗 「そんなものを口に含めばあなただって・・・」
景世 「ごちゃごちゃうるせんだよ。
分かってるのか?
お前達は今、オレの射程圏内にいるってことを」
赤紗は慌てて座壇を開きますが、景世の突きが座壇を破ります。
その手には経典が巻かれていました。
シキミに続き、これも景世自身にダメージを与える行為のようです。
景世の行動が理解できない赤紗は驚きますが、ここで景世の目が普通ではないことに気付きます。
この目は死を受け入れた者の目。
景世は手に巻かれていた経典をほどいて錫杖(しゃくじょう)のようなものに変化させ、赤紗を攻撃。
赤紗 「師兄、あなたは知りたくないのですか? 真実を」
景世 「いらねぇ!
それを知ったらお前のように自分の屍姫を殺さなければならなくなるような真実。
知りたくはねぇ!」
景世の一撃で吹き飛ぶ赤紗の座壇。
そして倒れる景世。
それを見たマキナは泣き崩れます。
オーリは自分のせいだと謝りますが、マキナはそうじゃないと叫びます。
景世がこうなったのは、家族と誇りを守ったからなんだと。
オーリが謝るなら、景世の仇としてオーリを殺さなければならなくなる。

ここで景世が最後の力を振り絞って起き上がり、オーリに頼みます。
自分の代わりにみんなとマキナを助けてほしいと。
マキナは、自分の契約僧は景世だけだと言ってこれに反対します。
でも今はこうするしかない。
景世はマキナとオーリに、契約僧を失った屍姫(ミナイ)がどうなったか思い出させます。
もう選択肢が残されていないことを悟ったオーリ。
彼は契約僧になる決心をします。
そして契約譲渡の儀式。
儀式が終わったとき、オーリは意識を失ってしまいます。
意識が回復すれば譲渡は完了。

景世はオーリを安全なところに連れて行くようマキナに頼みます。
でも今のマキナには景世のほうが大切。
オーリの所に行ってほしいと頼み続ける景世にしがみついて離れようとしません。
景世を失いたくない。
二人で戦うと誓った約束などもうどうでもいい。
ただ生き続けてくれさえすれば。
そんなマキナに向かって、景世は最後の頼みを口にします。
「笑ってくれマキナ。
そしたらオレは、お前をこの地獄のような場所から救えたんだと思えるからさ」
マキナは気付きます。
これは景世の妄執だと。
このまま自分が景世にすがって泣き続ければ、景世はこの妄執のために屍になってしまう。
たとえ屍になっても生きていてくれれば・・・という考えがマキナの脳裏を一瞬よぎります。
でもマキナはその考えをすぐに捨てました。
マキナ 「景世、見て」
景世が最期に目にしたのはマキナの笑顔。
景世はそのまま力尽きます。
感動の場面。
マキナが無理に笑みを浮かべようとする細かい演技も良かったです。
さらに、いいタイミングでエンディング曲も流れます。
このシーンは本当に良かった。
ただし、できればここで流すBGMはこのシーンだけの特別なものにしてほしかったかも。
この6分後くらいに本当のエンディング(同じ曲)が流れるのでちょっと気になりました。

その頃、まだ永久生命研究教団にいた宗現は、景世が亡くなったことを察知します。
景世に正体がばれて身を隠していた貞比呂もこれに気付きました。
彼はもう身を隠す必要がなくなったので、アキラとともに、オーリたちがいる町に戻るようです。

大麟館から逃げ延びていた赤紗と湖惑。
湖惑は赤紗が集めた屍を喰らってシキミの毒を消し、さらにパワーアップします。
そして再び大麟館に戻り、オーリから景世とマキナの居場所を聞きだそうとします。
そこにマキナが駆けつけます。
オーリの意識も回復し、契約の譲渡が完了。
なんだかマキナは以前よりも強くなっているようです。
契約僧としては景世よりもオーリのほうが潜在能力が高かったということでしょうか?
でもオーリは訓練をしていないので、マキナに一方的に体力を吸い取られているようです。
このままではオーリの体がもたない。

マキナは圧倒的な強さで湖惑を追い詰めます。
そしてついに湖惑の本体がある場所に気付きました。
その場所とは、湖惑が首にかけていた数珠(?)。
マキナは、それを握りつぶして湖惑を倒します。
「無様だな」の言葉とともに。
2年前に七星に襲われたとき、死の間際に聞かされた言葉をそのまま返しました。

赤紗は湖惑が倒されるのを見届け、大麟館を後にします。
そのとき、オーリのもとに呪符を飛ばし、死にかけていたオーリを回復させます。
かつて尊敬した景世が自分で育てると言って引き取ったオーリの命を救いました。
「あの人への未練。
それもこれが最後だ」

夜明け。
マキナは空に向かって慟哭。
景世の死を嘆きます。
でも、日が昇り始め、月の光が弱くなったとき、彼女の中で何かが変わったようです。
泣くのを止め、空を見上げたまま呆然とします。
その後、オーリと一緒に景世の亡骸を確認するときも、寺の中に安置される景世の前に座っているときも、完全に無表情。
契約譲渡が完了したことで景世に対する想いが消えてしまったのでしょうか?
それとも自分の中でけじめをつけた?
このマキナの表情の変化はなかなか興味深かったです。

オーリ 「夜が明けた。
長い夜が明けて16歳になった日、オレは、父で兄で親友であった人を亡くして契約僧になった」

その後、オーリは、大麟館の食堂のテーブルの上にある大きな鍋に気付きます。
「田神景世 謹製♥
超スペシャルシチュー
祝 誕生日バージョン」
それは景世からのプレゼントでした。
鍋を抱えて泣き崩れるオーリの姿がまた印象的。

ということで今回はここまで。
次回は景世の告別式。
回想シーンが中心になるのでしょうか?
とりあえず小休止的なエピソードになりそう。
そしてその後は「玄」です。
貞比呂も戻ってきて屍姫が勢揃い。
残る6人の七星との戦いもすごいことになりそうです。

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2008年12月14日

今週の一本 その2(2008/12/7~12/13)―『屍姫 赫』第11話

家族と自分を殺した七星を倒すために屍姫になったマキナ。
マキナを助けるために契約僧になった景世。
「真実」を知ってしまったために光言宗と屍姫を消滅させようと執念を燃やす赤紗。
屍の習性からすれば考えられない行動をとる七星。

今回は、ついに景世&マキナと七星&赤紗の対決が開始されました。
1期ラストに向けてなかなかいい盛り上がりを見せています。


北斗の見る世界。
前回に続き今回も北斗視点での描写がありました。
北斗の目には、狭間はとぐろを巻く巨大なムカデ、赤紗は涙を流す子供に見えています。
本性が見えている・・・というのとはちょっと違う感じ。

修法派(しゅほうは)と衆生派(しゅじょうは)。
光言宗には二つの派閥が存在するようです。
1つは修法派。
この派閥は、屍姫を使って屍を始末することを肯定する人たちの集まり。
もう1つの衆生派は屍姫に否定的な一派。
紫央(しおう)権大僧正はこの派閥に属しているようです。
この派閥は、人が未練を持たない世界を作って屍が生まれる要因を元から絶つことを目指しています。
かなり理想主義的で実現は無理ではないかと思うのですが。。。

景世の座壇術法。
景世は、高峰宗現のところからパクッてきた経典を僧衣に編みこんで座壇術法の触媒を作りました。
これまで勉強したことがないので使い物になるかどうか分からないと言っていますが、これを見た莉花は二級法具に匹敵する出来だと感心します。
でも、赤紗が持つ棺は特級法具並み。
これでは敵わないようです。
景世はこれを莉花に預けます。
もしものときの保険。
常に身に着けていたほうがいいように思いますが、何か問題があるのでしょうか?

ここで莉花は、高峰宗現から預かってきた七星の写真を景世に差し出します。
同席していたマキナは被写体が七星だと気付き、表情を変えます。
ついに追い求めていた敵が現れ、闘志を顕わに。
写真の中の北斗に色が付いて動き出し、マキナに笑みを見せるのは、死ぬ間際に見た北斗の姿が鮮明に蘇ってきたということでしょうか。

景世の過去。
景世は早くに両親を亡くし、しばらく星村家で暮らしていたようです。
その頃星村家には男の子と女の子、二人の赤ん坊がいました。
女の子はマキナ。
男の子のほうは意図的に描写がぼかされているように思えます。
屍姫になったマキナが持っている焼け残りの写真でも意味ありげに顔が切れているし。
まぁ、本当にまったく重要ではない人物なのかもしれませんが(^^;

やがて修行を終えた景世は星村の寺を出て世空寺へ。
それから10年がたった頃、星村の寺が七星に襲撃されて壊滅します。
景世は屍になりかけていたマキナの強い頼みを受けてマキナの契約僧に。

この一連のシーンの演出は面白かったです。
回想シーンのはずなのに、若い頃の景世が要所要所でシーンから抜け出してこちらに語りかけてくる。
実写のドラマか映画で似たような演出を見たような記憶はありますが、ここしばらく見た事がなかったのでなんだか新鮮でした。

オーリは、契約僧や屍姫について隠していた景世のことを怒っていましたが、この話を聞いて景世が昔と何も変わっていないことに気付きます。
景世へのわだかまりが解けました。
景世もオーリが理解してくれて嬉しそう。
でもこれは、今後起こる悲しい出来事への伏線に違いありません。。。
景世が作った僧衣を自分で着ないで莉花に預けたのも、伏線の1つでしょうか。
オーリが景世の遺志を継いで着ることになるのかも。

オーリと重無(えな)の縁。
寺からアパートに帰る途中、オーリは転がってきたボールを拾います。
そのボールを追って、無邪気な子供を装った重無が現れ、オーリに感謝。
オーリの手を握ります。
これで二人の間に縁が結ばれたようです。
その様子を見守る赤紗と湖惑(こわく)。
これですべての準備が整ったようです。

その夜。
例の猫がオーリを誘うように現れます。
オーリが後を追ってアパートから外に出ると、重無に握られた手が変色し始めます。
オーリの意思とは無関係に動き出し、首を絞める手。
猫はその様子をただじっと見ています。
その後ろには重無の姿が。
どうやら重無がオーリの手を操っているようです。
では、猫はどういう役割を果たしているのでしょうか?
七星に協力している?
でもこの猫は以前、自分はオーリ自身だと言っていたので、なぜこの場に現れてオーリを誘うような動きをしたのか分かりませんね。
重無がオーリと縁を結んだ時点で、自動的に猫とも縁が結ばれたのでしょうか?
重無が猫も操っている?
よくわかりませんね。。。

一方、湖惑は呪いで周辺一帯を眠りにつかせます。
景世とマキナを誘っているようです。
邪魔者は眠らせた。出て来い。

その誘いに乗って寺の境内に出た景世とマキナ。
やがて、赤紗と湖惑が現れます。

赤紗はかつて景世や貞比呂とともに行動していたようです。
景世を尊敬し、景世の考え方が正しいと信じていました。
この三人の中で一番最初に契約僧になったのは赤紗。
そんな彼が「真実」を知ったとき、すべてが変わってしまったようです。
過去を捨てて生まれ変わり、生きながら死者になるため、赤紗は景世を殺そうとします。
そのために景世の弱みを突く赤紗。
彼は座壇術法で現れた屍たちを大麟館に向かわせます。
景世もマキナの勧めで大麟館へ。

大麟館に到着した景世は、闘いに赴く前に張った結界が無事なことを確認して一安心。
そこにオーリが現れます。
こんな時間になぜここにいるのか尋ねる景世。
「お前は眠らなかったのか?」
眠ってなんかいられないと言いながら景世に近づいたオーリは、景世の腹部に独鈷杵(とっこしょ)を突き刺します。
どうやら手だけでなく意識まで重無に乗っ取られてしまったようです。
普通のナイフではなく独鈷杵で刺したことにも意味があるのかもしれません。
景世は以前の赤紗との闘いのときに受けた霊障が完治していないようなので、これが致命傷になってしまうのでしょうか?

ということで、今回はここまで。
次回は「夜明け」
一夜明けたときにそれぞれのキャラがどういう運命を迎えているのか・・・気になりますね。

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2008年12月07日

今週の一本(2008/11/30~12/6)―『屍姫 赫』第10話

今回はマキナが追っていた屍の姿が明らかになりました。
光言宗という宗教団体もなにやら胡散臭そうなにおいがプンプン漂ってきます。
オーリが普通の人間とは違う存在だということをうかがわせるような描写もありました。
なんだか回を増すごとにどんどん面白くなってきているような。


前回、本山に行くと言って出かけた景世は、検査のため無理やり入院させられてしまったようです。
でも、ミナイの処分について問いただすために莉花の制止を振り切って病室を出て行こうとします。
そこに騒ぎを聞きつけた高峰宗現(たかみねそうげん)と彼の屍姫・轟旗神佳(とどろきかみか)が現れます。
景世がさっそくミナイのことについて尋ねると、ミナイは監査官によって処分されたと神佳が答えます。
景世はさらに、なぜ監査官がマキナたちより早くミナイを処分できたのか尋ねます。
この質問への答えがないので、景世は、それなら知っている人間に聞くと言って病室を後にします。
宗現の指示で神佳がその後を追います。

景世が向かった先は、紫央(しおう)権大僧正の所。
紫央は景世の質問に答えようとはせず、何も言わずその場を去ろうとします。
でも景世は諦めず、さらに食い下がります。
そこに日本刀を突きつけて立ちはだかる神佳。
景世は「最強の姫さんに逆らう気はないよ」と言って、これ以上問い詰めることを諦めます。
屍姫の強さを測る尺度というのがどういうものなのか分かりませんが、神佳が最強の屍姫のようです。
それを見た紫央は不敵な笑みを浮かべます。
彼は光言宗のナンバー2のようですが、第7話での言動といい、この表情といい、何か腹黒さを感じさせます。

と、ここで光言宗のナンバー1、神生真世(かみうしんぜ)大僧正が登場。
その場にいる全員がひれ伏すほど、絶大な権力を持っているようです。
お供の僧が騒ぎを咎めますが、神生真世はそれを制止し、なぜか景世のもとへ。
しかも景世の前にしゃがみこんで語りかけます。
彼は、オーリがミナイを監査官の元に導いたことに感謝します。
思わぬところから情報が漏れてしまい、紫央と本多は苦い顔。
そして景世は、オーリのバイト先のパルテノンのマスターが監査官だと気付きます。

場面変わってオーリの学校。
オーリといつもの面々が教室でくつろいでいます。
そこにお胸様こと春日望がやってきます。
オーリを図書室に連れて行く望。
彼女は、いろいろな雑誌が並んでいる中から週刊誌を手に取り、オーリに差し出します。
そこには「死を克服した神の生まれ変わり!?」という見出しで新興宗教の記事が掲載されていました。
オーリは、ソファーに腰掛けてその記事を読みます。
記事には、火の中で焼かれた僧を再生させて、不死の力を示す大谷塚(おおやづか)教祖についての話が書かれていました。
オーリが記事を読み終えたとき、ソファーの後ろに立って待っていた望が語りかけます。
「一度死んで蘇るって、マキナさんと似ていませんか?」
振り向いたオーリの視線の先には大きな「お胸様」が!
顔を赤らめて照れるオーリ。
なんだかどうでもいいところで演技が細かいです(^^;

オーリは、どうしてこんな記事を見せるのか尋ねます。
望の答えは「この宗教に入ったら、マキナさんと同じになれるのかなって。。。」
やはり望はいずれ屍(屍姫?)になってしまうのでしょうか?
彼女はこの教団に一緒に入ろうとオーリを誘います。
そんな彼女にオーリは、マキナのことは諦めたほうがいいと忠告します。
でも望は、もしかしたら明日には死んでいるかもしれないと考えると、どうしてもマキナのことを思い出してしまうとため息。
「大丈夫だよ。
春日さん、そんなにかわいいのに死ぬわけないよ」
望は、オーリが何気なく口にした一言に驚いて頬を染めます。
オーリも、つい本心が出てしまい赤くなってしまう。
なんだか青春している二人でした(^^;
もしかしてオーリはフラグを立ててしまったのでしょうか?
望はマキナを諦めてオーリを追うようになるのかも。。。

その後オーリは、大谷塚の教団なら屍を救う方法が見つかるかもしれないと考えて、一人で永久生命研究教団を訪れます。
そこには永遠の命と財宝に心を奪われたおばさんたちの集団がいました。
オーリを入会させようと熱心に誘います。
考えておくと言ってその場から逃げ出すオーリ。
「なんか、やけに俗っぽいな。ちょっと違ったか」
そんな彼の前に謎の少女が現れます。
彼女の目には世界が歪んで見え、立ち話をしているおばさんたちもただの木(?)に見えているようです。
でもオーリだけは歪むことなく普通に見えています。
オーリは普通の人間ではないのでしょうか?
少女は何か別の出来事を感じ取り、走り去ってしまいます。

その頃、大谷塚のもとには三人の謎の人物が。
大谷塚が屍を使って不死を演出し、金儲けしていることを快く思っていないようです。
謎の人物①が「ショーは終わりだ」と言って大谷塚に近づこうとすると、大谷塚が突然炎を出現させます。
さらに木を生えさせて、近づこうとした男をその木の中に封じ込めてしまいます。
それを見ても三人の人物はまったく驚く様子がありません。
謎の人物②は、その様子に感心します。でも、どこか大谷塚を見下しているような様子。
謎の人物③は「これは呪いだね」と冷静に分析。
大谷塚は、自分は口にすることが本当になるという呪いを身に付けた屍なんだと本性を明かします。
大谷塚は、この謎の人物たちが光言宗の関係者で、自分を処分しに来たと思っているようです。
ところが、彼らは光言宗とは無関係の様子。
単に大谷塚の行動が気に入らなくて始末しようとしているようです。
謎の人物①「屍は己の妄執のまま殺戮を楽しむべきだ。聖者の真似をして金を溜め込むなど愚の骨頂」
謎の人物③「まして、ほかの屍の自由を奪うなんて」

謎の人物①は難なく木を破壊して束縛を解き、再び大谷塚のほうに歩き出します。
大谷塚「死ね!我が呪いの力をもってして命じる。死ねー!」
謎の人物①「すまないな。とっくに死んでいるんでその命令はキャンセルだ」
どうやら彼らも屍だったようです。
大谷塚は謎の人物①の最初の攻撃をかわしますが、その目の前に、先ほどオーリの前にいた謎の少女が現れます。
どうやら彼女も屍のようで、一撃で大谷塚を始末してしまいました。

謎の人物②「やりすぎだぜ」
謎の人物①「これでいい。また恐怖とともに我らの名が知られることになる。屍とは未練、妄執を超えた『死』そのものであると」


純喫茶パルテノン。
いち早く景世の気配を感じ取った貞比呂は、店のドアに鍵をかけます。
その直後、景世がドアの前にやってきます。
自分はオーリの身内だと言って開けてもらおうとしますが、貞比呂は閉店だと言って取り合おうとしません。
でも景世はその声を聞いて、彼が誰なのか分かってしまいました。

景世は、ドア越しに貞比呂に語りかけます。
オーリをこちらの世界に近づけないよう協力してくれと。
貞比呂は「憶えておこう」と言うのみです。
景世は「頼む」の一言を残し立ち去ってしまいます。


再び場面が変わり、赤紗がどこかの建物を訪れます。
そこの柱には「七星」の文字が。
その文字のとおり7人の人物が赤紗の前に現れます。
大谷塚を始末した4人と、新たに3人の屍。
謎の人物①が、赤紗が自分の前に現れたことを驚き、それに対して赤紗が苦い表情をしているところを見ると、5年前に討伐隊を壊滅させた強力な屍とは彼らのことなのかもしれません。
赤紗の運命を変えた屍たち。
赤紗の彼らに対する憎しみは相当に深いはずです。
でも、赤紗は彼らの協力を仰ぎに来ました。
赤紗の目的は屍姫をこの世から消すこと。
7人の屍たちも光言宗を壊滅させることを望んでいるので、当面の利害は一致するようです。

ここで謎の人物の名前が一部判明。
彼ら七人は「七星」と呼ばれる集団で、謎の少女は「北斗」、謎の人物①は「狭間」というようです。
赤紗は狭間が七星のリーダーだと思っていたようですが、実際は北斗がリーダー。
七星は北斗を輝かせるためにあり、北斗とは屍そのもの。北斗は世界の理(ことわり)の体現・・・だそうです。
屍の存在に関わるすべての謎が北斗にあるということでしょうか?
北斗が最初の屍なのかもしれません。

今回、マキナの悪夢で、星村家が屍に襲われたときの様子が少しだけ明かされました。
そのときの屍の中に北斗と狭間もいました。
マキナ自身も自分が追っている屍が七星なのだとはっきり認識しているようです。
ついに本当の敵が現れたということですね。
赤紗だけでは敵としてインパクトが弱かったので、やっと本番が始まったといった感じでしょうか。
光言宗と七星の関係(があるのかな?)も気になるところです。

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2008年11月30日

今週の一本 その2(2008/11/23~11/29)―『屍姫 赫』第9話

今回は「お胸様」こと春日望の回。
こんなところでも揺らすか、ってくらいに丁寧に揺らしていました(^^;

まぁそれは冗談として、本当はマキナがオーリへの理解を深めて、また少し心を開いた回。
今回からエンディングの動画が少し変更されて、オーリが袈裟をまとうイメージが追加されたので、オーリがいずれ契約僧になるのは間違いなさそうです。
契約を結ぶ屍姫はマキナということも確定でしょうか?
そのためには景世が命を落す必要があるのですが・・・。

ということで本編。
今回の本題でもある、マキナとオーリの関係の微妙な変化についてはけっこうあっさりと描かれました。

まずオーリが、ミナイがどうなったのか聞き出そうと寺の前でマキナを待ち伏せします。
でも、寺から出てきたマキナは、もう関わるなと言ってオーリのことをそっけなくあしらいます。

その後、ふとしたきっかけから、マキナは景世からオーリの過去について聞かされます。
とはいっても、景世が一方的に話し始めたわけではなくて、マキナのほうからオーリがどういう人間なのかという質問をしました。
この時点ですでにマキナはオーリのことがかなり気になっているようです。
前回、オーリがミナイのことだけ呼び捨てにするのを気にしていたのは、自分のことも呼び捨てにしてほしいという気持ちの表れだったのかもしれません。
そういう自覚があるかどうかはわかりませんが。

景世によれば、オーリは3歳くらいのときに拾われた子供。
そのときのオーリは、服の着方やトイレの使い方などをまったく知らなくて、通常の感情表現もできなかったそうです。
拾われてくる前はどこで何をしていたのかということもいずれ重要になってくるのかもしれません。
景世のもとで暮らすオーリは、ある日、猫を拾ってきます。
この猫と一緒に暮らすことで、景世にはオーリが少しずつ変わっていくように見えました。
ところがこの猫は車に轢かれて死んでしまいます。
それでもオーリは人間らしい感情を表しません。
景世は言います。
「死んだやつにオレたちがしてやれることは、死後思い出してやることと、泣くことだけだ。
坊主は死んだやつのためにいるんじゃない。
生きて悲しみに沈む人のためにいる。
だからオーリ、泣くんだ。
泣けばいい」
この言葉を聞いたオーリの中で何かが変わったようです。
オーリは号泣し、初めて感情をみせました。
そういうことがあったからなのかどうか、オーリは死に対して人とは違う考え方を持っているようです。
だから屍姫のことも怖がらずに普通に接している。

この話を聞いたあと、マキナは再び寺の前でオーリと出会います。
オーリは、ミナイのことをほとんど知らないからまともに思い出すこともできないと言って、もう一度マキナにミナイのことを聞かせてほしいと頼みます。
マキナはしばらく考え、「お茶しかないわよ」と言ってオーリを寺に招き入れます。
この場面でのマキナには、これまでとは違ってオーリに対する刺々しさが感じられません。
なかなか興味深い変化でした。


今回はほかにも気になる点がありました。
これまでにも何度か登場して、なぜか普通にオーリと会話している猫です。
この猫は、景世の話に出てきた、オーリが拾ってきた(そして死んでしまった)猫のようです。
オーリ以外の人には見えないということなので、オーリの妄想かと思いきや、マキナにも見えていました。
そういえば、第5話では背信僧の赤紗にも見えていました。
いったいどういう存在なのか気になるところです。
まぁその前に、自分の妄想ではなくて(すべてではないとはいえ)他人にも見えている「猫」と普通に会話しているオーリのほうが不思議な存在かも(^^;

さて、本題よりも長い時間を取って丁寧に描かれた「お胸様」ですが、彼女は人喰いビルで助けてもらったマキナに対して特別な感情を抱きました。
残念ながら今回はマキナに拒絶されて引き下がることになりましたが、とりあえず次回も登場するようです。
単なるゲストキャラではなくて、けっこう重要なキャラなのでしょうか?
まさか、彼女がオーリの屍姫になる?
マキナに対する未練があるので、屍姫になる条件はクリアしていそうだし(^^;

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2008年11月23日

今週の一本 その3(2008/11/16~11/22)―『屍姫 赫』第8話

今回は感動回。
退場させるには惜しいキャラが逝ってしまいました。
ラストシーンの演出もなかなか良かったです。
戦闘シーンは動きがカクカクしていてちょっと気になったけど、うまい具合に緊張感が出ていて見入ってしまいました。


前回オーリとミナイを助けてくれたマキナですが、どうやら契約僧から離れて単独で戦うことは許されていないようで、伊佐木からストップがかかってしまいます。
そしてミナイが伊佐木の命令で再び戦うことに。
攻撃すればミナイ自身にダメージが跳ね返ってくるので、オーリはミナイを止めようとしますが、ミナイは毅然と言います。
「注意をそらして集中力を欠かせれば、呪いをかける前に倒せます」
さらに「命令されたからやるんじゃありません」と、勝算があるから戦うのだと頼もしいお言葉。

ところが屍もバカではありませんでした。
ミナイの戦術を読んだかどうかはわかりませんが、戦い方を変えてきます。
自分の首に爪を突き刺し、自分自身で体にダメージを与えます。
これがミナイに伝わり、彼女の首からは大量の出血。
ミナイは倒れてしまいます。
この屍は、自分の体へのダメージを自分が意識を集中した相手に送ることができるようです。
攻撃者に無条件に跳ね返ってくるというわけではないんですね。

ここでオーリが機転を利かせて携帯で墨鳥に連絡を取ります。
携帯から聞こえてくる墨鳥の声に心を奪われた光良は、戦闘から意識が離れてしまいます。
そこをすかさずミナイが一撃で仕留めます。
光良の体は消滅して戦闘終了。

オーリは怪我をしているミナイに駆け寄ります。
ミナイはこれまで、屍姫として屍と戦うことは人を殺してしまったことに対する罰だと考えていましたが、戦闘中にオーリが言ってくれた「ありがとう」の言葉で考えが変わったようです。
「大丈夫です。
このキズは、私はもう罰だとは思いません。
私は、人間じゃないから、屍姫だから、キズを受けても戦える。
あなたたちを守ることができる。
私は、人でないことに誇りを持ちます」

前回の予告を見て、ミナイはこの戦いで死んでしまうのではないかと思っていたので、あっけない終わり方にちょっと驚いてしまいました。
でも今回は、この戦闘よりも、この後の出来事のほうがずっと重要。


療養中の景世。
荒神莉花(あらがみりか)という人がオーリの処遇について話に来ました。
この人も契約僧で、その屍姫が天瀬早季(あませさき)のようです。
僧というにはかなり露出度の高い服装というかコスチュームですが(^^;
早季はかなり幼い容姿の屍姫で、口もかなり悪いです。
自分の契約僧である莉花の本音(?)を代弁して困らせています。

景世はオーリをこれ以上「こちら側」に関わらせるつもりはないと言います。
莉花は、景世がマキナの契約僧である以上、オーリを近付けないというのは無理ではないかと言いかけますが、景世はあくまでオーリをこちら側に近付けさせないと言い切ります。
と、ここで早季の毒舌が炸裂。
「ケッ、偉そうなことぬかしてんじゃねーよグラサン。
今度しくじったらビンタな」
と莉花の本音を代弁(^^;
莉花は本当はそんなことをまったく思ってもいないので、狼狽してしまいます。
莉花と早季の関係もなかなか面白いですね。

学校。
ミナイがオーリの携帯を没収するためにやってきました。
オーリが携帯で光良のブログにアクセスしたので、証拠品として回収されるようです。
立ち会っていた山神異月(やまがみいつき)は、本来は監査部門の仕事なのになぜミナイがやってきたのかと疑問を口にします。
ミナイの答えは「急いだほうがいいと思って」
異月は不審そうに送儀嵩柾(そうぎたかまさ)と顔を見合わせます。

携帯がなくなると困ると言うオーリに対して、ミナイは機種変すれば大丈夫だと言い、手数料は自分が出すから放課後に一緒に行こうと誘います。

そして放課後、二人は携帯選び。
機種変更を終えたオーリは、ミナイの携帯番号を尋ねます。
ミナイは嬉しそうに頬を赤くします。
でもこの後に続くオーリの言葉は「やっぱり兄貴のこととか星村さんにはもう聞きにくくて・・・」
ミナイは一瞬残念そうな表情をしますが、すぐに気を取り直して自分の携帯を取り出します。
携帯画面を見ると、伊佐木からの着信が20件。
折り返し連絡をとろうとしても繋がりません。
そのとき突然、ミナイは体に異常を感じて倒れてしまいます。
「そんな・・・まだ・・・これから・・・」
ミナイは自分の体に起こっている異常の原因を理解しているようです。

伊佐木は前回光良の情報を集めているときに痛めつけた不良たちに襲われ、殺されてしまいました。
それに気付いた屍姫たち(早季と異月)が動き出します。
ミナイを始末するために。
契約僧が死ねば屍姫も死ぬのが普通で、契約僧の死後も生き続けている屍姫はただの屍。
だから屍姫が屍姫を殺さなければならない、ということのようです。

オーリはミナイを心配して声をかけますが、ミナイは平常心を失いかけている様子。
オーリを払い除けようとした拍子に勢い余って自動車を弾き飛ばしてしまいます。
すぐにごめんと謝りますが、体の動きを制御することも難しくなってきたようです。
そこに早季と異月が駆けつけます。
異月はオーリが邪魔に入れないように取り押さえ、早季はミナイとの戦いを開始。
使っている用語が難しくてよくわかりませんでしたが、とにかくミナイの力では早季にかなわないようです。
でも早季はミナイに同情して最後の最後で一瞬気を抜いてしまいます。
ミナイは反撃し、オーリとともにその場から逃げます。
二人はオーリのバイト先の喫茶店へ。
貞比呂とアキラが契約僧と屍姫だと知らないオーリは、ここでしばらくミナイをかくまってもらおうとします。
ミナイは彼らを見た瞬間にその正体が分かったようです。
オーリが立ち去った後、貞比呂はミナイにまだ助かる方法があると伝えます。
光言宗の裏道みたいな方法。
必ず成功するわけではないが、今すぐ新しい契約僧を見つけて強い縁を結べれば屍姫のままでい続けられるかもしれない。
今の時点でそれが可能なのはオーリだけ。
正式な僧ではないが、貞比呂なら契約を仲介できる。

一方、オーリは自分が囮になってミナイを守ろうとしていました。
あまり意味があるとは思えない行動ですが、これがオーリなんだと納得(^^;
そんな彼の前にマキナが現れます。
ミナイの居場所を問い詰めるマキナに対して、オーリは言います。
「ミナイは人を守りたいって言ってた」
でもマキナはそれも執着だと切り捨てます。
言っていることが正しいか間違っているかに関わらず、ミナイは未練に執着している屍なんだと。
それでもオーリはミナイの居場所を話そうとしません。
マキナはオーリから聞き出すことを諦めてその場を去ります。

その後、オーリはお坊さんを殺した犯人が逮捕される場面に遭遇。
オーリはやっと伊佐木が殺されたことを現実として認識し、異月やマキナが言っていたことの意味を理解できたようです。
慌ててミナイに連絡をとろうとします。

でも、このときミナイは伊佐木の屍姫として死ぬ道を選んでいました。
無抵抗でアキラに始末してもらったようです。
ミナイはオーリのことがかなり気になっていたようですが、それでも伊佐木との縁のほうが強かったようです。
伊佐木がミナイに辛くあたっていたのも、ミナイへの特別な感情を抑えるためだったのかもしれません。

そしてラスト。
残されたミナイの携帯にオーリからの着信。
携帯画面には ^o^オーリくん の文字が点滅します。
これだけでもけっこうグッと来るものがあるのに、「オーリくん」の前の顔文字が切なさを倍増させる(T_T)

ということで、なんだか予想外に感動してしまったエピソードでした。
そういえば今回、契約僧を変更できる可能性があることが語られました。
これはけっこう重要な伏線なのかもしれません。
いずれオーリがマキナの契約僧になるのかも。

[追記]――――――――――
ミナイが伊佐木の屍姫として死ぬことを選択した理由についてちょっと考えてみました。
感情的には、本当はオーリのことが好きだったけれど、彼を巻き込みたくないから死ぬことにした・・・と考えたいです。
でも、彼女のほうから積極的にオーリと関わりを持とうとしていたことを思うと、どうにも納得がいきません。
ということで、彼女が実は見かけほど清純ではなかったという前提で考えてみます。

まず彼女は、屍姫になる前に彼氏と思われる男性を殺して自分も死のうとしました。
このとき彼女はビルから飛び降りています。
この場面を見る限り、これ以前に自殺を計ったようなケガがあるようには見えません。
彼氏と「一緒に死ぬつもり」だったわりにはちょっと不自然ではないでしょうか。
つまり彼女は、彼氏と心中しようとしたわけではなくて、何らかの理由で彼氏を発作的に殺してしまい、それを後悔してビルから飛び降りたのではないでしょうか。
その原因として、彼氏の暴力や浮気なども考えられますが、もしかすると、彼氏に自分の浮気を責められて反射的に・・・という可能性もありそうです。
屍姫になった彼女は生前と同じような行動を繰り返していたのかもしれません。
伊佐木と一緒にいたかったけれど、オーリのことも気になる。
だからオーリとの関係も深めようとした。
伊佐木が死んだときにどちらを選ぶか悩んだ末に、やはり思いの強い伊佐木を選んで、自分も死ぬことにした。
こんなふうに考えると、せっかくの感動的なエピソードが後味の悪いものになってしまいました(^^;
――――――――――――――

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2008年11月16日

今週の一本 その3(2008/11/9~11/15)―『屍姫 赫』第7話

今期のアニメは自分的にはけっこう豊作で、まだ一度も感想は書いていないけど気になっている作品がかなりあります。
「キャシャーン Sins」とか「魍魎の匣」とか「喰霊-零-」とか「ミチコとハッチン」とか「ロザリオとバンパイア CAPU2」とか「屍姫 赫」とか。

この中で一番感想を書いてみたいのが「魍魎の匣」なのですが、難解すぎてちょっと手が出せそうにありません(^^;
ということで、次点で「屍姫 赫」について書いてみようかなと。

この作品は、一部のキャラの声をプロの声優さんではなくて役者さん(?)があてているので、あまり評判が良くないようです。
でも、カメラアングルとか色使い、作品の全体的な雰囲気がなかなか良いと思います。
戦闘シーンもけっこう迫力があるのではないでしょうか。
また、契約僧と屍姫の関係も千差万別で面白いです。
伊佐木(いさき)と水薙生(ミナイ)は完全に主従関係にあって、田神景世(たがみけいせい)と眞姫那(マキナ)は対等な関係。
貞比呂(さだひろ)とアキラは屍姫であるはずのアキラのほうが(少なくとも普段は)偉そうです。
マキナが旺里(オーリ)に次第に感情を見せるようになってきたのも、今後の二人の関係を期待させる変化です。

一番肝心なストーリーのほうは、今のところ良くもなく悪くもなくといった感じですが、登場する屍姫たちがそれぞれ個性的なこともあり、今後の動き次第ではかなり面白くなりそうな予感がします。

ということで今回のお話。
今回活躍した屍姫はミナイです。
恋人と心中しようとしたけど死に切れず、人を殺してしまったという後悔の念を抱いたまま伊佐木と契約して屍姫になりました。
伊佐木は自分が出世することにしか興味がないようで、ミナイをただの道具としか思っていません。

そんな彼らが今回遭遇する屍は、中学時代に剣道部で先輩のしごきに耐えられず不登校になってしまった光良(みつよし)という少年。
感電事故で屍になってしまったようです。
彼は「呪い憑き」。
妄執が強すぎて特殊能力を持った屍。
自分が受けた攻撃を攻撃者にそのまま返す能力を持っています。
ミナイが必死に戦いますが、ほとんど効果がなく、逆に自分のほうが大きなダメージを受けてしまいます。
いまいち立ち位置がはっきりしないオーリが自分の体もろとも海に突き落としますが、状況はあまり変わりません。
復活した屍にミナイが弾き飛ばされ絶体絶命の状況に追い込まれてしまいます。
そこにマキナが駆けつけます。
前回の件で右腕を失ったマキナは、銃で屍の右腕を撃ちます。
彼女の予想通り、彼女にダメージはなく、屍の右腕が吹き飛ばされます。

でも、屍は片腕を失っただけで勢いは衰えません。
再び襲い掛かってきたところで今回は終了となりました。
屍は、脳を粉砕するか、身体を完全にバラバラにしないと死なないらしいので、相打ち以外に倒す方法はなさそうに思えますが。。。

ところでこの作品、1クール終了後に間を空けずに2期が開始されるようです。
タイトルは「屍姫 玄」。
最近流行の分割2クールとはちょっと違うし、わざわざ途中でタイトルを変えることにどんな意味があるのか、ちょっと気になりますね。

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