2014年08月31日

ちょっと昔のいいアニメ―『夏色キセキ』

最近はアニメが大量に放送されていて、それをチェックするだけでも大変。
でもここでちょっと一休みして過去の名作を振り返ってみようかな、というこのコーナー。

第27回は『夏色キセキ』です。

『夏色キセキ』第8話より 『夏色キセキ』第12話より 『夏色キセキ』アフターストーリー「15回目のナツヤスミ」より

神奈川では2012年4月から金曜日の深夜にTBSで全12話が放送されました。
その後発売されたDVDの第7巻には、アフターストーリーとして「15回目のナツヤスミ」という短編の特典映像が収録されていて、主人公たちの4年後の姿が描かれています。

当時のキャッチコピーは
四人だけの秘密は、夏色の空に溶けたキセキ
でした。

中学2年生の女の子4人の日常をベースに、御石様(おいしさま)がもたらす奇跡というファンタジー要素を加えて毎回楽しく、ときには感動的なエピソードが繰り広げられます。
声優ユニットのスフィアを主役にすることを前提に制作されていて、メインキャラ4人にはスフィアメンバーそれぞれの性格が反映されているのも本作の特徴の一つです。
そのためもあってか、人物描写の面で手抜きがなく、各キャラの心情がしっかり描かれているので、物語としての見応えが増しています。
また、舞台は静岡県下田市で、実際の地名や名所も多く登場し、ご当地アニメの側面もあります。
下田を出て八丈島に行くエピソードもあり、これは脚本家の手腕が存分に発揮された素晴らしいエピソードでした。
最終話の落としどころもうまくて、メインキャラ4人が奇跡に頼る非現実的な毎日から卒業し、「いつまでも友達でいよう」というしっかり地に足の着いた希望を胸に新たな一歩を踏み出していく様子は、彼女たちが精神的に成長したことをはっきり示してくれる感動的な締め方でした。

スフィアが主演ということで、放送当時は先入観から否定的な見方をする人が多かったようで、第1話開始時点でメインキャラのうちの2人が喧嘩していることも不評だったようです。
ですが、物語の導入としては別段不自然なことはなく、中の人に関係なく物語を楽しめる人であれば、なかなかの良作と感じられるのではないでしょうか。
この導入がどうしても気になる場合は、『夏色キセキ』コミックス第1巻を読むといいかもしれません。
この巻は全7話収録で1~5話でアニメの前日譚が描かれています。
残りの2話はアニメの第1話に相当する話で、アニメとの整合性もとれているので、アニメの導入に唐突感を感じた人はすっきりすると思います。

ストーリーとは関係ありませんが、夕暮れの空の色や高彩度の回想シーンに見られる色使いが独特で、個人的にはこの点が最後まで気になりました。
回想シーンで低彩度と高彩度を使い分けているのは、中学2年生の少女たちにとって思い出は色鮮やかによみがえるものだということを表現するためかとも思いましたが、第11話の一番重要な回想シーンが低彩度だったりして一貫性がなく、どういう意図で低彩度と高彩度を使い分けたのかいまいち腑に落ちませんでした。

とまあちょっと気になる部分はあるものの、ストーリーとキャラの魅力は文句なく素晴らしく、トータルではとても見ごたえのある作品だと思います。

また、アニメ終了後に「夏色キセキフェスティバル」が開催されました。
「夏色キセキ」の楽曲と、スフィアが作中キャラになりきって演じる朗読劇を組み合わせたステージで、アニメ最終話で各キャラがどういう心境だったのかをさらに深く知ることができます。
この様子が「ほぼフル尺」(水島監督談)で収められた特典ディスクがDVD最終巻に付属するので、もし機会があれば視聴することをお勧めします。
アニメ本編が気に入った方ならきっと感動できると思います。

ということで、今回はここまで。

それではまた、次回をお楽しみに。

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2013年05月14日

ちょっと昔のいいアニメ―『光と水のダフネ -DAPHNE IN THE BRILLIANT BLUE-』

最近はアニメが大量に放送されていて、それをチェックするだけでも大変。
でもここでちょっと一休みして過去の名作を振り返ってみようかな、というこのコーナー。

第26回は『光と水のダフネ -DAPHNE IN THE BRILLIANT BLUE-』です。

『光と水のダフネ -DAPHNE IN THE BRILLIANT BLUE-』第1話より 『光と水のダフネ -DAPHNE IN THE BRILLIANT BLUE-』第6話より 『光と水のダフネ -DAPHNE IN THE BRILLIANT BLUE-』第17話より

神奈川では2004年1月から土曜日の深夜にtvkで全24話が放送されました。
その後発売されたDVDの第1巻と第7巻でエピソードが2本追加され、総話数は26話となっています。
追加された2本は、作品内の時系列的には①第5話以後~第13話以前、②第9話以後~第18話以前に起こった出来事のように思えますが、はっきりしません。
この記事では便宜上、第25話と第26話としています。

当時のキャッチコピーは
常夏の海洋都市。そして、少女たちの危険な職業――
でした。

舞台となるのは、はるか昔に地球を襲った異常事態により陸地の多くが水没してしまった世界です。
作中では異常事態の詳細について一度も触れられませんが、公式サイトによれば「地球温暖化により陸地の大半が水没した未来の地球」とのこと。
第15話でマイアがシベリア・シティに行った時の気温は海洋都市にもかかわらず32度なので、高温化が進んでいるのは間違いなさそうです。

主人公は、学業優秀な15歳の少女・マイア。
マイアは、この世界のエリートが集まる海洋庁への入庁を目指していました。
でも合格確実と思われていた試験になぜか落ちてしまい、紆余曲折の末、第1級犯罪を含めた複合的な調査探偵業(簡単に言ってしまうと「なんでも屋」)を行うネレイス・カムチャッカ支店で働くことになります。

そして脇を固めるのはネレイス・カムチャッカ支店の個性豊かなキャラたち。
本城レナは、一見冷酷に見えながら実は仲間のことをしっかり考えているネレイス・カムチャッカ支店のリーダー。
葉山静香はメカオタクで、なにかとマイアのことを気にかけてくれます。
グロリアは我が道を行く守銭奴&ガンマニアで、その突き抜けた言動がとにかく笑えます。
朴ゆうはかつて賞金首でしたが、レナに捕らえられて服役した後、ネレイス・カムチャッカ支店で働くことになった格闘術に秀でた無口な超人。
花岡勉はこの支店の支店長ですが、作中の大半においてうだつが上がらないダメ人間。でも第7話と第23話でちょっとだけ凛々しい姿を見せてくれる、やるときはやるいい男(?)です。
この5人とマイアのキャラ立てがうまく、とても活き活きと描かれているのもこの作品の魅力の一つです。

内容的には、導入エピソードにあたる第1話と第2話、それと第20話から最終話までのちょっと重めの話を除き、基本は1話完結のコメディが繰り広げられます。
なかでも第9話「オレだけに明日はない」や第17話「赤ちゃんに完敗!」、第26話「水樹マイアの大限界2 入れ替わったらおどろいた!!」は個人的にかなりツボなエピソードで笑いが止まりませんでした。
シリーズ全体を通してみると「マイアの記憶」を軸に、綿密に計算された伏線が折り込まれていて、第20話以降で真実が次々に明かされていく過程はなかなかの見ごたえでした。
また、ある重要な事実に関するミスリードの仕方もうまくて、「騙される楽しさ」を味わうこともできます。

文化やテクノロジーレベルなど、作中で描かれる未来観には古めかしさが漂っていますが、あからさまな矛盾や破たんはないので素直に受け入れるのが吉でしょう。
一番の突っ込みどころは異常なほど露出度が高いマイアたちのコスチュームで、これに抵抗を感じてしまう人もいるかもしれません。
でも作品内容そのものはエロとは無縁で、コメディとしてはかなり出来が良いので、コメディ作品に興味がある方は騙されたと思って一度見てみてはいかがでしょうか。

ということで、今回はここまで。

それではまた、次回をお楽しみに。

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2011年12月31日

ちょっと昔のいいアニメ―『ef - a tale of memories.』

最近はアニメが大量に放送されていて、それをチェックするだけでも大変。
でもここでちょっと一休みして過去の名作を振り返ってみようかな、というこのコーナー。

このブログを始めて早5年が経過し、このコーナーもいつのまにやら25回目を迎えることになりました。
なんだかきりのいい数字が並んだので、今回はこれまで出し惜しんでいた傑作をいきます。

第25回は『ef - a tale of memories.』です。

『ef - a tale of memories.』第4話より 『ef - a tale of memories.』第9話より 『ef - a tale of memories.』第10話より

神奈川では2007年10月から土曜日の深夜にtvkで全12話が放送されました。

当時のキャッチコピーは
忘れたくない想い、ありますか?
でした。

この作品は、6人の少年少女たちそれぞれの心の葛藤を丁寧に描いているラブストーリーで、4人の男女(宮村みやこ、新藤景、広野紘、堤京介)の恋愛劇と2人の男女(新藤千尋と麻生蓮治)の恋愛劇が同時進行するつくりになっています。
彼らに助言を与える立場の人物として雨宮優子と火村夕という大人が2人登場しますが、この2人が抱える事情と少年少女たちの事情が絡み合って物語の複雑さが増してさらに興味深い内容になっています。

演出面のクセがとても強いうえ、引きの画が多いので、アニメーションに動きを求める人は第1話で拒絶反応を起こしてしまうかもしれません。
でもこの演出のアクの強さが練りに練られたストーリーに見事にマッチしているため、話が進むにつれて目が離せなくなってしまうこと請け合いです。
第1話では新藤千尋という少女の不思議な言動に違和感がありますが、その理由が第2話ラストで明かされてからは俄然興味がわいてくるのではないでしょうか。
第3話以降も各登場人物たちの言動にとにかく引き込まれます。
仕込みがあらかた終わって最初の山場を迎えるのが第7話で、ここから最終話までの驚きと感動の展開の連続はアニメ史に残る秀逸さと言い切ってしまっていいでしょう。
クセのある演出に釘づけになるのはもちろん、人物描写とストーリー展開の巧みさは素晴らしいの一言です。

また、全話フィルムスコアリングで制作されているので、音楽と映像の一体感がとにかくすごいのもこの作品の特筆すべき点でしょう。
すべてのシーン、色使い、台詞の数々に深い意味が込められているといっても過言ではないくらいの手の込んだ作りには圧倒されます。
シャフト作品ということもあり、パッと見の印象でひと目でそれとわかる仕上がりですが、映像に込められた意味の濃厚さという点において最近の他のシャフト作品とは一線を画しています。
細かな気遣いはオープニング演出(最終話のOPは必見)や各話サブタイトルのちょっとした仕掛け(頭文字を順番に並べると…)にも及んでいて、本当にいたるところに面白さが隠されています。

第1話を視聴して抵抗があったとしても挫折しないで最後まで視聴すれば、きっと思い出の一本になること間違いなしです。

ちなみにこの作品は全12話で完結することを前提に制作されているので、ちょっと謎を残しながらもきれいに終了します。
評判が良かったため続編として『ef - a tale of melodies.』が作られ、謎だった部分についての種明かしもされていますが、細かい点でいくつか矛盾があるので(しかも急ごしらえだったためか演出だけが突出していて脚本の出来はいまいちなので)、別作品と考えたほうがいいかもしれません。


それではまた、次回をお楽しみに。

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2011年10月10日

ちょっと昔のいいアニメ―『ナイトウィザード The ANIMATION』

最近はアニメが大量に放送されていて、それをチェックするだけでも大変。
でもここでちょっと一休みして過去の名作(?)を振り返ってみようかな、というこのコーナー。

天空に紅い月が昇るとき
闇の眷属・エミュレイターたちが、人の世界へと侵入してくる
彼らには、科学という常識で生み出された力は一切通用しない
闇に対抗しうる唯一の力
人々が遠き過去に忘れ去った魔法を駆使して戦う者たち
彼らの名は、夕闇の魔法使い
ナイトウィザード

(第1話と第3話のナレーションより)

ということで、第24回は『ナイトウィザード The ANIMATION』です。

『ナイトウィザード The ANIMATION』第2話より 『ナイトウィザード The ANIMATION』第5話より 『ナイトウィザード The ANIMATION』第9話より

神奈川では2007年10月から火曜日の深夜にTOKYO MXで全13話が放送されました。

当時のキャッチコピーは
TRPGの傑作、アニメステージ、ついに始動!!
世界は少女を戦いに誘う……
でした。

初回放送はリアルタイムでは観ていなくて、ShowTimeで全話視聴。
あまりに面白かったのでDVDも買ってしまいました。
ちなみに一言感想と各話の評価グラフはこちらにあります。

この作品はアニメ化される5年以上前からTRPG(テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム)として存在し、キャラクターや世界観が出来上がっていました。
ここに志宝エリス(しほう えりす)というキャラクターを新たに加えて、アニメオリジナルストーリーが展開されます。
アニメの出来は原作者も認めるほどしっかりしていたようです。
アニメ放送と同時期にTRPGの新しいシナリオが発売されていて、その内容にはアニメ内の出来事も反映されていました。
原作とアニメが良い形で影響し合っていたようです。

アニメのストーリーは―――
裏界(りかい)と呼ばれる異世界からの侵攻が活発化して現実世界が破滅の危機を迎えているため、裏界への反攻作戦を決行するために“七徳の宝玉”を集めなければならないという状況で開始します。
七徳の宝玉とはその名のとおり綺麗な玉で、全部で7つ。
それぞれの名称と回収される話数は次のとおりです。
慈愛の玉(1話)、賢明の玉(3話)、剛毅の玉(4話)、信頼の玉(5話)、節制の玉(6話)、正義の玉(8話)、希望の玉(9話)

この作戦の陣頭指揮を執るのが、世界を守護する者・アンゼロットです。
アンゼロットは、彼女のさらに上位の存在である神(ゲイザー)の指示でこの作戦を実行することになりました。
アンゼロットは人間社会に直接影響を与えることが禁じられているので、彼女の命を受けた、ウィザードと呼ばれる魔法使いたちが奔走することになります。
メインで活躍する魔法使いは、「下がる男」の異名を持つ柊蓮司(ひいらぎ れんじ)、天文部部長で神社の娘・赤羽くれは(あかばね くれは)、強化人間の緋室灯(ひむろ あかり)の3名です。
全員、私立輝明学園秋葉原分校に通う生徒です。

そして、敵対勢力として登場するのは裏界の魔王たち。
魔王といっても、外見はなぜか少女の姿。
魔王たちはアンゼロットの反攻作戦を防ぐため、アンゼロットよりも先に七徳の宝玉を集めるかあるいはエリスを抹殺しようとしています。

ということで、ここまでが基本設定。
ウィザードたちは魔王の妨害を排除しながら、七徳の宝玉を探知する能力を持っている志宝エリスとともに、メガラニカ(墨瓦臘泥加)や月、果ては土星宙域をも舞台にして宝玉を集めることになります。

この宝玉集めという一見シンプルな展開は、第9話で大きく方向性を変えることになります。
そして、ここからの流れは本当に熱いです。
巧みに張り巡らされた伏線が一気に収束しだして、最後まで目が離せなくなってしまいます。

内容はまさに正統派ファンタジーといった感じで、適度に笑いを交えながら展開するストーリーも親しみやすく、物語にすんなり入り込むことができます。
設定もしっかりしていて、伏線の張り方もとても自然。
キャラクターも立ちまくっていて、本当に申し分のない出来です。
一度最後まで視聴してからもう一度観直すと、伏線の張り方の巧みさがわかるうえ、物語もさらに楽しめること請け合いです。

『ナイトウィザード』を知らない人は、とりあえず以下のことをざっと理解しておけば、第1話から違和感なく楽しめるのではないでしょうか。

裏界(りかい):現実世界とは別の空間に存在する、科学という常識が通用しない世界。
エミュレイター:裏界の住人(魔王をはじめ、伝説や神話に出てくるドラゴン、ミノタウロス、メデューサ、ノスフェラトゥ、鬼などもエミュレイター)。
月匣(げっこう):エミュレイターが現実世界で能力を発揮するために張る広域結界。
月衣(かぐや):ウィザードが張る、常識を遮断する個人結界。現実世界から隔離された空間で、通常は自分の武器などを格納して必要な時にいつでも現実世界に取り出すことができる。常に自分の周囲に展開されているので、生身で宇宙空間に飛び出しても普通に呼吸して活動できる。
箒:魔法使いといえば箒。ということで、ウィザードが使う武器はすべて箒と呼ばれている。

あと、ストーリーを楽しむ分にはどうでもいいことなのですが、作品内に登場するルーン文字は英語のアルファベットに対応していて、解読も簡単なので、気が向いたら読み取ってみると面白いかもしれません。
ただし、キリヒトというキャラクターの眼前に現れるルーン文字(初出は第4話)はものすごいネタバレなので、読み取るなら一度観終ってからの方がいいかも。


ということで、ファンタジーが好きな人であれば間違いなく楽しめる作品です。
機会があればぜひ視聴することをお勧めします。

最後に名台詞を3つ挙げて締めることにします。
「これからする私のお願いに「はい」か「Yes」でお返事してください」 by アンゼロット
「ガッデム!!」 by アンゼロット
「ドリ~~~ム」 by ナイトメア

それではまた、次回をお楽しみに。

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2011年05月03日

ちょっと昔のいいアニメ[番外編]―『おろしたてミュージカル 練馬大根ブラザーズ』

最近はアニメが大量に放送されていて、それをチェックするだけでも大変。
でもここでちょっと一休みして過去の名作(?)を振り返ってみようかな、というこのコーナー。

今回は番外編。
「おろしたてミュージカル 練馬大根ブラザーズ」です。

『おろしたてミュージカル 練馬大根ブラザーズ』第7話より 『おろしたてミュージカル 練馬大根ブラザーズ』第11話より 『おろしたてミュージカル 練馬大根ブラザーズ』第12話より

神奈川では2006年1月から月曜日の深夜にテレビ東京で全12話が放送されました。

当時のキャッチコピーはわかりませんが、もしかするとこれ(↓)かもしれません。
前人未到のミュージカルアニメ

作品タイトルどおり毎話ミュージカル仕立てのエピソードがギャグ満載で展開されます。
練馬の正義を守るため日夜活躍する「練馬大根ブラザーズ」が、やがて強大な国家権力に立ち向かうはめになる、愛と友情の物語です(大筋では間違っていないはず(^^;)。

主人公は「練馬大根ブラザーズ」の3人です。
彼らの夢は練馬の大根畑に巨大ドームを建ててコンサートを開催すること。
そのためにはお金が必要ということで、悪人を退治してその悪人が貯め込んでいたお金を頂戴する、というのが彼らの仕事(?)です。

各エピソードで対峙する悪は次のとおり。
第1話:大手芸能プロダクション社長
第2話:韓流パチンコ屋
第3話:総合病院
第4話:警察と暴力団の癒着
第5話:No.1ホスト
第6話:有名占い師
第7話:悪徳弁護士
第8話:激安ショップ
第9話:大手通信社会長兼女子ソフトボールチームオーナー(ドナベナベ)
第10話:整形で有名なスーパースター(ユーケル)
第11話:ドナベナベ&ユーケル
第12話:首相&チルドレン&マドンナ議員&刺客
当時よく見聞きした人物や時事ネタなど、かなりきわどい内容を扱っているのが特徴で、これを楽しめるかどうかでこの作品の評価は大きく変わってくるでしょう。

第8話までは、悪人退治はうまくいくのですが、なんだかんだでお金は手に入らず、というパターンが繰り返されます。
そして第9話から始まる一連のエピソードで巨大な悪と対峙することに。
最後は練馬のMIN・E・I・KAを防ぐことに成功した練馬大根ブラザーズが、夢をかなえるために再び希望を胸に歩み始めて幕を閉じます。

きわどいネタ(見ようによっては深いネタ)を扱っていますが、あまり難しく考えずに「バカなことやってるなぁ」くらいの気持ちで視聴すると、かなり楽しめるのではないでしょうか。


それではまた、次回をお楽しみに。

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2011年02月04日

ちょっと昔のいいアニメ―『ブラスレイター』

最近はアニメが大量に放送されていて、それをチェックするだけでも大変。
でもここでちょっと一休みして過去の名作(?)を振り返ってみようかな、というこのコーナー。

第23回は『ブラスレイター』です。

『ブラスレイター』第6話より 『ブラスレイター』第8話より 『ブラスレイター』第12話より 『ブラスレイター』第17話より

神奈川では2008年4月から土曜日の深夜にtvkで全24話が放送されました。

当時のキャッチコピーは
融合せよ、悪魔の力
でした。

初回放送はリアルタイムで観ていて、そのときの一言感想と各話の評価グラフはこちらにあります。

この作品の舞台は近未来のドイツです。
ここでは、デモニアックという異形の存在が出現して市民を恐怖に陥れていて、これに対抗すべくXAT(Xenogenesis Assault Team:ザット)という組織が結成されています。
このXATと何らかの形でつながりがある人々を中心に、栄光と破滅、いじめ、貧困、差別などが真正面から描かれます。
萌えアニメとは対極にある硬派な作品ですが、それだけにドラマ作りがしっかりしていて、見ごたえのある仕上がりになっています。

物語は大きく3つのパートにわけることができます。
1クール目(第1話~第12話)と2クール目(第15話~第24話)、そしてそれらをつなぐ過去話(第13話と第14話)です。
1クール目と2クール目は雰囲気が大きく異なっていて、個人的に2クール目はあまり評価していません。
また、“ブラスレイター”や“デモニアック”などの設定が固まっていないかのように作中でブレまくっている点も気にならないと言えば嘘になります。
ですが、1クール目で展開される人間ドラマの出来は秀逸で、2クール目の不満や設定のブレを補って余りあるほど素晴らしいものになっています。


1クール目をさらに細かく見ると、これも3つの物語から成り立っています。
最初は、XATメンバー・ヘルマンと彼が崇拝する天才バイクレーサー・ゲルトを軸にした栄光と破滅の物語。
次に、XATメンバー・アマンダの弟(マレク)のいじめ問題が取り上げられ、最後は、XATとそのメンバー全員の物語が描かれます。
どの物語も各登場人物の行動をシビアに描いていて、見ごたえ感はかなりのものです。
ゲルト編を締めくくる第6話や、XAT編最後の第12話は感動の嵐です(^^

そして2クール目。
ここからは、新たにツヴェルフという組織が登場し、この組織とデモニアックやブラスレイターとの決戦が描かれることになります。
上にも書いたとおり、2クール目は作品の雰囲気が大きく変わってしまい、また、脚本の粗も目立つようになったのであまり評価していないのですが、それでも第17話や第22話など、いいエピソードがいくつかあります。
ただ皮肉なことに、これらはすべてツヴェルフではなくXAT関連の話。
1クール目の布石があったからこそのエピソードといえるでしょう。


余談ですが、この作品では「眠り続ける主人公」という斬新なキャラクター描写を堪能できます(^^;
また、名言&迷言もいくつか生み出されました。
最後にそれを書いて終わることにします。
「ゲルトォォォォォ!!!」(ヘルマン、第6話)
「俺はお前の力を凌駕した」(ジョセフ、第24話)
「すまなかったな。許してくれ」(ウォルフ、第24話)


それではまた、次回をお楽しみに。

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2010年11月21日

ちょっと昔のいいアニメ―『ストラトス・フォー』シリーズ

最近はアニメが大量に放送されていて、それをチェックするだけでも大変。
でもここでちょっと一休みして過去の名作(?)を振り返ってみようかな、というこのコーナー。

第22回は『ストラトス・フォー』シリーズです。

『ストラトス・フォー』第2話より 『ストラトス・フォー』第11話より 『ストラトス・フォー』第13話より 『ストラトス・フォー』第13話より

このシリーズはまず『ストラトス・フォー』と題してTV放送されています。
神奈川では2003年1月から月曜日の深夜にtvkで全13話が放送されました。
その後OVAで『ストラトス・フォー Xシリーズ』、『ストラトス・フォー アドヴァンス』、『ストラトス・フォー アドヴァンス 完結編』と続くことになります。
1作目が面白かった作品の続編は期待倒れになってしまうことが多いですが、この作品の場合はシリーズが進むごとに面白さもクオリティーもアップしていきました。

当時のキャッチコピーは不明ですが、もしかするとこれ(↓)かもしれません。
「銀翼きらめかせ、少女達は宇宙を目指す!」

初回放送はリアルタイムで観ていなくて、最近廉価版DVD-BOXで視聴しました。

第1作の『ストラトス・フォー』は、謎の彗星群が太陽系に飛来し、地球にも甚大な被害を与えかねない危機を迎えた近未来が舞台です。
この彗星群を迎撃するために、コメットブラスターとメテオスイーパーという2つの部隊が設立されています。
軌道上のオービタルステーションに常駐するコメットブラスターが彗星を迎撃し、破壊しきれずに地上に落下する危険性のある大きな破片を地上のメテオスイーパーが処理するという2段構えの態勢です。

主人公は、メテオスイーパーのパイロット候補生として下地島基地に配属されている4人の少女たち。
本庄美風(ほんじょう みかぜ)は、家庭の事情で仕方なくメテオスイーパーになったという経緯があるため、無気力でまったくやる気がない少女。
でも、初めての迎撃任務で目にした高高度の空の色に魅了されてからは一転してやる気を出し、コメットブラスターを目指すことになります。
菊原香鈴(きくはら かりん)は、不思議な雰囲気を漂わせる無口な少女で、並外れた計算能力を持っています。
中村彩雲(なかむら あやも)は気丈でしっかりしたリーダー気質の女の子。
土井静羽(どい しずは)もしっかりしているけれど、ちょっとおっとり系の資格マニアです。

物語前半ではこの4人がコメットブラスターを目指してがんばる様子がメインで描かれますが、後半は彗星迎撃部隊が宇宙と地上の2つの部隊に分割される原因になった“ある事実”にからむ陰謀が前面に出てきて、物語の厚みが増します。
ここでは、かつてのTVドラマ『X-ファイル』に登場した、シガレットスモーキングマンやローンガンメンを思わせるキャラたちがいい役回りを演じています。
ラストは、なし崩し的にコメットブラスターの任務を果たすことになった主役4人組が地球を救いすがすがしく終了となりました。

航空機の描写に力が入っていて、飛行シーンは見ごたえ感十分。
また、空の色の表現もため息が出るほどきれいです。
地上から見る空の色、航空機内から見る低高度、高高度の空の色、宇宙空間の色がそれぞれしっかり描写されています。
厳しいことを言えば、人物描写もストーリーも描き切れていない部分が多いので、手放しで賞賛することはできませんが、画面描写やドラマ性は一見の価値があると思います。


TVシリーズ終了から1年ちょっとの期間を開けて発売されたのが、OVA第1作の『ストラトス・フォー Xシリーズ』です。

『ストラトス・フォー Xシリーズ』第1話より 『ストラトス・フォー Xシリーズ』第2話より 『ストラトス・フォー Xシリーズ』第2話より 『ストラトス・フォー Xシリーズ』第2話より

全2話で、それぞれ2004/5/28と2004/8/27に発売されました。
TVシリーズ最終話で離陸した“ストラトス・フォー”が帰還するシーンから始まるこのシリーズでは、彗星ではなく、第7オービタルステーションが地上に落下する危機を迎えることになります。
美風たち4人組の活躍でこの危機を乗り越え、ラストで彼女たちがコメットブラスターになるために下地島基地から巣立っていくまでが描かれました。
実質的にOVA第2作へのつなぎ的な位置づけですが、CGIの迫力が増し、ストーリー的にもオービタルステーションの撃破という1点にしぼられているので、エンターテインメントとしては見ごたえ感がアップしています。
なので、TVシリーズから持ち越された“陰謀”についてはOVA第2作へ引き継がれました(^^;


そしてラストは、シリーズ最終作『アドヴァンス』。

『ストラトス・フォー アドヴァンス』第5話より 『ストラトス・フォー アドヴァンス』第5話より 『ストラトス・フォー アドヴァンス』第7話より 『ストラトス・フォー アドヴァンス』第8話より

まずは『ストラトス・フォー アドヴァンス』が、全6話で発売されました。
発売日は①2005/3/25、②2005/5/27、③2005/7/22、④2005/9/23、⑤2005/11/25、⑥2006/1/27となっています。
全6話とはいってもストーリーが完結したわけではなく、その後少し期間を開けて『ストラトス・フォー アドヴァンス 完結編』が全2話、2006/9/22と2006/10/27に発売されています。
第6話が本当にいいところで終わっているので、当時リアルタイムで購入していたとしたら、完結編までの待ち期間に耐えられなかったかもしれません(^^;
このシリーズでは、“陰謀”を企てる組織が本格的に介入してくることになります。
最終的にすべてが完全に解決されるわけではありませんが、ひとまず綺麗に区切りをつけて清々しい終わり方をしました。
ストーリーのみならず、CGIや色使いもさらに洗練されて、見ごたえ感はシリーズ中最高でした。

まだまだ語りきれていないことはあるので、もし続編があれば・・・と期待してしまう作品です。


それではまた、次回をお楽しみに。

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2010年07月31日

ちょっと昔のいいアニメ―『SoltyRei(ソルティレイ)』

最近はアニメが大量に放送されていて、それをチェックするだけでも大変。
でもここでちょっと一休みして過去の名作(?)を振り返ってみようかな、というこのコーナー。

第21回は、「パ…パ………………た…だ…い…ま」で号泣してしまう『SoltyRei(ソルティレイ)』です。

『SoltyRei(ソルティレイ)』第2話より 『SoltyRei(ソルティレイ)』第2話より 『SoltyRei(ソルティレイ)』第6話より 『SoltyRei(ソルティレイ)』第24話より

神奈川では2005年10月から木曜日の深夜にテレビ朝日で全24話が放送されました。
その後発売されたDVDのVol.13で特別編が追加され、総話数は25話となっています。

当時のキャッチコピーは
AI(アイ)は、プログラムされるのか…
GONZO×AICが贈る究極の美少女・SFミッドセンチュリーアクション!
でした。

初回放送はリアルタイムで観ましたが、最近ShowTimeで改めて全話を視聴。
ちなみに一言感想と各話の評価グラフはこちらにあります。

舞台は、アメリカのダウンタウンを思わせるような雰囲気の街。
この街の上空はオーロラシェルという特殊な膜で覆われています。
この膜に“刺激”が与えられると落雷が発生し、最悪の場合は街1つを壊滅させてしまうほどの大災害をもたらします。
この最悪の落雷(ブラストフォール)が12年前に発生して、多くの人の命を奪い、生き残った人の運命も変えてしまいました。
そんな悲しい過去を持つ人物の一人が、この物語の準主役であるロイ・レヴァント。
彼はブラストフォールで一人娘のリタと生き別れになってしまいました。
そんな彼がある日、記憶を失った一人の少女と出会います。
この少女がなぜかロイと同居することになって……。

ということで、ロイは彼女と暮らすことで徐々にかつての優しさを取り戻していくことになります。
少女のほうも、最初のうちは口数が少なくて何を考えているのかわからない状態でしたが、ソルティと命名されてロイと暮らすうちに徐々に感情表現が豊かになっていきます。
やがて、この街とソルティに関する真実が明らかになり、クライマックスを迎えることに。
ラストはかなり印象に残る感動的なシーンとなっています。

ソルティとロイの脇を固めるのは、ロイが所属するハンターズオフィスの所長・ミランダとその娘のカーシャ、未登録市民として差別を受けているローズとその兄弟、この街の政治・警察機構を統括するR.U.Cという一企業の特殊部隊(プロシード)に所属する4人の少女たち、機械オタクのユート、といった具合にクセのある魅力的なキャラが揃っています。

一言で言ってしまえば、上質のB級作品。
ストーリーはかなり大雑把な印象を受けますが、シリーズを通した流れはしっかり筋が通っています。
また、ロイという中年男性に重要な役回りが与えられていて、ちまたに溢れる萌えアニメとは一線を画す渋い雰囲気も楽しめます。
さまざまな謎もしっかり解決されるし、最後の締めも素晴らしいので、B級好きな人はけっこう楽しめる作品かもしれません。

それではまた、次回をお楽しみに。

SoltyRei DVD-BOX 完全予約限定生産
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2010年06月14日

ちょっと昔の“わっほー”なアニメ―『ちっちゃな雪使いシュガー』

最近はアニメが大量に放送されていて、それをチェックするだけでも大変。
でもここでちょっと一休みして過去の名作(?)を振り返ってみようかな、というこのコーナー。

第20回は『ちっちゃな雪使いシュガー』です。

『ちっちゃな雪使いシュガー』第1話より 『ちっちゃな雪使いシュガー』第16話より 『ちっちゃな雪使いシュガー』第16話より 『ちっちゃな雪使いシュガー』第24話より

この作品は放送形態が変わっていて、神奈川では2001年10月から火曜日の深夜にTBSで全24話が先行放送されました。
それとかぶるかたちで、本放送が2001年12月から土曜日の朝にBS-i(現 BS-TBS)で放送されています。
さらに、本放送終了から1年以上の間隔をあけて、BS-iで特別編が2本放送されたので、総話数は全26話となっています。

当時のキャッチコピーは
あなたにも見えますか?
季節を操る小さな妖精たちの姿が…
でした。

初回放送はリアルタイムでは観ていなくて、ShowTimeで全話視聴。
ちなみに一言感想と各話の評価グラフはこちらにあります。

舞台はミューレンブルクという架空の町で、人間の女の子・サガと、季節使い(妖精)のシュガーが主人公。
サガはとてもしっかりした女の子で、周りからも頼りにされていますが、自分が立てた計画通りに物事を進めることに意識が集中し過ぎていて、心に余裕がありません。
一方のシュガーは、天真爛漫・自由奔放という言葉が服を着て歩いているような落ち着きのないわがままな季節使い。
シュガーは「きらめき」を見つけて一人前の雪使いになるために人間界にやってきました。

季節使いを見ることができるサガが、雪使い見習いのシュガーと出会い、互いに影響されながら少しずつ成長していく、というのがこの作品の基本ストーリーです。
本放送が土曜日の朝だったということからもわかるように、メインターゲットは小さい子供(地上波での先行放送はなぜか深夜でしたが)。
背景がパステル調でとても柔らかい印象があるのに加えて、静かでやさしいBGMも心地いいです。

シリーズ前半は良くできているけれど“きれい過ぎる”ので、深夜アニメに毒された人には(もちろんそれにはこれを書いている自分も含まれます(^^;)心のどこかで常に「やっぱり子供向けなんだな」という思いを抱えることになると思います。
でも、シリーズ後半に入り、サガとシュガーが精神的にかなり成長して絆が深まったことがはっきり描写されだす第16話あたりから印象が変わってきます。
さらに、第19話ラストである重大な出来事が起こってサガが周りを見えなくなってしまうあたりからはちょっと重めのエピソードが続き、見ごたえ感は大きくアップしました。
そして第22話でサガがついに間違いに気づき、シュガーとの絆がさらに深まったところで重い雰囲気が一段落し、第23話では軽快なコメディ&奇跡エピソードが展開されます。
続く最終話でとてもきれいにまとめて本編が終了となりました。
もし最終話を視聴する機会があれば、ラストの曲が流れ出すまで気を抜かずに視聴することをお勧めします。
第1話からすべて視聴していればという条件付きですが、最後の最後で驚きと笑いと感動が一気に沸き起こります。

この後の特別編は、本編終了から4年後(*1)のサガが、シュガーと一緒だった頃のあるエピソードを思い出すという構成になっています。
(*1 設定上は5年後らしいですが、本編内でサガのおばあちゃんが「あれから4年」と言っています。)

最終的な印象としては、主人公のサガとシュガーを軸にした話が毎回しっかり描かれていて、想像以上に脚本の出来が良かったように思います。
ただし、サブキャラの掘り下げが圧倒的に不足しているので、細かい点で違和感はありました。
少なくとも、サガの親友のノーマとアンヌ、それにグレタやフィルについてはバックグラウンドをもっと詳しく描いてもよかったかもしれません。
でもこれは脚本が下手なのではなくて、あえて書かなかったように思えます。
その分、サガとシュガーがつむぎだすストーリーをしっかり作りこんでいるので、違和感や不満よりも満足感のほうが大きくなっています。
子供向けと侮っていたら意外に楽しめてしまった、なかなかの良作でした。


それではまた、次回をお楽しみに。

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2010年06月12日

ちょっと昔のいいアニメ―『コードギアス 反逆のルルーシュ』

最近はアニメが大量に放送されていて、それをチェックするだけでも大変。
でもここでちょっと一休みして過去の名作(?)を振り返ってみようかな、というこのコーナー。

第19回は『コードギアス 反逆のルルーシュ』です。

『コードギアス 反逆のルルーシュ』第1話より 『コードギアス 反逆のルルーシュ』第11話より
『コードギアス 反逆のルルーシュ』第14話より 『コードギアス 反逆のルルーシュ』第18話より

神奈川では2006年10月から金曜日の深夜にTBSで全23話が放送されました。
途中には総集編が2本入っています(第8.5話と第17.5話)。
その後4ヶ月ほど期間をあけて、2007年7月に第24話と第25話が放送され、1期が完結しました。
とはいえ、ほぼすべての謎は2期へ持ち越しで、いわゆる投げっぱなしの状態です(^^;

当時のキャッチコピーは
「キミを守るために、世界を壊す」
でした。

舞台は、神聖ブリタニア帝国が覇権国となっている架空世界の日本。
この世界の日本はブリタニアに占領され、エリア11と呼ばれています。

主人公は2人いて、その1人がルルーシュという少年。
ルルーシュはブリタニアの皇位継承権を持っていましたが、日本占領前に外交の道具にされて妹のナナリーとともに日本に送られ、その後の戦争に巻き込まれて死んだことになっています。
そのため今は身分を隠して暮らしています。
ルルーシュの望みは、母を殺して自分とナナリーを不幸に陥れたブリタニアをぶっ壊し、ナナリーと幸せに暮らせる世界を手に入れること。
でも、ただの少年がそんな夢を叶えられるはずもなく、毎日を無益に過ごしていました。
そんなある日、ひょんなことから謎の少女・C.C.と出会い、ギアスという絶対遵守の力を手に入れます。
知性と大胆さと決意を兼ね備えた少年・ルルーシュが、このギアスを使ってありえないストーリーをけれんみたっぷりに展開してくれます。

そしてもう1人の主人公はスザクという少年。
彼もまた複雑な過去を抱えています。
そんな彼の望みは、日本がブリタニアに占領されたという事実を受け入れ、このシステムの中で日本という国の主権を取り戻すこと。
世界の破壊を望むルルーシュとは正反対のことを望んでいます。

2人はかつての親友で、第1話で再会を果たしますが、スザクのまっすぐな想いとルルーシュの歪んだ想いがぶつかったとき、悲劇が生まれることに。


物語的には、これぞエンターテインメントといわんばかりの、とにかくケレンみ満載の展開が連続します。
2期の『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』は世界観を広げすぎたために破綻してしまいましたが、この1期はある意味小さく纏まっているので無条件に楽しめます。
とにかく第2話まで観て、さらに第4話まで視聴して、このハッタリ感が気に入ったなら、そのまま全23話を観続けてもぜったいに後悔はしないと思います。
23話終了後に期間をあけて放送された第24話と第25話は破綻の兆しが見え出しているので、続きが見たいという気持ちを抑えてあえて23話でやめておくのもいいかもしれません(^^;


それではまた、次回をお楽しみに。

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