今回は、大将戦前半戦の東三局から南四局の終わりまで。
咲、加治木ゆみ、池田華菜の3人が、衣の圧倒的な力を前にして勝つ気力さえ失いかけてしまう・・・という話。
絶妙のタイミングで「あきらめたら終わり 気持ちをリセットして♪」とエンディングに入ったのも印象的でした。
本編を観る前に、おさえておいたほうがいいことがいくつかあります。
これを知っておけば面白さが倍増するはず。
1つは、席順。
衣、咲、ゆみ、華菜の順番で反時計回りに並んでいます。
ツモの順番もこのとおりです。
2つめは、最後の牌=海底牌(はいていはい)を誰がツモるのかということ。
麻雀牌は全部で136枚あって、そのうちの14枚はかならず残す決まりになっています。
手牌は1人13枚なので、残りの70枚を4人が順番にツモってあがりを目指すことになります。
1回の対局の初めから終わりまで誰も鳴かなければ(ポンもチーもしなければ)、親の右隣の人が海底牌を引くことになります。
誰かがチーした場合は、誰がチーしたかに関わらず、チーの回数に応じて、海底牌を引く人が反時計回りに1人ずつズレていきます(チーは左側の人からしかできないため)。
ポンの場合は、誰からポンするかによってどちらに何人ズレるのかが変わってきます。
右側の人からポンした場合は、時計回りに1人ズレます。
左側の人からポンした場合は、チーのときと同じで反時計回りに1人ズレます。
向かい側の人からポンした場合は、反時計回りに2人ズレます。
また、誰かがカンした場合は、残さなければならない14枚の牌のうちの1枚が嶺上牌として持っていかれるので、海底牌が繰り上がって、本来の海底牌の1つ前の牌が新しい海底牌になります。結果的に、(新しい)海底牌を引く人もズレることに。
右側の人からカンした場合は、時計回りに2人ズレます。
左側の人からカンした場合は、ズレません。
向かい側の人からカンした場合は、反時計回りに1人ズレます。
自分の引いた牌でカンした場合は、時計回りに1人ズレます。
あと、本編中で説明があったとおり、衣は夜になると、しかも満月の夜になると最大の力を発揮するということも重要。
咲たちにとっては運の悪いことに、そろそろ日が暮れかけています。
しかも、今夜は満月。
さて、本編です。
東三局の親はゆみです。
この回はゆみ一人が聴牌(てんぱい)で流局。
次の東三局一本場から、場の空気がおかしいことがはっきりしてきます(ちなみに、TVでは「東一局三本場」と表示されましたが、これは間違いですね)。
衣を除く3人の手が一向聴(いーしゃんてん)からまったく進まなくなってしまいました。
ここまで誰も鳴いていないので、海底牌をツモるのは華菜です。
ところがゆみが、咲が捨てた
をチーしてしまいます。
ゆみはこれで聴牌(てんぱい)しましたが、海底牌をツモるのは衣に変わりました。
昨年度の県予選で衣と対戦した華菜は、衣に海底牌を引かせてはならないことを感じ取っているので、「なんてことするんだ!」と慌ててしまいます。
そして、ラスト一巡で衣がツモ切りでリーチをかけます。
まずい展開になったことがわかっている華菜は結局何もできず、そのまま衣が海底牌をツモってあがってしまいました。
これで、海底撈月(はいていらおゆえ)という役が付くようです。
その意味は「海に映る月をすくい取る」。
他の3人は全員、海に飲み込まれていくような感覚を憶えていました。
東四局十六巡目。
親は華菜。
ここまで誰も鳴いていないので(そして華菜は鳴きたくても鳴けないので)、このままいけば衣が海底牌をツモることに。
それだけは避けたい華菜は、咲が捨てた
でカンします。
嶺上牌は
でした。
これで海底牌も嶺上牌も変わりました。
海底牌をツモるのは咲になり、衣対策は万全。
この後もしも咲がカンしたとしても、嶺上牌も変えられたので咲対策もできたことに。
華菜はさすがにこの嶺上牌で咲があがれるとは思っていませんでしたが、さにあらず、この時点での咲の手牌は
なので、咲はこの
で嶺上開花(りんしゃんかいほう)できるように手を進めていたようです。
まあ、今回は衣の力が影響したためなのか、なぜか手が進まなくて、まだカンできる状態になっていませんが。
この後、咲が
をツモ切りし、衣がこれをポンします。
これで海底牌をツモるのは衣になりました。
ここでゆみは、衣が海底牌をツモるのを華菜が恐れていることに気付きます。
そこで、華菜が鳴けるように
を捨ててサポートしようとしますが、残念ながら華菜はこの牌では鳴けませんでした。
そして大きな動きがないまま、結局、衣が最後の牌を引くことに。
の状態で、引いた牌は
でした。
再び海底撈月です。
ショックを受けた華菜が、1つズレる前の海底牌を確認してみると、それは
でした。
カンをせずにポンしていれば、衣はあがれなかったはず。
しかも、カンでドラ(
)を増やしてしまったことも痛い。
衣の手牌にカンドラが3枚もありました。
南一局。
親は衣。
「誰も鳴かなきゃ親に海底は回らない」と言ったそばから、華菜はゆみが捨てた
をチー(^^;
衣の恐ろしさは十分理解しているものの、大きく負けているのでどうしても勝ちたいという思いから染め手を狙って鳴いてしまったようです。
華菜 「ヤツに海底を回さないように鳴けばいいんだし」
これで、この後誰も鳴かなければ、海底牌をツモるのはゆみです。
その後、華菜は連続で萬子をツモります。
そして
となったところでまた萬子(
)をツモった華菜は、迷わず
を切ります。
次の衣は、こうなるのを待っていたかのように
を切りました。
華菜はこれをポンします。
不敵な笑みを浮かべる衣。
そしてこれで、海底牌をツモるのは咲になりました。
華菜はポンしたので1枚捨てる必要があります。
捨てた牌はなぜか
。
捨てた本人も驚いています。
控え室で見ていた仲間たちも、いつもの華菜なら有効牌が増える
を捨てているはずだと驚きます。
ただの凡ミスなのか、それとも衣の力が影響して間違った牌を捨ててしまったのか・・・。
一方、衣は十巡目から
で、平和(ぴんふ)の聴牌状態でした。
ところがここで、咲の捨てた
をポンして、わざわざ役をなくし、自らあがれない状態にしてしまいます。
ただし、海底撈月なら役が付くのであがれます。
そして、このポンにより、海底牌をツモる人が咲から衣に変わりました。
完全に狙っています。
次の咲は、衣に海底牌を引かせないように、カンして海底牌を1つずらします。
海底牌を引くのは華菜になりました。
ところが、衣は次の順番で華菜が捨てた
をチー。
これでまた、衣が海底牌をツモることに。
ラスト一巡。
なにがなんでも衣に海底牌をツモらせたくないゆみは、咲が聴牌していることに気付き、あえて咲に差し込みました。
これに衣は驚き、そして怒ります。
「衣の親が流された。衣は、子供より親のほうが好きなのに。あれであがってたのに」
「あれ」というのは海底牌のこと。
衣には海底牌がはっきり見えていました。
「この有象無象。なまちょこざい!」
南二局。
親は咲。
ゆみが現状に対処するため、普段とは違う打ち方をしてリーチをかけました。
ゆみ 「できるじゃないか。ヤツの支配は完全じゃない!」
リーチをかけた本人が驚いています(^^;
そして咲と華菜もこれに驚きます。
咲 「すごい。普通に聴牌できることもあるんだ」
続く華菜も勝負に出ますが、運悪くゆみに12,000点を振り込んでしまいました。
南三局。
親はゆみ。
ここで衣が完全に覚醒したようです。
会場の外では満月が輝いているのでしょう。
衣の圧倒的な気配は咲に吐き気を催させるほどです。
さらに、普通の打ち手であるはずのゆみでさえ、その異様さに取り乱してしまいます。
南二局であがれたのは衣の支配が完全ではないためだと思ったゆみですが、その考えが間違いだったのかもしれないと思い直します。
「津波の前に潮が引くことがあるように、あの局は、天江が引いていただけだというのか?」
その考えどおり、衣の力が発揮されるのはこれからのようです。
衣は、いきなりポンを連発してきます。
これまでとは打ち方が変わりました。
とりあえず、このまま進めば衣が海底牌をツモることはありませんが、今度は華菜が捨てた牌でロンです。
華菜は2連続で12,000点を振り込んでしまいました。
南四局。
親は華菜。
衣は、今度はあっさりとツモあがりです。
華菜は自分の親で巻き返したいと思っていましたが、それもかなわず、これで前半戦が終了。
この時点での各校の得点は、龍門渕(143,300点)、清澄(116,200点)、鶴賀学園(101,900点)、風越女子(38,600点)です。
咲、ゆみ、華菜は衣のなすがままといった感じです。
特に華菜は1人負け状態。
かなり落ち込んでいるようですが、後半戦開始までに気持ちをリセットできるのでしょうか。
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