TV放送は今回で終了し、残りの第13話~第15話までは公式サイトでネット配信されるようです。
そんな(ある意味中途半端な)回であるにもかかわらず、会話劇としてはこれまで以上に完成度が高かったのではないでしょうか。
ひたぎの父親も登場し、暦の心境を変化させるかなり重要な役回りを演じましたが、実質的には、登場人物を暦とひたぎの2人に絞って、この2人の関係性の変化を2人のセリフ回しでとてもうまく表現していたように思います。
始まりはひたぎの言葉から。
「デートをします」
・・・・・・。
「デートをしていただけませんか」
「デートをしたらどうなんです」
悩んだ末にひたぎが選んだ言葉は
「デートをしなさい」
ひたぎは、今の自分に一番しっくりくる言葉で暦を初デートに誘います。
暦は大喜びでしたが・・・誘われるままにひたぎの家に行ってみると、父親同伴のドライブが始まってしまいました(^^;
ここから延々と、ひたぎと暦の舌戦が繰り広げられることに。
いつものようにひたぎの毒舌が冴え渡ります。
やがて目的地に到着。
ひたぎと暦は2人だけで林の中に入り、少し開けた場所で寝転んで星空を眺めます。
暦は、ひたぎの星空解説を聞きながら、夜空にひときわ明るく輝く星(おとめ座のスピカ)に自分にとって一番まぶしい存在(ひたぎ)の姿を重ねます。
星空解説が終わったところで、ひたぎは、暦にあげられるものはこれですべてだと言います(ただし、毒舌や暴言は除く)。
勉強を教えること。
かわいい後輩とぶっきらぼうな父親。
満天の星空。
自分自身の肉体もあるけれど、過去の苦い記憶があるので今はあげられない。
暦を嫌いになってしまうかもしれないから。
ひたぎは最後に、ドライブ中にしたのと同じ質問をします。
「私のどういうところが好き?」
ドライブ中ははっきり答えられなかった暦ですが、今度ははっきり答えました。
「全部好きだ。好きじゃないところは無い」
短い時間でしたが、ひたぎ父の話やひたぎ自身の話を聞いて、ひたぎとの接し方が変わり始めているようです。
暦はひたぎに対して同じ質問を返します。
「お前は?僕のどういうところが好きなんだ?」
ひたぎの答えはドライブ中と同じ。
「やさしいところ。かわいいところ。私が困っているときにはいつだって助けに駆けつけてくれる、王子様みたいなところ」
常にブレないで正直な気持ちを暦に伝えています。
ひたぎはさらに、いま自分がしたいこと(暦にしてほしいこと)を口にします。
まずは前振りから。
「そういえばあの下衆は、私の体だけが目当てだったから、私の唇を奪おうとはまったくしなかったわね」
「ふ~ん」
ここまでの会話でひたぎの真意は明らかなのに、暦はまったく気付いていません(^^;
「阿良々木くん。だから――キスをします」
・・・・・・。
「キスをしていただけませんか」
「キスをしたらどうなんです」
悩んだ末にひたぎが選んだ言葉は
「キスをしましょう」
これが今のひたぎ自身が一番しっくりくる言葉。
デートの前は命令口調だったのに、今は暦と対等な位置関係になっています。
暦 「こうして今日は記念すべき日になった・・・僕たちにとって」
最後を〆る暦のセリフも、「僕」ではなく「僕たち」。
なんだか綺麗過ぎるくらいの終わり方でした。
相変わらず過剰な演出は好きになれませんが、それを補って余りあるほどに素晴らしいセリフ回し。
いい最終回でした(^^
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ラベル:化物語