サブタイトルもそれにふさわしく「La Dernière Leçon」(The Last Lesson)です。
のだめはシュトレーゼマンとの共演以来、プロとして活動する気を完全に失っています。
アパルトマンにマルレオケの団員の子供や近所の子供を集めてベビーシットの毎日。
昔からの夢だった幼稚園の先生状態です。
そんなのだめの様子を写したムービーを黒木くんから受け取った千秋は、のだめを音楽の世界に引き戻すため、のだめのもとに向かっています。
でも、タクシーの中でムービーを見返した千秋の心は揺れます。
のだめのあまりに活き活きした様子を見て、考えが変わり始めているようです。
アパルトマンに辿り着いた千秋が耳にしたのは、のだめが子供たちを前に演奏するモーツァルトの「きらきら星変奏曲」。
これで千秋の考えは完全に変わりました。
「やっぱりこれでいいんだ。
いつまでも無理して辛い道を行かせなくても。
あいつのピアノだって、一緒にいればいつだって俺はこうして聴ける」
のだめは気分が乗ってきて、以前のようなオリジナリティー溢れる演奏を始めます。
それを聴いた子供たちに曲が少しおかしいと指摘されたのだめ。
子供たちにバカにされて本気を出します。
今度はベートーヴェンの「ピアノソナタ第31番」です。
第6話で千秋と一緒に練習した曲。
ちょうどそのとき、千秋がのだめの部屋の前にやってきました。
のだめの演奏を聴いた千秋の動きが止まります。
その素晴らしさに、自然と涙が溢れてくる千秋。
「それでも、俺はやっぱり・・・何度でもあいつをあの舞台に連れて行きたいと思うんだ。このピアノを聴くたびに・・・」
やはりこのままのだめを普通の生活に戻してしまうことはできないと、千秋の心が再度変わります。
部屋に飛び込んだ千秋は、自分と一緒にコンチェルトをやろうとのだめに「告白」
ところがのだめは即答できっぱりと「嫌です!」
のだめは、シュトレーゼマンとの共演での演奏以上のものができるはずがないと思い込んでいます。
「一番大事な先輩とのコンチェルトがもしだめだったらと思うと、先輩のことも好きじゃいられなくなりそうで」
千秋の価値は、自分が満足できる演奏をさせてくれることだけということでしょうか(^^;
「もういい。わかった」
これまでの千秋なら、ここで1人で部屋を出て行ったはず。
でも今回は違います。
「来い!」と言ってのだめの腕をつかみ、どこかに連れ出します。
着いた先はニナの家。
ピアノが2台置かれている部屋まで引っ張っていき、モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ」を一緒に弾こうと言います。
この曲は、1期の第1話で初めて2人で弾いた曲です。
のだめは「あのときののだめと今ののだめは違いますよ。しかも先輩の錆びついたピアノじゃあ」と、あくまで拒否する姿勢。
結局、千秋に押されて演奏することになりますが、初めのうちは一人で突っ走るような演奏をし、千秋は必死にそれに合わせようとします。
のだめはそんな千秋の演奏に気付きます。
そして、突っ走るのをやめ、千秋との「共演」を意識した弾き方に変えたようです。
これまでののだめなら絶対にありえないことです。
でもまだまだこういう弾き方に慣れていないので、終楽章で大きく崩れてしまいました。
千秋は相変わらずなのだめに不満たらたらですが、のだめはそんな小言はお構いなし。
「先輩の背中、飛びつきたくてドキドキ。
これってフォーリンラブですか?」
と、またまた1期をなぞるようなセリフ回し。
1期の第1話でこのセリフに対する千秋の反応は「断じて違う!」でした。
ところが今回は、飛びついてくるのだめを正面から受け止めて抱きしめます。
この演奏がきっかけで、のだめの考えが大きく変わりました。
千秋との共演だけが夢だったこれまでとは違い、「音楽」そのものと真剣に向き合うつもりになったようです。
その後、のだめは無事にオクレール先生のクラスに復帰できました。
オクレール先生は復帰を認める前にちょっと意地悪な対応をしていましたが、のだめの反応を見て、のだめのやる気を確認できたようです。
さらにその後。
今度はリュカと歓談するのだめ。
音楽を続けることや音楽の楽しみについて話していたようです。
のだめは、リュカの質問にこう答えます。
「それは、千秋先輩とだけじゃなくて、世界中、そんなのがいっぱいあるはずだってわかったから。
海の向こう岸があると思うと、やっぱり人は漕ぎ出しちゃうんですよ」
リュカにはまだこの答えの意味がよくわからないようです。
家庭教師が来る時間になったのでリュカは帰ってしまいますが、帰り際にのだめが1つ質問します。
普通の学校に通って、音楽以外のことをやろうとは思わなかったのかと。
リュカの答えは、自分が音楽を大好きだから音楽を続けているという、とても単純で純粋なものでした。
のだめは、そんな単純な動機でもまったくかまわないんだと再確認できたのかもしれません。
リュカを見送って静かに微笑みます。
最後の締めは、サン・マロのブノワ家でのリサイタル。
「楽しんで弾くので、頑張って聴いてください」
変わらなければならないところはしっかり変わって、変わらなくてもいいところは以前のまま。
そんなのだめの姿を最後に『のだめカンタービレ』は幕を閉じました。
今期の出だしはかなり駆け足気味でどうなることかと思いましたが、話が進むにつれてのだめの成長に焦点が当たるようになり、しっかりとしたストーリーを展開してくれました。
終わりよければすべて良し、ということで、当初の期待を裏切らないなかなかの出来だったように思います。
![のだめカンタ-ビレ フィナーレ 【初回限定生産版】 4巻 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41eysMJJofL._SL160_.jpg)
のだめカンタ-ビレ フィナーレ 【初回限定生産版】 4巻 [DVD]
脚本・キャストなど >>