このところ重い話が続いていましたが、最悪の結末は回避してくれました。
なかなか清々しい終わり方で、この作品らしい気持ちのいいエンディングだったと思います。
それにしても、すべてを見通しているシェリーが最後まで謎でした。
天蓋の水車がある塔のことまですべて知っています。
もし2期があるとしたらラスボスになってしまってもおかしくない怪しさです。
それはともかく、本編です。
前回の「行こう、みんな。天蓋の水車へ!」からの続きです。
廃坑にたどり着いた一行は、ここで二手に分かれます。
レスターたちOasisメンバーは、廃坑にあったサテライトから天蓋の水車へ。
アバディーンとアヴリルはその場に残って晶石モンスターの大群を相手にします。
晶石モンスターたちの外見はコミカルですが、これはかなり厳しい状況。
エールの暴走によって晶石モンスターが次から次へと生まれてきます。
アバディーンは、ここで果ててしまうことを覚悟の上で、アヴリルに頼みます。
戦いが終わったらこれまでのことを一緒にミリアムに謝ってほしいと。
それに対してアヴリルは
「いいえ、私はどこまでもミリアム様の味方ですから。一緒にアバディーン様を責めるかもしれません」
「――そうか」
「はい。そしてそのあとは魚パーティーです」
「わかった。活きのいいサンマを用意しよう」
ラストバトルを前にしてのこういうやり取りはけっこうグッと来るものがあります。
というか、これはもう「アヴリル=もとは猫だった」が確定ですね。
一方、エルタリアにも晶石モンスターの群れが襲い掛かっていました。
立ち向かうのは神殿騎士団です。
サルサ&リトスとゴーレムも協力します。
さらにファビウスとナーガンも加勢。
このあと明らかになりますが、アルトワーズの話によれば、ファビウスとナーガンとシェリーとアルトワーズ、それにチェルシーはかつてクランを作って冒険していたようです。
でもそれは1年前や2年前というわけではなく、10数年単位の昔のことだと思うので、チェルシーだけ年齢的に不釣合いです。
剣を振りかざす小さな女の子というビジュアルはまさに「萌え」で、アニメ的には悪くないですが(^^;
第2話でガーネットに「剣たる少女よ」と呼びかけられていたり、第6話でエルタリアに再び訪れようとしている災いの原因を突き止めて事態を鎮静化するのが自分の使命で、自分はそのために生まれてきたと女神に向かって言っていることには深い意味があったようです。
おそらくチェルシーは普通の人間ではないのでしょう。
ガーネットの言葉どおり剣の化身のような存在なのではないでしょうか。
そんな謎の少女チェルシーは、レスターたちと一緒に天蓋の水車がある場所へ到着していました。
ここでついにアルトワーズと対面です。
そして驚きの真実が明かされます。
なんとアルトワーズはアニエスの母親でした。
アニエスが必死にアルトワーズを探していたのはそのためだったようです。
まぁこれはどうでもいい真実ですが(^^;
重要なのはもう一つの真実です。
アルトワーズはリスクの大きい天蓋の水車の修復をあきらめ、自らの体を媒介にしてエールの流れに直接介入し、晶石モンスターの大量発生という形でエールを保存していました。
天蓋の水車は古代のアーティファクトで、現在では失われてしまった技術を使って作られています。
修復に失敗すれば二度と元に戻せなくなって、この世界からエールが永遠に失われてしまいます。
かといって暴走を放置していればエールは溢れ尽くし、枯渇してしまいます。
そうなれば、エールを必要とするすべてのものが機能を停止してしまうので、アルトワーズはたとえ自分の身を犠牲にしてでも、こうするのがベストだと考えました。
これにミネットが反論します。
こんなのはベストじゃないと。
「誰かが犠牲にならないといけない方法なんて、ぜんぜんベストだなんて思いません!」
残りの全員もこの言葉に賛同し、天蓋の水車を修復する道を選びます。
アルトワーズは彼らの強い想いを感じ取り、世界の行く末を彼らに賭けてみることにしました。
天蓋の水車への干渉をやめます。
これで晶石モンスターの新たな発生は収まりましたが、その代り、暴走したエールがレスターたちに襲い掛かることに。
レスターとミネットが天蓋の水車を修復する間、残りのメンバーが暴走するエールと激しい戦いを繰り広げます。
アニエスはタンゴの電撃ダンシングで竜と化したエールにダメージを与えます。
カリーナはモンテッキアを使って拘束結界を発動。
竜が動けなくなったところでチェルシーが竜を一刀両断します。
ところが、竜はすぐに復活してしまいます。
アニエスたちは一方的に体力を消耗していきます。
チェルシーの剣も折れてしまいました。
絶体絶命。
そこに助っ人参上。
間一髪のところでアヴリルが駆けつけてくれました。
アバディーンも一緒です。
途中で晶石モンスターの足止めをしてくれていたニックとガーネットも到着。
晶石モンスターの新たな発生が収まったので、相手にしていた晶石モンスターをすべて退治してここまで来ることができたようです。
これに勇気づけられたアニエスたちも気を取り直し、全員一丸となってエールの暴走に立ち向かいます。
そのとき、チェルシーの前に、大聖堂に収められていた神剣シーラスティンが転移してきました。
「剣たる少女」チェルシーの思いに反応したのでしょうか。
神剣を手にしたチェルシーはまさに無敵。
暴走するエールを一太刀で拡散させてしまいます。
レスターはこの一瞬の隙をついて天蓋の水車にミネットのアニマペルラの力を注入。
天蓋の水車の修復に成功しました。
エールの流れが正常化し、エルタリアでは祝福のカンパネラ(鐘)が鳴り響きます。
ミネットがエールを使い果たして再び眠りにつく涙の展開になるのかと思っていましたが、そうはならずに清々しいエンディングとなりました。
ウシロシンジ監督の前作『おまもりひまり』と同様に尺不足で最後の余韻を楽しめなかったのは残念ですが、ラストに向けての期待感の盛り上がりはなかなかのものでした。
最後に蛇足。
最終回のエンドクレジットはちょっと不思議でした。
これまでゴーレムとナーガンが登場する回は「ゴーレム/ナーガン」と併記されていたのに、今回は「ゴーレム」だけ。
しかも、ついに姿を現したアルトワーズも表記なし。
声を当てているのは平田宏美さんですが、クレジット表記はなぜか「モンテッキア」だけでした。
兼役の場合はメインとなる役どころで表記されることが多いので、この作品における重要度は
ゴーレム > ナーガン
モンテッキア > アルトワーズ
フィオーレ > タンゴ
ということでしょうか(^^;
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ラベル:祝福のカンパネラ