今回は、Queen Berry号で起こった事件の解決編。
船上での死闘が描かれた後、ヴィクトリカが無線室からモールス信号で「SOS」を発信して救助を要請。
最後に、ヴィクトリカの推理と、今回の件を計画して実行した犯人の証言という形ですべてが明らかになりました。
でも一番の見どころは、事件の真相よりも、ヴィクトリカの描かれ方でしょうか。
どうやらこのアニメは、ヴィクトリカを愛でる作品のようです(^^;
ということで本編。
前回ラストの銃声は、想像どおりモーリス以外の人物によるものでした。
でもここで予想に反してジュリィとネッドの行動にすれ違いがあるような描写が。
予想では、この2人は共謀していて、リィも船内に隠れて陰から支援していると思っていたのですが、そうではなかったようです。
3人はそれぞれ個別に行動していました。
「箱庭の夕べ」に招待されていたロクサーヌが事前に殺されてしまった理由も、リィが単独で動いていたのなら納得できます。
最終的に、自分の身を犠牲にしてでもヴィクトリカを救おうとした一弥の活躍もあり、ヴィクトリカ、一弥、ジュリィの3人だけが生還することになりました。
ジュリィは目的を達成したものの、港に戻ったところでグレヴィールを筆頭にする警官隊に囲まれ、逮捕されてしまいました。
そして、ジュリィの取り調べに立ち会ったヴィクトリカとジュリィ自身の言葉で真実が明らかになります。
10年前。
ジュリィやリィをはじめとする、国籍の異なる11人の孤児たちがQueen Berry号に乗せられました。
彼・彼女たちは状況を把握できずに混乱します。
そうこうするうちに最初の犠牲者が出ることに。
前回の回想シーンではこの犠牲者だけ血を流していなかったので不思議に思っていたのですが、彼は殺されたことを装うことで、残りの10人を心理的に追い詰める役割を果たしたようです。
これが10年前のネッドでした。
残された10人は、自分たちの中の誰かが殺人鬼で、次に殺されるのは自分なのかもしれないという恐怖心を植えつけられます。
この恐怖に耐えられなくなった人たちが、生き残るために殺し合いを始めてしまいました。
理性を保っていた人たちは、外部の助けを求めるために無線室へ向かいます。
なんとか無線室にたどり着いた人たちを出迎えたのは、盛大な拍手でした。
そこには、ロクサーヌの占いに従って「野兎走り」の舞台を用意した8人の政府関係者たちとロクサーヌ本人がいました。
彼らの後ろには、ネッドが平然と立っています。
生き残って無線室にたどり着いた“野兎”は5名。
国籍は、フランス、イタリア、アメリカ、ソヴュール、アラブ某国(リィの祖国)です。
そして“猟犬”であるネッドのイギリス。
「野兎走り」は、第一次世界大戦の勃発を阻止するためのいけにえに殺し合いを演じさせることが目的ではなく、戦勝国を占ってその後の政治を動かすためのものだったようです。
ジュリィたちは占いの道具にされただけでした。
ジュリィはそのショックから立ち直れずにサナトリウムで療養することになりました。
占いに従って“太らせる”ために大金を渡されて。
退院したジュリィは、渡された大金を元手に、復讐の舞台となるQueen Berry号を用意し、「箱庭の夕べ」を催しました。
これに招待されたネッドは、自分が“野兎”になってしまったことを知って混乱した結果、生き残るために再び“猟犬”を演じたのでしょう。
真実が明らかになった後、取調室から連行されるジュリィは、廊下で一人の女性とすれ違います。
逃走していたロクサーヌ殺しのメイドです。
このメイドがリィでした。
リィは、そもそもの発端である占い師・ロクサーヌを殺害することを選択したようです。
そのことに気付いたジュリィはつぶやきます。
「リィもやったのね。10年後の復讐を」
サブタイトルにある朝陽の下で約束をかわすシーンは描かれませんでしたが、この台詞からすると、「野兎走り」を生き残った人たちは10年後の復讐を誓い合って別れたようです。
実際に実行したのはジュリィとリィだけでした。
その後。
グレヴィールが今回の件の手柄を独り占めしたことを知った一弥がヴィクトリカの元に慌ててやって来ます。
ヴィクトリカはいつものことと思っているのでしょう。
まったく意に介していません。
「兄は俗物だからな」
さらっとすごいことを口にしました。
ヴィクトリカはグレヴィールの妹だったようです。
ただし実の妹ではなく、腹違いの妹。
グレヴィールの母はブロワ侯爵の正妻で、ヴィクトリカの母は政府ににらまれた危険人物かつブロワ侯爵の妾(めかけ)だった女性。
そのため、ヴィクトリカはブロワ家で幽閉されて育ったようです。
聖マルグリット学園に入れられてからは、ブロワ侯爵の許可がなければ図書館屋上の植物園から出られない生活を送っていました。
ヴィクトリカは自嘲気味に言います。
「私は捕らわれの姫なのだよ」
「そういうわけで姫は退屈している。キミ、ちょっと下界に降りて不思議な事件を探してこい」
突然こんなことを言われて困ってしまう一弥でしたが、「ただでさえ少ない友達が1人減ってしまうぞ」と言うヴィクトリカの言葉を聞いて嬉しくなってしまいます。
自分の出生の秘密をこともなげに打ち明けてしまうくらい、ヴィクトリカの一弥に対する信頼感は今回の件で大きくなったようです。
最後に、ヴィクトリカは一弥にもたれかかるように眠りについてしまいました。
そんなヴィクトリカのあどけない寝顔を見つめながら語りかける一弥。
「いつかまた2人で外に出かけよう。そして、また海にきらめく光を見よう」
「約束だぞ」
どうやら狸寝入りだったようです(^^;
ということで、優れた頭脳を持ちながらも外の世界を知らない少女と、生真面目で融通が利かないところもあるけれど憎めない性格の少年のコンビが誕生。
ゆるい推理劇(?)とキャラの魅力で今後も楽しませてくれそうです。
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