2011年02月13日

今週の一本 その2(2011/2/6~2/12)―『GOSICK―ゴシック―』第6話

今回は、ヴィクトリカが母の無念を晴らす話のイントロダクション。

ヴィクトリカの母はコルデリア・ギャロという人物で、かつて大罪を犯してしまったことになっています。
第3話で明かされたように、そのことを知らなかったブロワ侯爵はコルデリアを妾(めかけ)にしました。
コルデリアが灰色狼の村の出身だと知り、灰色狼の特殊な力を一族の血に入れたいと願ったためのようです。
ところが、コルデリアが罪人だとわかり、ブロワ侯爵は自分の過ちに気付きます。
コルデリアは逃げ、残された娘・ヴィクトリカは塔に幽閉されて育てられることに。

ヴィクトリカは自分が生まれてきたことを後悔しているようです。
でも、夏至祭を祝うために灰色狼の末裔に呼びかける三行広告を見て、ある決意を固めました。
ヴィクトリカは母が罪を犯したとは考えていないので、灰色狼の村に乗り込んで母が無実だと証明しようとします。
許可がなければ学園から出られないという禁を破ってまで、灰色狼の村へ向かいました。
もちろん一弥とともに。

たどり着いた村は、まるで城塞都市のようで、不穏な雰囲気をたたえていました。
しかも、ヴィクトリカの容姿は母にそっくりなので、出迎えた村人たちに剣を向けられることに。
いきなり窮地に陥ってしまいました。
その場を収めたのが村の長老です。
メッセージを読んでやって来た子孫なのだから追い出すことはないだろうと言って、ヴィクトリカを迎え入れてくれました。
最後にとんでもない一言を付け加えて。
「たとえこの娘の母コルデリアが人殺しであろうともな」

ということで、なかなか興味深い出だしとなった今回のエピソード。
でもやはり、一番の見どころはヴィクトリカの描かれ方です。
全編にわたってかわいい描写がてんこ盛りです。
顔面ゴケしたり、デコピンされて涙ぐんだり、寝ぼけて恥ずかしい寝言を言ったことに気付いて真っ赤になったり、などなど。
制作側は、視聴者に何を見せるべきなのかよくわかっていますね(^^;

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2011年01月22日

今週の一本(2011/1/16~1/22)―『GOSICK―ゴシック―』第3話

今回は、Queen Berry号で起こった事件の解決編。
船上での死闘が描かれた後、ヴィクトリカが無線室からモールス信号で「SOS」を発信して救助を要請。
最後に、ヴィクトリカの推理と、今回の件を計画して実行した犯人の証言という形ですべてが明らかになりました。
でも一番の見どころは、事件の真相よりも、ヴィクトリカの描かれ方でしょうか。
どうやらこのアニメは、ヴィクトリカを愛でる作品のようです(^^;


ということで本編。

前回ラストの銃声は、想像どおりモーリス以外の人物によるものでした。
でもここで予想に反してジュリィとネッドの行動にすれ違いがあるような描写が。
予想では、この2人は共謀していて、リィも船内に隠れて陰から支援していると思っていたのですが、そうではなかったようです。
3人はそれぞれ個別に行動していました。
「箱庭の夕べ」に招待されていたロクサーヌが事前に殺されてしまった理由も、リィが単独で動いていたのなら納得できます。

最終的に、自分の身を犠牲にしてでもヴィクトリカを救おうとした一弥の活躍もあり、ヴィクトリカ、一弥、ジュリィの3人だけが生還することになりました。
ジュリィは目的を達成したものの、港に戻ったところでグレヴィールを筆頭にする警官隊に囲まれ、逮捕されてしまいました。
そして、ジュリィの取り調べに立ち会ったヴィクトリカとジュリィ自身の言葉で真実が明らかになります。


10年前。
ジュリィやリィをはじめとする、国籍の異なる11人の孤児たちがQueen Berry号に乗せられました。
彼・彼女たちは状況を把握できずに混乱します。
そうこうするうちに最初の犠牲者が出ることに。
前回の回想シーンではこの犠牲者だけ血を流していなかったので不思議に思っていたのですが、彼は殺されたことを装うことで、残りの10人を心理的に追い詰める役割を果たしたようです。
これが10年前のネッドでした。
残された10人は、自分たちの中の誰かが殺人鬼で、次に殺されるのは自分なのかもしれないという恐怖心を植えつけられます。
この恐怖に耐えられなくなった人たちが、生き残るために殺し合いを始めてしまいました。

理性を保っていた人たちは、外部の助けを求めるために無線室へ向かいます。
なんとか無線室にたどり着いた人たちを出迎えたのは、盛大な拍手でした。
そこには、ロクサーヌの占いに従って「野兎走り」の舞台を用意した8人の政府関係者たちとロクサーヌ本人がいました。
彼らの後ろには、ネッドが平然と立っています。

生き残って無線室にたどり着いた“野兎”は5名。
国籍は、フランス、イタリア、アメリカ、ソヴュール、アラブ某国(リィの祖国)です。
そして“猟犬”であるネッドのイギリス。

「野兎走り」は、第一次世界大戦の勃発を阻止するためのいけにえに殺し合いを演じさせることが目的ではなく、戦勝国を占ってその後の政治を動かすためのものだったようです。
ジュリィたちは占いの道具にされただけでした。

ジュリィはそのショックから立ち直れずにサナトリウムで療養することになりました。
占いに従って“太らせる”ために大金を渡されて。

退院したジュリィは、渡された大金を元手に、復讐の舞台となるQueen Berry号を用意し、「箱庭の夕べ」を催しました。
これに招待されたネッドは、自分が“野兎”になってしまったことを知って混乱した結果、生き残るために再び“猟犬”を演じたのでしょう。


真実が明らかになった後、取調室から連行されるジュリィは、廊下で一人の女性とすれ違います。
逃走していたロクサーヌ殺しのメイドです。
このメイドがリィでした。
リィは、そもそもの発端である占い師・ロクサーヌを殺害することを選択したようです。
そのことに気付いたジュリィはつぶやきます。
「リィもやったのね。10年後の復讐を」

サブタイトルにある朝陽の下で約束をかわすシーンは描かれませんでしたが、この台詞からすると、「野兎走り」を生き残った人たちは10年後の復讐を誓い合って別れたようです。
実際に実行したのはジュリィとリィだけでした。


その後。
グレヴィールが今回の件の手柄を独り占めしたことを知った一弥がヴィクトリカの元に慌ててやって来ます。
ヴィクトリカはいつものことと思っているのでしょう。
まったく意に介していません。
「兄は俗物だからな」
さらっとすごいことを口にしました。
ヴィクトリカはグレヴィールの妹だったようです。
ただし実の妹ではなく、腹違いの妹。

グレヴィールの母はブロワ侯爵の正妻で、ヴィクトリカの母は政府ににらまれた危険人物かつブロワ侯爵の妾(めかけ)だった女性。
そのため、ヴィクトリカはブロワ家で幽閉されて育ったようです。
聖マルグリット学園に入れられてからは、ブロワ侯爵の許可がなければ図書館屋上の植物園から出られない生活を送っていました。

ヴィクトリカは自嘲気味に言います。
「私は捕らわれの姫なのだよ」

「そういうわけで姫は退屈している。キミ、ちょっと下界に降りて不思議な事件を探してこい」
突然こんなことを言われて困ってしまう一弥でしたが、「ただでさえ少ない友達が1人減ってしまうぞ」と言うヴィクトリカの言葉を聞いて嬉しくなってしまいます。
自分の出生の秘密をこともなげに打ち明けてしまうくらい、ヴィクトリカの一弥に対する信頼感は今回の件で大きくなったようです。

最後に、ヴィクトリカは一弥にもたれかかるように眠りについてしまいました。
そんなヴィクトリカのあどけない寝顔を見つめながら語りかける一弥。
「いつかまた2人で外に出かけよう。そして、また海にきらめく光を見よう」
「約束だぞ」
どうやら狸寝入りだったようです(^^;

ということで、優れた頭脳を持ちながらも外の世界を知らない少女と、生真面目で融通が利かないところもあるけれど憎めない性格の少年のコンビが誕生。
ゆるい推理劇(?)とキャラの魅力で今後も楽しませてくれそうです。

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2011年01月15日

今週の一本(2011/1/9~1/15)―『GOSICK―ゴシック―』第2話

前回のロクサーヌ殺害事件の流れで、Queen Berry号で催される「箱庭の夕べ」に紛れ込んだヴィクトリカと一弥。
そこで、10年前の惨劇を再現するかのような事件に巻き込まれてしまいました。

この作品の時代設定は1924年ということなので、10年前といえば1914年。
ロクサーヌはかつて「1人の青年がもうすぐ死ぬだろう。その死がすべての始まり。世界は石となり、転がり始める」と占いましたが、これはサラエボ事件と第一次世界大戦の開戦のことではないでしょうか。

開戦を阻止するため、いわば生け贄というかたちで、11人の少年少女たちが“野兎”としてオリジナルのQueen Berry号に集められ、殺し合いを演じさせられてしまいました。
この惨劇を生き残った何人かが復讐を企てたようです。

「箱庭の夕べ」に招待されたのはすべて10年前の事件の関係者のようです。

ということで、今回は、ヴィクトリカと一弥をはじめとする招待客たちがこの復讐劇で翻弄される様子が描かれました。

食事に盛られていた睡眠薬で眠らされた一同は、とある船室に閉じ込められてしまいます。
ここでヴィクトリカがあることに気付きました。
食事の席にいたのは全部で11人だったのに、部屋にいるのは12人。
どうやらこの中に犯人も紛れ込んでいるようです。

ここまできてようやく事態を把握した招待客たちは、動揺して部屋から出ようとしますが、さっそく1人がトラップにかかり死亡。
Queen Berry号から逃げ出そうと、嵐の海に救命ボートで出た6人もあえなく溺死してしまいました。
残ったのは、ヴィクトリカ、一弥、ジュリィ、ネッド、モーリスの5人だけ。

ここまでで不思議な言動をした人物が2人います。
1人はジュリィ。
閉じ込められた部屋のドアに鍵がかかっていると言って全員を部屋の中にとどめておこうとしたり、一時停電の後に壁に書かれた血文字にいち早く気づいて悲鳴をあげたり。
それによく見ると、10年前の回想シーンにも、褐色の肌の少女(ロクサーヌのメイド?)と並んで登場しています。

もう1人はネッド。
残った5人が外部と連絡を取ろうとして無線室に向かう途中、エレベーターに乗り込もうとした一弥を引き留めています。
その直後にエレベーターのロープが切れてかごが落下しています。
おそらく、10年前の事件の関係者であるモーリスが最初に乗り込もうとしていれば引き留めなかったのではないでしょうか?

最後は、精神的に追い詰められて平常心を失ったモーリスが、「殺される前に殺してしまえ」とばかりに、船内に隠されていた銃を手にしてほかの4人に銃口をむけました。

ここで一弥が男らしい一面を披露。
帝国軍人の三男として、ヴィクトリカを生還させる責任があると言って、銃を構えるモーリスとヴィクトリカの間に割り込み、ヴィクトリカを守ろうとします。
これを見て、ヴィクトリカの一弥に対する偏見(仕切り屋で屁理屈こきの留学生)に変化が現れたようです。

そしてラスト。
轟く銃声を残してエンディングです。
一弥が撃たれたような緊張感を残して次回へ続く、となりました。
でも、おそらくこの銃声はモーリス以外の人物によるもので、モーリスが撃たれたのでしょう。
ベタな演出ですが悪くはないです(^^;

次回は「野兎達は朝陽の下で約束をかわす」
10年前の惨劇を生き残った人たちが復讐を誓って交わした約束を明かして、事件の真相が明らかになるのでしょうか。
今回の件の「解決編」となりそうです。

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2011年01月08日

今週の一本(2011/1/2~1/8)―『GOSICK―ゴシック―』第1話

今期は『フラクタル』や『魔法少女まどか☆マギカ』のようなキワモノ(?)があるものの、特に期待できる作品はないと思っていました。
ところが、昨日の『夢喰いメリー』がおもしろそうだったのに続いて、またまた引き込まれる作品が2本立て続けに来ました。

『魔法少女まどか☆マギカ』は脚本と音楽で一気に引きこまれるなかなかの出来。
そしてこの『GOSICK―ゴシック―』もキャラの魅力をうまく引き出す作りに見入ってしまいました。

内容のほうは、頭脳明晰で謎めいた少女・ヴィクトリカがメインの推理物のようです。
とりあえず第1話の段階では、グレヴィール警部が持ち込んだ事件をヴィクトリカがみごと解決。
その流れで、この事件のさらなる真相にかかわることになってしまうヴィクトリカと久城一弥(くじょう かずや)が描かれました。
導入エピソードとしてはかなりいい感じだったと思います。

ヴィクトリカは、状況説明を受けることでミス・マープルのように推理を展開したり、ホームズのようにパイプをくわえたりと、いわゆる名探偵の影響を強く受けてつくられたキャラのように思えますが、なぜか図書館の最上階に閉じ込められて(?)いたり、幼さを残していたりと、なかなか興味深いキャラになっていました。
ヴィクトリカの相棒となる一弥のほうは後先考えずに自分が正しいと思ったことを貫き通す実直なキャラのようで、ヴィクトリカといいコンビになりそうです。

次回からいよいよストーリーが本格的に動き出しそうなので、ちょっと気合を入れて観ていこうと思います。

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